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香港功夫映画と共に

「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」 ④ 血染めのトラックスーツに誓う! “大結局”編

2015-11-29 02:17:19 | 闘神伝説~李小龍
五重塔の試練を全て突破し、自らに課せられた任務を達成したハイ・ティエンは五重塔の1階、グランドフロアに降りると、そのまま塔の出口に姿を見せた。
そこでハイ・ティエンが目の当たりにした光景は、ハイ・ティエンの想像を超えた状況だった。まずハイ・ティエンの目に飛び込んで来たのは妹のリーエル(苗可秀)が髭面に黄色いジャンパーを着た白人の巨漢にガッチリと抱えられており、その横で数日前に1度だけ会っている韓国人の王国豪(朴魯植)が弟のローバ(孟海)に銃を突き付けている姿だった。
傍らでアコン(李昆)が両手を後ろに回し、両膝を着きながら憮然たる表情で王を睨んでいる。「あっ!ハイ・ティエン?無事だったのね!」「哥哥?哥哥!!」
リーエルとローバは鮮血と汗でボロボロになった黄色いトラックスーツ姿の兄を見ると2人が同時に身を捩りながら喜びの声を上げた。
ハイ・ティエンは妹や弟と久々の再会を果たしながらも、白人の巨漢の背後に止まっている黒塗りのロールスロイスに用心深く目を走らせる。その車の窓はスモークウィンドウで車内は全く見る事が出来なかった。
ハイ・ティエンが「王国豪、私はお前の要求通りに五重塔の番人を全て倒した。さあ、約束通りに私たちを解放してくれ!」と韓国人黒社会の住人に迫る。
「残念だが、お前とこの妹にはまだ大事なミッションが残っているんだ!」王の代わりにハイ・ティエンに答えたのが暴れるリーエルを掴んだまま離さない白人の巨漢だった。
「ユーは誰だ?何故ここにいる?その後ろの車には誰が乗っているんだ?」
ハイ・ティエンの問いかけに白人の巨漢は意味深げな笑みを浮かべたが、傍らの王国豪は「ハイ・ティエン、結局生き残ったのはお前1人か。ジェームズには前金を渡して隙があったらお前を消せと含ませていたんだがな。ミスターオカタ、あとは打ち合わせ通りですな?」とローバの頭に銃を押し付ける。泣きながら身体を捩るローバ。王からオカタと呼ばれた白人の巨漢ことロブ・オカタ(ボブ・ウォール)は唸る。「ハイ・ティエン、お前とこのリーエルにはもう1度五重塔の最上階まで上がって貰う!」「何だって?一体何のためにだ!」
「それは最上階に行けば判る。さあ、来い!」「嫌!離して!嫌!ハイ・ティエン!ハイ・ティエン!」「リーエル!」オカタに引き摺られるように五重塔の入り口に連れ込まれそうになるリーエルをハイ・ティエンが追う。
王がローバの髪の毛をグイッと掴み「この坊主はどうします?」とオカタに声をかける。オカタは暴れるリーエルの腕を捩じ上げながら平然と一言「・・・殺せ!」とだけ言い放ち塔内に駆け込む。
それを聞いたハイ・ティエンが怒りのコブシを握りオカタに迫ろうとした時、ハイ・ティエンの背後から猛スピードで五重塔目掛けて疾走して来る1台のアストンマーチンが目に入った!!「ゴオオオオオォォ!」
タイヤを軋ませ急停止するアストンマーチンに全員の眼が一斉に注がれた時、アコンが王国豪に身体ごと体当たりし、王を転倒させる!「わああああ!」ローバが泣きながら走り出す!
そこにアストンマーチンから飛び出て来た屈強な白人男性がローバを抱き止めると、大声で叫びながら自分とローバに銃口を向ける王国豪を抜き放ったワルサーPPKで射殺する!
「ズキューン!」「うぎゃあ!」胸板を撃ち抜かれた韓国人の悪漢はそのまま背後のロールスロイスに仰向けに崩れ落ちるが、それを合図かのようにロールスロイスが急発進する!
だがハイ・ティエンはロールスロイスが走り去る直前に、僅かに開いたスモークウインドウから異様に変形した黒い左手袋が見えたのを一瞬目撃する!
「ミスターハイ・ティエン、早くロブ・オカタを追うんだ!君の弟はここで私が守る!」
ハイ・ティエンは精悍な口髭を蓄えたその英国訛りの白人男性に振り返ると「ユーは誰だ?」と問う。
ローバを優しく抱き抱えた英国人(ジョージ・レーゼンビー)は「私はジム・フレミング。英国諜報機関の者だ。さあもう時間がない。あのロブ・オカタの言ったように最上階の“秘宝”を手にするためには君とリーエルが必要なんだ!」と力強く応える。
「・・・判った。ユーはローバを救ってくれた。信用しよう。アコン、ここを頼むぞ!」
「おう、任せろって!ハイ・ティエン!」ハイ・ティエンはアコンの返事を背に3人を残し、五重塔の1階へと駆け込んでいった。いま全ての決着が着こうとしている・・・!!

