昨日は前から楽しみにしていた我らがドニー・イェン主演最新作で、程小東導演作品『江山美人』を観ました。
映画は戦国時代の燕国と趙国と言う2つの国の争いを軸に、燕国王の娘・燕飛児姫(陳慧琳)、死期の迫った国王から国を治めるよう命じられた将軍・雪虎(ドニー)、そしてかつては武士でありながら静かに隠遁者として生きる段蘭泉(黎明)という3人の主人公が悲しい運命に翻弄されていく姿を描いています。
今回のドニー兄貴は得意の武打シーンだけに限らず、幼馴染みの飛児姫を密かに慕いながらも敢えて飛児姫を厳しく武人として鍛え、また側から支えるという“耐え忍び見守る男の愛”的な雪虎の男臭い佇まいが素晴らしいですね。この映画の随所でドニー兄貴扮する雪虎が幾度となく見せる時に寂しげで、時に勇猛な表情演技は私たちの心に強く残ります。
作品全体のアクション・シーンはどちらかと言うと映画の中盤から終盤に集中しているのですが、まず私が気に入った武打シーンは後半で燕国の国王の甥でありながら国王を殺し国を乗っ取った悪漢・胡覇(郭暁冬)が放った刺客軍団が飛児姫が心を寄せる段蘭泉の家を襲撃し、それに果敢に応戦する飛児姫が弓矢をビュン!ビュン!と飛ばし刺客たちを片っ端から倒していくシーンですね。
ここではケリー嬢の女優としてのチャームポイントであるあのキリッとした瞳が、飛児姫が弓を手に敵に狙いを定める際の鋭く凛々しい視線として効果的に描かれていて観る側の印象に強く残ります。
でも何と言っても映画の最大の見せ場は、クライマックスでドニー雪虎がたった1人で胡覇率いる無数の兵団に闘いを挑んでいくシーンです。ここではそれまでドニー兄貴が映画の中で雪虎としての存在感を敢えて抑え気味に演じていたからこそ、逆にここぞ!とばかりに“最後の本格派”ティストが爆発しまくるこの大合戦シーンは興奮しましたねー!もういきなりドニー雪虎は迫って来る馬上の敵に大刀を一閃!身体を反転させて別の敵に飛び後ろ廻し蹴り!さらに2人の敵に同時に首を書き込んでフライング・ヘッドシザース!そして今度は素手で馬をヘッドロック(!)しそのまま地面に引きずり倒す!(ってオイオーイ!?)
そこに胡覇の右腕の巨漢が「雪虎!貴様の命貰ったぞォォ!」と突進してきますが、雪虎は長髪をまるで落武者のように振り乱しながらも「さあ、来ォォォい!」と迎え討ちます!
ところがそこに左右から鋭い槍が雪虎の脇腹を貫きます!「ぐぅう!ぐあああ・・!」激痛に絶叫する雪虎に群がるように胡覇の兵が一斉に襲いかかります!
と・・その時!それこそ断末魔の形相で大刀を振り回す雪虎の視線の先に、自分の許に必死に馬を走らせ駆けつけんとする飛児姫の姿が・・!
「公主?・・飛児!?」「雪虎ゥゥ!雪虎ゥゥゥ!」さあ、果たして飛児姫と雪虎の運命や如何に・・!?
