超級龍熱

香港功夫映画と共に

「マッドマックス」の原点がここに!ケン・ショーター主演「マッドストーン」劇場公開中&ソフト化!!

2015-09-30 04:15:33 | 作品レビュー
さて、今日はあのメル・ギブソン主演「マッドマックス」(79)の原点的作品として知られるサンディ・ハーバット監督、ケン・ショーター主演のオーストラリア映画「マッドストーン」(74)を観てみました。
映画はある政治家の狙撃事件に端を発した暴走族“墓掘り軍団”と、狙撃現場を“墓堀り軍団”の1人に目撃されたため彼らの抹殺を狙う暗殺犯一味、そしてその暗殺犯を追う若手刑事ストーン(ショーター)の三つ巴の闘いを描いています。
ただこの「マッドストーン」が他の単なる暴走族映画と異なるユニークな点が、ストーン刑事が暗殺犯逮捕のために自ら“墓堀り軍団”の一員に加わり、彼らと生活を共にしていくプロセスをジックリと描いている事でしょう。
ストーン刑事は彼ら“墓堀り軍団”と行動を共にしていく内に、次第に自分たちが作った秩序と思想だけを信じ自由に生きる“墓堀り軍団”に共鳴し親しみを感じていきます。この“墓堀り軍団”のメンバーの名前も皆が本名ではなく“葬式屋”、“ガマ蛙”、“死神”、“倉庫屋”など何とも人を食った綽名を名乗っているんですが、それでも彼らが真っ黒なヘルメット&皮ジャン姿で駆る「KAWASAKI」などのバイク群は凄み溢れるカウリングが装着された大型バイクで、この辺りからも「マッドマックス」の原型と称されるテイストが十分に感じられます。
また“墓堀り軍団”の幹部で暗殺現場を目撃する“ガマ蛙”を演じたヒュー・キース・バーンは本作が映画デビューで、彼こそが後に「マッドマックス」で悪の首領トーカッターを強烈なインパクトで演じる事となるわけです。
他にも同じく「マッドマックス」に出演するヴィンセント・ギルやロジャー・ウォードも顔を見せていますが、実はヒュー・キース・バーンはこの「マッドストーン」でデビュー後に、あの“天皇巨星”ジミー・ウォングこと王羽主演「スカイハイ」(75)にも刑事役で出演していますので、ご興味のある方はチェックしてみて下さい(^_^)。
この「マッドストーン」は「マッドマックス」の近未来を舞台としたド迫力のアクションやカーチェイスこそ見られませんが、それでも映画の最後の最後には余りにも衝撃的な結末が待ち受けていますので、それは是非とも現在「シネマート新宿」と「シネマート心斎橋」で絶賛レイトショー公開中の「マッドストーン」でご覧になってみて下さい。
また来月14日にはキングレコードさんから「マッドストーン」“墓掘りエディション”と題した豪華特典(何とテレビ放送当時の日本語吹き替え版も収録!)満載のBlu-rayも発売されますので、こちらも要チェックでしょう。
最後になりましたが、この「マッドストーン」をいち早く観賞する機会を下さったキングレコードの鈴木江里子さんに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました!

キングさんの「マッドストーン」紹介頁です↓http://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKIBF-1382/

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THIS IS 甄子丹(66) 谷垣&下村両監督音声解説収録!「ドラゴン危機一発97」Blu-ray!!