「ハイ・ティエン!私はここよぉ!ハイ・ティエン!」ハイ・ティエンは五重塔内の上階からリーエルの悲鳴が木霊する方向を見上げながら、グランドフロアから2階の“豹殿”、さらに3階の“虎殿”の階段を駆け上がると、目の前の床に転がっていた自分のバオを拾い上げ、そのまま4階の“龍殿”への階段を駆け上がっていく。
長く苦しい闘いを終えたばかりのハイ・ティエンの呼吸は荒く、目の前がボンヤリと翳んで見える中、ハイ・ティエンはやっと5階に辿り着いた。
ロブ・オカタは暴れるリーエルを抱き抱えたまま、最上階へと繋がる階段に片足をかけ、憎々しげな笑みを浮かべながらハイ・ティエンを待っていた。
「あっ!ハイ・ティエン?来てくれたのね!」「リーエル、大丈夫だ。必ず助けるぞ!」
オカタはリーエルの乱れた黒髪を掴むと「さあ、ハイ・ティエン。可愛い妹を助けたいならさっさと上がって来い!」と唸ると、そのままモガくリーエルを抱え最上階への階段を上がっていく。ハイ・ティエンも背中越しに持ったバオを手に階段に駆け寄ると、用心深く五重塔の最上階への階段を上がっていく。

五重塔の最上階。そこは塔内で最も狭く、また最も奇妙な空間だった。窓は2つのみでそれぞれに鉄格子が填められていた。
四方の壁には「陰陽」を象った文字が刻まれ、そのフロアの中央には古く、それでいて頑丈な黒い木箱がポツンと置かれていた。
ロブ・オカタは無言で荒々しくリーエルの右腕を掴むと、そのか細い腕に填められたハイ・ティエンからリーエルに贈られたプレスレットを奪い取ると、ハイ・ティエンに向かって「お前のそのブレスレットも寄こせ!」と言い放った。
「何故だ?」「いいから黙って渡せ!」ハイ・ティエンが自分のブレスレットをオカタに渡すと、口を歪めて笑ったオカタは左手でリーエルの腕を掴み、右手で中央の木箱の蓋を開けると、そこにある2つの円形の窪みに2つのブレスレットを填めこんだ。
「ジィィィィ!ジィィィィ!」木箱の中で2つのブレスレットがまるでワイヤーのように可動するのがハイ・ティエンにも見て取れた。
次の瞬間、木箱の底が「ガタッ」と音を立てて引き出しのように押し出され、その中に分厚く黒い表紙の本が収められているのが見えた。
「それが“秘宝”なのか?」ハイ・ティエンがオカタに問う。オカタが答える。
「どうせお前らはこの五重塔から生きては出れないんだ、教えてやろう。これがアフリカからこの韓国まで渡って来た“幻の書”だ。ここに収められている物こそ全ての格闘者にとっての“絶対の境地”なのだ。俺のボスがこの“幻の書”を自分の個人博物館のコレクションに何としても加えたがってな。だがそれにはお前たち兄妹が持っているこのブレスレットがどうしても必要だったし、この下の5階の化け物が邪魔だった。あの化け物もこの“幻の書”の番人としてアフリカから連れて来られたのさ!」
ハイ・ティエンはオカタが次々と明らかにする驚きの事実に聞き入っていたが「ミーとリーエルのブレスレットと木箱には何の関係が・・・それにユーのボスとは何者だ?あの車に乗っていた義手の男がそうなのか?」とさらに問い質す。
オカタが暴れるリーエルから手を放し“幻の書”を小脇に抱えながら「フン!よくボスが義手だと判ったな?ブレスレットはお前の師匠の方丈に訊く方が早いぜ。もっともお前たち兄妹は今ここで死ぬんだがな!」とリーエルに再び手を伸ばした瞬間!
ハイ・ティエンが後手に持っていたバオをリーエルに投げ与えた!それを受け取ったリーエルは振り向き様にオカタの左目目掛けてバオを振り下ろす!
「バシュゥ!」「ぐおおああ!?こ、このビッチがぁぁ!死ねえぇ!」怒り狂ったオカタはドクドクと血が流れ出す左目を抑えながらリーエルの首筋に手刀を叩き込む!
「バキィ!」「あう!」リーエルは口から大量の血反吐を吐き床に倒れ込む!
「リーエル!?ぬううう!オカタァ!オオオオチャアァ!」遂に全ての怒りを爆発させたハイ・ティエンは自らトラックスーツの上半身を力の限りに引き裂き、その鍛え上げられた肉体を剥き出しにするとオカタに突進!
「があああああ!」オカタも左目を抑えたままハイ・ティエンに右からの正拳突きを叩き込む!だが怒りに燃えるハイ・ティエンはそのオカタの突きを胸板で受け止めると、オカタの顔面に怒涛の掌底を叩き込む!「アジョオオォ!」「げふぅ!」
「アオオオチャア!」さらにハイ・ティエンの後ろ廻し蹴りがオカタの顔面に炸裂!
その衝撃でオカタは“幻の書”を床に落とすと、下階への階段前にヨロヨロと後退する。それを見たハイ・ティエンは最後の力を振り絞りオカタ目掛けて助走からの怒りのサイドキックを叩き込む!「オオオオアチャアァ!」「ドガァ!」
「ぐおおああ!」オカタはハイ・ティエンのキックの衝撃で後方に吹っ飛ぶと、そのまま5階への階段を転げ落ちていく!!「ドタ!ドタン!ガラガラ!ドタァン!!」
ハイ・ティエンはオカタが5階の床に叩き着けられ、その場で血泡を吐くのを見届けると、眼下のオカタに向かって両手のコブシを握り締め、憤怒の雄叫びを上げる!
「お前の負けだ!ロブ・オカタ!!」
オカタはヨロヨロと起き上がると、怨念の込められた片目で階段上のハイ・ティエンを見上げながら「ハイ・ティエン!覚えてろよ?この傷の恨みは忘れんぞ。お前との決着は必ず着ける・・・ボスの島で待ってるぞ!」と言い残すと、左目を抑えながら4階の階段へとフラフラと走り去った。

