さてさて、そろそろ大台の40回が迫って来た「THIS IS 甄子丹」第37回ですが、今回は霍耀良導演、我らがドニー兄貴こと甄子丹(動作導演兼任)&安志杰主演『特殊身分』(13)でいきましょう!(M.Kさん、ご厚意感謝です!)
この『特殊身分』は不祥事で警官を免職となった英語も出来ず、字もろくに読めない主人公陳子龍(ドニー兄貴)が張毛雄(鄒兆龍)率いる黒社会組織に潜入捜査官として入り込み、文字通り命懸けの捜査を行う姿を描いています。
映画の冒頭で泰人ヤクザ(盧惠光)とのマージャン勝負が揉めまくって(笑)、最後は陳子龍と泰人が決闘で勝負を決するファイト・シーンがあるんですが、もうここから近年のドニー兄貴作品ではお約束の“猛爆MMA!”スタイルが全開状態で、ドニー兄貴は盧惠光相手にあの猪木vsアリ戦でアントンが披露したアリ・キックまでやっております(苦笑)。
今回のドニー兄貴扮する陳子龍は無類の格闘術を誇りながらも自分の母親(鮑起靜)を溺愛し、誰もが神経と肉体を日々磨り減らせる過酷な潜入捜査も飄々とこなす、言わば“Happy go lucky”的なキャラクターを好演しています。
ただそんな陳子龍も自分の母親がボスの張毛雄に美容院に呼び出され、陳子龍の目の前で母親が張親分(コリン、名演です)が手にした鋭利な鋏で散髪されたりといった綱渡りの捜査に辟易し、上司の張警部(鄭中基)に「俺はもうこんな潜入捜査は止めるぜ!早く警官の資格を返してくれ!」と迫るのでした。
ところが、張親分が取引に用意したブツをアメリカ帰りのサニー(安志杰)が横取りし大陸に逃げた事で、陳子龍は香港から大陸へとサニーを追う事となります。実はこのサニーこそかつては陳子龍に命を助けられた陳子龍の弟分で、2人は数年振りに運命の再会を果たす事となります!
陳子龍は大陸で南海の捜査チームと合流し、そこで美人警官の方静(景甜)と出会います。陳子龍と方静は最初から絶えず衝突しますが、やがてお互いに惹かれ合っていく事となります。
陳子龍はサニーが仲間と会食しているレストランを訪れサニーと再会しますが、その場でサニーが発した「龍可、ちょっと太ったんじゃねえか?」の一言に過剰反応し「そんなこたぁねえよ!こうやって何時も鍛えてらぁ!ホレ!ホレ!ホレ!ホレェ!」とサニーの顔面スレスレに威嚇パンチを連発!その陳子龍のオチョクリ行為に「こんの野郎!・・」と切れたサニーが今度は逆に陳子龍の顔面スレスレに「オラ!オラ!オラ!オラァ!」とパンチを繰り出した事で、瞬時に2人は乱闘に!(いいねえー!いいねえー!)
この陳子龍とサニーの第1ラウンドでは、一瞬脇見をしたサニーの足元を目敏く蹴り飛ばした陳子龍が「ほれぇ?そんな横見してると、すぐ俺は蹴り入れちゃうぜ!?」とオチョクり、サニーをさらにカリカリさせるなんて傑作シーンがあったりします(笑)。
しかし、その陳子龍とサニーの“オヤジ中学生”たちの小競り合いも、突如サニーの仲間が店外から狙撃された事で「龍可!お前、やっぱり張毛雄から俺を消すよう言われて来たな!?殺っちまえぇぇ!」とのサニーの命令で、いきなり陳子龍vsサニー軍団の大乱闘が火蓋を切ります!!!
