超級龍熱

香港功夫映画と共に

呉鎮宇があの『残酷ドラゴン/血斗龍門の宿』のリメイク『追影』で導演に挑戦!?

2008-11-30 12:19:59 | ニュース
この週末は珍しく?『REC/レック』と『ゾンビ2009』という2本のホラー映画を観てみました。『REC』は噂通り良く出来た新感覚のホラー映画でしたが、私自身は序盤から中盤にかけてはある程度予想出来る展開で「まあこんな感じかな?」と言った印象でした。ただやっぱりあのラストの最上階の部屋の中の展開はもう怖いと言うよりも正直言って本当に気味が悪かった!(苦笑)。あのシーンは劇場で観ていたらそりゃ相当キツイと思いますねえ。
そういう意味では新時代ホラー映画の秀作と言っていいかも。
で、もう1本の『ゾンビ~』なんですが、これがまた超B級映画な上に、これってフィリピン映画か何かじゃないの?
無理矢理に英語吹き替えにしてるけど。でも私がビックリしたのがこの映画物語展開がまんま『エイリアン2』なんですよ!いや物語どころか劇中の主人公(当然リプリー的な女性が主役!)たちの台詞展開まで殆ど一緒なんですねー!いやパクリもここまで来ると逆に立派だわ(笑)。
そうは言いながらも、私もB級アクション映画&エイリアン系列が大好きなんでついつい最後まで観ちゃいました(苦笑)。あ、最後にはお約束のエイリアン・クイーンならぬ超グロなモンスターが出てくるのでご注意を。

さて、既にご存知の方もいらっしゃるように、あのフランシス・ンこと呉鎮宇が導演に挑戦するとの事で、その作品もアジア映画ファンなら知らない者がいないあの巨匠キン・フー導演の代表作『残酷ドラゴン/血斗龍門の宿』(67)のリメイクだそうでちょっとビックリですね。
この呉鎮宇導演予定作品は既に仮題名も『追影』と決まっているそうですが、『残酷ドラゴン~』と言えば、92年に徐克も梁家輝、林青霞、さらには我らがドニー兄貴やマギー・チャン、ついでに熊欣欣主演で『ドラゴン・イン/新龍門客桟』としてリメイク(ただしキン・フー御大には無断で!)していますね。
まあ私としてはキン・フー版も徐克版もどちらも大好きな映画なので、今回の呉鎮宇導演による同作リメイクには正直戸惑っている感じなんですが、ただ今回の『追影』は一応『残酷~』が持つ数々の武侠片の要素は盛り込むものの、全くのリメイク作品とはならないそうで、そこは青年導演?のフランシス監督の手腕に期待したいところですね。
フランシス導演自身はこの『追影』のキャストには梁朝偉や劉徳華を希望しているそうですが、どうせなら前回の徐克版で実際に衣装合わせまでしながら(コスチューム写真も現存!)幻のキャストとなったジェット・リー、ミシェル・ヨー、マックス・モク主演でリメイクっていうのも面白いと思うんだけどなぁ!?
余談ですが、故キン・フー導演と言えば、その何本もの作品で韓国ロケを敢行した事で知られていますが、私は以前からキン・フー導演作品にも必ず韓国バージョンが存在するはずだ、と強く確信していたんです。
で、最近そのキン・フー導演作品の韓国バージョン(少なくとも2本)に関する貴重な資料を入手出来たので、今後更なる探求を進めた末には当ブログでも何らかの形で紹介したいと思っています。
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回想~李小龍(之五) “世紀の闘神”李小龍、生誕68周年!我が心の『死亡的遊戯』

2008-11-27 12:38:54 | その他
さて、「超級龍熱」開設2周年記念特別企画として続けて来ました「回想~李小龍」も今回の第5回が大結局、フィナーレとなります。何故なら今日は“世紀の闘神”ブルース・リーこと李小龍の68回目の誕生日であり、今日この日を目指して続けて来た「回想~李小龍」なわけですから、当然今日が大結局という事になります。
回想~李小龍・・つまりリーさんの思い出を熱く語る企画のラストに私、龍熱が思い出すのが今から8年前のあの日の事です。そう、私のリーさんの映画の中で一番大好きな映画『死亡遊戯』の本当の意味での全貌が明らかにされた作品『BRUCE LEE in G.O.D/死亡的遊戯』(00)を初めて観た日の事を「回想~李小龍」の文字通りラストの“回想”として語りたいと思います。
あの日、私は映画雑誌「映画秘宝」の編集部の人たちに誘われて、都内某所で行われる『GOD』の初号の試写へと向かいました。勿論、その日まで全く『GOD』に関する映像は観ていませんし、僅かな予備知識として得ていた情報も「前半はセミ・ドキュメントのドラマ形式である事、そして後半に五重塔内のファイト・シーンが登場する事、そのファイト・シーンは“約40分”ある事」と言ったほんの僅かな情報だけでした。でも私はその僅かな情報の断片である“約40分のファイト・シーン”の部分に過敏に反応していたんです。
「40分!?いくら78版『死亡遊戯』のリーさん本人の約11分のファイト・シーンに田俊や陳元のシーンが追加されたからと言って・・そんな40分ものファイト・シーンがあるわけがない!」これが私の『GOD』を観る直前までの率直な思いでした。確かに『GOD』完成以前に香港で2度行われた『死亡遊戯』の「ラフカット上映ツアー」から帰って来た知り合いのリー信者たちから「いや~ラフカットは「ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!」の龍熱さんの記事「闇の中に誰も知らない『死亡遊戯』を見た!」と殆ど同じ展開でしたよ!」などと言った大興奮状態の報告を受けていたとは言え、実際に『GOD』の映像自体を観ていない私にとってはまだ半信半疑だったわけです。
余談ですが、上記の2度に渡る『死亡遊戯』の「ラフカット上映ツアー」には私も是非行きたかったのですが、その時期はまさに拙著「香港功夫映画激闘史」執筆の真っ最中(「~激闘史」の原稿は全て書き下ろしでした)だったりと諸事情があって、どうしてもこの時期に香港に行く事は出来なかったのでした。
さて、いよいよ『GOD』の試写会場に到着し席に着いた私は、以下の4つの事柄をチェックしながら『GOD』の初観賞に挑む事を決めていました。