「リーエル?リーエル!」ハイ・ティエンは仰向けに倒れている最愛の妹に駆け寄ると、瀕死のリーエルを優しく抱き上げる。
「哥哥・・・私・・・死ぬのね?」「嗚呼、リーエル!」リーエルは口から血を流しながら目の前の兄の顔をジッと見つめると「・・・闘ってる時の哥哥が好きだった・・・でも引退に悩んでいる哥哥を見るのは辛かったな。もう1度だけ・・もう1度だけあの綺麗な雪山を哥哥と・・・見た・・・かった」
「リーエル?・・・リーエェェェル!」ハイ・ティエンは息を引き取った妹の亡骸を力一杯抱き締めると、静かに、ただ静かに涙を流しながらジッと目を閉じていた。
「全てはこの“幻の書”が原因だ。これを求めて多くの人間が命を落とした」その声にハイ・ティエンが振り返ると、ジム・フレミングが“幻の書”を手に立っていた。
フレミングはハイ・ティエンが抱き締めているリーエルの亡骸を痛恨の表情で見つめていたが「いま血だらけのオカタが逃げていったが、君たちの安全が先だ。安心したまえ。ローバにはアコンが付いている。彼は今では君の信者だよ。ハイ・ティエン、この“幻の書”はまず君に優先権がある。君はそれだけの犠牲を払ったんだ。どうする?この中身を見てみたいか?」
ハイ・ティエンはフレミングの言葉に無言で頷く。フレミングはハイ・ティエンの傍に膝を着くと、おもむろに“幻の書”を開いた。
「あっ!こ、これは!?」
ハイ・ティエンとフレミングの目に飛び込んで来たのは「鏡」だった。見開きの形で右と左の頁に映った「鏡」には、驚きと困惑の表情を浮かべるハイ・ティエンとフレミングの顔がまるで冷たく、突き放すかのように映し出されていた。
ハイ・ティエンは“幻の書”から無表情で目を離し、既に冷たくなって来たリーエルの亡骸をより強く抱き締めると「これが・・・これが多くの人間が追い求めた“絶対の境地”なのか?このために私はこの五重塔で命を懸けて闘い、多くの死を目の当たりにし、そしてリーエルを失ったのか!?何のために・・・一体何のために!!!」
ハイ・ティエンは怒りと悲しみで身体中を震わせていたが、やがてリーエルを抱き抱えユックリと立ち上ると、傍らで立ち尽くすフレミングに静かに、しかし毅然と言い放った。「さあ、この地獄を出よう。ゲームは終わった」

金浦国際空港。多くの人が行き交う空港ロビー。紺のコートを着たハイ・ティエンは弟のローバが大事そうに抱える純白の布に包まれたリーエルの遺骨にソッと手を添える。そして目の前のジム・フレミングとアコンに静かに向き直った。
アコンは真っ赤な鼻をさらに真っ赤にしながら「ハイ・ティエン、俺は王国豪の金に釣られてお前を五重塔に連れてった自分が恥ずかしい。なあ、俺を許してくれるか?」と項垂れる。
ハイ・ティエンは泣き顔のアル中の錠前屋と握手を交わすと「ああ、許そう。だが一つ条件がある。今日で酒を止めろ。いいな?」と穏やかな笑みを返す。照れくさそうに頷くアコン。
それを見ていたフレミングが咳払いをしながらハイ・ティエンに手を差し出し「ハイ・ティエン、英国諜報機関を代表して“幻の書”の譲渡に心から感謝の意を表するよ」と微笑む。
ハイ・ティエンはフレミングの手を握り返しながら「あの本は今のミーにとって何の意味も持たない。それにこれはきっとリーエルも望んだ事だと思う。“絶対の境地”は自分で探すさ」と笑みと共に応える。
ロビーに香港行きの便の搭乗アナウンスが流れ始めた。
ハイ・ティエンはローバの手を握りフレミングとアコンに別れを告げようとしたが、フレミングはそのハイ・ティエンのコートの胸ポケットに素早く一通の封筒を入れると「これは英国諜報部の私の上司から君へのメッセージだ。中身は機内で読んでくれ」とだけ囁くと、戸惑った表情のハイ・ティエンともう1度固く握手を交わすのだった。

心地よくエンジン音が響く機内。ハイ・ティエンはローバと隣同士で席に座りながら、飛行機の窓の外に広がる金浦空港の滑走路を眺めていた。
ハイ・ティエンは最愛の姉を亡くし、その遺骨を抱え悲しみに沈むローバに自分のバッグから紙袋を取り出すと、それを弟の膝の上に置いた。
「哥哥、これ何?」「開けてごらん」ローバがその紙袋を開けると、そこには上半身部分がボロボロに引き裂かれ、血と汗が染み着いた黄色いトラックスーツがあった。「あっ・・・これは哥哥の!」「これをお前に受け取って欲しい。これからお前の人生には様々な試練が待っているだろう。だがそんな時はこのトラックスーツを見て、私の闘いを思い出して欲しい。例えどんな試練に直面しても、決して逃げずに立ち向かう勇気をお前に持って欲しいのだ」
ローバはそのトラックスーツを強く握り締めると、隣のハイ・ティエンの目を正面から見据えながら「哥哥、分かった。僕、もう泣かないよ。哥哥みたいに強くなるよ!」
離陸に備えて機長のアナウンスが流れ、機内のエンジン音が次第に高くなる。
ハイ・ティエンはコートの内ポケットからジム・フレミングから渡された英国諜報機関からの手紙を取り出し、封筒の中に入っているメッセージを読み始めた。
その手紙は今回のハイ・ティエンの尽力に対する感謝とリーエルの死に対する哀悼の意から始まり、“幻の書”がジム・フレミングによって無事英国博物館の厳重な管理下に入った事が記されていた。また今回の韓国での誘拐事件、及び“幻の書”強奪未遂事件の背後にいる人物こそが国際的な犯罪組織を率いる“片腕”の中国人であり、ロブ・オカタもその組織の1員である事が記されていた。そして手紙はこの犯罪組織壊滅に是非ともハイ・ティエンの協力を仰ぎたいとの強い要望で終わっていた。

