この8月一杯延々と書いて来ました某誌の原稿ですが、今週無事に入稿しました。まだゲラ校正などが残っていますが、また形になりましたら当ブログでも告知したいと思っています。
あと関係ないけど、最近知人が新日の“不穏試合”を3枚組DVDに収録した「壮絶!喧嘩マッチ烈伝」を借してくれまして、これは昔にリアルタイムで観た猪木&藤波vsペドロ・モラレス&チャボ・ゲレロのタッグマッチとか観るのが今から楽しみだなー!
さて、原稿を無事に入稿した事もあってか、前から楽しみにしていたピート・マコーマック監督によるドキュメンタリー『フェイシング・アリ』(09)のDVDを観てみました。私はこのDVDを以前に輸入盤DVDで観てはいるのですが、やはり細かい部分は日本語字幕付きのほうがより深く理解出来る事もあり、今回現在絶賛発売中のDVDを改めてジックリ再鑑賞となった次第です。
で、『フェイシング・アリ』なんですが、このドキュメンタリーは“グレーテスト”と呼ばれたボクシング史上最高&最強のヘビー級王者モハメド・アリをテーマに、過去にアリとリング上で闘った好敵手たちがアリとの試合や思い出を詳細に振り返る、という実にユニークかつ斬新な構成の作品です。
そのドキュメンタリーに登場する面子ですが、ジョージ・フォアマン、ジョー・フレージャー、ラリー・ホームズ、レオン・スピンクス、ジョージ・シュバロ、ケン・ノートン、ヘンリー・クーパー、ロン・ライル、アーニー・シェーバース、アーニー・テレルなどなど・・・もう60年代から70年代のヘビー級ボクシングを愛する者なら「うおおおおお!」と絶叫してしまうこと間違い無しの超豪華メンバーなんですねー!!特に“キンシャサの奇跡”と言われた世紀の一戦でアリにノックアウトされヘビー級王座を失ったジョージ・フォアマンが「8ラウンドで俺を倒したアリは、俺が倒れる寸前にもう1発止めのフックを俺に叩き込もうとすればそれが出来た。もし俺だったら絶対に1発入れてたよ。でもアリはそれをせずに俺が目の前で倒れていくのをそのまま見届けたんだ。
だからこそ俺にとってモハメド・アリは“グレーテスト”なんだ!」と涙無しでは見れないエピソードを語ったり、ノンタイトル戦ながらアリの顎を砕きアリに勝利する快挙を達成したケン・ノートンの「俺がアリの顎を砕いたのが第2ラウンドなんて奴らのデッチ上げさ!俺がアリの顎を砕いたのは最終ラウンドなんだ。要するにアリ側は如何にアリが顎を砕かれたまま何ラウンドも苦痛に耐え闘い続けた偉大なボクサーだったかを言いたかったんだ!」との「ええ?そうだったの!?」的な知られざる秘話、さらにはアリの事実上の“引退試合”となった試合の対戦相手でかつてアリのスパーリング・パトーナーだったラリー・ホームズが「俺はアリを滅多滅多に打ちまくった試合の後にアリに会いに行って愛してるって言ったんだ。そうしたらアリは愛してるなら何であんなに俺を殴るんだって(笑)」と何とも物悲しいエピソードを語ってくれています。
モハメド・アリはトレバー・バービック(UWFインターで高田延彦と格闘技戦を闘い試合中逃亡!)との試合を最後に現役を引退しますが、バービック戦の前に行ったこのラリー・ホームズ戦で何度も強烈なパンチを頭部に受けた事が後のパーキンソン病発症の原因の一つだったのでは、と言われています。
この『フェイシング・アリ』はそのアリが全盛期にはあれだけのカリスマ性溢れるビッグマウスでファンを楽しませ、また興奮させてくれながら、今ではパーキンソン病の進行によって殆ど喋れなくなったという、ある意味何ともやり切れない悲劇に対して、かつてリング上ではお互いに罵り合い殴り合ったアリのライバルたちがそれこそアリと彼らライバルたちにしか決して判り得ない熱き友情と思い出を込めた“男たちのエール”をアリに送る感動のドキュメンタリーなんです。