(1)冒頭部分が欠落しているとされる“虎殿”のシーンはどのように始まるのか?
(2)イノサントを倒したリーさん、田俊、陳元がどのような(会話を交わして)形で“龍殿”への階段を上がるのか?
(3)“龍殿”でリーさん、田俊、陳元がお互いに牽制し合いながらどう池漢載と闘うのか?
(4)ジャバールを倒した後、リーさんがどのような行動をとるのか?さらに最上階への階段を上がるのか?

でもこれらのチェック項目も実際に『GOD』のクライマックス・ファイトのシーンになり、リーさんとイノサントのこれまで私が一度も観たことがない会話シーンがスクリーンに映し出された時にはもう頭の中が真っ白になってしまい(苦笑)、後はただひたすら映画の最後までスクリーンに観入ってしまい、何とか途中一度だけ例の“40分”を確認するために腕時計を観た事だけは覚えているほどでした。
もう全てが素晴らしかった!これが私の『GOD』を観終わった直後の感想でした。
さらに強く心の底から思ったのが「よくぞ間に合ってくれた!よくぞこの映像が今の今まで残っていてくれた!」という大感激の思いでした。ただ実際この『GOD』と言う作品に関しては、前半のドラマ部分の甘さや、クライマックスの五重塔内のファイト・シーンの編集方法に問題があるなどのバッシングは的を得ていると私も思います。
でも、それでも私はこの『GOD』を“世紀の闘神”ブルース・リーの本当に久しぶりの“劇場公開作品”として、文字通りリアル・タイムで観れた最高の思い出を今この瞬間も私自身の心の中に大切にしまってありますし、それは今後も決して消える事はないでしょう。
そしてこの8年前の“GODフィーバー”をいま改めて思い起こした際、あの時劇場の大スクリーンの中で黄色いトラックスーツに身を包んだリーさんが“闇の中の生涯最大の敵”との闘いに挑んでいくその“最後の雄姿”を目の当たりにした時、私は心の中で力一杯こう叫んでいました。
「ああ、これが本当の『死亡遊戯』だったんだ・・やっぱりブルース・リーが最高なんだ!ブルース・リーこそ世界最強なんだ!」と。

ブルース・リー、いえリーさん、68回目のお誕生日、おめでとうございます!私たちはこれからも貴方の事を決して忘れません。そして今後もこれまでと同じように貴方の事を語り継いでいきます。どうか天国で安らかに・・。
誠意献給一代巨星、李小龍!
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熱風!韓国LEGENDS⑭ 女烈士闘日本黒社会!胡慧中&張勝和主演『関東太陽会』

2008-11-26 00:00:24 | 熱風!韓国LEGENDS
昨日は友人にDVDを送って貰ったまま中々観れずにいたクンフー映画の名伯楽である徐小明導演最新作『奪標』を観たんですが、これがまさに本格派武打片の最高峰でしたねー!!
映画はオリンピック出場が危ぶまれる中国団の選手たちが自分たちの誇りである“中国武術”を駆使してその困難を乗り越えていく、という展開です。もう劇中で展開される干榮光(太極拳!)vs徐向東(鷹爪功!)、謝苗(あのリンチェイの“息子”が立派に成長して帰って来た!)vs張衛健のド迫力の螳螂拳合戦、さらにはドニー兄貴の『ワンチャイ外伝/アイアン・モンキー』(93)で戦慄の女刺客・鬼面使に扮していた李輝(実際はとても美人。輝の字異なります)の華麗なる太極拳の舞い!ともうクンフー映画ファンのみならず中国武術ファンには大興奮シーンの連続です!
それにしてもあの子役で洪文定とかやっていた謝苗君がこんなにカッコイイ武打星になった姿をまた見せてくれるなんて本当に感無量ですし、これは是非リンチェイ迷の方々にも観て欲しい映画ですね。
あと個人的には懐かしの武打星である徐向東がまだまだ元気な姿で気迫漲る鷹爪功の大家役に扮していたのが嬉しかったなぁ!