手紙を読み終えたハイ・ティエンが隣のローバを見ると、ローバは亡き姉の遺骨と黄色いトラックスーツを抱き締めながら穏やかな寝息を立てていた。
ハイ・ティエンは弟の頭を優しく撫でると、再び窓の外に視線を戻す。
飛行機がスピードを上げながら滑走路を力強く疾走し、そしてユックリとその機体が滑走路を蹴った。窓の下の韓国の大地が少しずつ小さくなっていく。
ハイ・ティエンは手紙をコートのポケットに戻すと、コートの下に着込んでいる純白の中国服の襟を正した。そして目を閉じ、自分自身に向かって静かに語りかけるのだった。

「私は恐らくこのブレスウェイトという男のオファーを受けるだろう。そして香港に戻り、師父に残された謎を問いかけてみたい。
“幻の書”の正体は「鏡」だった。今の私にはそれが意味する真実にはまだ辿り着けない。だがそれでも私には判る。何時か私がもう1度“鏡の幻影”と言う名の試練と対峙する時が来る事を。その時こそ私が「絶対の境地」に到達する瞬間なのだ。
リーエルよ、見ていてくれ。もう私は迷わない。もう私は逃げない。引退の影に怯えていた“黄色い虎”ハイ・ティエンはもういないのだ。
私は五重塔での命懸けの闘いをこの2つのコブシだけで生き抜き、いま新たなる悪との闘いに挑もうとしている。例えその闘いが再び“死のゲーム”になろうとも、例え身に纏ったこの純白のトーナメント・ウェアが“死装束”になろうとも、私は決して恐れない。そう、何故なら、私は“ドラゴン”だからだ!」

         「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」完。

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「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」 ③ 闇に潜む最強の番人!“未知の恐怖”編

2015-11-28 20:51:54 | 闘神伝説~李小龍
「タンタン!ダダン!」ハイ・ティエンが5階への階段を駆け上がった瞬間、何かがハイ・ティエンの眼前を横切った。ドサッ!グシャッ!・・・。
それは音を立てて床に叩き着けられると、暫く痙攣していたがすぐに動かなくなった。それが全身の骨をグチャグチャにされたジェームズの最後だった。
「ジェームズ・・・」ハイ・ティエンはここまで五重塔の挑戦者として共に闘った男の亡骸を無言で見つめていたが、すぐに薄暗い5階に視線を移し、用心深くフロア全体に目を凝らす。「これは・・・酷い匂いだ」
ハイ・ティエンはまるで動物の餌場のような臭気が漂う5階の中央に五重塔の最上階へと繋がる階段を確認すると、無意識に階段に向かって歩を進める。
「ズン!ズン!ズン!」そのハイ・ティエンに向かってフロアの奥の闇の中から真っ黒で巨大な影が迫って来た!
「はっ!?」ハイ・ティエンは自分の頭部に向かって伸びて来た異様に長い腕を辛うじて右手で弾き飛ばす!「アダォ!」
そしてその五重塔最後番人の正体を見極めようと、身構えながらも目の前の闇に向かって懸命に目を凝らす。
それは黒人だった。だがその黒いサングラスをかけ青のシャツに白の短パンを身に纏った黒人は優に2メートルを超える巨人だった。
「この黒人・・・何という大きさだ!」黒人・・・ハキム(カリーム・アブドゥル・ジャバール)は唖然とするハイ・ティエンに向かって再び無言で突進すると、何の感情も表さずにハイ・ティエンの胸板を蹴り飛ばす!
「ドガァ!」「あっぐああ!」仰向けに床に転がるハイ・ティエン!!ハイ・ティエンは自分のトラックスーツの胸板にハキムの巨大な足型が残った事より、その蹴りの衝撃で肺を痛めた事を危惧しながらも、すぐに起き上がるとハキムの長く強靱な足にスライディングしながらハキムの足を蟹挟みで払う!
「アタアオオ!」ドオォォォン・・・!
ユックリと倒れる巨人!・・・だがハイ・ティエンはハキムの片足が持つ人間離れした脚力で逆に自分の足が折られそうになるのを察知し、すぐに蟹挟みのロックを解くと立ち上がる。
ハイ・ティエンは同じく悠然と立ち上がり、無言で自分をジィッと見つめるハキムに再び身構えながら、心の奥でこう呟いていた。
「この黒人、あの長く強靱な手足でこれまで何人もの塔の挑戦者たちを葬って来たに違いない。まるで鋭利な鎌で容赦なく獲物を引き裂くマンティス(螳螂)のような男だ。だが・・・この男にも必ず何処か弱点があるはず。そう、きっとあるはずだ!」
そのハイ・ティエンの心の奥の焦燥を見透かしたかのようにハキムが猛然とハイ・ティエンに迫る!それを見たハイ・ティエンがサイドステップする間もなく、ハキムの素早く強烈な平手がハイ・ティエンの顔面にヒット!
「バシィン!」「ぐううあ!」思わずヨロめくハイ・ティエンの頭部に、今度はハキムの巨大なブーメランのような廻し蹴りが炸裂!!
「あぐああ!」血反吐を吐きながら足許に立つ花瓶に身体ごと突っ込むハイ・ティエン。ハキムは頭を振りながら立ち上がろうとするハイ・ティエンを頭ごと床に散乱した花瓶の鋭利な破片に押し付けようと万力でハイ・ティエンの後頭部を押え込む!
「んぐぐうう・・・・アダァオォ!」ハイ・ティエンはこのピンチを柔軟な身体を駆使して、逆立ちから驚異的な“鯱蹴り”でハキムの頭部を蹴り上げ脱出に成功!
何とか立ち上がったハイ・ティエンにハキムは再び顔面に鉄拳を叩き込むと、さらにハイ・ティエンの首を荒々しく掴み、そのまま思い切り窓際の柱に顔面を叩き着ける!「グシャ!」「うぐあぁ!」
ハイ・ティエンは激痛に顔を歪ませながらもハキムの巨大な掌を必死に払いのけ、黒い魔人の猛攻から何とか逃れようと窓際をヨロヨロと4階への階段方向に向かう。だが冷酷な闇の番人は背後からハイ・ティエンを捕まえると窓枠に力ずくでハイ・ティエンを押し付け、顔面を鮮血に染め呼吸も粗い挑戦者のダメージをジックリと観察し終わると、意識朦朧としているハイ・ティエンの両眼目掛けて2本の指を突き刺そうと思い切り右腕を叩き込んだ!
「はっ!?」そのハキムの攻撃をハイ・ティエンが僅かに首を動かし寸前でカワす!
「バリバリ!」そのままハキムの右腕は窓の障子を突き破り、その破れた窓から強烈な太陽光線が飛び込んで来た!「ウギャギャ?ギャア!ギャウウウウ!」
ハキムがその太陽光線を顔面に浴びた瞬間、黒い魔人は異様な叫び声を上げサングラス越しに顔を覆い窓際から後退!
ハイ・ティエンは窓に凭れかかったまま、突如ハキムが意味不明な悲鳴を上げながら怯えるように窓際から後退するのを唖然と見つめていたが、すぐにそれが自分の背後の破れた窓から差し込んで来る太陽光線にある事を悟った!!
「そうか・・・光だ!奴の・・・マンティスの弱点は闇に差し込むこの大自然の光だ!」

