超級龍熱

香港功夫映画と共に

かつて“グレーテスト”と呼ばれた史上最高のボクサーがいた!『フェイシング・アリ』DVD発売中!

2013-08-30 10:02:52 | DVD&Blu-ray情報
この8月一杯延々と書いて来ました某誌の原稿ですが、今週無事に入稿しました。まだゲラ校正などが残っていますが、また形になりましたら当ブログでも告知したいと思っています。
あと関係ないけど、最近知人が新日の“不穏試合”を3枚組DVDに収録した「壮絶!喧嘩マッチ烈伝」を借してくれまして、これは昔にリアルタイムで観た猪木&藤波vsペドロ・モラレス&チャボ・ゲレロのタッグマッチとか観るのが今から楽しみだなー!

さて、原稿を無事に入稿した事もあってか、前から楽しみにしていたピート・マコーマック監督によるドキュメンタリー『フェイシング・アリ』(09)のDVDを観てみました。私はこのDVDを以前に輸入盤DVDで観てはいるのですが、やはり細かい部分は日本語字幕付きのほうがより深く理解出来る事もあり、今回現在絶賛発売中のDVDを改めてジックリ再鑑賞となった次第です。
で、『フェイシング・アリ』なんですが、このドキュメンタリーは“グレーテスト”と呼ばれたボクシング史上最高&最強のヘビー級王者モハメド・アリをテーマに、過去にアリとリング上で闘った好敵手たちがアリとの試合や思い出を詳細に振り返る、という実にユニークかつ斬新な構成の作品です。
そのドキュメンタリーに登場する面子ですが、ジョージ・フォアマン、ジョー・フレージャー、ラリー・ホームズ、レオン・スピンクス、ジョージ・シュバロ、ケン・ノートン、ヘンリー・クーパー、ロン・ライル、アーニー・シェーバース、アーニー・テレルなどなど・・・もう60年代から70年代のヘビー級ボクシングを愛する者なら「うおおおおお!」と絶叫してしまうこと間違い無しの超豪華メンバーなんですねー!!特に“キンシャサの奇跡”と言われた世紀の一戦でアリにノックアウトされヘビー級王座を失ったジョージ・フォアマンが「8ラウンドで俺を倒したアリは、俺が倒れる寸前にもう1発止めのフックを俺に叩き込もうとすればそれが出来た。もし俺だったら絶対に1発入れてたよ。でもアリはそれをせずに俺が目の前で倒れていくのをそのまま見届けたんだ。
だからこそ俺にとってモハメド・アリは“グレーテスト”なんだ!」と涙無しでは見れないエピソードを語ったり、ノンタイトル戦ながらアリの顎を砕きアリに勝利する快挙を達成したケン・ノートンの「俺がアリの顎を砕いたのが第2ラウンドなんて奴らのデッチ上げさ!俺がアリの顎を砕いたのは最終ラウンドなんだ。要するにアリ側は如何にアリが顎を砕かれたまま何ラウンドも苦痛に耐え闘い続けた偉大なボクサーだったかを言いたかったんだ!」との「ええ?そうだったの!?」的な知られざる秘話、さらにはアリの事実上の“引退試合”となった試合の対戦相手でかつてアリのスパーリング・パトーナーだったラリー・ホームズが「俺はアリを滅多滅多に打ちまくった試合の後にアリに会いに行って愛してるって言ったんだ。そうしたらアリは愛してるなら何であんなに俺を殴るんだって(笑)」と何とも物悲しいエピソードを語ってくれています。

モハメド・アリはトレバー・バービック(UWFインターで高田延彦と格闘技戦を闘い試合中逃亡!)との試合を最後に現役を引退しますが、バービック戦の前に行ったこのラリー・ホームズ戦で何度も強烈なパンチを頭部に受けた事が後のパーキンソン病発症の原因の一つだったのでは、と言われています。
この『フェイシング・アリ』はそのアリが全盛期にはあれだけのカリスマ性溢れるビッグマウスでファンを楽しませ、また興奮させてくれながら、今ではパーキンソン病の進行によって殆ど喋れなくなったという、ある意味何ともやり切れない悲劇に対して、かつてリング上ではお互いに罵り合い殴り合ったアリのライバルたちがそれこそアリと彼らライバルたちにしか決して判り得ない熱き友情と思い出を込めた“男たちのエール”をアリに送る感動のドキュメンタリーなんです。
その“男たちのエール”が最高潮に達するのが作品のラストでロン・ライルが静かに、そして力強く語る「確かにアリは喋れなくなったよ。でもだったら昔にアリと闘ってアリから大きな“愛”を貰った俺たちがこれからはアリの偉大さを語り継いでいくんだ!」の一言で、私はこのロン・ライルの感動のコメントを聞いた時は思わず胸が一杯になってしまいました(号泣!)。

思えば、私たちが敬愛するリーさんことブルース・リーもモハメド・アリの大ファンで、それこそリーさんは自宅で何時もアリの試合を観ていたそうですし、リーさんにとってあのアリの猛スピードのパンチや華麗なるフットワーク、そして誰もが魅了されずにはいられない強烈なカリスマ性はリーさん自身の武道探求の道、そして武打星人生にも大きな影響を与えた事は間違いないでしょう。そう、ブルース・リーとモハメド・アリ、この2人の偉大なる格闘家こそが60年代から70年代、そして現在を生きる世界中の人々に最も多大な影響を与えた“LEGENDS”なのです。そしてこの『フェイシング・アリ』の監督であるピート・マコーマックは『フェイシング・アリ』に続いてブルース・リーを題材としたドキュメンタリーの秀作を発表します。それが先日に日本劇場公開を果たし多くの賞賛を受けた『アイアム・ブルース・リー』でした。
そういう意味でもこの『フェイシング・アリ』はボクシング・ファンの方だけでなく、リーさん&クンフー映画ファンの方にも是非観て頂きたい1本です。最後に私は声を大にしてこう言いたい。
ブルース・リーを敬愛する者たちよ、リーさんを敬愛するならば、リーさんが憧れたモハメド・アリも敬愛せよ!と。

『フェイシング・アリ』公式サイト→ http://www.uplink.co.jp/facingali/
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熱風!韓国LEGENDS(71) 「三回忌特別企画」 “闘神の影武者”唐龍こと金泰靖の未公開映像に迫る!