さて、「熱風!韓国LEGENDS」第14回は、以前から是非レビューしたいと思っていた台湾&韓国コラボによる抗日武打片で、羅棋導演、シベール・フーこと胡慧中&チャン・スンファこと張勝和主演『関東太陽会』(93)です。
実はこの『関東~』には題名を『野望の大陸』(92)という韓国バージョンが存在していて、韓国バージョンは当ブログではお馴染みのイム・ソンこと林善が導演を担当しています。ちなみに製作側のクレジットの1人に張一道の名前があったのにビックリでした。
今回私がレビューに使用したのは大陸版のVCDなんですが、私が15年ぐらい前に観た台湾版のVHSに比べると残虐シーンがかなりカットしてありましたね。映画的には典型的な抗日武打片で、日帝の猛威が吹き荒れる中国を舞台に胡慧中演じる中国人の烈女と、平壌から来た韓国人の張勝和(長身から繰り出す廻し蹴りはド迫力!)の2人が悪辣な日本人金井政雄(慕思成)相手に決死の闘いを挑んでいく展開です。
また台湾バージョンで武術指導を担当している元張家班のチェン・ティンチー(日本人の悪漢として出演も)の素晴らしい殺陣構成もあって、劇中での武打シーンはそれなりの完成度を誇っています。
さらにその出演陣も主役の2人の他に台湾側から常山(大拍手!)、鄭浩南(序盤でアッサリ殺されるけど)。韓国側からチャン・ソヒこと張端希、権成榮(韓国バージョンでは武術指導も担当!)、宋金植など中々豪華な面子が揃っています。ただ以前にも言ったかと思いますが、この映画の最大の見せ場はラストで胡慧中や張勝和たちが金井一派が待ち受ける道場に乗り込んでの延々約10分間にも渡って展開される鮮血に塗れた道場ファイトで、ここではまず権成榮が倒れ、宋金植が倒され、日本人側も常山が大暴れした果てにこれも倒され、最後は胡慧中&張勝和vs日本刀を手にした慕思成の激突となります。
この乱戦での胡慧中は何故かベレー帽に中国服、手には拳銃とナイフ、さらにはパチンコ玉まで用意すると言う重装備(苦笑)で、最後は大激闘の果てに張勝和の猛攻に金井政雄は倒されます。ところが、闘いを終えた胡慧中と張勝和が玄関に姿を見せると、そこには日本軍の無数の銃口が待ち構えています!
それを見た胡慧中と張勝和の2人はお互いにジッと見つめ合うと意を決したように「いやあああ!」と絶叫を残し日本軍に向かって飛翔!そこに日本軍の非情な銃声が鳴り響き劇終です。
何処かで観たエンディング・・そうです!この『関東太陽会』はリーさんの不朽の名作『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)のエンディングにおけるあの伝説的かつ感動的な“精武英雄”陳真の大飛翔のエンディングをコピーしているんですね。
胡慧中は90年代序盤には数多くの動作片に主演していますが、それら無数の主演作の中でもこの『関東太陽会』は特に強烈な印象を残す作品だと思います。

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回想~李小龍(之四) 本当に幻なのか・・・『ドラゴン怒りの鉄拳』予告編の行方

2008-11-25 13:42:28 | その他
さて、密かにこの企画を楽しみにして頂いている方多しの「回想~李小龍」第4回ですが、今回はリーさんの事実上の最高傑作と言われている『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)をテーマに語りましょう。
これはかなり以前に私も某社から出版されたリーさん本でも触れたのですが、当時と言うか『~怒りの鉄拳』公開前後に1本の予告編、または特報映像が製作されていて、その予告編では上半身裸のリーさん陳真がセット内の階段を駆け下りて来て、そこに待ち構えていたペドロフ役のボブ・ベイカーと「ガガーン!」と肩と肩を打ち着け合うアクションの直後に「『精武門』いよいよ近日公開!」のテロップが入る大興奮の予告編が存在していた、との仰天逸話です。実はこの『~怒りの鉄拳』が公開された70年代の香港映画では、嘉禾公司に限らずショウ・ブラザースでも本編には登場しない映像を盛り込んだ独自の予告編を製作していて、その最も象徴的な予告編が劉家良導演、姜大衛主演作品『螳螂』(78)の劉家班総登場の予告編でしたし、この『~怒りの鉄拳』の予告編にもその手法が取られたとしても決して不思議ではないと思われます。
言うまでも無く、上記のようなリーさん&ベイカーのシーンは『~怒りの鉄拳』の本編にはありませんし、勿論この予告編の所在は現在不明の状態です。ただ上記の予告編と全く同じポーズをリーさんとベイカーが取っている有名なスチール写真は残っていますし、もし本当に存在しているなら是非このリーさんとベイカーの迫力の睨み合いを“動く映像”で観てみたいですねー!
以前に一部で「あの『~怒りの鉄拳』予告編は存在しない」なんて声がありましたが、私のこれまでのリーさん関連の映像探索&収集の経験から言わせて貰えば、リーさん関連の未知の映像の話題で頻繁に挙がる「あの映像は破棄された!」「もう存在しない!」と言う声は殆どアテにならないと思っています。
だって『死亡遊戯』のラフカットしかり、アーナ・カプリ映像しかり、『グリーン・ホーネット』のNGテイクしかり、何だかんだ言っても結局はちゃんと現存していたわけですし、この『~怒りの鉄拳』予告編もきっと近い将来発掘される日を待ちたいですね。