“闇が支配する世界に聖なる光”が差し込む時、いま五重塔最強挑戦者の反撃が始まる!ハイ・ティエンは咄嗟に自分の背後の窓を振り返ると、片っ端から窓の障子に正拳突きを叩き込んでいく!
「アジョ!アジャ!アジョ!アジョ!アジョォォォ!!!」
「バシュ!バシュ!バシュバシュバシュ!」その神々しいまでの光は“闇の番人”が長きに渡り支配して来た暗く陰惨な処刑場を、まるで美しく清めるかのように次々と5階から闇を消し去っていく・・・!
「ギャアア!・・・ウガガガァ!」ハキムはハイ・ティエンによって破られた窓から差し込む光から逃げ回りながら、そのまま5階中央にある最上階への階段の陰にその巨体を隠そうと必死に身を屈める。
「マンティスよ、勝負だ!」ハイ・ティエンは思い切り助走を取ると高々と跳躍し、ハキムの顔面に渾身のジャンピングキックを叩き込む!
「アチョオオォォ!」「バキィ!」「グギャア!」
ハイ・ティエンのキックを顔面に浴びたハキムは、粉々に砕けたサングラスと共に地響きを立てて床に崩れ落ちた!ドタアァァァン・・・!
着地したハイ・ティエンはすぐにハキムに飛びかかると、ハキムの首をガッチリとネックロックで固める!ハキムは顔面から血を流しながら何とかネックロックを外そうとモガくが、ハイ・ティエンの勝負を懸けたネックロックは完璧な形でハキムの首を固めていた。
「さあ、マンティス、もうお前は闘える身体ではない。このまま私を上階に通すと言うんだ!」勝利を確信したハイ・ティエンがそうハキムに呼びかけた時!
「グググ・・・アグアグアァ!」ハキムが苦しげな呼吸音と共に「カッ」と目を見開いた!「あっ!こ、これは!?」
ハイ・ティエンは見た。そのまるで悪魔のように赤味を帯びたハキムの両目を!!自らの最後を予期したハキムは、自分の首筋に深く食い込んでいるハイ・ティエンの腕に噛み付く!「ガブッ!」
「あぐっ!何故だ?何故まだ闘いを続るんだ?さあ、言うんだ!私を上階に通すと言ってくれ!ただ一言“イエス”とだけ言ってくれ!!」
だがハイ・ティエンは自分の腕に深く噛み付いたハキムの歯が徐々に腕の骨まで達しようとしている事を悟ると、そのまま怒りと悲しみの咆哮を上げながらハキムの首をヘシ折った!!「オオアアア・・・・アチャアアアアァァ!」「ボキボキィ!」
ハイ・ティエンは自分の両腕の中で激しくモガいていたハキムがガックリと動きを止めた事で、この長く凄惨な死闘が幕を閉じたを知った。

