とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

豊後森の町散策

2012-10-07 10:45:39 | 写真日記

機関庫を撮影する以外にそれほどの期待をしていなかった森町だったのですが、非常に興味深い町でした。

車で移動する際には見逃してしまうけど、歩けば意外と面白いものが目につくそんな町でした。

  

 

昨日のブログにも書きましたが、「童話の里」というネーミングが気になっていました。

そこで久留島記念館をめざすことにしました。

なんでも日本のアンデルセンと呼ばれた久留島武彦の記念館だそうです。

車を停めて煉瓦通りを歩いていると右手に久留島記念館が見えてきました。

「すみません!」と何度も声をかけますが、なかなか出てきません。

向かい側のお店の人が見るに見かねて声をかけてきました。

やっと出てきた人は、感じのいいご年配の男性でした。

さっそく案内していただいたのですが、ていねいにとても詳しく案内をしていただきました。

大変長い話だったのですが、端折って説明すると以下のようになります。

明治7年(1874年)、大分県玖珠郡森町の久留島藩邸で生まれた久留島武彦は、

17年の大火で藩邸が消失したため、母の実家である中津市に移り住みます。

そこで小学校時代、中学校を過ごし、S・M・ウエンライトと出会い、3年のときに彼に誘われてウエンライトの転勤先である関西学院の神学部に転校します。

このことが彼の人生を大きく変えていきます。キリスト教の洗礼を受けたため勘当されてしまい、苦労されたようです。

軍隊生活を経て、帰国後は神戸新聞、大阪毎日新聞、横浜貿易新報、東京中央新聞などで活躍します。

子ども向けに戦記物など書かれて講評を博していたようです。

やがて、童話の世界にめざめて会社をやめ口演童話の普及に全勢力をつぎこむことになります。

86年の生涯の60年も口演童話の世界で過ごすことになります。

その間、東京に早蕨幼稚園を開設したり、幼児教育にも力をつくしたようです。

「子どもたちにとってお話は、遊びの道具ではない。彼らがその置かれた環境を解釈し、共鳴し、思索、研究するための真剣勝負の材料である。

文学的基礎の上に立つことは否定できないが、文学としてだけ取り扱うことは適当ではない。

大人の見地からは、文芸の一つだろうが、子どもたちからからみれば、主要な生活要素の一つである。」(『ある手紙』より)

頼まれればどんな所へでも出かけたようです。訪ねた幼稚園、学校は6,000校を超えるともいわれ、日本中足を踏み入れていないところはないとまで言われています。

「身動かざる者は心働かず」これが久留島先生の口癖だったそうです。(反省しろってか?)

若き日、師ウエンライトから「人を牧する人間になれ」と教えられた久留島武彦は、まさにその言葉どおり、一生をかけて子どもたちを育てたのかもしれません。

お話という子どもたちにとって真剣勝負の材料を使って久留島武彦という人は、童話家である前に教育者だったようです。

こんな人がいたとは全く知りませんでした。

またこの久留島という殿様はもともとは村上水軍の末裔で、瀬戸内海を思う存分暴れていたそうです。元々は愛媛の来島が名字だったようです。

関ヶ原の戦いの後に、豊後森藩に移封された後に、幕府からにらまれるのを恐れて来島から久留島に改名したという話も興味深いものでした。

1万4千石の小さな大名が270年間取りつぶしもなく生きていくというのは並大抵のことではなかったと思います。

次に向かったのは「わらべの館」です。ここは、子どもたちの文化をたいせつにした町づくりをしている象徴でもあります。

図書館を併設していて2階は日本中の民芸玩具を集めた記念館になっていました。

この日も絵本作家の講演会が予定されていました。

さらに町を散策すると、古い街並みを生かしたかざりつけなどが目に着きます。

 

スーパーも商店も新しいものをなるべく排除して町づくりに努力していることが窺われます。

この町を維持することは大変なことだと思います。

 

 

昔の看板も目に着きます。

私は子どもの頃由美かおるさんの看板にドキドキしたことを覚えています。

  

白い建物はもとの森町郵便局だそうです。現在は喫茶店を経営されているようです。

店の前には鬼がでーんと立っています。「勇気」って何だ…?

 

古い家並の向こうにグランドキャニオンがそびえ立っています。

次回はそこらへんを書いていきます。

 

 

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