最後にリーさん関連の未発掘映像では、まだ他にも『ドラゴン危機一発』(71)の余りにも有名な“脳天ノコギリ直撃”収録バージョン、『ドラゴンへの道』(72)撮影時の休憩中にリーさんがチャチャチャを踊ったりヌンチャクで戯れる映像、『麒麟掌』(73)の未使用映像(約12分あるとか無いとか)、ロバート・リー撮影による『死亡遊戯』でのリーさん、ジャバール、田俊のフォト・セッション撮影風景モノクロ8ミリ映像完全版(一説には鮮明画像&音声入りで40分あるとか)、そしてヘンリー・ウォン撮影による約9時間にも及ぶ『燃えよドラゴン』メイキング映像などなど、まだまだあるようですし、これからも“世紀の闘神”の遺した未知の映像遺産探索に終わりはないようです。
というわけで、李小龍を語る事は歓びである!「回想~李小龍」、目前のリーさんの誕生日目指してラスト・スパートです!
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マニラに“偽猛龍”の怪鳥音が木霊する!呂小龍導演&主演『黄金喋血』

2008-11-24 13:21:00 | 作品レビュー
さてさて、この連休中はノンビリと過ごしていますが、そんな中先日届いた「映画秘宝」最新号を読んでいたら、何とあのジャスティン・リン監督の『死亡遊戯』完成を目指してのソックリさんキャスティングをテーマにしたコメディ映画『FINISHING THE GAME』が『阿呆遊戯~ブルース・リーを探せ!~』という邦題で来月国内でDVDリリースのようです。
私もこの作品は輸入DVDを持っているんですが、最初の部分を観ただけでストップしてしまったんですよ(苦笑)。
だってねえ・・何か最後まで観るのが気が進まないと言うか怖いと言うか。これで映画の最後に唐龍こと金泰中でも出て来て当時の思い出とか語ってくれたりとかだったら面白いんだけど(苦笑)。
まあもし興味のある方は、とりあえずは来月5日のリリース時にはチェックしてみましょう。

と言うわけでまたソックリさんです(笑)。連休中に久々にリーさんのソックリさん系列映画を1本観ました。
それが呂小龍導演&主演の『黄金喋血』(79)です。この映画は英語題名を『BRUCE THE SUPER HERO』と言うんですが、それこそ長い間中国語原題が不明の作品で、私もこの原題は89年に韓国で発売されていた「韓国ビデオ年鑑89」なる総頁700頁(!)の全作品ジャケット写真入りのカタログ本を観ていて、偶然同作の韓国版ビデオのジャケットに表記されている『黄金喋血』の原題を発見したというわけです。
でも韓国ビデオも勝手に中国語原題変えたりするし、製作年度の79年も呂小龍作品の場合はイマイチ怪しいケースが多々あるので一応は仮題名としておいた方が良いかも知れませんね(苦笑)。
私が今回レビューに使用したのは大昔にドイツのGLORIA VIDEOからリリースされていたVHS(PAL仕様)なんですが、嬉しいことにこのVHSはワイドスクリーン仕様なんです。全編ドイツ語吹き替えであの『燃えドラ』のチープなカバー曲(涙)に乗って始まるオープニングも、以前に出回っていた英語吹き替え版とは微妙に編集が異なり、呂小龍のスチール写真が何度もインサートされるオープニングでしたね。
映画的にはフィリピンはマニラを舞台に、それこそ隠された黄金の争奪戦なんですが、私が面白かったのが映画の中盤でのボロ・ヤンこと楊斯が猛牛と対決する“牛殺し”のシーンかなぁ。だってボロの闘っている牛ってもう相当のお歳の牛みたいで何かフラフラしてるし、最後に牛が倒れるのだってどうも唐突と言うか何と言うか(苦笑)。
でもそうは言いながらも、この頃の楊斯はもう筋肉隆々の上半身で超カッコイイなぁ!
最後は呂小龍vs楊斯戦の後に、もう呂小龍映画ではお約束の呂小龍vs江島戦があるんですが、今回の江島は右腕にコブラの頭が付いた改造ハンドを付けて登場し、呂小龍を苦しめますって・・お前は『仮面ライダー』のショッカー怪人コブラ男かい!(爆笑)。

最後に、呂小龍作品でよくスタッフとしてクレジットされているジョセフ・べラスコ、あるいはロバート・ジェフリーですが、恐らくこの2人は呂小龍の長年のビジネス・パートナーである江洪(ジョセフ・コン)の別名だと思います。
実際に私の友人が以前に呂小龍の事務所(かなり大きな事務所で部屋中に呂小龍の主演作品のポスターが貼ってあったとか)を訪れた際にも、そのオフィス内に江洪も自分の事務所を置いていたそうで、江洪は当時既に年配の男性で物静かな人だったそうです。稀代のソックリさん武打星である呂小龍に関しては、これからも当ブログで様々な角度から検証していきたいと思っています。

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熱風!韓国LEGENDS⑬ 幻の別編集版遂に発掘!申一龍主演『鬼計双雄』韓国版!

2008-11-21 01:32:06 | 熱風!韓国LEGENDS
さて、何時の間にか既に第13回となっている「熱風!韓国LEGENDS」ですが、今回はコアな韓国クンフー映画ファンにとってはまさに衝撃&絶句の激レア別編集バージョンのレビューです。それが嘉禾公司作品で鄭昌和導演、申一龍主演『鬼計双雄』(76)の韓国バージョンである『審判者(韓国題名)』です。
ちょっと前に樂貿影視からリリースされた『鬼計双雄』香港バージョンのVCDは、それまで大昔に台湾で発売されていた同作のVHSを中々観る事が出来なかったファンの方々にとってまさに待望のリリースだったと思いますが、それほど『鬼計双雄』のソフトは長きに渡りレア・アイテムでした。(と言いながら本作には英語バージョンも存在している事が判明しています)で、今回レビューする韓国バージョン『審判者』は当然全編に渡って韓国語吹き替えであるばかりか、まさに韓国クンフー映画コレクター号泣の別編集映像満載のバージョンなのです!!
では、いよいよその大興奮の内容を“本邦初”の形でご紹介しましょう!