その“男たちのエール”が最高潮に達するのが作品のラストでロン・ライルが静かに、そして力強く語る「確かにアリは喋れなくなったよ。でもだったら昔にアリと闘ってアリから大きな“愛”を貰った俺たちがこれからはアリの偉大さを語り継いでいくんだ!」の一言で、私はこのロン・ライルの感動のコメントを聞いた時は思わず胸が一杯になってしまいました(号泣!)。
思えば、私たちが敬愛するリーさんことブルース・リーもモハメド・アリの大ファンで、それこそリーさんは自宅で何時もアリの試合を観ていたそうですし、リーさんにとってあのアリの猛スピードのパンチや華麗なるフットワーク、そして誰もが魅了されずにはいられない強烈なカリスマ性はリーさん自身の武道探求の道、そして武打星人生にも大きな影響を与えた事は間違いないでしょう。そう、ブルース・リーとモハメド・アリ、この2人の偉大なる格闘家こそが60年代から70年代、そして現在を生きる世界中の人々に最も多大な影響を与えた“LEGENDS”なのです。そしてこの『フェイシング・アリ』の監督であるピート・マコーマックは『フェイシング・アリ』に続いてブルース・リーを題材としたドキュメンタリーの秀作を発表します。それが先日に日本劇場公開を果たし多くの賞賛を受けた『アイアム・ブルース・リー』でした。
そういう意味でもこの『フェイシング・アリ』はボクシング・ファンの方だけでなく、リーさん&クンフー映画ファンの方にも是非観て頂きたい1本です。最後に私は声を大にしてこう言いたい。
ブルース・リーを敬愛する者たちよ、リーさんを敬愛するならば、リーさんが憧れたモハメド・アリも敬愛せよ!と。
『フェイシング・アリ』公式サイト→ http://www.uplink.co.jp/facingali/
あと関係ないけど、最近知人が新日の“不穏試合”を3枚組DVDに収録した「壮絶!喧嘩マッチ烈伝」を借してくれまして、これは昔にリアルタイムで観た猪木&藤波vsペドロ・モラレス&チャボ・ゲレロのタッグマッチとか観るのが今から楽しみだなー!
さて、原稿を無事に入稿した事もあってか、前から楽しみにしていたピート・マコーマック監督によるドキュメンタリー『フェイシング・アリ』(09)のDVDを観てみました。私はこのDVDを以前に輸入盤DVDで観てはいるのですが、やはり細かい部分は日本語字幕付きのほうがより深く理解出来る事もあり、今回現在絶賛発売中のDVDを改めてジックリ再鑑賞となった次第です。
で、『フェイシング・アリ』なんですが、このドキュメンタリーは“グレーテスト”と呼ばれたボクシング史上最高&最強のヘビー級王者モハメド・アリをテーマに、過去にアリとリング上で闘った好敵手たちがアリとの試合や思い出を詳細に振り返る、という実にユニークかつ斬新な構成の作品です。
そのドキュメンタリーに登場する面子ですが、ジョージ・フォアマン、ジョー・フレージャー、ラリー・ホームズ、レオン・スピンクス、ジョージ・シュバロ、ケン・ノートン、ヘンリー・クーパー、ロン・ライル、アーニー・シェーバース、アーニー・テレルなどなど・・・もう60年代から70年代のヘビー級ボクシングを愛する者なら「うおおおおお!」と絶叫してしまうこと間違い無しの超豪華メンバーなんですねー!!特に“キンシャサの奇跡”と言われた世紀の一戦でアリにノックアウトされヘビー級王座を失ったジョージ・フォアマンが「8ラウンドで俺を倒したアリは、俺が倒れる寸前にもう1発止めのフックを俺に叩き込もうとすればそれが出来た。もし俺だったら絶対に1発入れてたよ。でもアリはそれをせずに俺が目の前で倒れていくのをそのまま見届けたんだ。