2013-08-27 10:54:47 | 熱風!韓国LEGENDS
さて、「熱風!韓国LEGENDS」第71回は、2年前の今日54歳で急逝しました“闘神の影武者”唐龍こと金泰靖を偲ぶ意味も込めた「唐龍:追悼特別企画」でいきたいと思います。
これまで当ブログでも唐龍の代表作品であります『ブルース・リー死亡の塔』(81)韓国バージョンの徹底検証を始め、様々な形でこの稀代の韓国人武打星について触れて来ました。そこで今回は私も含めた多くの唐龍ファンが未だに熱い視線を注ぐ生前の唐龍が遺した未公開映像について敢えて“未確認情報”なども織り交ぜながら、出来る限り検証していきたいと思います。

*『ブルース・リー死亡遊戯』 ビリー・ローのドラマ&アクション未使用映像
これはまだまだ残っている可能性があると思います。実際ベイ・ローガンが所有している唐龍演じるビリー・ローvsスタイナー&パスカル一味の夜間の乱闘シーンのNGテイク( http://www.youtube.com/watch?v=bcGZ4ykU-E4&list=TLr4hEeCmRXRk )があれだけ残っていますし、アクション監督のサモ・ハンが撮影はしたけど本編からカットしてしまったビリー唐龍&アルバート・シャムのアクション&ドラマの未使用テイクは相当あると私は睨んでいるんですが。
特にマカオのDr.ランド邸内での乱闘や、終盤のビリー・ローvsオートバイ軍団のシーンに関しては色々と“別展開のシーン”が撮られたようです。

*『ブルース・リー死亡遊戯』映像素材集
これは一部のコレクターの間で出回っている『死亡遊戯』78版のカジノ・グッズのオープニングの“ノン・クレジット・バージョン”なども含めた78版の映像素材を約2時間(!)収録したVHSテープで、テープの最後の方には公開版とは別テイク(!)を使ったレッドペッパー・タワー内の“本物”リーさんの粗編集のファイトシーンも収録されているそうです。そうです・・・って残念ながら私は観た事がないんですが(涙)、私の友人が実際にこの映像素材集を断片的ながら観ているので、それらの中にはビリー唐龍の未使用シーンが含まれている可能性も決して否定出来ないと思います。

*『紀念李小龍逝世三周年』
これまたベイ・ローガンが所有している映像で、以前から彼がYouTubeに約6分ほどアップしていますが( http://www.youtube.com/watch?v=yQvntXQE65k )、注目したいのはアップされた映像は既に10分経過した部分からのネット公開だという点です。果たして序盤の約5分には何が収録されているのか???また「物色李小龍第二」と題したソックリさん武打星のオーディションに登場する唐龍の映像も『ブルース・リーの神話』(83)の同シーンとは異なるテイクも含まれていますし、この『紀念李小龍逝世三周年』のフルバージョンも唐龍ファンは是非チェックしたい映像の一つでしょう。

*『レイジング・サンダー』 唐龍vsシンシア・ラスロック戦(未使用)
1984年以降に唐龍は2本のシーゾナル・フィルム作品(1本目は唐龍がベスト・パフォーマンスを見せた『シンデレラ・ボーイ』(86))に出演する事になります。その内の1本がローレン・アヴェドン&シンシア・ラスロック主演『レイジング・サンダー』(87)で、何と唐龍は黄正利と共にタイ人の将軍役で出演し、ラスロックとの一騎打ち(!!!)まで撮影しながら、無情にもアメリカ公開版ではカットされたと言われています。いや~もしこの唐龍vsシンシア・ラスロック戦が本当に撮影されていたら絶対に観たいですよねー!
この『レイジング・サンダー』における幻の唐龍vsシンシア・ラスロック戦周辺に関しては、同作品の撮影中に黄正利が唐龍に施した美しい友情美談も含めて、改めて後日に当セクション「熱風!韓国LEGENDS」でジックリと取り上げたいと思っていますので、お楽しみに!