まず韓国バージョンは香港バージョンのオープニングとは異なり、主人公の龍健民(申一龍。全編韓国語で正確な物語や役名把握が難しいため香港バージョンの役名に従います)は新聞社の記者で、映画の冒頭で波止場で取材中の健民に健民の父親が殺害されたとの手紙が届き「アボジが死んだ!?」と健民が愕然とするシーンに重なるようにドーン!と『審判者』の題名が漢字で出ます。
勿論この冒頭のシーン、更には暗い表情で車中の人となった健民の姿にハングルのクレジット・タイトルが被さるオープニングは韓国バージョンでのみ観られるシーンであり、香港バージョン『鬼計双雄』では観ることが出来ません。
更に健民が父親の殺害現場に到着すると、何と香港バージョンには登場しない同僚の洪性中とマーチン・チュイが健民を出迎えます。
また健民の上司役をこれまた韓国バージョンのみ出演の李芸敏が演じていて、健民は父親の死の真相を追って韓国から香港に向かう事で別の上司と言い争い、最後は辞表(と思われます)を提出して新聞社を後にします。
で、ですね、実はここからがこの韓国バージョン『審判者』最大の衝撃映像が登場するんですが、何と香港出発前の健民がテコンドー道場に赴き、鍛え抜かれた上半身も露に鉄アレイでの筋トレを披露し、さらにテコンドーの胴着に着替えた健民が道場内でド迫力の連続蹴りを連発しての組み手シーンが登場します!それもこの申一龍のテコンドー・ファイトは、嬉しい事に数秒などではなくスロー・モーション描写も交えて延々と続くんですよー!
いや~私もこれまで色々な韓国クンフー映画の別編集バージョンを観て来ましたが、この『審判者』出演当時はまさに武打星として全盛期にあった申一龍の韓国バージョンでしか観られないこのテコンドー・アクションには流石にちょっと興奮してしまいました(苦笑)。
さらにこのテコンドー道場のシーンの後に、今度は龍健民がクレー射撃(!)を楽しむシーンまで登場し、やっと健民が金浦空港から韓国を飛び立ち香港に向かいます。因みにここまででやっと約11分です。
いやはや良かったぁ、このまま延々と韓国のシーンが続いて張友智役の陳星や陳恵敏たちが最後まで登場しないのかと思いました(苦笑)。この後は多少のカット編集を挟みながらも、ほぼ香港バージョン『鬼計双雄』と同じ展開となりますが、そうは言いながらも物語の随所に韓国の新聞社に残っている設定の李芸敏と洪性中の会話シーンが何度も挿入されたり、健民とインドネシア女優とのキス・シーンが香港バージョンに比べて微妙に編集されて短くなっていたり、香港バージョンでは申一龍と陳星が電話で会話するシーンが韓国バージョンでは申一龍と洪性中の会話シーンへと強引に編集が変えられていたりと、様々な相違点が確認出来ます。
さらに健民の父親が殺害されるシーンの回想場面では、これまた韓国バージョンにしか登場しない趙春が2人組の犯人の1人で登場します。いやそれにしても如何に韓国バージョンと言っても、これほど幾度にも渡って細かく韓国側による別編集映像挿入が施されているバージョンも珍しいですね。
ラストでは陳星vs洪金寶(ちゃんと韓国バージョンにも出演しています)、さらに申一龍vs陳恵敏の決闘が繰り広げられ、最後は申一龍と陳星がお互いの手を高々と挙げて劇終・・じゃないんです!!(苦笑)。
何とぉ!韓国バージョンでは香港バージョンでは映画が終わるシーンの後にまだまだ物語が続くんです!
韓国バージョンでは場面が韓国の金浦空港のシーンになり、無事に香港から戻った龍健民こと申一龍を出迎えた李芸敏と洪性中が車の中で以前に受け取っていた健民の辞表(と思われます)を健民に返し、思わず2人が笑顔で笑い合うシーンの後に、70年代クンフー映画では実に珍しいエンド・クレジット(ハングル)が軽快なBGMと共に韓国市街の映像をバックに延々と流れ、やっと『審判者』は劇終となります。

この韓国バージョン『審判者』は韓国では76年7月10日に公開され、香港バージョン『鬼計双雄』はやや遅れて同年の8月13日に香港で公開されています。因みに『審判者』は約1時間25分、『鬼計双雄』は約1時間34分です。つまり韓国バージョンは約10分短い事になりますね。更に余談ですが、この『審判者』は韓国国内でもこれまでビデオが出ていない事になっているんですが、私が実際に確認した韓国版のビデオのジャケットは香港バージョンの英語題名である『The Double Crossers』や韓国バージョンの英語題名の『A Judge』とは全く別の英語題名が付いたジャケットで確かに申一龍と陳星の写真が載ってはいますが、劇中の写真とは全く別の作品の写真でしたね(苦笑)。最後に主役の申一龍に触れると、私はこの申一龍こそ70年代から活躍する韓国武打星の中では、その“韓国の藤岡弘”と言われる端整なマスク、見事にビルドアップされた上半身、そして何より迫力満点のテコンドーの蹴り技と、文字通り全てが揃った最高にカッコイイ武打星だと思います。そういう意味では今回“本邦初”の形で、この『審判者』を当ブログで紹介出来た事を大変嬉しく思います。

