季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

楽語

2015年11月20日 | 音楽
ドルチェ=優美に
グラツィオーソ=優雅に

こう覚えて試験対策を整え、あとは何となく過ごす。

だが優美、を調べてみると(ふつう見ないね。意味はきちんと理解しているから今さらね)上品で美しいこと、派手でない美しさ、とある。

優雅、を調べると、上品でみやびやかであること、やさしい美しさがあること、である。

まことにごもっとも、としか言いようがない。説明の方が難しいような気さえする。

辞書によっては優雅の意味に優美であること、と載っている。

ではドルチェとグラツィオーソはほぼ同じことなのだろうか?

だがそんな詮索をする人は少ない。ドルチェだろうとグラツィオーソだろうと、何となく横目で追って弾いてしまう。

ショパンにはアダージョはほとんど無い。ラルゴは多い。ラルゴならヘンデルにも見かけるのにベートーヴェンやブラームスでは数えるほどしか見かけない。

テンペストの冒頭がラルゴだが、次にゆっくりになるとアダージョになっている。

楽典的な「知識」はほとんど役に立たない。あらゆる楽語は発想記号と見なしておいて間違いない。

プレストとヴィヴァーチェとどちらが速いのか、という話ではない。