*『ブルース・リー死亡の塔』韓国版未使用シーン
これも以前に当ブログの『死亡の塔』特集で触れましたが、当初“死の宮殿”の警護人である楊成伍&李海生コンビは、あの“神腿”譚道良&香港出身の某レスラー兼武打星がキャスティング予定だったそうで、もし彼ら2人と唐龍のファイト・シーンが少しでも撮影されていたら是非その映像が観たいですね。
あとこれはあくまでも私の個人的な考察なのですが、当初『死亡の塔』は『死亡遊戯』78版で未使用だった五重塔内のファイト・シーン、つまりリーさんと田俊&解元のファイト・シーンの映像を使用する予定だったと言われています。それが“何らかの理由(黄正利vs白人空手家の決闘シーンにリーさんの弟役で出演予定の成龍が突如失踪したりのアクシデントも含めて♪)”で大幅な軌道修正を余儀なくされ、最終的には一般公開された『死亡の塔』のような物語展開となったわけです。
で、ここで注目なのが『死亡の塔』韓国バージョンのオープニング・クレジットに名前だけ登場する王将&陳耀林の2人の本格派武打星なのですが、もしかしたら彼ら王将&陳耀林は同作品の本当の初期段階では“『死亡の塔』版五重塔”における田俊&解元の代役的キャラクターとしてキャスティングされていたのではないでしょうか???
彼ら王将&陳耀林のポテンシャルを持ってすれば田俊&解元の代役を果たす事は十分可能だったと思いますし、イエロートラックスーツを着た唐龍、ポロシャツ姿で棍棒を持つ王将、黒い胴着を着て丸太を持った陳耀林が“『死亡の塔』版五重塔”に挑む!・・・そんなシーンを思い描いていると、何故か妙に胸躍ってしまうのは私だけでしょうか?(苦笑)。

*『ブルース・リー死亡遊戯』唐龍vs黄仁植戦(未使用)
今回の「唐龍:追悼特別企画」の締めは・・・やはりこのサモ・ハンが私に「ああ、撮ったよ!」と明言してくれた『死亡遊戯』76年バージョンにおける唐龍vs黄仁植戦、これしかないでしょう!いや~この唐龍&『死亡遊戯』関連映像の中でも“究極の未公開ファイト・シーン”である唐龍vs黄仁植戦だけは何としても観たい!実は今回某誌の原稿絡みで久々にサモ・ハンが私の唐龍vs黄仁植戦を初め『死亡遊戯』における数々の質問に答えているインタビュー記事を読み返す機会があったんですが、確かこのサモ・ハンとのインタビュー時間は30分間でした。
いま思い出しても、私自身その僅か30分の間に『SPL/狼よ静かに死ね』のドニー兄貴や呉京について、『燃えよドラゴン』オープニングでのリーさんとの組み手シーン、そして『死亡遊戯』の“温室の決闘”や唐龍vs黄仁植戦などなど、よくぞ訊きたい事を全て訊き切れたなぁ!と思ってしまいました。
いずれにしろ、このサモ・ハンが『ブルース・リー死亡遊戯』のために撮ったレッドペッパー・タワーの1階における唐龍vs黄仁植戦を発掘するまでは、私の“闘神の影武者”唐龍&『死亡遊戯』関連映像探索の旅に“劇終”の文字はないのだ!!

かつて『ブルース・リー死亡遊戯』と『ブルース・リー死亡の塔』は、その劇中に登場する“本物”リーさんの映像だけに注目が集まり、他の唐龍たちソックリさん武打星が出演した様々なシーンは殆ど“無価値”とさえ言われて来ました。やがて長い年月が過ぎ、唐龍本人を初めとする多くの関係者が鬼籍に入ったりとその周囲の状況が微妙に変化する中で、今では『ブルース・リー死亡遊戯』と『ブルース・リー死亡の塔』という2本のリーさん作品に関する“全ての映像”が文字通り伝説化して来ている現象は、私たち『ブルース・リー死亡遊戯』と『ブルース・リー死亡の塔』をこよなく愛する者にとっては本当に喜ばしい限りです。
そういう意味でも、今回の「唐龍:追悼特別企画」によって、これら2本の作品でブルース・リーという不世出の武打星の“影武者”を務めた1人の韓国人武打星が残した様々な映像について少しでも関心が集まる事となれば、私自身こんなに嬉しい事はありません。
と言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!
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来月、ライブイベント「トライアングル・スコーピオン!Vol.5」でトークショーに出演します!

2013-08-22 19:58:41 | ニュース
昨日は原稿書きの合間にちょっと楽しみだった我らがヴァンダム主演(じゃないけど)『UFO侵略』(11)を観てみました。ヴァンダム最後の方にチラッと出てきてすぐに宇宙人に殺されちゃうじゃないの!?(怒)。得意のアクションもちょっとだけだし!?(怒)。これだったらヴァンダムが宇宙人役で人類を襲撃する設定の方がまだ面白かったんじゃないの!?(苦笑)。
あ、でも映画の途中で主人公の1人の退役軍人と宇宙人(か何かの)の警官のバトルがカポエイラみたいな蹴り技も入ってて中々良かったけど♪

さてさて、最近この種のトーク関連のお仕事が増えて来ているのですがトークショーの告知です。来月の14日に都内は「小岩BUSHBASH」で行われるライブイベント「トライアングル・スコーピオン!Vol.5」にて、私こと龍熱が映画トーク 「ブルース・リー没後40年記念 武闘アクション映画を語る夕べ」と題したトークショーに出演します。詳しくはこちらをご覧下さい↓ http://tackk.com/TriangleScorpion

今回のトークショーは映画宣伝会社「ノーフューチャー」の立花さんのご依頼で出演する事になったのですが、リーさん信者の間で知られたベイビー佐々木や立花さんとのトークショー、果てさてどんな展開となりますか・・・予定されているトークショーの中身は以下のような感じだそうです。

映画トーク 「ブルース・リー没後40年記念 武闘アクション映画を語る夕べ」
with 知野二郎(香港功夫映画評論家) & ベイビー佐々木(BLUEⅢ)

ブルース・リー逝去から40年。関連新作映画2本の公開、ジャッキー・チェンのアクション引退、往年のカンフースター達の死去、そして彼らの遺伝子を継ぐ新世代による注目作品の相次ぐ公開など、過去と未来が交錯しまくる2013年のアクション映画事情を総ざらい!!

