桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・5・29

2013年05月30日 | Weblog
常連のF子ちゃんに山梨の母上が湯掻いた山菜を一杯貰ったのでどんな料理にしようか色々考えた末に、母との老老ランチに昆布茶とバターを使った和風パスタにして食べてみた。山菜が黒いパスタみたいで、まぁまぁの出来。それを食べながら母は、こんなにお客さんから親しまれているんだからお店がずっと続くといいわねと言ってくれたが、この半年で200万近い赤字をくらったので、5月は人件費をゼロにしてひとり営業してきたのに(いやひとり営業をしているからだと云う説もあるけど)最盛期には400万、駄目な時でも200万にはなった一月の売上が今月は後二日を残して100万にも達しないという現実にもう完全にギブアップ。このまま行ったら人件費ゼロでも毎月50万の赤字が累積していくのだから身動きがとれない状態になることは目に見えている。だから一刻も早く店を閉じるべきだと云う声が聞こえてくるけど、イベントの予約が入っている11月上旬までは何がなんでも店を続けなくてはいかず、その為には交渉を重ねてきたS金融公庫からの融資を受けることが必至で、再度の打ち合わせに備えて母の処を出てから東京法務局に印鑑証明書と会社謄本を貰いにいく。そしてせめて残りの二日間で売上百万だけは確保したく、大根のふろふきトッピング、手羽先の塩焼き、オニオンスライスとカイワレ大根とミニトマトのサラダなど七種類の料理を用意してお客さんを待つ。だが、お客さんがくる気配はない。仕方なく「二流小説家」の再読。不思議だ。この間読んだ時には翻訳文体が俺のリズムと会わないと文句言っていた癖に今回はとてもスムースに入ってくる。9時すぎに人妻Iちゃんが顔を出してくれるまでに150頁余り。読めてしまった幸せと(お客さんがいなくて)読めてしまった不幸せ。いや、断然後者の濃度がつよくて、その後も12時までいらしたお客さんは定年後小劇場マニアになったSさんだけ。当然売上も一万円にならず、月売上も百万円にも届かず。それにしてもそれにしても今週に入って三日間のトータルでお客さんは何と6人、売上は二万円強‥‥やってられません!