超級龍熱

香港功夫映画と共に

トム・クルーズ主演「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」来月公開!

2015-07-31 11:56:07 | 作品レビュー
さて、昨日は都内某所でクリストファー・マッカリー監督、トム・クルーズ主演「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」(15)の完成披露試写会に行って来ました。既に5作目となるこの映画版「スパイ大作戦」ですが、今回は作品の全体的なバランスやアクションの完成度ではシリーズのベスト作品に仕上がっています。
まず、これまで予告編やテレビで何度も披露されている超音速で上昇する飛行機のドア部分にトム演じるイーサン・ハント(本人やってます!)が両手だけでしがみ付き、そのまま飛行機がグングン上昇していく仰天シーン、実はこれオープニングに登場するシーンなんです(苦笑)。
要するにトム・クルーズ本人に言わせると「みんな、今回の「MI:5」はこの程度で驚いてちゃ駄目だぜ?」って事なんでしょうね(^_^)。
実際この「MI:5」、その後もイーサン・ハント率いるIMFの前に出現した謎の多国籍スパイ組織“シンジケート”との壮絶な死闘の過程では、イーサンが直面する拷問直前の密室からの決死の脱出劇、不可能とされる無呼吸での6分間に及ぶ潜水アクション、スタント無視での猛スピードの公道バイク・チェイスなどが、観ているこちらも思わず「トム、何、何もそこまでやらなくてもー!?」と冷や汗連続となるデンジャラス&スリリングなアクションとして次々と映し出されていきます。
それでいて肝心のストーリー部分も、イーサン・ハントがIMFの仲間(お馴染みジェレミー・レナー、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ)とスクラムを組み、相手の心理の隙を巧みに突きながら敵を追い詰めていく冷酷非情な“シンジケート”のボス、レーン(ショーン・ハリス)、さらには謎の美女スパイで無敵の挌闘テクニックを誇るイルサ(龍熱も二重丸の美人女優レベッカ・ファーガソン♪)に対し、敢然と闘いを挑んでいく姿がテンポ良い展開と細かい人物描写で2時間12分の上映時間を少しもダレる事無く一気に見せ切っています。
私はクライマックスの決着シーンの前に、もう一つ大きなアクションの見せ場があっても良かったかな、とも感じましたが、それでもこの「MI:5」がハリウッド・スパイ・アクション映画の最高峰である事に間違いはないでしょう。この映画、ハッキリ言って龍熱のお薦めです!
この「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」は、来月8月7日から全国ロードショー公開となりますので、是非!!

こちらが「MI:5」公式サイトです→ http://www.missionimpossiblejp.jp/

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バトミントン版「少林サッカー」登場!何超儀主演「全力スマッシュ」10月公開!!

2015-07-22 21:01:35 | 作品レビュー
さてさて、今日は郭子健&黄智亨導演、何超儀&鄭伊健主演のバトミントン映画「全力スマッシュ」(15)を試写で観て来ました。
かつては女子バトミントンの名選手として知られながら、周囲との摩擦から現役を退き、今は兄の飲食店で惰性の日々を過ごす女性主人公サウ(何超儀)が、過去に犯罪を犯しながらバトミンンで人生を更生しようと「バトミントン同好会(のエンブレムが邵氏公司のそれにソックリ!)」を立ち上げたラウ(鄭伊健)たちと出会い、もう1度ラケットを手にしダブルズのTVバトミントン選手権に挑戦する!・・・というまさに「少林サッカー」のバトミントン版なわけです(^_^)。
劇中のバトミントンの試合シーンは迫力&リアル感十分ですし、そこにサウとラウの恋愛模様も絡み、映画はクライマックスのトーナメント選手権で最高潮を迎えます。ちょっとラウの師匠の下品&1人よがりの演技が鼻に付きますが、それでも音楽を日本人の波多野裕介が担当していたり、出演者の役名(原名)が黄飛鴻、戚冠軍、王龍威と邵氏公司信者なら思わず「ニヤリ!」とする役名だったりと、さすが「燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘」の郭子健導演作品です。
この「全力スマッシュ」は10月10日から「新宿シネマカリテ」ほかにて順次ロードショーとの事です!!

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今日は“世紀の闘神”李小龍の42回目の命日です。

2015-07-20 14:55:40 | 闘神伝説~李小龍
さて、「李小龍、命日追悼特別企画」として3日間に渡ってお届けしました「死亡遊戯:完全版2015」如何でしたでしょうか。
今はリーさんの42回目の命日である今日7月20日に、この“ファイティング・ノベライゼーション”を無事にゴールに導き、恐らくはお手元に「GOD」と「WJ」のDVDを用意した下さっている皆さんに無事にバトンを渡す事が出来た安堵感、そして心地よい達成感で只々ホッとしています。
今回、リーさんの命日に私が果たして何が出来るか?どのような形でリーさんに追悼の意を示せるか?を考えた時、私の心に思い浮かんだ事、それは私が香港功夫映画評論家である事でした。
だとしたら映画評論家なら映画評論家らしく、自分自身が書き下ろす文章で、それもリーさんが撮影半ばで惜しくも夭逝したがために未完成に終わった「死亡遊戯」を、私の大好きな「死亡遊戯」の未撮影フロア部分を敢えて書いてみよう、そう思い立ったのでした。
その五重塔の3つのフロアの執筆に際して、特に本稿のクライマックスとなった“虎殿”の詳細な台詞及び展開は、やはりジョン・リトル著による「Warrior`s Journey」本が参考になりました。日頃からジョン・リトルには厳しい私ですが(^_^)、こと「死亡遊戯」の五重塔内のファイトやキャスト検証に関しては、やはり必読に値する研究書だと思います。
またこの「死亡遊戯:完全版2015」が五重塔内の中盤である3階は“虎殿”で終わっている事。これには勿論幾つかの理由があります。
一つはこのまま一気に4階から5階、さらにはエンディングまで書き上げるには余りにも時間が足りず、とても7月20日には間に合わなかったからでした。
もう一つはエンディング、つまり五重塔の最上階にあるとされる“秘宝”の正体に関しては、私自身完璧なリサーチ(ジョージ・タンから“秘宝”の正体が何であるかある程度は聞いてはいます)が終わっていない事と、ハイ・ティエンが五重塔の試練を全て排除し、そのまま塔を降りていった後の展開に関してまだまだ情報&資料が乏しい、などが理由としてありました。
確かにそのような資料&検証不足の部分は、今回の「死亡遊戯:完全版2015」のように1階部分でリーさんのダブルで金泰靖を起用したり、自分のシャツを破かれた田俊が劉永のシャツに着替えたり、といった思い切った脚色を駆使する事で乗り越える事も出来たかもしれません。
ただ、それでも私はこの“虎殿”以降のハイ・ティエンが彼の“全てを懸けたデスゲーム”に挑む雄姿は「死亡遊戯:完全版2015」完結編を発表するその時まで、どうかお時間を頂きたい、と切にお願いする次第です。
最後になりましたが、今回本稿「死亡遊戯:完全版2015」を3日間に渡り最後まで読んで下さった皆さんに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました!!!
そして、この「死亡遊戯:完全版2015」を42年前に「死亡遊戯」撮影再開に向けて意欲を燃やしながら、惜しくも志し半ばで夭逝した“武打巨星”李小龍に謹んで捧げます。誠意献給一代巨星、李小龍!