ここでの陳子龍vsサニー軍団のビル内での大乱闘は、ドニー兄貴が電撃のサイドキック、飛び膝蹴り、そして切れ味抜群の関節技を駆使しながら、狭く閉ざされた空間を巧みに利用した様々なバリエーションのファイト・シーンが延々と繰り広げられ、まさに圧巻の乱闘シーンに仕上がっています。
この陳子龍とサニーの亀裂はその後も修復される事なく、追い詰められたサニーは陳子龍の母親を襲撃!自分の愛する母親に重症を負わせたサニーにブチ切れた陳子龍は方静と共にサニーを猛然と追跡!2人は壮絶なカーチェイスの果てに、遂に工事中のハイウェイで決着の時を迎えます。
サニー「龍可・・・お前、潜入捜査官なんだってなぁ?どうした、また警官に戻りてえんだろう?いいか!所詮、お前は負け犬なんだよぉぉ!」
陳子龍「!・・・・」
ここからの陳子龍vsサニーの息詰まる一騎打ちは、思わず観ている観客がコブシを握り、さらには2人の火花散らす“痛すぎる”ド突き合いに顔を顰め、そして最後の決着シーンにはホッと安堵の溜息を着くという、まさに「甄子丹作品」の名に恥じない素晴らしい完成度のクンフー“猛爆MMA!”ファイトでした。
ただ今回の『特殊身分』、龍熱としては以下の点がちょっとだけ物足りなかった感があります。
(1)陳子龍と方静の恋愛模様が中途半端。景甜が劇中で見事な格闘シーン(ドニー兄貴の指導で)を見せていただけにそこが余計残念。
(2)張毛雄役の鄒兆龍が劇中で殆どアクションを見せない。やっぱり最後はドニー兄貴が鄒兆龍、安志杰を連続撃破して欲しかった!
(3)陳子龍とサニーの確執描写がやや破綻気味で観客に伝わり難い。安志杰が英語と北京語チャンポンのサニーを凄みタップリに演じてたのに・・・。
それにしてもこのドニー兄貴主演最新作『特殊身分』。もしも題名が『終極解碼』のままで、安志杰が演じたサニーを趙文卓が颯爽と演じていたら!?と思うと、本当に何とも残念で複雑な思いです。というわけで、次回の「THIS IS 甄子丹」もどうぞお楽しみに!
この『特殊身分』は不祥事で警官を免職となった英語も出来ず、字もろくに読めない主人公陳子龍(ドニー兄貴)が張毛雄(鄒兆龍)率いる黒社会組織に潜入捜査官として入り込み、文字通り命懸けの捜査を行う姿を描いています。
映画の冒頭で泰人ヤクザ(盧惠光)とのマージャン勝負が揉めまくって(笑)、最後は陳子龍と泰人が決闘で勝負を決するファイト・シーンがあるんですが、もうここから近年のドニー兄貴作品ではお約束の“猛爆MMA!”スタイルが全開状態で、ドニー兄貴は盧惠光相手にあの猪木vsアリ戦でアントンが披露したアリ・キックまでやっております(苦笑)。
今回のドニー兄貴扮する陳子龍は無類の格闘術を誇りながらも自分の母親(鮑起靜)を溺愛し、誰もが神経と肉体を日々磨り減らせる過酷な潜入捜査も飄々とこなす、言わば“Happy go lucky”的なキャラクターを好演しています。
ただそんな陳子龍も自分の母親がボスの張毛雄に美容院に呼び出され、陳子龍の目の前で母親が張親分(コリン、名演です)が手にした鋭利な鋏で散髪されたりといった綱渡りの捜査に辟易し、上司の張警部(鄭中基)に「俺はもうこんな潜入捜査は止めるぜ!早く警官の資格を返してくれ!」と迫るのでした。
ところが、張親分が取引に用意したブツをアメリカ帰りのサニー(安志杰)が横取りし大陸に逃げた事で、陳子龍は香港から大陸へとサニーを追う事となります。実はこのサニーこそかつては陳子龍に命を助けられた陳子龍の弟分で、2人は数年振りに運命の再会を果たす事となります!