ハイ・ティエンはハキムの巨大な亡骸を押し退けながら立ち上がると、ヨロヨロと窓際に歩き出す。途中で天井から吊るしたサンドバッグに遮られながらも窓際に達したハイ・ティエンは、自分が障子を突き破った窓から、五重塔の1階で自分からの合図を待っているはずのアコンに向かって絞り出すような雄叫びを上げる。
「アコ~ン!やったぞぉぉ!塔の番人は全て倒したぞぉぉ!アコ~ン!?」
すぐに遥か下の地上から「ハイ・ティエン!無事なのか?5階の“化け物”も倒したんだな?もうそこは安全なんだな!?だったら降りて来てくれえ!」とのアコンの声が聞こえて来た。ハイ・ティエンは「ああ、もう危険はない!私も今からそこに降りていく!」と返すと、そのまま4階への階段をフラフラと降りていく。
ハイ・ティエンはハキムとの壮絶な闘いで全身に深いダメージを負ってはいたが、それでも4階の“龍殿”から3階の“虎殿”へと何体もの亡骸を目にしながら階段を降りていく。
そして3階でもう1度窓際に歩み寄り、2つのコブシで障子を破ると「アコ~ン!妹は・・・リーエルたちはどうなっているんだ?無事なんだなー!?」と声をかけた。
だが、そのハイ・ティエンの呼びかけに応えたのはアコンではなく謎の男の声だった・・・!
「お前の妹と弟ならここにいるぞ?ハイ・ティエン!」その男の冷たく勝ち誇ったような声はハイ・ティエンがこれまで1度も聞いた事がない英語の声だった。
ハイ・ティエンは強い警戒心と共に「ユーは誰だ?アコンはどうした?リーエルたちがそこにいるのか!」と問いかけるが、それに返って来たのは愛しいリーエルとローバの声だった。
「ハイ・ティエン!私たちはここよぉ!」「哥哥!怖いよぉ!哥哥!」
「リーエル?ローバ?いま降りていくぞ!待ってろぉ!」ハイ・ティエンは思わず窓枠を掴みながら叫ぶ。
だがそのハイ・ティエンの絶叫に返って来たのは、またしても冷酷な男の声だった。「ハイ・ティエン、さあ、余り時間がないぜ!妹たちの命が惜しかったらここに降りて来い!いいか、まだお前の“ゲーム”は終わってはいないんだ!」
そう、ハイ・ティエンの命懸けの“デスゲーム”はまだ終わってはいなかったのだ。
ハイ・ティエンは暫くジッと目を閉じていたが、すぐに口元の血を静かに拭うと、ユックリと、そして用心深く階段を降りて行った・・・!
以下、衝撃のクライマックス「血染めのトラックスーツに誓う! “大結局”編」に続く!!

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「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」 ② 驚異の関節技地獄!“韓国合気道金段”編

2015-11-28 00:12:09 | 闘神伝説~李小龍
五重塔の4階は下階の“虎殿”とは趣が異なるフロアだった。フロアの窓際に置かれた棚には朝鮮製らしき骨董品が無数に陳列され、それは独特の格式を誇っていた。そしてフロア中央に置かれた神殿のようなスペースは白いカーテンで仕切られ、奥の壁には大きく口を開けた“龍”の壁画が掘られ、その真下には豪華なベッドが置かれていた。
4階への階段を駆け上がって来たカイ、ハイ・ティエン、ジェームズの3人は、そのベッドの奥に韓国人らしき男性が横になり無遠慮な視線を彼らに注いでいる事に気がついた。
ジェームズと顔を見合わせたカイが怒鳴る。「おい?そこのお前、出て来い!」
カイの呼びかけに韓国人はベッドから起きると、ユックリと白いカーテンを開けた。
その“龍殿の番人”こと武芸者(池漢載)は七三に分けられた髪、威厳に満ちた顔立ちに加えて、その道着の腰には黄金に光り輝く金帯が誇らしげに締められていた。「・・・・・」武芸者は自分が守る“龍殿”への挑戦者である3人をそれぞれ品定めするように見つめていたが、直ぐに背後の柱にある電灯スイッチに手を伸ばし、そのスイッチを押した。「バチ!」
ハイ・ティエンは“龍殿”の天井各所に設置された赤味を帯びた照明が突如点灯し、ハイ・ティエンたち3人を妖しく照らし始めた事に警戒心を強めた。
武芸者は赤味を帯びた照明の光に満足げな笑みを浮かべると、そのままユックリとフロア中央に歩を進め、ハイ・ティエンたちに韓国語で語りかけ始めた。
「諸君、この照明の“赤”の意味する事が判るか?それは“危険”だ。さあ、悪い事は言わん。全身の関節をバラバラにされる前にこの“龍殿”から立ち去れ!命は大切にする事だ」
ハイ・ティエンは武芸者の“警告”に穏やかな笑みを返すと、カイやジェームズを階段脇に誘い、手に持った黄色いヌンチャクを武芸者に見せつけるかのように床に落とした。そして英語で武芸者にこう言葉を返す。
「ユーは1階を守っていたソーチュン・キムの師父だな。弟子のキムはミーが倒した。そしてミーはユーも同じく倒し上階に行かせて貰う!」