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回想~李小龍(之三) さらばロードショー、そして懐かしの芳賀書店シネアルバム

2008-11-20 16:00:30 | その他
今日は今月延々と書いていたキングレコードのショウ・ブラザース作品DVD関連の原稿3本分をやっと入稿して一息ついている感じです。明日発売の「映画秘宝」にもショウ・ブラザースDVDのレビューを書いているんですが、以前にお知らせした「中洲通信」もわざわざ遠方から取り寄せて購入して下さったファンの方がいらっしゃって(その上丁寧な感想メールまで!ありがとうございます)ちょっと感激しております。

さて皆さん、明日21日と言えば・・そうです!とうとう映画専門誌「ロードショー」の最終号が発売となる日です。
私も含めたブルース・リー信者の「ロードショー」誌に対する強い思い入れに関しては以前にも当ブログでも触れましたが、既に私の周囲のリーさん信者の多くからは「最終号は絶対買います!」との嬉しい声が挙がっていますし、勿論私も明日は書店に直行するつもりです。それにしても最終号の表紙は一体誰なのかなぁ?
さてリーさん関連の国内における書籍と言えば、それこそ本当に無数にあるのですが、私が子供の時に購入して以来、今も強く印象に残っているのが芳賀書店が出版していた1人の映画スターの豊富な写真やデータを1冊に纏めるスタイルで一世を風靡した「シネアルバム」シリーズの第26巻「永遠のドラゴン、ブルース・リー」でした。
もう当時小学生だった私にとってこの「永遠のドラゴン」の1900円という価格と数々のリーさんの素晴らしい写真や記事は本当にリーさん本の決定版的存在で、初版を購入した時は嬉しくて嬉しくて堪りませんでした。
その後同じく芳賀書店から出版された別シリーズでやや大き目の「デラックスカラーシネアルバム」の「闘魂ブルース・リー」も大興奮で購入(増補改訂版も!)しましたし、特にその本の後半部分に載っていた『ブルース・リー死亡の塔』(81)の台湾バージョンである『新龍兄虎弟』のポスターは、当時のリー信者にとっては実に衝撃的で・・果たしてこの『新~』を実際に映像のクレジット題名として入った形で観た事がある人っているのかな?
それこそ『死亡の塔』ウォッチャーの私としては(苦笑)、この台湾バージョンを観ない限りリーさん関連作品の映像探索に終わりはない!と思っているので、是非観てみたいですね。
さて、芳賀書店の「シネアルバム」と言えば当然リーさん関連や成龍関連の他にも、これまでに100人以上のスターを取り上げた「シネアルバム」を出版していましたね。実は「シネアルバム」は海外のコレクターの間でもその脅威的な印刷レベルの高さや紙質の良さも含めて今も絶賛され続けていて、私もよく海外の友人から「シネアルバム」の何々が欲しいから探して送ってくれ!と言われて、古本屋街を探し歩いた思い出があります。
まあ今では海外からでもインターネットのオークション等を利用して「シネアルバム」は購入出来るようですので、そういう頼みも少なくなりましたが、以前に良く探してくれと頼まれたのが第3巻「藤純子」、第94巻「高倉健」、そして志穂美悦子などの日本人俳優系列でしょうか。
特に「藤純子」は皆さんもご存知のようにちょっと前から既に激レア本だったので、外人の知り合いから何度も「ハガブックのジュンコ・フジがどうしても欲しい!」と頼まれて本当に困りました(苦笑)。
私自身は上記の3冊は以前から自分のコレクションとして持ってはいるんですが、こうなるんだったら昔に新刊として普通に本屋さんに並んでいる時に1冊ぐらい余分に買っておけば良かったかなとも思ってしまいました。
今でも古本屋さんの映画コーナーに行くと、必ず俳優の誰かを取り上げた「シネアルバム」を見つけるんですが、その度に何とも懐かしい思い出を感じるのはきっと私だけではないでしょう。
というわけで、李小龍を語る事は歓びである!「回想~李小龍」、当然まだまだ続きます!
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熱風!韓国LEGENDS⑫ 黄正利と互角に闘える男!ハン・グギル主演『カリスマ』

2008-11-19 01:45:44 | 熱風!韓国LEGENDS
最近は中古ビデオは殆ど救済しなくなって、もっぱらDVDオンリーと言っている私なんですが、先日本当に久々にビデオを救済しました。それがフォンダ・リン主演『新・悪魔のえじき/暴虐女傑復讐鬼』(85)なんです。
私がこのビデオを救済した一番の理由が本作がIFD作品(もちワイドスクリーン!)である事で、もう私は「IFD作品救済は一期一会」が座右の銘なので(爆笑!)即効ゲットでした。
これまでIFD作品のオリジナル・テープは殆ど購入&制覇したと思っていた私もこの映画は未見だったんですが、それにしても凄い邦題です(苦笑)。だってジャケット写真とか見ると悪役の男性が精肉工場で牛肉か何かと一緒に逆さ吊りになってるよ(苦笑)。まだ途中までしか観ていないんですが、この映画って最後はどうなるんでしょうね?