陳子龍は大陸で南海の捜査チームと合流し、そこで美人警官の方静(景甜)と出会います。陳子龍と方静は最初から絶えず衝突しますが、やがてお互いに惹かれ合っていく事となります。
陳子龍はサニーが仲間と会食しているレストランを訪れサニーと再会しますが、その場でサニーが発した「龍可、ちょっと太ったんじゃねえか?」の一言に過剰反応し「そんなこたぁねえよ!こうやって何時も鍛えてらぁ!ホレ!ホレ!ホレ!ホレェ!」とサニーの顔面スレスレに威嚇パンチを連発!その陳子龍のオチョクリ行為に「こんの野郎!・・」と切れたサニーが今度は逆に陳子龍の顔面スレスレに「オラ!オラ!オラ!オラァ!」とパンチを繰り出した事で、瞬時に2人は乱闘に!(いいねえー!いいねえー!)
この陳子龍とサニーの第1ラウンドでは、一瞬脇見をしたサニーの足元を目敏く蹴り飛ばした陳子龍が「ほれぇ?そんな横見してると、すぐ俺は蹴り入れちゃうぜ!?」とオチョクり、サニーをさらにカリカリさせるなんて傑作シーンがあったりします(笑)。
しかし、その陳子龍とサニーの“オヤジ中学生”たちの小競り合いも、突如サニーの仲間が店外から狙撃された事で「龍可!お前、やっぱり張毛雄から俺を消すよう言われて来たな!?殺っちまえぇぇ!」とのサニーの命令で、いきなり陳子龍vsサニー軍団の大乱闘が火蓋を切ります!!!
ここでの陳子龍vsサニー軍団のビル内での大乱闘は、ドニー兄貴が電撃のサイドキック、飛び膝蹴り、そして切れ味抜群の関節技を駆使しながら、狭く閉ざされた空間を巧みに利用した様々なバリエーションのファイト・シーンが延々と繰り広げられ、まさに圧巻の乱闘シーンに仕上がっています。
この陳子龍とサニーの亀裂はその後も修復される事なく、追い詰められたサニーは陳子龍の母親を襲撃!自分の愛する母親に重症を負わせたサニーにブチ切れた陳子龍は方静と共にサニーを猛然と追跡!2人は壮絶なカーチェイスの果てに、遂に工事中のハイウェイで決着の時を迎えます。
サニー「龍可・・・お前、潜入捜査官なんだってなぁ?どうした、また警官に戻りてえんだろう?いいか!所詮、お前は負け犬なんだよぉぉ!」
陳子龍「!・・・・」
ここからの陳子龍vsサニーの息詰まる一騎打ちは、思わず観ている観客がコブシを握り、さらには2人の火花散らす“痛すぎる”ド突き合いに顔を顰め、そして最後の決着シーンにはホッと安堵の溜息を着くという、まさに「甄子丹作品」の名に恥じない素晴らしい完成度のクンフー“猛爆MMA!”ファイトでした。
ただ今回の『特殊身分』、龍熱としては以下の点がちょっとだけ物足りなかった感があります。
(1)陳子龍と方静の恋愛模様が中途半端。景甜が劇中で見事な格闘シーン(ドニー兄貴の指導で)を見せていただけにそこが余計残念。
(2)張毛雄役の鄒兆龍が劇中で殆どアクションを見せない。やっぱり最後はドニー兄貴が鄒兆龍、安志杰を連続撃破して欲しかった!
(3)陳子龍とサニーの確執描写がやや破綻気味で観客に伝わり難い。安志杰が英語と北京語チャンポンのサニーを凄みタップリに演じてたのに・・・。
それにしてもこのドニー兄貴主演最新作『特殊身分』。もしも題名が『終極解碼』のままで、安志杰が演じたサニーを趙文卓が颯爽と演じていたら!?と思うと、本当に何とも残念で複雑な思いです。というわけで、次回の「THIS IS 甄子丹」もどうぞお楽しみに!