だからこそ俺にとってモハメド・アリは“グレーテスト”なんだ!」と涙無しでは見れないエピソードを語ったり、ノンタイトル戦ながらアリの顎を砕きアリに勝利する快挙を達成したケン・ノートンの「俺がアリの顎を砕いたのが第2ラウンドなんて奴らのデッチ上げさ!俺がアリの顎を砕いたのは最終ラウンドなんだ。要するにアリ側は如何にアリが顎を砕かれたまま何ラウンドも苦痛に耐え闘い続けた偉大なボクサーだったかを言いたかったんだ!」との「ええ?そうだったの!?」的な知られざる秘話、さらにはアリの事実上の“引退試合”となった試合の対戦相手でかつてアリのスパーリング・パトーナーだったラリー・ホームズが「俺はアリを滅多滅多に打ちまくった試合の後にアリに会いに行って愛してるって言ったんだ。そうしたらアリは愛してるなら何であんなに俺を殴るんだって(笑)」と何とも物悲しいエピソードを語ってくれています。
モハメド・アリはトレバー・バービック(UWFインターで高田延彦と格闘技戦を闘い試合中逃亡!)との試合を最後に現役を引退しますが、バービック戦の前に行ったこのラリー・ホームズ戦で何度も強烈なパンチを頭部に受けた事が後のパーキンソン病発症の原因の一つだったのでは、と言われています。
この『フェイシング・アリ』はそのアリが全盛期にはあれだけのカリスマ性溢れるビッグマウスでファンを楽しませ、また興奮させてくれながら、今ではパーキンソン病の進行によって殆ど喋れなくなったという、ある意味何ともやり切れない悲劇に対して、かつてリング上ではお互いに罵り合い殴り合ったアリのライバルたちがそれこそアリと彼らライバルたちにしか決して判り得ない熱き友情と思い出を込めた“男たちのエール”をアリに送る感動のドキュメンタリーなんです。
その“男たちのエール”が最高潮に達するのが作品のラストでロン・ライルが静かに、そして力強く語る「確かにアリは喋れなくなったよ。でもだったら昔にアリと闘ってアリから大きな“愛”を貰った俺たちがこれからはアリの偉大さを語り継いでいくんだ!」の一言で、私はこのロン・ライルの感動のコメントを聞いた時は思わず胸が一杯になってしまいました(号泣!)。
思えば、私たちが敬愛するリーさんことブルース・リーもモハメド・アリの大ファンで、それこそリーさんは自宅で何時もアリの試合を観ていたそうですし、リーさんにとってあのアリの猛スピードのパンチや華麗なるフットワーク、そして誰もが魅了されずにはいられない強烈なカリスマ性はリーさん自身の武道探求の道、そして武打星人生にも大きな影響を与えた事は間違いないでしょう。そう、ブルース・リーとモハメド・アリ、この2人の偉大なる格闘家こそが60年代から70年代、そして現在を生きる世界中の人々に最も多大な影響を与えた“LEGENDS”なのです。そしてこの『フェイシング・アリ』の監督であるピート・マコーマックは『フェイシング・アリ』に続いてブルース・リーを題材としたドキュメンタリーの秀作を発表します。それが先日に日本劇場公開を果たし多くの賞賛を受けた『アイアム・ブルース・リー』でした。
そういう意味でもこの『フェイシング・アリ』はボクシング・ファンの方だけでなく、リーさん&クンフー映画ファンの方にも是非観て頂きたい1本です。最後に私は声を大にしてこう言いたい。
ブルース・リーを敬愛する者たちよ、リーさんを敬愛するならば、リーさんが憧れたモハメド・アリも敬愛せよ!と。
『フェイシング・アリ』公式サイト→ http://www.uplink.co.jp/facingali/