この先はネタバレになってしまうので・・ここでは映画の結末には触れませんが、今回の程小東導演はかつての程導演の悪いパターンであった物語が進むに連れて映画の展開がゴチャゴチャになってしまうといった傾向は見られず、全体的には比較的コンパクトに良く纏まっていましたね。
陳慧琳と黎明は恐らく本人の肉声っぽい(北京語)のですが、ドニー兄貴は残念ながら吹き替えでした。
『江山美人』と言う題材は香港映画ではお馴染みではあるんですが、今回のバージョンはドニー兄貴の勇猛ながら繊細な心を持つ武将、陳慧琳の一国の姫としての凛としたカリスマ性、また1人の女性として愛する男性への一途さとか弱さ、そして黎明の心優しい男性の寡黙な中の芯の強さ、などと言ったそれぞれの俳優たちの持つ個性が十分に引き出された浪漫武侠片の秀作に仕上がっていると思います。是非何らかの形で日本公開して欲しい作品ですね。
映画は戦国時代の燕国と趙国と言う2つの国の争いを軸に、燕国王の娘・燕飛児姫(陳慧琳)、死期の迫った国王から国を治めるよう命じられた将軍・雪虎(ドニー)、そしてかつては武士でありながら静かに隠遁者として生きる段蘭泉(黎明)という3人の主人公が悲しい運命に翻弄されていく姿を描いています。
今回のドニー兄貴は得意の武打シーンだけに限らず、幼馴染みの飛児姫を密かに慕いながらも敢えて飛児姫を厳しく武人として鍛え、また側から支えるという“耐え忍び見守る男の愛”的な雪虎の男臭い佇まいが素晴らしいですね。この映画の随所でドニー兄貴扮する雪虎が幾度となく見せる時に寂しげで、時に勇猛な表情演技は私たちの心に強く残ります。
作品全体のアクション・シーンはどちらかと言うと映画の中盤から終盤に集中しているのですが、まず私が気に入った武打シーンは後半で燕国の国王の甥でありながら国王を殺し国を乗っ取った悪漢・胡覇(郭暁冬)が放った刺客軍団が飛児姫が心を寄せる段蘭泉の家を襲撃し、それに果敢に応戦する飛児姫が弓矢をビュン!ビュン!と飛ばし刺客たちを片っ端から倒していくシーンですね。
ここではケリー嬢の女優としてのチャームポイントであるあのキリッとした瞳が、飛児姫が弓を手に敵に狙いを定める際の鋭く凛々しい視線として効果的に描かれていて観る側の印象に強く残ります。
でも何と言っても映画の最大の見せ場は、クライマックスでドニー雪虎がたった1人で胡覇率いる無数の兵団に闘いを挑んでいくシーンです。ここではそれまでドニー兄貴が映画の中で雪虎としての存在感を敢えて抑え気味に演じていたからこそ、逆にここぞ!とばかりに“最後の本格派”ティストが爆発しまくるこの大合戦シーンは興奮しましたねー!もういきなりドニー雪虎は迫って来る馬上の敵に大刀を一閃!身体を反転させて別の敵に飛び後ろ廻し蹴り!さらに2人の敵に同時に首を書き込んでフライング・ヘッドシザース!そして今度は素手で馬をヘッドロック(!)しそのまま地面に引きずり倒す!(ってオイオーイ!?)
そこに胡覇の右腕の巨漢が「雪虎!貴様の命貰ったぞォォ!」と突進してきますが、雪虎は長髪をまるで落武者のように振り乱しながらも「さあ、来ォォォい!」と迎え討ちます!
ところがそこに左右から鋭い槍が雪虎の脇腹を貫きます!「ぐぅう!ぐあああ・・!」激痛に絶叫する雪虎に群がるように胡覇の兵が一斉に襲いかかります!
と・・その時!それこそ断末魔の形相で大刀を振り回す雪虎の視線の先に、自分の許に必死に馬を走らせ駆けつけんとする飛児姫の姿が・・!
「公主?・・飛児!?」「雪虎ゥゥ!雪虎ゥゥゥ!」さあ、果たして飛児姫と雪虎の運命や如何に・・!?
この先はネタバレになってしまうので・・ここでは映画の結末には触れませんが、今回の程小東導演はかつての程導演の悪いパターンであった物語が進むに連れて映画の展開がゴチャゴチャになってしまうといった傾向は見られず、全体的には比較的コンパクトに良く纏まっていましたね。
陳慧琳と黎明は恐らく本人の肉声っぽい(北京語)のですが、ドニー兄貴は残念ながら吹き替えでした。
『江山美人』と言う題材は香港映画ではお馴染みではあるんですが、今回のバージョンはドニー兄貴の勇猛ながら繊細な心を持つ武将、陳慧琳の一国の姫としての凛としたカリスマ性、また1人の女性として愛する男性への一途さとか弱さ、そして黎明の心優しい男性の寡黙な中の芯の強さ、などと言ったそれぞれの俳優たちの持つ個性が十分に引き出された浪漫武侠片の秀作に仕上がっていると思います。是非何らかの形で日本公開して欲しい作品ですね。