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「死亡遊戯:完全版2015」 ③ デスゲームに懸ける!“フィリピンの魔杖師”編

2015-07-20 10:13:29 | 闘神伝説~李小龍
ジェームズと丸太を手にしたカイが3階の階段を共に駆け上がって来る。2人が用心深く3階を見渡すと、そこはフロアの中央の奥に虎の壁画が掘られ、壁画の前の椅子には虎の毛皮の上に浅黒い顔のフィリピン人が悠然と座りジェームズたちをジッと見つめていた。
カイが「おい、あのフィリピン人は王の8㎜に出て来たエスクリマの達人だぞ?」とジェームズに声をかける。ジェームズはそれには答えず、警戒するような表情で頷くだけだった。
3階は“虎殿”の番人にして、額に赤の鉢巻を巻き、全身を黒の道着に身を包んだフィリピノ・エスクリマの達人パスカル(ダン・イノサント)は五重塔の侵入者である2人から視線を外さず、傍らのテーブルから2本のカリ・スティックを「カチャリ!」と手に取るとユックリと椅子から降りた。そして両手にカリ・スティックを持つと、それを無言で叩き始める!
「カンカカカンカン!カンカン!!カンカカカンカン!カンカン!!」
「何だ?ありゃ何の真似だ!」カイが思わず動揺してジェームズを振り返り不安げに問う。ジェームズは「おい、お前の丸太はあの野郎の棒っ切れより長いぜ?さあ、痛めつけて来てやれって!」とカイの肩を叩く。
「よ、よし!」カイが丸太を手にパスカルに接近する。「カンカカカンカン!カンカン!」依然として無言でカリを叩き続けるパスカル。
カイは極度の緊張状態から汗をダラダラ流しながらも、丸太を大きく振り回し気合い諸共パスカルに突進する!「だあああああ!」
それを見たパスカルがカイの丸太攻撃をカワし、2本のカリ・スティックでカイの顔面を連打する!「トオオォリャアァ!」
「あぐあぁ!」思わず丸太を持ったまま後退し、背後のジェームズを振り返るカイ。
ジェームズは顔を歪めながら「チェッ!何をビビってんだ?行け!行けぇ!」と檄を飛ばす。「お、おう!」カイは再度丸太を手にパスカルに突進!
パスカルはカイの丸太攻撃を素早い動きで横に受け流すと、ガラ空きになったカイの後頭部から肩にかけてカリを何発も叩き込む!
「ファイ!ファァイ!」「ぐぐあぁ!うぐあ!」「ガラガラ~ン!」カイの両腕から丸太が床に落ち音を立てる!
パスカルは薄ら笑いを浮かべ、手に持っていた2本のカリ・スティックを自分が座っていた傍らの虎の毛皮で覆われた椅子に投げ捨て、素手でカイに襲いかかる!
「トォォリャァ!トォォ!」パスカルの電撃の拳技を浴びてカイは再び転倒!
ジェームズはパスカルの見事な拳技に見入りながら「なるほどな、ケンポー空手か」と唸る。フラフラで立ち上がったカイは、まるで他人事のような顔で立っているジェームズに「おい!お前もコイツを何とかしろ!」と怒号を浴びせるが、ジェームズは腕組みすると「何のために?お前の空手ならコイツといい勝負だろう?」とせせら笑いで返す。
「く、くそぉ!」カイは身体中の激痛に耐えながら身構えると、パスカルに突進!
しかしパスカルはカイの顔面からボディに連続で鉄拳を叩き込み、そのままカイの足を払い転倒させると思い切りカイの身体を踏み付ける!
さらにパスカルは意識朦朧となったカイの顔面に止めの蹴りを叩き込んだ!!
「ドアリャァ!」「げふっ!・・・・」
パスカルはカイが失神したのを確認すると、そのまま背後のジェームズに向かって振り返り、殺気に満ちた表情で身構えると、両手をユックリと旋回させながらジェームズを挑発する。
「この野郎!・・・」ジェームズはパスカルを睨みながら、2階から持って来た短棒を腰から引き抜くと「いやああ!」と片手で旋回させパスカルを威嚇する。
「・・・フフン!」それを見たパスカルは侮蔑を含んだ笑みを浮かべると、ジェームズを見据えながら2、3歩下がり、虎の毛皮の椅子の上にあるカリ・スティックを1本掴み取る。そして再びジェームズの前に立つと、カリ・スティックを自分の肩から腰へとスイッチしながら猛然と旋回させ始める!
「ヒュン!ヒュヒュン!ヒュン!ヒュヒュン!」
それは一匹の赤い蛇がパスカルの全身を踊り狂い這い回るような、まさに異様な妖気さえ感じさせる“フィリピンの魔杖師”の独演会だった!
「ファァァイヤァ!」ババッ!・・・パスカルはカリ・スティックをジェームズの喉元に突き付けるように制止させ身構えると「ニヤリ!」と笑みを浮かべる。
それを見たジェームズは無言で短棒を廻しながらパスカルの隙を窺い突進する!
「いやあああ!」自分に迫るジェームズの足許にカリ・スティックを叩き着けたパスカルは「あぐああ!」と悲鳴を上げるジェームズを見届けると、またも笑みを浮かべながら後方の椅子へと戻り、もう1本のカリ・スティックを取り、今度は2本のカリ・スティックをユックリと肩から胴、そして腰の周りへと滑らせるように旋回させジェームズを挑発する。
「舐、舐めやがってぇぇ!」怒号と共にジェームズがパスカルに再び迫る!しかし今度もパスカルのカリ・スティックがジェームズのボディ、そして顔面に叩き込まれ、ジェームズが痛みと混乱からそのまま階段付近へとヨロヨロと後退した・・・その時!