あと個人的には当日行われる以下のトークショーも楽しみだったりします♪

プロレストーク 「有刺鉄線デスマッチ25周年記念 今夜決定!世界最凶デスマッチBEST5」
with 松永光弘 & スタナー松井(Kotaku JAPAN)

という感じで、都内近郊の方は是非ご来場下さい。よろしくお願いします!!
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恐怖の“リアル蛇地獄”にようこそ!向雲鵬&高遠主演『人蛇大戦 ~蛇』を観る!!

2013-08-20 13:02:56 | 作品レビュー
さて、依然として原稿と格闘中の毎日ですが、今回の原稿、もう少しで何とか峠を越えられそうなので頑張りたいと思います!
あと当ブログでもお馴染みのトビー・ラッセル導演が10月に70年代から80年代の香港クンフー映画のポスターを掲載した「THE ART OF VENGEANCE」なる本をを出すそうです!
世界No.1の映像コレクターのトビー導演が出す本なので、これは今から楽しみですねー!!詳しくはトビー導演のFBにGO!です↓
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10201024271642274&set=a.1910212408312.106282.1631917052&type=1&comment_id=3108017&offset=0&total_comments=20#!/photo.php?fbid=10201024271642274&set=a.1910212408312.106282.1631917052&type=1&theater

さて、先日レビューをアップしました『狼男とサムライ』(84)と一緒に今では激レア・アイテムとなっているオリジナルVHSを入手したのが張旗導演、向雲鵬&高遠主演『人蛇大戦 ~蛇』(83)でした。(これまたK君、ありがとう♪)
ただこの台湾製パニック映画である『人蛇大戦 ~蛇』、私が昔に日本劇場公開されていながら今日までこの映画に見向きもしなかった一番の理由が私が大の蛇嫌いである、という事なんです(苦笑)。例えば欧米の『アナコンダ』シリーズなどの巨大モンスター映画などで蛇が登場するといった、いわゆる活劇としての蛇映画なら私もOKなんですが、この『人蛇大戦 ~蛇』はそれこそ本物の蛇を何百匹も用意して画面の中で実際にそれらの蛇を殺しまくったり(その数々の蛇虐殺シーンの詳細もここでは勘弁)してて・・・もう私はひたすら駄目だったなー!
物語としては高遠演じる悪徳建築業者が自分がマンション建設を予定している現場に何故か大量の蛇が出現!高遠は妻が止めるのも聞かずに自らブルドーザーでその蛇軍団を片っ端から惨殺してしまいます。で、その高遠の残虐行為に激怒した蛇軍団のボス(って言っていいのか)である大蛇ボアが現場作業員、蛇退治の名人、さらにはマンション完成記念パーティーに集まった人々を次々と襲う!という・・・まあ言ってみればそれだけの映画なんですね(苦笑)。
ただ映画の中盤の蛇退治の名人vs大蛇の“スネーク・クンフー決闘”が意外にシッカリとした殺陣だったり(苦笑)、高遠の子分役で香港映画の名バイプレーヤーである魏平澳が彼が得意とするキャラの“狡猾なお調子者”で実に良い味出してたりと、それなりに見せ場があったりもします。
そう言えば魏平澳ももう何年も前に癌で亡くなりましたが、聞いた話では生前の魏平澳は奥さんにDV行為を行う人で知られていたとか。でも私がアンジェラ・マオこと茅瑛に会った時に魏平澳の事を聞いたら、アンジェラは「魏平澳は私が演技面で悩んでいる時に良く演技指導をしてくれたりと優しい人だったわ!」と言ってたしねえ・・・うう~ん!
それにしてもこの『人蛇大戦 ~蛇』の出演者の人たちって劇中では大量の生きている蛇を投げ付けられたり、蛇で一杯の部屋の床を転がったり、本当に“受難”の一言だったよねえ(涙)。だってこの『人蛇大戦 ~蛇』には香港&台湾映画の名優である李影&歐陽莎菲も夫婦役で出ているんですが、このお2人も他の出演と同じように情け容赦なく“蛇地獄”に叩き込まれていましたからねえ(トホホ!)。導演の張旗は70年代中盤から80年代にかけて良質のクンフー映画を何本も撮っている人なんですが、一体何を血迷ったのか(苦笑)。
余談ですが、この『人蛇大戦 ~蛇』は近年マクザムからDVDがリリースされていますが、私が今回入手した『人蛇大戦 ~蛇』のオリジナルVHSは昔懐かしい「ジャパンホームビデオ」製のVHSで、英語版ながらワイドスクリーン仕様(!)がコレクターには号泣モンの激レア・アイテムです。
さらに余談ですが、この『人蛇大戦 ~蛇』には金宣慶と張旗が聯合導演の形で韓国側が追加編集を行った韓国バージョン『人蛇大戦』が存在していて、私はその韓国バージョン『人蛇大戦』もオリジナルVHSで所有しているんですが、未だに頭の部分だけチラ見しただけで棚に突っ込んであります(苦笑)。
だっていくら今年が蛇年だって言っても、こんなに蛇がウヨウヨ出てくる悪趣味な映画は、例えどんなバージョンでも1度観れば十分でしょう?
ちなみにこちらが『人蛇大戦 ~蛇』の詳細データです→ http://hkmdb.com/db/movies/view.mhtml?id=6444&display_set=eng
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これぞホラー映画版『破れ!唐人剣』だ!天地茂&ポール・ナッシー主演『狼男とサムライ』