2015-09-23 01:14:45 | THIS IS 甄子丹
さてさて、来月2日の発売を前にアクセスエーさんからリリース予定のドニー兄貴初監督作品「ドラゴン危機一発97」HDリマスター版Blu-ray早くも観ました!
さすがにHDリマスタリングされた画面は綺麗ですし、ワイドスクリーン仕様ではないですが、ちゃんと日本語吹き替え入り(勿論ドニー兄貴の声は大塚芳忠!)で、作品題名も「THE NEW BIG BOSS」との表記が素晴らしい!(大拍手!)。
で、気になる特典ですが、オリジナル&日本版予告編と共に谷垣健治&下村勇二両アクション監督のオーディオ・コメンタリーが収録されています。
コメンタリーは2人の対談形式というよりも、下村監督がドニー兄貴との関係が長い健治監督の話を訊き出しながら進行していく形なんですが、そこは2人ともバリバリ活躍中の映画監督なだけに、カメラワークや編集テクニックの話題から入り、撮影現場の専門用語や画面の中の端役たちを「あ、これは茶水のオバチャンだから!これは脚本家だわ!」と片っ端からオープンにしていく辺りは逆に小気味良い感じです(^_^)。
ただそれだけでは終わらないのがこの両監督で、「ドラ危機97」の撮影期間は35日だったとか、このシーンで使ってる車はドニー兄貴本人の車!とか、両人だけにしか語れない秘話に加えて、下村監督が初めてドニー兄貴の現場に入ったドイツのTVドラマ「PUMA」でのドニー兄貴が下村監督に見せた優しさ(これは必聴!)など、私もコメンタリーを聴きながら思わず「うん!うん!」と頷いてしまう濃さでした。
他にも健治監督が明かす「ドニー兄貴、ジャージ後ろ前事件」や「ドニー兄貴、死の接吻伝説」とか、爆笑エピソードも多々ありなんですが、やはり後半のドニー兄貴の密林大疾走から麥偉章(ドニー監督に何時も怒られてた~健治監督:談)との激闘、そして林國斌(得意技は喧嘩。とにかく喧嘩!~健治監督:談)との海岸での決着戦までの怒涛のクライマックス・ファイトでは、両監督がドニー兄貴が見せる大迫力ファイトに「・・・・」と思わず画面に見入り、何度か一瞬沈黙する辺りがこれまた私も納得でしたねー!
改めて私にとってドニー兄貴主演作品の中で3本の指に入るほど大好きなこの「ドラゴン危機一発97」がこうして高画質&長年ドニー兄貴と行動を共にする谷垣健治&下村勇二両監督のコメンタリー入りで発売された事は本当に喜ばしい事ですし、ドニー兄貴信者に限らず、香港クンフー映画ファンの皆さんはマスト・バイのBlu-rayだと龍熱は断言します。
最後になりましたが、今回この「ドラゴン危機一発97」Blu-rayを快くご提供頂いたアクセスエーのNさんに厚く感謝致します。ありがとうございました!

アクセスエーさんのHPです→ http://www.accessa.co.jp/
コメント (2)
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「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑮ 「セブンソード」

2015-09-21 12:12:13 | THIS IS 甄子丹
「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑮
徐克が劉家良、ドニー兄貴、黎明、楊采妮、孫紅雷らオールスターを揃えて武侠小説「七剣下天山」の映画化に挑んだ武侠片「セブンソード」です。
実は・・・私はこの「セブンソード」は全くと言って良いほど乗れませんでした(@_@)。確かに劇中でドニー兄貴扮する楚昭南ら7人の剣士たちが展開する剣劇アクションは文句なくハイレベルなんですが、同じ新感覚武侠片として一世を風靡した李安監督作品「グリーン・デスティニー」の鮮烈なまでの衝撃と透き通るような佇まいと比べると、私はこの「セブンソード」はどうしてもドン臭い作風に見えてしまったのでした(トホホ!)。
まあ、それを言ったらその後世界を叉にかけ活躍する章子怡と、この当時久々の映画出演を果たした楊采妮の2人の新旧女優の比較になってしまい、慣れない剣劇アクションを懸命に頑張っていた楊采妮に申し訳ないのですが・・・。(あと戚冠軍や白彪も出てたなぁ)。
クライマックスの楚昭南(ドニー兄貴)vs風火連城(孫紅雷)の一騎打ちも、あの「ワンチャイ天地大乱」の黄飛鴻vs元述提督の狭い路地裏の闘いを、敢えてカメラを2人の頭上に据えて(“壁虎功”を交えて)撮る、という一見斬新なカメラワークを加味しながら再構築しています。
ただそれも所詮は焼き直しであり、オマケに孫紅雷が本格派の武打星ではない事からのアクション面でのインパクト不足などの理由で、これまた私の心の奥には届きませんでした。
まあ色々と厳しい事も書きましたが(^_^;)、この「セブンソード」で特筆すべき事があるとしたら、それは音楽を担当した川井憲次の存在でしょう。
川井憲次のそれは勇壮かつ美しい旋律によって、ドニー楚昭南や劉家良師父演じる傅青主(本作がドニー兄貴との唯一の共演作となりました)が披露する力強い剣劇アクションがより際立った事は事実だと思います。
そしてこの川井憲次の音楽がその後のドニー兄貴作品にとって如何に不可欠であるかは、後の「イップマン」シリーズでさらに明確となっていくのです。
さて、次回からの「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」は、いよいよ近年のドニー兄貴主演作品のメインテーマでもある“MMA猛爆路線”作品の登場となります!そう、合言葉は“殺”!“破”!“狼”!
というわけで、THIS IS ? YEES! 甄子丹!! 次回もお楽しみに!!