「タン!タン!タン!」2階からバオにヌンチャクケースを掛けたハイ・ティエンが階段を駆け上がって来た。ハイ・ティエンは目の前で“フィリピンの魔杖師”に滅多滅多に打ちのめされ棒立ち状態のジェームズが自分に向かって防戦一方で後退して来る様と、その背後から2本のカリ・スティックを変幻自在に振り回し突進して来る赤鉢巻の男を瞬時に確認すると、手にしたバオをエスクリマの達人に向かって振り下ろす!「オアチャアアァ!」
自分の目の前に突如現れた黄色いトラックスーツ姿の男が振り下ろしたバオの一振りでジャームズにトドメを刺し損なったパスカルは、その場で立ち止まるとカリ・スティックを今度はハイ・ティエンに突き付ける!
ハイ・ティエンがパスカルの突進を止めたのと同時に、ハイ・ティエンの真横にジェームズが音を立てて倒れる。息遣いも荒く座り込むジェームズをハイ・ティエンが横目で見下ろす。それを憎々しげに見上げ返すジェームズ。
「ジェームズ、カイはどうした?」ハイ・ティエンの問いにジェームズが無言でパスカルの背後に仰向けで倒れ失神しているカイを顎で示す。
カイの姿を確認したハイ・ティエンは、改めて自分に向けて2本のカリ・スティックを十字に重ね身構えるパスカルに視線を戻すと「ユーは英語は喋れるのか?」と問いかける。
ハイ・ティエンの流暢な英語に対してパスカルはカリ・スティックを下ろすと「オフコース、喋れるさ!」と英語で答える。それを聞いたジェームズが立ち上がりハイ・ティエンの隣に並ぶと憎悪に満ちた視線をパスカルに浴びせる。
ハイ・ティエンは依然としてバオをパスカルに突き付けながらも「なあ、そこに倒れている男を退けさせてくれないか?そうすれば、ミーとユーでこのフロアを目一杯使って闘えるじゃないか?」と提案する。
パスカルが応える。「いいだろう。但し、4階への階段には近ずくなよ?」
ハイ・ティエンは視線を1度ジェームズに移し、さらにその視線を倒れているカイに移す。「けっ!」全身で不満を表しながらジェームズは手に持った短棒を床に投げ捨てると、用心深くパスカルの立つ位置を回り込みながらカイに接近し「おい・・・おい!起きろ!」とカイを揺り起こす。
「ああ?・・・うむむむ!」目を覚ましたカイが頭を振りながら立ち上がる。
ハイ・ティエンはジェームズとカイが自分の隣に戻るのを確認すると、パスカルが自分を挑発するように「ヒュン!ヒュヒュン!ヒュン!」と猛スピードで2本のカリ・スティックを旋回させるのを見つめていたが、すぐに手に持っていたヌンチャクケースをジェームズの胸板に押し付ける。
「この・・・野郎!?」ジェームズは一瞬怒りの表情でハイ・ティエンを見据えるが、渋々ヌンチャクケースを受け取り、そのままヨロケているカイと後方に退く。

遂に1対1で対峙したハイ・ティエンとパスカル。パスカルはジェームズとカイに対して見せたのと同様に敵を威嚇し混乱させようと、2本のカリ・スティックを打ち鳴らし始める!「カンカカカンカン!カンカン!カンカカカンカン!カンカン!」
しかしハイ・ティエンはジェームズやカイとは違った。ハイ・ティエンは“フィリピンの魔杖師”の挑発をまるで“海辺に静かに打ち寄せる波の音”を聞くかのように受け流すと、不敵な笑みを浮かべながら静かに口を開く。
「見事なスティック・コントロールだ。だがミーのこのバオはユーのそのスティックよりも長く柔軟性がある。つまりユーの“赤い蛇”ではミーの“緑の獰猛な蜂”のスピードと変化には到底付いて来れないな?そう、ミーこそがユーが守るこのフロアの“ビッグ・トラブル”なのさ!」
ハイ・ティエンの静かに、そして自信に満ちた言葉にこの“虎殿”の闘いで初めて動揺の色を浮かべたパスカルは、怒りと不安を掻き消すようにカリ・スティックを激しく旋回させると「それは、直ぐに判る事だ!」と身構える。
ハイ・ティエンは手に握ったバオをユックリと頭上に上げ、そのまま一端制止させると、まるで“心の奥のもう1人の自分”に対して語りかけるかのように精神を集中させる。

「この全身から湧き出るような闘争心・・・一体何時以来の事だろう。引退して闘いの場から身を退いていた私だが、いま再びこうして“命懸けのゲーム”の場に帰って来た。この五重塔の更なる上階で如何なる試練が私を待っていようとも、私は必ずそれに打ち勝って見せる!そう、私はこの“デスゲーム”に全てを懸ける!」

ハイ・ティエンはユックリとバオを床に向かって下ろすと、唖然とするパスカルに向かって笑みを返しながら、バオの先端で床を叩き返す。
「カンカカカンカン!カンカン!!」
そして“死をも恐れぬ世界最強の男”は、猛々しい怪鳥のような雄叫びと共にバオの先端を“フィリピンの魔杖師”の額に叩き着けた!「アチョオオォォ!!!」
そのハイ・ティエンの雄叫びは、まるで暗雲渦巻く五重塔に新たなる“デスゲーム”の開始を告げるかのように雄々しく、そして勇壮に響き渡った・・・!!

           「死亡遊戯:完全版2015」第一部 完

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「死亡遊戯:完全版2015」 ② 裏切りと脱落!“死のカマキリ”編