2013-08-17 15:04:53 | 作品レビュー
さてさて、最近前から欲しかったハシント・モリナ(ポール・ナッシーの変名)監督、天地茂&ポール・ナッシー(即:ポール・ナッチー)主演『狼男とサムライ』(84)の日本(CCA)製オリジナルVHSを入手しました(K君、ありがとう!)。実はこの『狼男とサムライ』は大昔によくレンタルビデオ屋で見かけてはいたのですが、そのオリジナルVHSとなると今では非常に入手が困難で、かなり前に都内の神保町の中古ビデオ屋で見かけた時もその値札の金額を見て余りの高額に「ギョギョッ!」となったまま購入を断念し今日に至っていたわけです(苦笑)。
で、この『狼男とサムライ』ですが、どうも公開自体がTV放送だったようで、この日本製VHS自体も日本語吹き替え版となっています。でも日本語吹き替えでホラー(モンスター)映画を観るのが大好きな私としては全くの無問題だし、むしろ今は亡き天地さん演じる貴庵の雄姿を日本語で堪能出来るのが最高に嬉しいなぁ♪
物語的には中世のスペインで女吸血鬼の呪いで狼男となってしまった男バルデマル(スペインが生んだB級ホラー映画の帝王ポール・ナッシー!)が織田信長(宮口二郎)が納めている時代の日本は京都にやって来ると、優れた医者で剣の達人である貴庵(天地茂。拍手!)と対決!という展開で、要するに勝新太郎演じる座頭市が王羽演じる片腕剣士王剛と対決した時代劇『新座頭市/破れ!唐人剣』(70)のプロットをホラー映画に置き換えた作品って感じでしょうか?(メチャ強引な解釈ですが♪)
ただ巷ではこの『狼男とサムライ』は一部ではバカ映画と決め付けられているようですが決してそんな事はなく、例えばナッチーが狼男に変身(狼男のメーキャップも秀逸)し居酒屋の客を無差別に襲ったり、露天風呂に入っている貴庵が忍者軍団と大乱闘を展開したり、まるで『Gメン75』の香港編「Gメン対香港の人喰い虎」を彷彿させる狼男vs(本物の)猛虎(シーザーじゃなくて♪)五郎丸の“野獣デスマッチ”が見られたり、狼男vs妖女里美の憎悪漲る血戦があったりと、オドロオドロした怪奇ムードの中にもこれらのアクション・シーンがタイミング良く挿入されていて、観ていて飽きる事がありません。また貴庵に扮した天地さんの剣さばきも、流石は新東宝で鍛えたそれは「ビシッ」と型の決まった見事な殺陣でしたね。
で、映画の最後では貴庵と狼男に変身したバルデマルが死闘を展開し、貴庵を追い詰めたバルデマルですが、バルデマルを愛する貴庵の妹が手にした銀の刀で胸を貫かれ、バルデマルはその場に崩れ落ち・・・静かに人間の姿に戻るとそのまま息絶える、という結末でした。
この『狼男とサムライ』を『新座頭市/破れ!唐人剣』のホラー映画版と敢えて位置付けた私ですが、その2つの国のスターが真っ向勝負する企画の衝撃度もさることながら、『新座頭市/破れ!唐人剣』に未だ一般ファンの目に触れない王羽が勝新に勝利する“香港公開バージョン”が存在するように、この『狼男とサムライ』にも日本版より20分も長い完全版が存在するそうで、その完全版のエンディングでは天地さんと池波志乃さんのデュエット「絆」がフルコーラスで流れたりと、これはちょっと完全版が観たいなぁ!
またこの『狼男とサムライ』はスペインと天地さんの「天地プロ」の合作なんですが、制作をめぐってトラブルがあったりで、天知さんがフィルムの到着を待たずに亡くなった事もあり、日本版の天地さん演じる貴庵の吹き替えは同作品で織田信長を演じた宮口二郎さん(ショッカーの大幹部ゾル大佐!ちなみにゾル大佐の変身した姿も狼男!!)が担当しています。
私にとって天地茂さんと言うと、子供の頃にテレビで観ていた『非情のライセンス』や土曜ワイド劇場の『江戸川乱歩の美女シリーズ』の明智小五郎なんですが、ある時テレビで素顔の天地さんを観た時に『非情のライセンス』で天地さんの代名詞だった“眉間の皺”が無く、実に穏やかで気さくな人だったのにビックリしたのを覚えています。
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陳観泰!陳恵敏!劉永!“LEGENDS”トリオ特別客串『我亞媽發仔瘟』&何超儀主演『ドリーム・ホーム』

2013-08-14 20:17:54 | 作品レビュー
さて、昨日は前に大陸版DVDを買ったまま未見だったオールスター・コメディ古装片『我亞媽發仔瘟』(05)と、これまたDVDをズッと放置状態だった『ドリーム・ホーム』(10)を連続で(早送りしながら♪)観てみました。まず鄭偉文導演作品『我亞媽發仔瘟』ですが、まあこの手のドタバタ古装片はストーリーはあってないような感じなんですが(苦笑)、主演の薛家燕が『少林サッカー』トリオの田啟文、林子聰、陳國坤らと延々とナンセンスなやり取りを繰り返すだけの映画なんです(トホホ!)。
ただ私が思わず「おお、やっぱりこのDVD買って良かったぞ!」と歓声を上げたのが映画の途中でそれぞれ“狂牛”、“癲剣”、“碧眼猴”と名乗る3人組の悪漢として陳観泰、陳恵敏、劉永の“LEGENDS”が出て来て大暴れするシーンなんですよー!!(狂喜♪)
この“LEGENDS”トリオが活躍するシーンだけは必見ですので、ご興味のある方はチェックして頂きたいんですが・・・でもその“LEGENDS”トリオも最後は薛家燕が変身した白髪魔女にコテンパンにやられてしまうんですけど(涙)。
あと薛家燕が『死亡遊戯』のイエロートラックスーツ&日本刀姿(オイオイ?)になったり、これまた古いファンには嬉しい恬妞が悪女役で顔を出していたり、 黄一飛や綺麗な蒙嘉慧&姚瑤も出演しています。クドイですが陳観泰、陳恵敏、劉永の“LEGENDS”トリオは本当に良かったですぞ♪
こちらが『我亞媽發仔瘟』の作品データです→ http://hkmdb.com/db/movies/view.mhtml?id=10774&display_set=eng