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「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑭ 「HEAT/ヒート」

2015-09-17 03:19:35 | THIS IS 甄子丹
「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑭
「黒色城市」こと「HEAT/ヒート」です。この映画、もう思い切り台湾B級クンフー映画してるんですが(^。^)、その豪華過ぎるキャストに注目です!
まずは周比利!キム・マリー・ペン!左考虎(知る人ぞ知る「カンフー・キッド」シリーズや「精武風雲」のジェット・レ!)、そして悪ボス役に鄒兆龍!!いや~素晴らしい面子です(^。^)。
私がこの「HEAT」で特にお気に入りのファイトシーンが、序盤に登場するドニー兄貴vs周比利戦で、もうここでのドニー兄貴は最初から最後まで周比利をひたすらオチョクリまくります(^。^)。
例えばドニー兄貴が連続の後ろ廻し蹴りで周比利をダウンさせると「ヒャッホオオオ!」とガチでハッスル・ポーズを決めるドニー兄貴!!
このハッスル・ポーズからも、もうドニー兄貴が完全にこの「HEAT」には“お気楽ゲスト出演”モードで挑んでいるのが判ります(^。^)。
ただ、それでもクライマックスのドニー兄貴vsトレンチコートを着た鄒兆龍との一騎打ちは、この手のB級現代アクションではお約束の「映画は低予算ながら、肝心のクンフー・アクションでは決める所はバッチリ決めるぜ!」的な圧巻の完成度を誇っています!
もうドニー兄貴と鄒兆龍がお互いに猛然とド突き合い、蹴り合い、死力を尽くして闘う姿は、何度観てもドニー兄貴映画屈指の名勝負だ!!
そして後年、ドニー兄貴と鄒兆龍の2人は某作品において、あのリーさんとチャック・ノリスが「ドラゴンへの道」で見せた伝説のコロシアム決闘の再現に挑む事となるのでした。余談ですが、以前に某映画雑誌のベスト10に私がこの「HEAT」を「黒道」の題名で1位に入れた所、それを読んだ町山智浩さんが「龍熱さん、この「黒道」って面白そうだね!もっと詳しくレビュー書いて下さい!」と依頼があり、さらに濃厚なレビューを書いた記憶があります。
その後、この「HEAT」が国内で奇跡のDVD化を果たしたのも、もしかしたらこの時の私のレビューをメーカーさんが読んだから・・・かも知れません(^。^)。
というわけで、THIS IS ? YEES! 甄子丹!! 次回もお楽しみに!!

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「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑬ 「ブレイド2」

2015-09-14 22:27:15 | THIS IS 甄子丹
「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑬
90年代終盤に監督デビューを果たしたドニー兄貴は、2000年代に入ると今度はハリウッド進出を開始します。
それらが「ハイランダー最終戦士」「ブレイド2」「シャンハイ・ナイト」なんですが、私は作品自体の話題性や完成度、そしてドニー兄貴が演じたキャラのインパクトで「ブレイド2」を強く推します。
特にドニー兄貴演じる(英語堪能なのに)静かなる格闘戦士スノーマンと獰猛な吸血鬼軍団の初遭遇シーンの異様なまでの恐怖感とスリルは、香港B級ホラー映画では決して観る事が出来ないハイテンションでした。
逆に成龍との対決が話題になった「シャンハイ・ナイト」は、肝心の成龍vsドニー兄貴の決闘シーンがやや淡白なファイトになってしまい、私はDVDの特典に収録されている2人の決闘シーンの別バージョンを断然支持します(^_^)。
余談ですが、ドニー兄貴が「ブレイド2」に出演した前後の時期は、私とドニー兄貴は個人的にメールのやり取りをしていまして、当時某映画雑誌に掲載されたドニー兄貴の独占インタビュー&「ブレイド2」大特集(に掲載された「ブレイド2」のスチール写真群もドニー兄貴提供♪)は、ドニー兄貴の要望で私がセッティングした企画でした。
まあ、この某映画雑誌の「ブレイド2」の特集記事の時は、ドニー兄貴と私にとって“忘れられない出来事”があったんですが、それもいずれ書く時が来るでしょう。
というわけで、THIS IS ? YEES! 甄子丹!! 次回もお楽しみに!!