2015-07-19 10:44:33 | 闘神伝説~李小龍
五重塔の2階への階段をハイ・ティエン(再び李小龍!)が駆け上がると、そのフロア、“豹殿”には強い香の匂いが立ち込めていた。
さらにフロアの脇の3階へと繋がる階段の下には大きな武器棚があり、そこには槍、棒、丸太、トンファー、サイなど、あらゆる武器類が飾られていた。
ハイ・ティエンが傍らに並んで立つジェームズたちに歩み寄る。と同時にフロアの中央にある雛壇に正座していた青の中国服を着た東洋人がサッと立ち上がった。
「ジャック・ホンの野郎。こんな所にいやがったのか!」ジェームズが吐き捨てる。
「あの武術家を知っているのか?」ハイ・ティエンの問いにジェームズは「ああ、奴はアメリカの中華街じゃ名の知れた螳螂拳の使い手よ。まさかこんな韓国の奥地に燻ってたとはな!」。
口髭を蓄えたジャック・ホン(ターキー木村)はハイ・ティエンたちの前に進み出ると、「シュバ!シュバ!」と獰猛なカマキリが獲物を襲うかのように螳螂拳の構えを取り威嚇する。「俺がいく!」とカイが一歩前に出ようとするのを制したジェームズが「リュウ、たまにはお前もいいとこ見せろよ!」と、横で腕を押さえ顔を歪めていたリュウをジャック・ホン目掛けて思い切り突き飛ばした!
「あわわわ!」慌てて構えるリュウに獲物を見定めたカマキリが襲いかかった!
「シュバ!バシュ!バシュシュ!」ジャック・ホンの鋭い螳螂拳がリュウの顔面から喉を何度も突き刺す!「ぐぎゃ!あぎゃう!ぐげえええ!」リュウは応戦する間もなく喉を突かれ、さらに両目を潰され、その場に仰向けに倒れると暫く痙攣していたが、やがて動かなくなった。
ジェームズはリュウの亡骸を冷たく見下ろし「最後まで何の役にも立たねえ奴だったな?」と吐き捨てると、直ぐに視線をハイ・ティエンに移し「さあ、ハイ師父?」とフロア中央を指差す。
「ジュームズ、お前は闘わないのか?」鋭い視線と共にハイ・ティエンが問う。
ジェームズは一歩後ろに下がり腕組みしながら「その時が来たらな?」とだけ応える。ハイ・ティエンは手に持っていたバオとヌンチャクケースを床に落とすと、慎重にフロア中央に進み出る。そして目の前で再び螳螂の構えを取るジャック・ホンに語りかける。
「以前に中華街で君と似たような名前の男と闘ったが、君は何か関係があるのか?」「・・・バカヤロウ!」ジャック・ホンは日本語でそう怒鳴ると、素早いステップでハイ・ティエンに迫る!「アタッアアァァ!」ハイ・ティエンはホンの攻撃を受け止めると、直ぐに短い間合いから電撃の掌底をホンの胸板に連打で叩き込む!
「うぐ・・・ぬうう!?」痛みと怒りで顔を真っ赤にしたジャック・ホンは、今度は低い連続蹴りを放つが、ハイ・ティエンは同じくローアングルからの蹴りでそれをブロック!さらにホンの顔面に電撃のハイキックを叩き込む!
「ホオオォ!アダァ!」「あぐぁ!・・・うぐぐ!」顔を押さえヨロける螳螂拳高手。
ハイ・ティエンがさらにジャック・ホンに迫ろうとした、その時!
突如、背後から強烈な蹴りがハイ・ティエンの背中にメリ込んだ!「うぐあぁ!?」
思わずハイ・ティエンが後ろを振り返ると、薄ら笑いを浮かべたジェームズが再度の蹴りをハイ・ティエンに放って来た!それを寸前でカワすハイ・ティエン!
「ジェームズ・・・何の真似だ!?」「何の真似?簡単さ、ここらでお前には消えて貰うのさ!」横で唖然とするカイを尻目に、ジェームズが素早い突きをハイ・ティエンに放つ!!「オジャアダァ!」ハイ・ティエンがそのジェームズの突きを受け止めると、2人の格闘家は睨み合いお互いの両腕を掴み合いながら激しく揉み合う!
「ジェームズ!私たちがここで闘ってどうする!?目的は最上階の“秘宝”じゃないのか!?」「そうさ、そのためにはお前が邪魔だ!“秘宝”を手にしてこのゲームに勝つ人間は1人だけだ!俺はどうしても金が要るんだ!」
ハイ・ティエンとジェームズが内輪揉めする様子に、ジャック・ホンは「ニヤリ!」と笑みを浮かべ螳螂拳の構えを解くと、その場で腕組みをしながら目の前の光景に見入っている。
ハイ・ティエンはとうとう怒りの怒号を発すると、ジェームズのシャツの両肩の5本線の部分を掴み「オアジャアァ!」とシャツを思い切り左右に引き裂く!
シャツを引き裂かれ上半身裸となり立ち尽くす現役武術王者は「ハイ・ティエン・・・てめえ?」と再び身構える。
ハイ・ティエンが「これ以上続けるなら、もはや私も手加減はしないぞ!」と腰をグッと落とし身構えるのを見ると、ジェームズは「・・・けっ!おい、お前はもうシャツは必要ないよな?」と傍らで倒れているリュウの亡骸を引き摺り起こすと、リュウの派手な柄シャツを奪い取り、それを自分が素早く着込む。
そしてハイ・ティエンに憎悪を込めた視線を向けると、カイに「カマキリ野郎はコイツに任せて俺たちは上だ!」と叫び、3階への階段下に歩を進め、傍らの武器棚から短い木棒を手にし腰に差す。それを見たカイもジェームズに倣い階段下の武器棚から巨大な丸太を手に取ると、1度「ブン!」と振り回し「よし!」とだけ気合いを入れ、階段を上がっていくジェームズの後を追うように3階へと駆け上がっていった。
その様子を見届けたハイ・ティエンは、目の前で上半身裸で横たわっているリュウの亡骸に静かに手を合わせると、ハイ・ティエンにジッと監視するような無遠慮な視線を浴びせていたジャック・ホンと再び向かい合った。
無言でジリジリと接近する截拳道と螳螂拳の達人。「シュバ!シュバ!シュババババ!」ホンの螳螂拳がハイ・ティエンの顔面に迫る!!ハイ・ティエンは寸前で身体を反転させると強烈な後ろ廻し蹴り!
「オオアッタァ!!」その蹴りがジャック・ホンの顎を見事に捉えた!
「ぐぐあぁ!」後退するホン!「アジョォ!アジャァ!!」ハイ・ティエンの左右のフックがホンの顔面に炸裂!!
ホンの左目が無残にも腫れ上がりシャッターを下ろすのを見たハイ・ティエンは、再びコブシを握り瀕死の螳螂拳高手に迫ろうとした、その時・・・!
「カン!カカカンカン!カンカン!カンカカカンカン!」「はっ?あ、あれは!」
ハイ・ティエンの頭上の3階から木材と木材を叩き合う異様な音が響いて来た!!
「カン!カカカンカン!カンカカカンカン!カンカン!」さらにその異様な音は不気味に同じリズムを保ちながら鳴り続ける!
「あれはフィリピノ・エスクリマのカリ・スティックを叩く音・・・そうか!この上の3階の番人はエスクリマの達人なのか!?」
ハイ・ティエンが思わず2階の天井を見上げ、自分から一瞬視線を外したのを確認したジャック・ホンは最後の力を振り絞り、ハイ・ティエンに突進する!
「ハアアアァ!」しかしハイ・ティエンはジャック・ホンの体当たりを正面から受け止め、火の出るような膝蹴りをホンのボディにメリ込ませる!「アチョォォ!」
さらにホンの首筋をガッチリと固め完璧なフロント・ネックロックを決める!!
ハイ・ティエンがホンの首を締め上げながら叫ぶ!「さあタップ(降参の意思表示)しろ!」「ノー!・・・ノー!!」「タップするんだ!」「ノオオォ!」
「頼む・・・タップしてくれ!」「ノオオオオォ!」ハイ・ティエンはジャック・ホンが首を決められ涎を出しながらも、ハイ・ティエンの急所に螳螂拳の突きを入れんと間合いを測っているのを察知すると、一気にネックロックでジャック・ホンの首をヘシ折った!「オオオオォ・・・アダァァ!」
「ボキボキィ!」・・・ハイ・ティエンは全身からガックリと力が抜け絶命したジャック・ホンの亡骸を床に静かに横たえると、3階から聞こえて来る激しい格闘音にジッと目を閉じ聴き入るのだった・・・。
以下、第3章にして怒涛のクライマックス「デスゲームに懸ける!“フィリピンの魔杖師”編」に続く!真夏の一夜限りの夢、“デスゲーム”を貴方と共に!!