逆に酷かったのが彭浩翔導演、何超儀主演の猟奇犯罪映画『ドリーム・ホーム』で、この映画公開時に一部のライターとかが騒いでいたようですが、私は観ていてただただウンザリでした。
住宅難の香港で主役の何超儀がひたすら人を次々と残虐な方法で殺していく・・・それだけの映画でした。
と言うか、私はそれ以外にこの映画から何かを感じ取ったり、汲み取ったりする気持ちが最後まで全く起きなかったなぁ(溜息)。
とにかく殺人のシーンが悪趣味と言うか、描写が幼稚と言うか、ちょっとこれ以上の批評は勘弁して欲しいんですが、主役の何超儀は以前はアクション映画にも積極的に出演していて、私は彼女にはこんな映画に出ないでもっと女武打星としての可能性を追い求めて欲しかったですね。
あとどうでも良いんですが、映画の冒頭で王青、何超儀の父親役で徐少強が顔を出していましたが、またこの2人がアンマリな方法で殺されちゃうんだよねえ!(溜息)。この彭浩翔って導演は彼ら香港武打片の“LEGENDS”たちに何のリスペクトも感じてないんでしょうか・・・本当に観ていてグッタリしてしまった映画『ドリーム・ホーム』でした。

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「キネマ旬報」最新8月下旬号に『アイアン・フィスト』&RZAインタビュー掲載!

2013-08-10 17:25:07 | ニュース
繰り返しになりますが本当に暑いですねえ!相変わらず原稿書き&資料収集の毎日の私ですが、余りの暑さに原稿書きも夕方から夜に集中せざるを得ない状況です。でもそんな毎日でも前から気になっていたヴァンダムの『UFO侵略』だけはシッカリとゲットしていたりする龍熱でした♪

さて、現在発売中の「キネマ旬報」最新8月下旬号に“邵氏片LOVE”全開映画『アイアン・フィスト』(13)の監督&主演であるRZAのインタビュー記事が「タランティーノ絶賛の“クンフー映画美学” 」と題して掲載されていますね。インタビュー構成は編集部の岡崎優子さんで、これがかなり読み応えのあるインタビュー記事でした。
例えばRZAが今回の『アイアン・フィスト』を製作する際に最も影響を受けた映画が劉家良&劉家輝コンビの『少林寺三十六房』(78)だとコメント(納得!)したり、9歳からクンフー映画を観ていたRZAが初めて観た映画がリーさんの『ブルース・リーinグリーン・ホーネット2/電光石火(!)』とジム・ケリー主演『ブラック・サムライ(!!)』の2本立て(こんな2本立てなら私も観に行きたいぞ♪)だったとか、RZAの超マニアックなコメントが次々と語られています。他にもRZAとタラちゃんや呉宇森導演の交流やキャスト陣の劉家輝、陳観泰、梁家仁ら“邵氏LEGENDS”にもシッカリと触れられているこのインタビュー、是非チェックしてみて下さいね。詳しくはこちらにGOです!→ http://www.kinejun.com/tabid/62/Default.aspx

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これぞ“ハリウッド陽剛西部劇”!!クエンティン・タランティーノ監督作品『ジャンゴ/繋がれざる者』

2013-08-09 14:26:01 | 作品レビュー
相変わらず原稿書きの毎日が続いていますが、いや毎日本当に暑いですねー!どうか皆さんも熱中症にはくれぐれも気をつけ下さいね。
あと最近昔に買ったアントニオ猪木のLDボックス(ディスク4枚入り)を引っ張り出して来て猪木vsドリー・ファンクJR戦や猪木vsストロング小林戦なんかを観てるんですが、LDって今観ても十分に画質も綺麗だし、何でアッサリと衰退しちゃったのかなぁ???