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THIS IS 甄子丹(62) 最大注目作品「葉問3」が12月25日、クリスマス公開決定!?

2015-09-10 21:25:33 | THIS IS 甄子丹
まずはこちらの海外記事をご覧下さい!!↓http://filmcombatsyndicate.blogspot.jp/2015/09/ip-man-3-punches-in-on-christmas.html

世界中の香港クンフー映画ファンが注目するドニー兄貴主演最新作「葉問3」がどうやら今年の12月25日にクリスマス公開が決定したようです!!
また今月の30日に「葉問3」の予告編も公開されるようで、これは楽しみになって来ましたね。ただこのクリスマス公開が現地香港の公開日なのか、それとも海外も含めた公開日なのかがまだ判りませんし、この情報は現時点ではあくまでも未確認情報とさせて下さい。
未確認情報といえば、肝心の「葉問3」のストーリーは果たしてどのような展開なのか?どのようなオープニングで始まるのか?CGIで登場するという李小龍少年とドニー葉問の師弟の交流から2人の関係はどのように描かれているのか?
そして最も注目されるドニー葉問とマイク・タイソンの対決は映画の何処で行われ、どのような闘いになっているのか?まだまだ多くの謎のベールに包まれた「葉問3」ですが、今後の展開に注目しましょう!!!

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「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑫ 「ワンチャイ外伝/アイアン・モンキー」

2015-09-07 00:04:14 | THIS IS 甄子丹
「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑫
ドニー兄貴&袁和平コンビのベスト作品を挙げろ、と言われたら誰もがこの映画を推すであろう不朽の名作がこの「ワンチャイ外伝/アイアン・モンキー」です。
少年(って実際は女の子ですが)時代の黄飛鴻&黄麒英(ドニー兄貴)親子と仮面の義賊アイアン・モンキー(干榮光)の活躍を描いた本作、劇中でドニー黄麒英が「無影脚!」と叫びながら披露する猛スピードの連続蹴りは、当時絶頂期にあった李連杰&徐克コンビが本家「ワンチャイ」シリーズで構築して見せた華麗かつ豪快なワイヤーワークを駆使した無影脚アクションにドニー兄貴たちが「俺たちの無影脚はこれだ!」と真っ向から対抗して見せた革新的なキッキング・パフォーマンスでした。
このドニー黄麒英が序盤のアイアン・モンキーとの屋根上の対決、中盤の女殺し屋鬼面使(李輝!)との夜間の決闘、そして終盤の力金剛掌の達人行空和尚(任世官)との決闘で見せる洪家拳アクションは、その弾けるような拳技と電撃の無影脚アクションが文字通りパーフェクトな融合を見せた圧巻のクンフーファイトに仕上がっていました。
それがラストの無数の木柱の眼下は炎の海!との驚愕にしてスリリングなシチュエーション、そして勇壮なテーマ曲に乗って繰り広げられるドニー黄麒英&アイアン・モンキーvs行空和尚による大興奮の“炎海大決闘”で見事に結実したのです。
それが証拠に、この「アイアン・モンキー」の後にドニー兄貴&袁師匠が撮った同タイプの作品「ワンチャイ天地雷鳴」や「アイアンモンキー・グレート」がいずれもこの「アイアン・モンキー」を越える事が出来なかった事でもそれは明らかでしょう。
まさにドニー兄貴こと甄子丹の武打星人生において何時までも永遠に光り輝く名作、それがこの「ワンチャイ外伝/アイアン・モンキー」なのです。というわけで、THIS IS ? YEES! 甄子丹!! 次回もお楽しみに!!