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「死亡遊戯:完全版2015」 ① 乱戦!グランドフロア!“韓国の猛将”編

2015-07-18 01:26:43 | 闘神伝説~李小龍
(ここまでのあらすじ)無敵を誇りながら武術界から引退したばかりの格闘家ハイ・ティエンは、妹のリーエルや弟ローバと韓国に赴いた際、空港で何者かにリーエルたちを誘拐される。リーエルたちを拉致したのは韓国人黒社会のボス王国豪だった。王はハイ・ティエンにリーエルらの解放の交換条件として韓国奥地にある五重塔の最上階に隠された“秘宝”の奪取を強いる。
さらに王は用意した8㎜映像をハイ・ティエンに見せながら、金属探知機が装備された五重塔の各階には世界各国から選りすぐられた凄腕の挌闘家たちが待ち受けている事をハイ・ティエンに告げ、王が呼び寄せた4人の武術家の同行をハイ・ティエンに強要するのだった。
愛する妹たちのため選択の余地すらないハイ・ティエンは、素性や武術の腕前さえ不明の挑戦者たちと共に“命懸けのデスゲーム”に挑むべく、謎が渦巻く五重塔へと向かった・・・!

「バン!・・・バン!」大型バンのドアが開けては閉じられ、そこから手にバオとバッグを持ったスーツ姿のハイ・ティエン(李小龍!)、両肩に黒の5本線が入った白シャツ姿のジェームズ(田俊)、黒の道着を着込んだカイ(解元)、白の空手着姿のワン(黄家達)、派手な柄シャツ姿のリュウ(劉永)、そして真っ赤なシャツに赤ら顔のアコン(李昆)が次々と降りて来る。
ここは韓国の奥地。周りを山に囲まれ静まり返った寺院を前に、6人の挑戦者たちは目の前に不気味に聳え立つ五重塔をジッと見上げていた。
「本当にここなのか?」ハイ・ティエンがアコンに振り向き問う。アコンは「そうさ!俺の役目はあの塔の1階の門の開錠だけさ。あとはアンタらにお任せってな!キヒヒヒ!」。
ハイ・ティエンが「なら、直ぐに塔に入ろう!」と手にしたバッグを開けようとした時、傍らのジェームズが「おい、リーダー気取りは止めろ!何を仕切ってんだ?」とハイ・ティエンに詰め寄る。思わず他の3人の武術家たちの視線がハイテイエンとジェームズに注がれる。
ハイ・ティエンが「別に仕切るつもりはないさ」「何ならこの場でお前と勝負したっていいぜ!どうする?ハイ師父さんよぉ!」
と、ジェームズがハイ・ティエンに一歩迫った時!「忍者練武館」の文字が入った空手着を着たワンが五重塔の裏から一斉に走り出て来る屈強な集団を指差し叫んだ。「来たぞ!奴らだ!」
ハイ・ティエンたちの視線の先には、優に50人を超える空手着を着込んだ集団が怒号と共にこちらに迫って来る姿が飛び込んで来た!
「アコン、お前は私の傍を離れるな!」ハイ・ティエンの声にアコンが「ヒ、ヒャア!」と慌てて最強と言われる格闘家の背後に隠れる。
そのハイ・ティエンの声を合図にするかのようにジェームズ、カイ、ワンらもそれぞれ一斉に「バッ!」「バッ!バッ!」と身構え、臨戦態勢に入る!!
それを見た空手家軍団の戦闘の男が迫りながら叫んだ!「五重塔に迫る者には“死”あるのみ!キエエエエエ!」
「何言ってやがる!いやあああ!」ジェームズが呼応するかのようにその空手家の顔面に鉄拳を叩き込む!それに続くカイ!ワン!何故か1人その場でオロオロするリュウ!
「アワワ!始まった!始まった!」ハイ・ティエンは怯えたような顔で叫ぶアコンに不敵な笑みを浮かべると、大乱闘が繰り広げられている五重塔の真下でユックリとスーツを脱ぎ始める。
鍛え抜かれた上半身を露わにしたハイ・ティエンは靴を脱ぎ棄て、バッグから目の覚めるような黄色に黒のラインが入ったトラックスーツ、同じく黄色のシューズを取り出すと手にあったスーツとズボンを脱ぎ捨て天高く舞い上げる!
一瞬でトラックスーツとシューズを身に付け、背中のジッパーを引き上げたハイ・ティエンは、傍らでそれを呆然と見つめるアコンに手にしたバオと黒のヌンチャクケーズを渡すと「私の傍を離れるな?」と静かに呟く。
そして大乱戦の真っ只中に向き直り、全身のエネルギーを一気に放出するかのように咆哮する!「オオオオォォ・・・アチョアアアアァァ!!」
その姿はまさに勇敢にして獰猛な黄色い虎!・・・黄面虎!!!
「アジョア!アダァァ!」ハイ・ティエンは目の前の空手家たちを次々と電撃の廻し蹴りで蹴散らすと、猛然と五重塔の1階部分目指して走り出す!
それを見たジェーズやカイもハイ・ティエンに続く!転びそうになりながら追走するリュウとアコン!それを追撃する空手家軍団!
「アコン、さあ、お前の出番だ!」「判、判ってる!急かすなって!」
アコンが開錠キットを取り出し頑丈な錠前と格闘する中、ハイ・ティエンやジェームズは背後から自分たちに群がる空手家軍団に突きや蹴りを片っ端から叩き込んでいく!
「よし、開いたぞ!」アコンの声にハイ・ティエンが門を力一杯押し開けると、その隙を突いてジェームズ、カイ、リュウらがドッと塔の内部に走り込んでいく!
「待て!」「知るかよ!」それにワンが続こうとした時!ハイ・ティエンたちの猛攻から生き残っていた空手家軍団がハイエナのようにワンに襲いかかった!
「ぐわああああ!」「あっワン!?」走り寄ったハイ・ティエンが空手家軍団を蹴散らした時、既にワンは全身打撲で虫の息となっていた。
ワンを仕留めた事を見届けた空手家軍団は「警告はしたぞ?今からでも遅くはない。ここから立ち去れ!」と言い残すと、ジリジリと後ずさりしながらその場を走り去っていく。
ハイ・ティエンが血に染まったワンを抱き起こす。ワンはハイ・ティエンを見上げ口から血を吐きながら「ハイ師父、どうか母を頼む!・・・母を!」と縋るように呻く。
ハイ・ティエンはいま息絶えようとしているワンを力強く支えると「判った。出来るだけの事はしよう」と答えるのだった・・・。
ガックリと息絶えたワンをソッと地面に横たえたハイ・ティエンは、傍らで震えているアコンに「お前はここで私たちを待て。塔の全ての番人を倒したら塔の窓からそれをお前に伝える。いいな?」と言い含めながらバオとヌンチャクケースをアコンから受け取ると、そのまま五重塔の1階へと歩を進めるのだった。
「ハ、ハイ・ティエンさんよ、頼んだぜ?5階の“化け物”には気をつけろよぉ!」
アコンの不安げな声を背に受けながら、ハイ・ティエンは用心深く五重塔の1階へと入っていった・・・!