さて、「熱風!韓国LEGENDS」第12回は、以前にもレビューを予告していたキム・ドゥヨンこと金斗永導演、ハン・グギル主演『カリスマ』(96)です。導演の金斗永は最近ではあのスティーブン・セガールが出演した韓国映画『クレメンタイン』(04)の導演と言えば判るかと思いますが、主演のハン・グギルはさらに馴染みがない韓国武打星かも知れません。ハン・グギルが過去に出演した韓国クンフー映画だと、朴祐箱(即:朴雨相)導演作品で李俊九主演『帰って来た龍争虎闘』(80)や韓龍哲&王虎共演『俺の名はサンダリ』(81)、あるいは林子虎共演『恐れ知らずの子』(86)などがありました。
ただそのハン・グギルの恐るべき武術テクニックは、彼が習得している韓国合気道7段、テコンドー7段、さらには韓国剣道と言った数々の卓越した武術ポテンシャルから繰り出すド迫力のアクション、特にその怒涛の連続蹴りに特徴があります。私は以前にハン・グギルの事実上の最高傑作である本作『カリスマ』を観た時に「このハン・グギルこそあの“鉄血銀狐”黄正利と互角に闘う事が出来る唯一の韓国武打星だ!」と強く確信した記憶があるほどなんです。で、この『カリスマ』はハン・グギル演じる主人公が黒社会の中をその類い稀なる蹴り技だけを頼りにたった1人で闘い抜いていく映画で、劇中のハン・グギルは序盤こそ以前の80年代の彼の主演作品のような長髪スタイルの髪型ですが、中盤ではバッサリとその髪型をオールバックにし、より精悍さを増した風貌となります。
因みにこの『カリスマ』では武術指導もハン・グギルが担当しています。
同時に劇中でのハン・グギルはその役柄もあるのですが殆どと言っていいほど台詞が無いキャラクターで(苦笑)、もう約82分の映画の中で殆ど喋りません。ではその無口なハン・グギルは映画の中で代わりに何をするのか?
蹴るんです!もうひたすら自分に群がる韓国ヤクザ軍団総勢50人から60人近くを、ある時はカラオケ屋の中で、ある時は飲食店で蕎麦を食べてる時に(苦笑)もうバッタ!バッタ!とハン・グギルが蹴りまくります!
そこに本作『カリスマ』の重低音の利いたBGMが流れる中、ハン・グギルの連続廻し蹴り!空中連続三段蹴り!(何と蹴り脚だけで3人を同時に吹っ飛ばす!)そしてあの“ノーザン・レッグ”劉忠良顔負けの右脚を大きく開脚しての連続旋風蹴りが何度と無くヤクザ軍団に炸裂します!
ラストは自分の甥の子供を守るために乗客で満員状態のバスに乗り込んだハン・グギルに彼を追って乗り込んで来た無数の刺客が襲いかかり、バスの中は一転して修羅場と化します!
何とか大勢の刺客を蹴り倒し撃退したハン・グギルですが、バスが停車すると更に新たなるお客さん・・じゃなくて(苦笑)イ・ジュチョルをリーダーとした屈強で凶悪な刺客たちがバスに乗り込んで来る中、またもハン・グギルの闘いが延々と続く事になります。
最後はバスの中の全ての刺客を倒し、顔から何から自分の血や刺客たちの返り血を浴びたハン・グギルがグッタリと座り込む所に甥が泣きながら抱く付くシーンでエンディングとなります。
まさに90年代韓国クンフー映画のベスト作品であるばかりか、テコンドーなどの蹴り技映画ファン超必見の作品こそこのハン・グギル主演『カリスマ』なのです!!

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回想~李小龍(之二) 『死亡遊戯』と思遠影業公司

2008-11-18 01:41:38 | その他
さて、最近ある方から金泰中こと唐龍の貴重な資料を色々と頂きました。それらの中には金泰中の韓国時代の主演作品『お嬢さん勘弁して』(81)の資料は勿論、本当にレアな金泰中の情報が満載で感謝の一言(Dさん、ありがとう!)なんですが、その中に78版『死亡遊戯』の例のドクター・ランド(ディーン・ジャガー)のマカオの別荘での乱闘シーンの撮影中に、武師グループたちが撮影現場で撮ったと思われる記念写真がありました。
そこには金泰中は勿論、元彪や火星も映っている中で、ドーン!と真ん中にサモ・ハンこと洪金寶が映っているのが私にはある意味意外だったんです。
だってあのランドの別荘での乱闘シーンって、サモ・ハンが実際に武術指導した金泰中vsボブ・ウォールのロッカー・ルームの決闘や、金泰中vs王虎の温室の決闘の素晴らしい完成度に比べると明らかにボルテージが下がっているアクション・シーンで、私はあの別荘のアクション・シーンはサモ・ハンじゃなくてロバート・クローズ(あるいは絡み役で顔を出している劉家榮辺り)が作ったアクションだったんじゃないか?と長い間疑惑の目(苦笑)を向けていたんですね。まあその疑惑も今回の記念写真にサモ・ハンが映っている事で晴れたのは逆に良かったかも知れません。