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「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑪ 「精武門/ドラゴン怒りの鉄拳」

2015-09-07 00:02:26 | THIS IS 甄子丹
「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑪
さあ、全国2千万人(?)のドニー兄貴信者のために再開しました本企画ですが、今回はドニー兄貴版「精武門/ドラゴン怒りの鉄拳」でいきます!
ドニー兄貴が李連杰主演「精武英雄」を観て「違う、違うよ!こんなのは李小龍の「精武門」じゃない!」と、敢えて電視劇全30話として“真の精武門”に挑んだ本ドラマですが、毎回オープニング主題歌をドニー兄貴が「無妥協♪無妥協♪」と熱唱!(同CDは今では激レア)
ドラマ劇中でも「ドラゴン危機一発」の鄭潮安のダブル裏拳再現!「ドラゴンへの道」の唐龍vsコルトのコロシアムの決闘完全再現!「ドラゴン怒りの鉄拳」の陳眞の道場破りこれまた完全再現!とドニー陳眞が毎回大炎上で怪鳥音を「ホオオオオアチャアァァァ!」と絶叫しまくりです!
特にドラマ序盤の山賊の首領(熊欣欣)との決闘や、ドニー陳眞がドラゴン殺法(怪鳥音&軽快なドラゴン・ステップ)に開眼するムエタイ・ボクサー(同じく大のリーさん信者の歐錦棠)との2連戦の驚くべきハイレベルなファイト・シーンは完全に電視劇の水準を越えている!!!
そして第21話前後の衝撃の霍元甲(高雄。名演!)謀殺から陳眞怒りの道場破りに至る異様な盛り上がり、さらには最終話のロシア人格闘ペドロフ(これが貴方、ベイ・ローガンなのさ(^。^))との対決から恩師謀殺の首謀者とのダブルヌンチャクを駆使しての一騎打ちまで怒涛のハイテンションで駆け抜け、最後はドニー兄貴が「このラストが無ければ「精武門」じゃない!」と言い切った陳眞が銃弾の雨の中、悲しげな雄叫びと共に夜空に舞うエンディングまで一気に見せ切っています。素晴らしい!素晴らし過ぎる!!

まさに香港功夫電視劇史上の最高傑作となったこの「ドラゴン怒りの鉄拳/精武門」ですが、ドニー兄貴曰く「でもさあ、第21話までのストーリーは全部俺たちで作っちゃったんだよね!」だったり(^。^)、私が歐錦棠さんに会った時に「あのドニーとの2連戦は良かったですね?」と振ると、アウさんは暗い顔付きで「・・・甄子丹か」と呟くなど、既にこの頃から色々な意味で“宇宙最強”のドニー兄貴伝説が始まっていたようです(^_^)。
そしてこの「精武門/ドラゴン怒りの鉄拳」で始まった“上海英雄伝説”は、後に「レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳」で堂々の復活を遂げる事となるのでした。
というわけで、THIS IS ? YEES! 甄子丹!! 次回もお楽しみに!!

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「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑩ 「レディファイター詠春拳伝説」

2015-09-07 00:00:32 | THIS IS 甄子丹
「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑩
コアな香港クンフー映画ファンの間では隠れた秀作と高い評価を得ているのがこのミシェール・ヨーこと楊紫瓊共演「レディ・ファイター詠春拳伝説」です。
ただドニーは事実主役であるミシェール詠春に遠慮(?)してか、それほど活躍するわけではないんですが・・・それでも中盤で崔亜輝演じる猿拳使いが飛び乗った何本もの丸太をドニー兄貴が「うりゃ!うりゃ!うりゃああ!」と左右のサイドキックで片っ端から蹴り折るシーンは最高です!!
ただそうは言っても、やはりこの映画の見せ場はミシェール詠春と山賊の首領(徐少強)との2度に渡る決闘シーンでしょ う。
1度目はお互いの間に木人椿挟んでの接近戦からの打撃の打ち合い。2度目は詠春が山賊のアジトに乗り込んでの徐少強との真っ向勝負になるんですが、ここでは監督の袁和平がミシェール詠春vs強靱な肉体を誇る徐少強の激闘を通して、恐るべき破壊力を誇る連続の拳技、細かい防御、巧みな足裁きといった詠春拳の真髄を次々と披露していて圧巻です。
恐らくは、これが香港映画における詠春拳映画の大家であるサモ・ハンとはまた違った形での袁和平なりの詠春拳への映像的アプローチなのでしょうし、こと武打シーンに限って言えば、袁和平のベストワークの1本です。
ゲスト出演の鄭佩佩の貫禄のお姿も要チェックですが、後に自らが演じる事でドニー兄貴の武打人生を大きく変える事となる葉問が広く知らしめた詠春拳の開祖である厳詠春を主役に据えた作品に、ドニー兄貴がやや脇に退いた形で出演していた事も、ちょっと因縁を感じさせますね。
というわけで、THIS IS ? YEES! 甄子丹!! 次回もお楽しみに!!