ハイ・ティエン(金泰靖)が塔の入り口部分に設置された金属探知機の不気味な光を確認しながら1階に入ると、そこはエキゾチックなデザインが施されたホールで、正面に巨大な「鷲」のエンブレムが誇らしげに掲げられていた。
ハイ・ティエンがそのまま視線をホールの中央に移すと、襟に黒のライン、胸に「鷲」のマークの入った道着を着た韓国人がリュウに圧し掛かりながら腕の関節を決め絞り上げていた!
「あ!あ!痛!痛!あああああああ!」リュウの情けない悲鳴がホールに響き渡る。その傍らでジェームズとカイがジッと闘いを見守っている。ジェームズはハイ・ティエンに気ずくと「ワンはどうした?」と問う。
ハイ・ティエンが短く「ワンは死んだ」とだけ答えると、ジェームズは「フン!」と鼻を鳴らし、再び韓国人武道家がリュウ相手に披露する関節技地獄に視線を戻す。

1階の番人にして韓国人武道家ソーチュン・キム(黄仁植)は、息も絶え絶えのリュウを蹴飛ばすと、ハイ・ティエンを睨み付ける。その視線を真っ向から受け止めるハイ・ティエン。キムが憮然と問う「お前・・・中国人だな?流派は!」。
ハイ・ティエンが答える「截拳道だ。お前は王国豪の8㎜に写っていた韓国人だな」「截拳道だと?聞いたことがない!いいか、我ら韓国武術こそ最強無敵なのだぁ!」
ハイ・ティエンはキムの雄叫びにバオとヌンチャクケースを床に投げ捨て、トラックスーツの袖を捲り上げながら悠然と身構えると「先を急ぐんだ。さあ、始めよう!」と声をかける。
「はいやああああ!」ソーチュン・キムの廻し蹴りがハイ・ティエンに放たれる!
「ウアタァァ!」ハイ・ティエンがキムの軸足を蹴り上げる!「ぐおぁ!?」バランスを崩し床に叩き着けられるキム!「パチ!パチ!」傍らで思わずカイが拍手する。
それを睨むジェームズ。
「うぬう!・・・あいやああああ!」立ちあがったキムの連続の廻し蹴りがハイ・ティエンに迫る!ハイ・ティエンはステップバックするとキムの膝の裏に鋭いローキックを叩き込む!
「オワダァ!」「ぐぎゃっ!イセッキヤァァ!」キムはヨロケながらも身体を反転させ再度の右からの後ろ廻し蹴り!その蹴りはハイ・ティエンの右の頬を直撃する!
思わず動きを止めるハイ・ティエンに、すかさずジェームズが「おいおい、頼むぜ?最強の格闘家さんよぉ?ヒャハハハ!」と声を上げて嘲笑する。
ソーチュン・キムは右脚を宙に高々と蹴り上げ、そのまま制止させると「どうした?4階の大師父の韓国合気道はこんな物じゃないぞ?命がある内にこの塔から立ち去れぃ!」と咆哮。
それに対して一瞬自分の鼻先を擦って見せたハイ・ティエンは再び構えると、ソーチュン・キムとの間合いを測りながら接近する。
「オワチャアア!」「はいいいぃぃや!」2人は同時にホールの中央に向かって突進すると猛然と蹴り合う!激しい蹴りの応酬から、ハイ・ティエンの猛スピードの中段蹴りがキムの顎を直撃する!「オオオチャァ!」「ぐえっ!」
さらにハイ・ティエンはヨロけるキムの顔面を連続で蹴り上げ、既に意識を失いつつある韓国人武術家を抱え逆さに持ち上げると、そのまま一気にキムを脳天から床に叩き着ける!!!
「ウリャアアォォ・・オジョアァ!!」「ぐぎゃああああ・・・!」ハイ・ティエンの荒技で頭部を砕かれたソーチュン・キムは即死した。

ハイ・ティエンの勝利を見届けたジェームズ、カイ、リュウは小走りでハイ・ティエンに駆け寄る。腕の関節を外されたリュウは脂汗を垂らしながら「ハイ・ティエン、お前は本当に強えな!」と勝利者を讃えるが、ジェームズはジッとハイ・ティエンのダメージを観察するような冷酷な視線を注ぎながら「さぁって、2階に上がるか!」と吐き捨てると、ハイ・ティエンを置いて2階への階段を駆け上がっていく。慌ててジェームズを追うカイとリュウ。
ハイ・ティエンはバオとヌンチャクケースを拾い上げると、かつてないほど見事な蹴り技を誇った韓国人武術家の亡骸に一瞬視線を落とすと、ジェームズたちが駆け上がって行った階段にユックリと歩を進めるのだった。
以下、第2章「裏切りと脱落!“死のカマキリ”編」に続く!真夏の一夜限りの夢、“デスゲーム”を貴方と共に!!

