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熱風!韓国LEGENDS⑪ 俳優vsヤクザ!カン・ジファン&ソ・ジソブ主演『映画は映画だ!』

2008-11-12 14:12:23 | 熱風!韓国LEGENDS
さてさて、古き良き韓国クンフー映画だけではなく最新韓国アクション映画もフォローする「熱風!韓国LEGENDS」第11回は、チャン・フン導演、カン・ジファン、ソ・ジソブ主演『映画は映画だ!』(08)です。
いやこの映画も製作段階でその作品のストーリーを知ってから凄く観たかった映画なんです!イケメン俳優で腕っ節に自信のあるチャン・スター(カン・ジファン。スターって・・オイオイ?)は、その激しやすい性格からアクション映画の撮影中に、執拗に“誤って”自分の顔面にパンチを入れて来る相手俳優にブチ切れてボコボコ!にしてしまい、それが原因でその映画のチャンのアクション・シーンの相手役を誰も引き受けなくなってしまう事態となります。(この撮影中の映画・・であるアクション・シーンが中々ナイスな蹴り技をチャンが連発する映画で(苦笑)、個人的に完成版が観てみたい!と思いました)
困ったチャンは、以前にバーで自分のサインを貰う貰わないで喧嘩寸前になった異様な雰囲気を持つヤクザ者、イ・カンペ(ソ・ジソブ)の連絡先を思い出し、カンペを自分の映画の相手役に抜擢する事を思い付きます。
日々ヤクザの殺し合いの世界で生きているカンペは、自分が以前から密かに映画スターになる事を夢見ていた事もありチャンの申し出を受け入れますが、一つだけ条件を出します。
その条件とは・・「映画の中の自分とチャンのアクション・シーンは全て“本物の喧嘩”である事!」いや~どうですか?ここまででももうワクワクする展開でしょう?(苦笑)。
ここから映画の撮影現場に本物のヤクザであるカンペが参入した事による様々なトラブルが起きていくんですが、中でもいよいよ撮影となる映画の序盤のチャンとカンペの対決シーンは実にリアルかつ完成度の高い格闘シーンに仕上がっていて私も感心してしまいました。
要するにここでのチャンとカンペの対決シーンでは、いくらチャンが喧嘩モードとは言え、カンペが本物の命のやり取りで鍛えた“ステゴロ”、つまり無敵の喧嘩術でひたすらチャンを圧倒しまくる展開が私たち観客にもハッキリと判るように2人の格闘シーンが構成されているんですね。
こうして最初は顔を合わせれば殴り合っていたチャンとカンペは、お互いに起きる様々なトラブルを経ていく事によって次第に男同士の絆で結ばれていきます。やがてヤクザの世界に生きるカンペに非常事態が起きたため、カンペは否応無く撮影現場を離脱する事になり、チャンはそのカンペの現場離脱に激怒しますが、数日後心も身体もボロボロになったカンペは映画のラストに残されたチャンとの1対1の決闘シーン撮影のために再び現場に帰って来ます。
さあここからが映画のクライマックスで、郊外の埋立地で対峙するチャン・スターとイ・カンペ。
2人は傍らでカメラが回っているのを忘れたかようにただ黙々と殴り蹴り合い、それこそ顔から身体から血だらけ、泥だらけになりながら闘い切り、やがて両者は同時に泥の中に崩れ落ちます・・!
このシーンは2人が全身泥だらけでグチャグチャになって闘いながらも、何故かその2人の姿がとても美しく感動的なシーンに仕上がっています。
そして長い静寂の果てに1人がヨロヨロと立ち上がり、もう1人が倒れたまま上空一杯に広がる青空を見上げる中、クライマックス・シーンの撮影が無事に終わり、“イケメン俳優”と“本物のヤクザ”の共演映画も撮影を終了します。
でもですね、この映画の本当のエンディングと言うか、クライマックスは実はここからで、映画の撮影を終えチャンとの約束を果たしたカンペは元々の自分の住処である“極道の掟”に従ってある人物に落とし前を着けるために撮影所を車で後にするとそのまま繁華街に向かいます。思わずそれを車で追うチャン・スター。
そして繁華街でカンペに追い着いたチャンがそこで見た余りにも衝撃的なイ・カンペの姿とは!?ここでそれをお話するとネタバレになってしまいますので詳しくは触れませんが、映画の最後の最後に警官に手錠で繋がれ顔面を返り血で真っ赤に染めたままパトカーに押し込められたカンペが自らの頭でパトカーの窓ガラスを叩き割り、パトカーの傍らで呆然と立ち尽くすチャンに向かって凄みタップリに「ニヤリ!・・」と笑い最後の別れを告げるラスト・シーンはまさに強烈なインパクトを残します!
カン・ジファン&ソ・ジソブの2大スターが真っ向勝負で激突する『映画は映画だ!』、是非とも何らかの形での日本劇場公開熱望です!

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