さて、昨日はそんな原稿書きの息抜きも兼ねてクエンティン・タランティーノ監督、ジェイミー・フォックス主演『ジャンゴ/繋がれざる者』(13)を観てみたんですが、これが中々面白かったです♪古くからマカロニ・ウエスタンを愛する者にはオープニングで『ジャンゴ』のオリジナル・テーマ曲がガンガン!流れたり、劇中でもジェンマ&リーヴァン・クリーフ伝説の大傑作『怒りの荒野』のテーマ曲(おっと『鷹爪鐵布衫』(77)じゃないのよ~ん!(笑))が挿入されたり、途中で“リアル・ジャンゴ”のフランコ・ネロがカメオ出演していてフォックス演じる新生ジャンゴに「お前、名前は?」なんて問い質すシーンなんて大感激でしょうね。私も今回タランティーノが主人公のジャンゴを敢えて黒人のジェイミー・フォックスにしたり、レオナルド・ディカプリオに嫌味な悪役を演じさせたりの“変化球的キャスティング”は面白いと思ったし、肝心のガン・ファイトでも銃弾を浴びた人間が鮮血飛び散らせる中、スローモーション描写を巧みに織り交ぜたリアルで迫力に満ちた銃撃戦(ってここは完全にタラちゃんが大好きな“陽剛導演”張徹作品のモロ影響下にありますねえ♪)も十分に合格点を進呈できる完成度ですし、巷で叩かれていた165分の上映時間もそんなに長くは感じませんでした。
ただちょっと気になったのが劇中で挿入される他の映画のテーマ音楽がどうも単にタラちゃんの自己満足的なセンスで入れられている感じで、例えばニック・ノルティー主演『アンダー・ファイヤー』のテーマ曲なんてどう見ても無理があったもんねえ(苦笑)。
あとこの『ジャンゴ/繋がれざる者』は黒人奴隷制度が作品の重要なテーマになっているんですが、タラちゃんが普通なら観客が思わず嫌悪感を感じてしまう白人の黒人に対する激しい差別描写を単なる白人vs黒人の憎しみ合いに終わらせず、そこに主人公ジャンゴの愛する妻を取り戻すための一途な想い、そして白人でありながら黒人のジャンゴに自由を与える賞金稼ぎキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ。好演!)とジャンゴの奇妙な友情を織り交ぜた事で、映画を見終わった観客に不快感ではなく、逆に爽快感を与える事に成功している点は高く評価されるべきでしょう。いや~何か私もこの『ジャンゴ/繋がれざる者』を観たら、久々に『続・荒野の用心棒』(66)が観たくなって来ました♪
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「燃えろ!新日本プロレス」Vol.3「長州力&三銃士、闘魂を継ぐ者たち!」を救済して

2013-08-06 13:21:44 | DVD&Blu-ray情報
はい、まずはドニー兄貴の公開待機作品『特殊身分』英語字幕入り予告編です→ http://www.youtube.com/watch?v=1cGGw_7LcEg&feature=youtu.be
今週、某出版社さんより原稿依頼を頂きまして、これから暫くはひたすら真夏の原稿書きの毎日となりそうな事もあり、ブログやFACEBOOKの更新が難しくなりそうなんですが・・・それでも何とか頑張って更新したいと思いますのでよろしくお願いします!でもこれで友人&知人が送ってくれた韓国映画や溜まってるプロレスDVDの鑑賞はちょっとお預けになりそうです(涙)。

さて、先週都内の大森に行った際にブラッと入った某巨大中古書店(苦笑)で、DVDマガジン「燃えろ!新日本プロレス」が何冊か並んでいるのを発見しまして、その内のVol.3「長州力&三銃士、闘魂を継ぐ者たち!」と書籍で塩澤幸登著「UWF戦史―1983年~1987年 誕生勃興編」を救済しました。
「長州力&三銃士、闘魂を継ぐ者たち!」封入のDVDには全部で4試合収録されているのですが、その中でもWWFインターナショナル選手権者ドラゴンこと藤波辰巳vs挑戦者長州力戦、そして両国国技館で行われたアントニオ猪木vs長州力の2試合は、私も当時本放送を録画したVHSでしか所有していなかった事もあり、ついつい購入してしまった次第です。
ただこの藤波vs長州戦は長州が「藤波、俺はお前の“噛ませ犬”じゃないんだ!」とドラゴンに牙を剥いて以来、幾度にも渡る激闘の果てに遂に長州がドラゴンをピンフォールしてタイトルを奪取する!というまさに“革命記念日”とでも言うべき壮絶なる試合でした。
特に試合の終盤で長州のブレーン・バスターを空中で切り替えしたドラゴンが長州に必殺のジャーマン・スープレックスを炸裂!私も含めた誰もが「決まった!ドラゴンの勝ちだ!」と思った瞬間、何と長州はドラゴンの原爆固めをカウント2で返す!場内騒然とする中、長州はドラゴンのドロップキックや決死の後方回転エビ固めもことごとく返し、最後は渾身のリキ・ラリアートで藤波をフォール!!!という白熱の攻防はまさに“死闘”の言葉が相応しい一戦でした。
この長州が当時から“プロレスの芸術品”とまで言われた藤波のジャーマン・スープレックスを返した事で、これ以降この技の持つ神秘性と伝説が失われてしまったとさえ言われるほど、この試合でドラゴンが長州に放った原爆固めは素晴らしかったんですね。
もう一試合の猪木vs長州戦も、当時レスラーとして晩年を迎えていたアントンが最後にはこれまた長州のリキ・ラリアートの6連発を浴びて衝撃のフォール負けを喫し、試合後には会場のファンの前で「ううう・・・うおおおおお!」と悔し泣きするシーンが悲壮感タップリの結末なんですねえ・・・。
あと同時に購入した「UWF戦史―1983年~1987年 誕生勃興編」も、UWFの歴史の中でも一番面白い馬場さん、アントン、そして新間寿らが暗躍(?)するUWF誕生の辺りを検証している事もあって救済したのですが、それにしても定価が3000円近くする本が驚愕の105円とはアンマリと言えばアンマリの価格だなぁ!!(トホホ)。
あっと注目の「燃えろ!新日本プロレス」最新号にして今月12日発売のVol.49は、何とぉ!「新日本vs邪道、危険(ヤバ)過ぎる賭け!」と題して、あの大仁田厚vs新日軍団の抗争特集だそうです!オイオイオイオイ!新日さんよ、やってくれるじゃねーかよぉ!?(って大仁田調で読んでね♪)

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熱風!韓国LEGENDS(70) 全てはこの映画から始まった・・・!『死亡の塔』韓国版オリジナルVHSを救済して