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李小龍、命日追悼特別企画「死亡遊戯:完全版2015」いよいよ始動!!

2015-07-17 16:42:16 | 闘神伝説~李小龍
さあ、今年も7月20日のリーさんこと李小龍の命日に向けまして当ブログと「超級龍熱facebook」連動プロジェクトとして特別企画を開催する事が決定しました!
題して「死亡遊戯:完全版2015」です!!
今から33年前、リーさんのFC「BFC」会報誌上で私と中村章一会長が共同執筆で発表したノベライゼーション「死亡遊戯:完全版」その前&後編は、今も多くのリーさん信者の皆さんの間でリーさん関連小説における伝説のノベライゼーションとなっております。
そして今回、私こと龍熱が原稿用紙をパソコンに置き換え「死亡遊戯」の完全オリジナル・ノベライゼーションに33年振りに再び挑みます!それも敢えて生前のリー監督が未撮影に終わったクライマックスは五重塔を舞台とした決戦シーンである、1階“グランド・フロア”、2階“豹殿”、3階“虎殿(幻の丸太戦の攻防も含む!)”の3つのフロアの完全(予想)再現に挑戦します!!
まさに史上初となる“デスゲーム”という名のファイティング・ノベライゼーションです!!その「死亡遊戯:完全版2015」の主要キャスト&スタッフは以下の通りです。

ハイ・ティエン(李小龍)主人公。引退した最強挌闘家にして截拳道の始祖。

リーエル(苗可秀)誘拐されたハイ・ティエンの妹。

ローバ (孟海) 誘拐されたハイ・ティエンの弟。 

ジェームズ(田俊)現役の武術王者。狡猾な性格でハイ・ティエンに激しい対抗意識を持つ。
 
 カイ  (解元)猪突猛進タイプの挌闘家。怪力が自慢で空手の名手。
 
 ワン  (黄家達)忍者練武館の館主。母親の手術費を得るため闘いに参加。
 
 リュウ (劉永)チンピラ武術家で実力はメンバーの中で最低レベル。
 
 アコン (李昆)アル中の錠前屋。五重塔1階の扉の開錠目的で同行。

ソーチュン・キム(黄仁植)   五重塔は1階の番人。蹴り技の達人。

ジャック・ホン(ターキー木村) 五重塔は2階“豹殿”の番人。螳螂拳の名手。

パスカル(ダン・イノサント)  五重塔は3階“虎殿”の番人。エスクリマの達人。

グランド・フロアの空手家軍団(林正英、元華、陳會毅、陳龍、元彪など多数)

ハイ・ティエンのスタント・ダブル(金泰靖。即:唐龍) 五重塔の1階部分のみ出演。

撮影監督:西本正。

武術指導:洪金寶(1階部分のハイ・ティエンvsソーチュン・キム戦のみ)。

監督、脚本、総武術指導:李小龍。

さあ、今まさに韓国の法往寺に聳える五重塔は捌相殿を舞台に、ブルース・リー最強最後の“デスゲーム”のゴングが鳴ろうとしています!!
皆さん、どうかお手元に「BRUCE LEE in G.O.D/死亡的遊戯」と「A Warriors Journey」のDVDをご用意下さい。そして私がこの「死亡遊戯:完全版2015」で3階は“虎殿”にハイ・ティエンが駆け上がって来る瞬間を書き上げた時、是非とも皆さんのお持ちの「G.O.D」と「WJ」のDVDの再生ボタンをONにして下さい。
その瞬間からブルース・リー最強最後の“デスゲーム”は、皆さん自身の手にバトンタッチされるのです!!
それでは「死亡遊戯:完全版2015」いよいよ始動です。真夏の一夜限りの夢、“デスゲーム”を貴方と共に!!

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呉京×トニー・ジャー、激突!鄭保瑞導演「殺破狼Ⅱ」!!

2015-07-17 09:36:00 | 作品レビュー
さてさて、香港クンフー映画ファンの間で熱い期待と共に注目されていた鄭保瑞導演、呉京&トニー・ジャー主演「殺破狼Ⅱ」(15)観ました!(M.Kさん、多謝です)
香港警察の潜入捜査官ながら麻薬中毒となりタイの刑務所に投獄された志杰(呉京)、白血病の娘のために骨髄移植のドナーを追い求めながら刑務所の看守として勤務する阿猜(トニー・ジャー!)。「殺破狼Ⅱ」はこの2人の主人公を中心に物語が進行していきます。
そこに志杰を救出しようと奔走する香港警察の上司で叔父の華哥(任達華)、犯罪組織のボスで自らの病に怯える洪先生(古天樂)が複雑に絡み合っていくんですが、映画の序盤でいきなり待望の呉京vsトニー・ジャーの対決が実現!
ここでは呉京の中国武術×トニーのムエタイ殺法が刑務所内で火花を散らし、観ている私も「おおっ!おおおっ!?」となりました(^_^;)。
ただその後は志杰と阿猜の娘の数奇な関係(ネタバレ防止で伏せます)や、逃亡した洪先生の実弟を追う華哥チームの追跡劇が延々と描かれ、お目当ての武打シーンは控え目となっていきます(唯一、刑務所内で志杰vs盧惠光が見れますがアッサリと志杰が勝利(^^)v)。
と言いながら、映画の終盤で洪先生のアジトに単身乗り込んでいく志杰の前にナイフ使いの殺し屋(現在詳細調査中の新鋭武打星・・・その後、友人を通じて谷垣健治監督からの情報、さらに飯星景子さんのブログからの情報で張馳だと判明!)が勝負を挑む辺りから、この「殺破狼Ⅱ」は前作「SPL/狼よ静かに死ね」へのオマージュ的武打シーンやBGMが登場して来るんですねー!(拍手!)。
この志杰vs短刀高手の一騎打ちでは「SPL~」のドニー兄貴vs呉京の特殊警棒vsナイフによる壮絶なるウェポン戦で使用されたのと同じBGM(!)が流れる中、トンファーを手にした志杰と無数の短刀を次々と飛ばし襲いかかる飛刀高手の息詰まる決闘が展開されます!この激しく殺気漲るウェポン戦は素晴らしい完成度で、改めて導演の鄭保瑞と武術指導の李忠志に最大級の敬意を表したいですね。
ところが、この「殺破狼Ⅱ」の本当の見せ場はこの後に用意されていて、阿猜の刑務所の上司にして刑務所長(「グランド・マスター」の張晉!!)が志杰と阿猜の前に最強無敵の敵として立ち塞がります!
そう、ここで初めて呉京とトニー・ジャーがガッチリとスクラムを組み、お互いの共通の敵である張晉との地獄のマラソン・バトルに挑んでいきます!!!
この呉京&トニー・ジャーと張晉が延々と繰り広げる2対1の大決闘は、もう皆さんに実際に観て頂くのが一番でしょうし、それこそリアル・ヒッティング!アクロバット・アクション!豪快かつ華麗なるワイヤーワーク!複雑にしてハイレベルな拳脚アクション!など現在の香港クンフー映画が誇る凄味と魅力の全てが詰め込まれていて、そこに“異分子”であるトニー・ジャーの“超音速ムエタイ殺法”が絶妙のバランス感覚で融合されている、文字通り“アジア最強アクション”ここに極まれり!!!で、私は大満足でした(^^)v。
それにしてもトニー・ジャー、見事なまでに香港映画の風景に溶け込んでたなぁ(笑)。いやアッパレでした。この「殺破狼Ⅱ」、まずは秋の国際映画祭に出品&上映は如何でしょう?
コメント (6)
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紳士服を着た最強スパイよ、人類を守れ!コリン・ファース主演「キングスマン」いよいよ9月公開!!