「まずは俺だ!いやああああ!」ハイ・ティエンの気勢を制するかのようにカイが武芸者に突進する!だが武芸者は余裕の表情でカイの突進をカワすと、カイの手首を掴み瞬時に身体を捻りながらカイを投げ飛ばす!そして慌てて起き上がったカイを掴みもう1度!さらにもう1度!
「こ、このぉ!」武芸者は既に息遣いが荒くなっているカイの左肩を掴み笑みを浮かべながらカイの肩の関節を締め上げる!
「メキメキメキィ!」「あぐあ・・・ぐあああああ!」
カイの悲鳴を聞きながら「ハプキドー、それも相当の腕前だな」とハイ・ティエンが呟くのを聞いたジェームズが「だったらお前がカイに手を貸して来い!」と噛み付く。
だがハイ・ティエンはジェームズの挑発を聞き流すと、そのまま階段の手摺に腰を下ろす。
「ケッ!見てろよ?」ジェームズが顔を歪めながらフロアの中央に進み出た。
それを見た武芸者は締め上げていたカイの左肩を離すと、ジェームズ目掛けてカイの背中を蹴り飛ばす!ジェームズに助け起こされたカイは脂汗を流しながら「肩が・・・肩が外れた!」と呻く。ジェームズは「いいか、俺とお前で同時にあの韓国人に飛ぶかかるぞ。はああ!」
武芸者は自分に同時に飛びかかって来たカイとジェームズにも全く動じる事なく、まずカイのボディに蹴りを叩き込み、ジェームズの手首を捉えると軽々と宙に舞わせる!!
「うおおおおお!」飛び起きて再び迫って来たカイの顎に掌低を叩き込んだ武芸者は、ヨロめくカイを蹴り飛ばす!その衝撃でカイは背後の骨董品が並んだ棚に身体ごと突っ込む!
「ガラガラ!ガチャァン!」カイの身体ごと骨董品が床に散乱するを見たジェームズが武芸者の背後から武芸者の腰にしがみ付く!
だが武芸者は後ろ向きのままジェームズの両手首を掴むと、そのまま思い切り腰を落とすように万力で締め上げる!「メキメキィ!」「ぐあああああ!」
勝ち誇った笑みを浮かべた武芸者はジェームズのシャツの襟首を掴むと、階段の手摺に座り戦況を見守っていたハイ・ティエンに向かってジェームズを突き飛ばした。

ハイ・ティエンはジェームズの両肩を掴むと自分の傍らに引き寄せ、同時に左肩を押さえヨロヨロと疲労困憊状態で戻って来たカイにも目で「下がっていろ」と伝える。
そのまま静かに武芸者の前に進み出たハイ・ティエンは、武芸者の眼前にユックリと右手の指を5本掲げる。
「?」武芸者がそのハイ・ティエンの掲げた右手の意味を探るような顔付きで身構える。「ファイブミニッツ。5分だ。5分でユーを倒す!」「何だと!イ・セッキヤァ!(怒)」
「アタオオォ!」次の瞬間、武芸者の怒りを帯びた顔面にハイ・ティエンのハイキックが炸裂!闘いが火蓋を切った。
キックの衝撃で床に叩き着けられた武芸者はすぐに起き上がるが、そこにまたもハイ・ティエンのリードパンチが武芸者の顔面に決まる!
「アジャオ!」「うぐあ!」しかし武芸者も後退しながら、すぐに後ろ廻し蹴りを放ちハイ・ティエンを横転させる。

ジェームズはハイ・ティエンと武芸者の攻防をジッと見つめていたが、その視線が“龍殿”の反対側にある5階への階段で止まる。そして隣に立つカイに向かって囁く。
「おい?カイ、あの韓国人はハイ・ティエンに任せてお前が先に5階に上がれよ?」
「俺が?いやしかしな、アコンが言うには5階には“化け物”がいるって話だぞ?」
「大丈夫だって。俺もすぐに後から5階に行くからよ。さあ、行けって!」
「よ、よし!行ってみるか!」
カイはそう唸ると、ハイ・ティエンと武芸者が闘うフロア中央を横切り、反対側の階段へと歩き出す。そのカイの行動を横目で確認したハイ・ティエンは、視線を武芸者から外さずカイの黒の道着を掴むと「待て、カイ!5階に1人で上がるのは危険だ!」とカイを制止する。
だがカイはそのハイ・ティエンの手を振り解き「任せろって!お先に行かせて貰うぜ!」と5階への階段を思い切りよく駆け上がっていく!「待て!カイ?待つんだ!」

5階へと駆け上がったカイはすぐに「ううっ?何だ、この匂いは?」と自分の鼻を押さえた。真っ黒な闇に包まれた5階には異様な臭気が漂っていたのだ。僅かにフロアの四隅にある蝋燭台が微かな明かりを5階に生んでいた。
カイは5階に漂う臭気に吐き気を覚えながらも用心深くフロア全体に目を凝らすが、中央に5重塔の最上階へと繋がる階段が微かに見えた。
「あの最上階に“秘宝”があるのか。よし!」とカイがその階段に一歩踏み出そうとした時!「ズン!ズン!ズン!」突如、カイの後方の闇から“巨大な影”が迫って来た!「何・・・何だ!お前は!?」
カイが慌てて身構えようとする間を与えず、その“巨大な影”はカイの頭を鷲掴みにすると、暴れるカイの身体をそのまま高々と持ち上げた!
「あぐうう!くそぉ!離せ!離せええええ!」
だが次にカイが聞いたのは、自分の頭蓋骨が凄まじい握力で砕かれていく音だった・・・!「バキ・・・バキバキィ!」「ぐぎゃあ・・・ぐああああああぁぁぁ!!!」