2013-08-03 13:21:27 | 熱風!韓国LEGENDS
皆さんも今週の「マツコ&有吉の怒り新党」の人気コーナー「新・3大〇〇調査会」ご覧になったと思いますが、何と今回はドラゴンこと倉田保昭主演のTVドラマ『闘え!ドラゴン』を取り上げてましたねー!いやでも何か嬉しいですね、深夜にドラゴンの懐かしの雄姿をブラウン管で観られるなんて♪

さて、お蔭様で「超級龍熱」の韓国クンフー映画専門セクションである「熱風!韓国LEGENDS」も今回で記念すべき第70回を迎える事が出来ました。これも何時も当ブログをご覧になって下さっている皆さんの応援のおかげです。本当にありがとうございます!
その記念すべき「熱風!韓国LEGENDS」第70回の今回は、私がここまで韓国クンフー映画の研究&収集に没頭する大きな要因となった思い出深い作品『ブルース・リー死亡の塔』(81)韓国バージョンについて改めてジックリと語ってみたいと思います。
実はちょっと前になりますが、今は亡き唐龍こと金泰靖の代表作である『ブルース・リー死亡の塔』韓国バージョンのオリジナルVHSを入手しました。言うまでもありませんが、今ではこの「三和ビデオ」から発売されていた『死亡の塔』韓国バージョンのオリジナルVHSは入手が非常に困難なアイテムになっており、私が入手に成功したVHSはテープ本体(勿論本編のラストにCMなどが入らない正統バージョン♪)やジャケットのコンディションも良好な物で、入手に成功した時は実に感無量でした。
思えば、2003年に映画雑誌の『燃えよドラゴン』特集の際に、私が文中コラムの形で「アーナ・カプリ・フィルム」と共にこの『死亡の塔』韓国バージョンの記事を執筆したのが日本において『死亡の塔』韓国バージョンの詳細が初めて明らかになった瞬間でした。
ただこの『死亡の塔』韓国バージョンのコラム執筆の際は「アーナ・カプリ・フィルム」のコラム執筆に関しては編集部からアッサリとGOサインが出たのに、『死亡の塔』韓国バージョンのコラム執筆に関しては中々OKが出なかったばかりか、最後には「まったく何で龍熱さんはそんなに『死亡の塔』に拘るんですか!?」と当惑されたりと・・・私も当時からこの“問題作品”である『死亡の塔』という作品に対して如何に多くの人間が依然として強いトラウマを持っているかを否応にも思い知らされたのでした。
ただ、それでもこの『死亡の塔』韓国バージョンの冒頭で金泰靖が空港内の売店で「武道界の巨星、落つ!」と日本語で書かれた新聞(この新聞、今も現物が残ってたら欲しい!)を読み愕然とするシーン、金泰靖の代わりに加藤寿さんがヘリコプターから転落死(おまけに加藤さんのブロマイド・・・じゃなくて遺影まで登場!)する驚きの展開、さらには終盤で“死の宮殿”に進入する前の地下広場で上半身裸(胸毛まで確認できる!)の金泰靖がヌンチャクを戦闘員に投げ付ける!といったこれまで誰も想像すら出来なかった数々の驚愕映像は、いま観直してみても私をその後の韓国クンフー映画&別バージョン収集に走らせるだけの十分過ぎるほどの衝撃&魅力を持っていた事に間違いありませんでした。
またその後、ちゃうシンイチーさん主催の『死亡の塔』イベントで加藤寿さんと、そして染野行雄さんのご紹介で堀田真三さんという『死亡の塔』に深く関わりを持つ2人の日本人俳優さんと邂逅を果たせた事も大変意義深い事でした。
特に堀田さんとは先日の『李小龍マイ・ブラザー』命日イベントの際に舞台挨拶をご一緒させて頂き、その舞台でのトークでは堀田さんが芝は増上寺で行われた『死亡の塔』のオーディションに参加していたという驚くべき事実をファンの皆さんの前でジックリとお話しする機会を頂けた事は“『死亡の塔』弁護士会”の1人として実に名誉な事でして、改めて関係者の方々に只々感謝の一言です。
ただこの『死亡の塔』韓国バージョン、まだまだその作品周辺には多くの謎が残されていて、例えば韓国バージョンのオープニング・クレジットに名前がありながら何故か本編には登場しない王将や陳耀林の存在があります。もしかしたら彼ら本格派の香港武打星2人と金泰靖が対決するファイト・シーンが撮影はされたものの・・・何らかの理由でお蔵入り、あるいは削除される以前の“もう一つの『死亡の塔』韓国バージョン”が何処かに存在するのか???
実は私はまだ『死亡の塔』が製作中だった時期に金泰靖がロイ・ホランらと来日し、彼らが銀座四丁目などで記念撮影を行っているスナップ写真を大量に入手しているんですが、何とそのスナップ写真の中にサングラス&皮のロングコート姿の金泰靖とスーツ姿の王将(そうです!王将も東京ロケに参加していたのです!!)の2人が路上で仲良く記念撮影している衝撃写真を発見しています。果たしてこの金泰靖と王将のツーショット写真が意味する所は一体何なのか???
それはズバリ!金泰靖vs王将のファイト・シーンが日本で撮影されていたのか???だとしたら王将は一体どんなキャラ設定だったのか???
残念ながら当人の金泰靖が既に鬼籍に入ってしまった以上、その謎を解く事が出来るのは王将のみとなっているわけですが、これは私の“『死亡の塔』探しの旅”は『死亡の塔』韓国バージョンのオリジナルVHSを入手した後も、依然果てしなく続く事になりそうです。
と言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、勿論70回以降もまだまだ続きます!どうぞお楽しみに!
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