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「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑨ 「ワンチャイ天地大乱」後編

2015-09-06 23:58:46 | THIS IS 甄子丹
「THIS IS 甄子丹SP~新唐山大兄への道」⑨
「ワンチャイ天地大乱」、その後編です。革命派のリーダーである孫文を異様な執念で追う納蘭元述提督(ドニー兄貴)はイギリス領事官、孫文の支援者の陸(往年の邵氏影星、姜大衛!)を次々と殺害し、遂には陸から革命派の名簿を託された黄飛鴻(李連杰)とその弟子の梁寛(莫少聡)を工場裏の狭い通路に追い詰めます。
元述提督は「黄飛鴻、余にその弟子が持ってる名簿を渡せ!きっと総督もお喜びになるぞ?」と語りかけながらも、懐から白地に厚く長い布を取り出します。そう、これこそが元述提督必殺の武器である布棍でした。
ここで重要なポイントがあって、前編で触れました黄飛鴻が元述提督と初対面した際、元述提督がその布棍の演武を終えた瞬間に黄飛鴻が姿を見せています。
要するに黄飛鴻はこの決戦の瞬間に至るまで元述提督が布棍の達人である事を知らずにいたわけで、だからこそ元述提督が自らの全身に布棍を巻き込むように回転させながら自分と梁寛に猛然と迫って来た時、黄飛鴻が「こ、これは・・・布棍!?」と俄然警戒するわけです。
元述提督の布棍の猛攻に対して、竹棒を手にしながらも狭い通路、さらには弟子の梁寛を庇いながらの闘いを強いられる黄飛鴻は苦戦します。
しかし、冷酷な元述提督の一撃が弟子の梁寛に叩き込まれた時、黄飛鴻は遂に怒りを爆発させると、自分の顔面に迫る提督の布棍を電撃の無影脚で壁に叩き着け撃退!「無影脚!馬、馬鹿な!?」
愕然とする元述提督に黄飛鴻は高々と跳躍すると、今度は無影脚の4連打!元述提督は血反吐を吐き後退しながらも、最後の力を振り絞り布棍を黄飛鴻の首筋に巻き着け、そのまま万力で締め上げます!
「バキバキィ!・・・」黄飛鴻は自分の首筋と巻き着いた布棍の間に咄嗟に挟み込んだ竹棒がその衝撃で折れ、鋭利な刃状になったのを見て取ると、そのまま元述提督目掛けて捨て身の突進!いま運命の決着の時が来た・・・!

この黄飛鴻vs納蘭元述提督のまさに衝撃の決着シーンは、私がここで触れるよりも、是非とも皆さんご自身がDVD&BDで観直してみて頂きたいと思います。文字通り、全ての時、全ての人材、全ての情熱が一つになって生まれた奇跡の大傑作、それがこの「ワンチャイ天地大乱」でした。
98年の6月に都内は新宿で私がドニー兄貴と初対面した時、谷垣健治監督が通訳を務めてくれる中、この「~天地大乱」についてドニー兄貴に訊いているんですが、ドニー兄貴は以下のようなエピソードを話してくれました。

ドニー兄貴「あの「黄飛鴻之二」で共演した李連杰とは北京武術隊で一緒に修行した仲さ。でも武術隊では李連杰とは余り会う事はなくて、彼が「少林寺」に出た後に武術隊に帰って来た時に会ったよ。「黄飛鴻之二」で俺が得意のキックを殆ど使わなかった理由?あの時は徐克が何時もセットに来ていて「あれは駄目!これは駄目!」って煩く注文ばかり付けて来たんだよ。俺も李連杰とはもっとキックを使って闘いたかったけど、しょうがないよな。俺が使った布棍は誰のアイディアかって?決まってるだろ?俺だよ、俺!」

最後に、私が以前に主宰していた同人誌「龍熱」で緊急臨時増刊号として発行した「現代の黄飛鴻~李連杰総力特集号」の巻頭では、この「~天地大乱」の完全ノベライゼーションに挑み、全国の李連杰信者の皆さんに絶賛して頂いた思い出があります(^_^)。
それもあってか、この「~李連杰総力特集号」は僅数発行主義を貫いた「龍熱」史上、たった1度だけ増刷を行った唯一の「龍熱」となったのでした。
というわけで、THIS IS ? YEES! 甄子丹!! 次回もお楽しみに!!

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