で、やっとここから今回の「回想~李小龍」第2回のテーマである『死亡遊戯』なんですが、金泰中&『死亡遊戯』と言えば、当然次に私たちの脳裏に浮かぶのはあの『ブルース・リー死亡の塔』(81)になるわけです。
恐らくは我々リー信者にとってある意味最大の問題作?である『死亡の塔』に関しては、私もあの別編集バージョンである『死亡の塔』韓国版の紹介も含めてこれまで様々な形でリサーチを行って来ました。
で、これは以前にも触れましたが、私も含めたリー信者の多くが今だに『死亡の塔』(この場合は国際版)に対して強い疑問&不満として持っている「何故、この『死亡の塔』製作時に呉思遠は『死亡遊戯』の五重塔内ファイトの未使用映像(要するに今も現存する約96分のラフカット)を全く使用しなかったのか?」という謎に満ちた永遠のテーマに関して、今回駆け足ながら私なりの考察をして見たいと思います。
まずこれは私が以前に未確認情報として得た情報ですが、『死亡の塔』国際版に使用された数少ないリーさん本人の『燃えよドラゴン』(73)の未使用映像(リーさんと高僧の会話シーン、リーさんと老人の会話シーン、そしてリーさんが室内で武術書を手に取るシーン等)は当時から嘉禾公司ではなく呉思遠率いる思遠影業公司が権利を所有していた映像だそうで、だからこそ『死亡の塔』国際版公開時にもワーナー・ブラザース側とのトラブルが(表面上は)クリア出来たと思われます。
またこれも現時点では未確認情報としておきますが、以前に私が『BRUCE LEE in G.O.D/死亡的遊戯』(00)製作に深く関わった方に訊いた話なんですが、『G.O.D』や『Warriors Journey』(00)製作の要因となった『死亡遊戯』の約96分のラフカットも嘉禾公司からメディア・アジアに譲渡された後に、上記の方がメディア・アジアを訪れた際に知った事実として、何と『死亡遊戯』のラフカットはその当時のメディア・アジアにおいても嘉禾公司ではなく思遠公司に属する映像として扱われていたそうです。
この2つの情報が事実と前提した上で考察を進めると、呉思遠としては70年代終盤に『死亡の塔』を製作する際には、それこそ何時でも『死亡遊戯』の五重塔内ファイト・シーンの未使用映像を『死亡の塔』に使用出来た事になる訳で、逆に「では何故そうしなかったのか?」と言う新たなる謎が膨らんでしまう事態に至るわけです。
ただですね、その『死亡遊戯』のラフカットさえも、78版『死亡遊戯』の本物リーさんのクライマックス・ファイトシーンの編集に使用した後の言わば“使用済み編集素材(その証明として池漢載のフロアの無数のテイクが欠落しているのは編集&使用後にテイクが元の状態に戻されなかったため)”であった可能性が高いばかりか、嘉禾公司からメディア・アジアにリーさん関連の映像が譲渡される際に、あのラフカットはそれらのリーさん関連の映像の中に殆ど紛れ込むような状態で譲渡されて来た映像で、恐らくは嘉禾公司でさえもラフカットがメディア・アジアに譲渡された事を正式には把握していなかったとも言われています。
最後に余談ですが、そのメディア・アジアの映像の保管場所と言うか倉庫は、床に嘉禾公司作品のロビーカードが何枚も無造作に散乱し、その傍らには成龍の『プロジェクトA』(83)のフィルム缶が何缶も平積みになっていたそうです。もしかしたらそのフィルム缶の中の1巻には『~A』のNGフィルムがまるごと入っていたとしたら?・・と思うと是非ともその場に居てみたかった!と思ってしまいますね。
というわけで、李小龍を語る事は歓びである!「回想~李小龍」、リーさんの誕生日目指してまだまだ続きます。
コメント (4)
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ジョニー・トー最高峰!『エグザイル/絆』公開迫る!

2008-11-15 20:41:24 | ニュース
さて、昨日はキングレコードさん、アートポートさん、ムヴィオラさん提供によるジョニー・トー導演作品『エグザイル/絆』の試写に行って来ました。実はこの映画は昨年の映画祭で一度観ているんですが、今回再度大スクリーン&日本語字幕付きで観てみて、私自身さらに面白く観れましたね。
作品の内容については以前に当ブログで詳しく触れているので今回は触れませんが、ジョニー・トー導演のファンの方ならずとも観れば観るほど味の出る映画に仕上がっていると思います。
私は主演の中でも黄秋生、呉鎮宇、張家輝、林雪は勿論ですが、銃の達人のロイ・チョンがお気に入りのキャラだなー!特にあのアルミ缶の銃撃シーン(笑)、いや~もう最高ですね。
とにかくジョニー・トー信者の方はマストのこの『エグザイル/絆』は、いよいよ12月6日よりシネマスクエアとうきゅう、シアター・イメージフォーラム他にて全国ロードショーとの事ですので、是非観に行きましょう!

あと、当日の試写会場では是非一度ご挨拶したいと思っていた松岡環さんとお話する機会がありました。
松岡さんと言えば、以前からインド映画や香港映画等で活躍なさっている方で、松岡さんの上梓された「アジア・映画の都、香港~インド、ムービーロード」は私の大好きな本で、確か拙著「香港功夫映画激闘史」にも参考文献として載せさせて頂いていたと思います。
私はアジア映画を中心に活動されている女性ライターの方がお書きになった書籍ではこの「アジア、映画の都」が一番内容が充実している本だと思っているんですが、松岡さんは最近も「レスリー・チャンの香港」という素晴らしい本を上梓なさっていますね。実際にお会いした松岡さんもとても穏やかな雰囲気の方で、私も改めてご挨拶出来て嬉しく思いました。上記の松岡さんの御本は皆さんも是非機会があったらお読みになって頂きたいと思います。

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