2015-07-14 03:56:19 | 作品レビュー
昨日は都内某所でマシュー・ヴォーン監督、コリン・ファース主演の新感覚スパイ・アクション映画「キングスマン」(15)を試写で観て来ました。
表の顔は高級紳士服の仕立て屋、裏の顔は世界最強のスパイ機関の凄腕エージェントとして活動するハリー(コリン・ファース)は、謎の組織に仲間のエージェントを惨殺される。ハリーは友人に代わる新人スパイを育てる為に街の青年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。実はこのエグジーこそが殉職したハリーの友人の1人息子だった。
厳しい特訓で最強のスパイとなったエグジーは、人類抹殺計画を企てるIT富豪のヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)&最強女アサシンのガゼル(ソフィア・ブテラ)一味と闘う事を決意し、高級紳士服と最新スパイ・キットを身に纏い、人類を守るためにヴァレンタインのアジトに乗り込んでいく・・・!!

いや~面白かったですねー!2時間9分がアッと言う間でした。この映画、単なるスパイ・アクション映画ではなく、そこに香港クンフー・アクション、パルクール、ガン=カタなど、あらゆるスタイルの格闘アクションを盛り込み、さらにそこにジェームズ・ボンドも顔負けのスパイ映画のお約束である「スパイの七つ道具」の小技もタップリと楽しめる、まさに新しいタイプの娯楽アクション映画に仕上がっています。
特に私が感心したのが、この「キングスマン」では銃弾で頭を撃ち抜かれたり、手足が切断されたりといった、いわゆる残酷描写が数多く出て来るんですが、それらのシーンが最新の特殊技術+テンポの良い人間ドラマのおかげで観ていても全く後味が悪くないんですね。
そしてクライマックスで新たなるスパイ・ヒーローとなったエグジー(彼こそが本作の本当の主役!)がヴァレンタインのアジトで繰り広げる大銃撃戦から、女アサシンのガゼル(その両足は鋭利な金属凶器!)とのド迫力のクンフー・ファイトこそ必見です!!
まあ後半のヴァレンタインの人類抹殺計画のシークエンスがちょっと悪ノリ気味ですが(^_^;)、それでもこの「キングスマン」こそが、いま世界のスパイ・アクション映画の最先端だと断言できる第一級の娯楽アクション映画です。
この「キングスマン」は、9月11日からロードショー公開となりますので是非!!

こちらが「キングスマン」オフィシャル・サイトです→ http://kingsman-movie.jp/
コメント (4)
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女吸血鬼の悲しき恋。アナ・リリ・アミリプール監督「ザ・ヴァンパイア/残酷な牙を持つ少女」9月公開!

2015-07-10 20:38:00 | 作品レビュー
昨日、渋谷の某巨大中古DVD店を覗いたらDVD付き小冊子「燃えろ!新日本プロレス」がオール\800で大量に入荷しているのを発見!
思わず私もまだ買い残していたバックナンバーを3号ほど救済しましたが、まだ他にも大仁田新日参戦特集号、猪木vsブロディのフルタイム戦収録号、新日vsノア対抗戦特集号、新日vsUWFインター(高田vs橋本戦収録)対抗戦特集号などなど・・・今では超プレミア号が全て\800で残っていましたよぉ!?

さて、昨日は都内某所でアナ・リリ・アミリプール監督、シェイラ・ヴァンド主演のイラン産の新感覚ホラー「ザ・ヴァンパイア/残酷な牙を持つ少女」(14)を試写で観て来ました。
映画は全編モノクロで撮られていて、ある寂びれた街に徘徊する美しい女吸血鬼(シェイラ・ヴァンド)が夜な夜な浮浪者やポン引きを襲っている姿から始まります。この女吸血鬼が悪辣なポン引き相手に初めてその戦慄の正体を露わにし情け容赦なく惨殺するシーン、さらには子供を「お前はいい子かい?お前の命が尽きるまで見張ってるよ!」と執拗に脅すシーン、ここは意外(?)にかなり怖くて、この映画が妙なアート志向の映画ではなく、ホラー映画の王道をシッカリと踏襲している事が判ります。
その後、映画は女吸血鬼が心優しい男性アラシュと出会った事から、吸血鬼である自分とアラシュを愛する女性の心の板挟みになって苦しんでいく様子を淡々と描いていくんですが、やがてそこにアラシュの麻薬中毒の父親が絡んでいく事で、女吸血鬼とアラシュは哀しくも大きな決断を迫られていきます。
全編に流れるイラン・ロックとマカロニ・ウェスタン音楽の融合、愛らしい1匹の猫の効果的な演出、登場人物が吸う煙草の音さえハッキリと聞こえるような乾いた、そして何処か観客を突き放したような独特の映像美、映画の殆どシーンを覆う夜の場面の効果的な描写、と全てが斬新かつフレッシュな美的感覚に溢れた新しいスタイルのホラー映画で、私は面白く観れました。
この「ザ・ヴァンパイア/残酷な牙を持つ少女」は、9月19日から「新宿シネマカリテ」を始め全国順次ロードショーとの事です!

こちらがオフィシャルサイトです→http://vampire.gaga.ne.jp/

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