再び4階は“龍殿”。ハイ・ティエンは武芸者が繰り出す蹴りをブロックし弾き返すと、逆に連続の廻し蹴りを放つ!「アタ!アタァ!」
そしてハイ・ティエンが後退した武芸者にもう1発蹴りを放とうとした、その瞬間!
ドタン!ドタァァァン!何かが5階から4階の階段下に突き落とされて来た!
ハイ・ティエンがその異様な音の方向に振り返ると、そこには無残にも頭部が潰されたカイの死体が横たわっていた。「こ、これは?カイ!?5階には・・・5階には一体何がいるんだ!?」
ハイ・ティエンが思わずカイの亡骸に視線を移したのを見た武芸者は、ハイ・ティエンの腕を掴むとそのままハイ・ティエンを強烈な投げ技で床に叩き着ける!
「はいやあ!とおおいやぁ!」さらにもう1度!何度も床に叩き着けられた衝撃で顔を歪めるハイ・ティエン。
「ヘッ!今だ!」そのハイ・ティエンの劣勢を見たジェームズは、フロアを5階への階段目掛けて猛スピードで突っ切る!そしてそのままジェームズは5階の闇の中へと駆け上がっていった。
ハイ・ティエンは5階へと上がるジェームズの姿を黙って見送っていたが、同時に武芸者の連続の投げ技で自分が負ったダメージを冷静に確認しながら、心の中でこう呟いていた。
「このままではダメージが増すばかりだ。この韓国合気道高手は早めに倒すつもりだったが、出来れば得体の知れない5階の番人との闘いに体力を温存しておきたい。こうなったらあの荒技で勝負を懸けるしかない!」
「いやああああ!」ハイ・ティエンは自分に飛びかかって来た武芸者をカワすと、入れ替わり様に強烈無比のサイドキックを武芸者のボディに叩き込む!
「アタアアアア!」「ぐおわあ!」ハイ・ティエンが横転する武芸者にさらに迫ろうとした時!ハイ・ティエンの頭上の天井から大量の砂埃と共に不気味な振動が響いて来た!「ズン!ズズン!ズン!ズン!ズズン・・・!!」
ハイ・ティエンは眼前に舞い落ち視界を遮る砂埃を手で払いながら呆然と天井を見上げる!!「5階では何が起こっているんだ?」
そして次の瞬間、5階へ繋がる階段の上から聴き慣れたジェームズの声が響いて来た!
「助けて・・・ハイ・ティエン!コ、コイツは人間じゃねえ!ハイ・ティエン・・・早く上がって来てくれ!ハイ・ティエェェェン!」「あの声はジェームズ?ジェームズ!」
ハイ・ティエンがジェームズの悲鳴に気を取られた隙を突き、またしても武芸者がハイ・ティエンの足を払う!だがハイ・ティエンは横転しながらも武芸者の顔面に3発連続で蹴りを叩き込む!「アダ!オア!アダァ!」「ぐわぁ!・・・うううう!・・・」
ハイ・ティエンの怒涛の蹴り技に深いダメージを負った武芸者だったが、それでも最後の力を振り絞り立ち上がり、ハイ・ティエン目掛けて飛びかかって来た!
「あああ・・・あいやあああ!」ハイ・ティエンはその武芸者の攻撃を受け止め、首を固め腰の部分を抱き込むと、高々と武芸者を抱え上げ、そのまま思い切り自分の膝の上に武芸者の背中を叩き着けた!!
「アアアアアアジャァ!」「ボキボキ!」「うぎゃあああああ!」
ハイ・ティエン必殺の荒技“波分け”で背骨をヘシ折られた武芸者はフロアの床に崩れ落ちると背中の激痛で床の上をのた打ち回っていたが、やがて失神すると動かなくなった。
それを横目で見ながらヨロヨロと立ち上がったハイ・ティエンは、5階へと繋がる階段下で立ち止まると、用心深く闇に包まれた上階を見上げていたが・・・!
「止めろ!止めてくれえ!ぐわああああ!」ハイ・ティエンの頭上からまたもジェームズの断末魔の悲鳴が聞こえて来た!!そして一転しての不気味な静寂。
ハイ・ティエンはこの五重塔に突入して以来、初めて自分の右手に填めたブレスレットを強く握り締めると、意を決して5階への階段を駆け上がった!!
以下、「闇に潜む最強の番人!“未知の恐怖”編」に続く!

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「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」 ① 最高峰ヌンチャク戦!“フィリピンの魔杖師”編

2015-11-27 00:25:19 | 闘神伝説~李小龍
雪山。真っ白な雪景色が静かに、しかし力強く降り積もる雪でさらに白さを増していく。その山の絶壁に1台のベンツが止まり、その真っ赤なベンツのドアが開くと2人の男女が姿を見せる。
1人はジャケット姿のハンサムで屈強な中国人男性。もう1人は黒髪が美しい女性。2人は絶壁に立つと目の前に広がる雪景色に満足そうに笑顔を見せる。
「わあぁ・・・凄い雪ね!香港じゃ絶対に見れないなぁ!ローバも来れば良かったのに。ねえ、哥哥?」「そうだな。ほら、リーエル、あの大木を見てごらん?積もった雪の重さで今にも枝が折れそうだろ?」
兄ハイ・ティエンの言葉に妹のリーエルが視線を向けると、その瞬間、眼下の大木の枝が降り積もった雪の重さで「バキィ!・・・」と音を立てて折れた。
「あっ!ハイ・ティエン、枝が折れたわ!」「さあ、今度は隣の細い木の枝を見てごらん」再び兄の言葉に妹のリーエルが視線を隣の細い木に積もった枝に移すと、降り積もった雪の重さで今にも頼りなさげで折れような枝が一瞬撓ったかと思うと、積もった雪を全て振り落とし、また降り注ぐ雪を静かに受け止め始めた。
それを見た2人の兄妹はお互いに顔を見合わせニッコリと頷く。
「ねえ、ハイ・ティエン、本当に悔いはないの?本当に武術界を引退するの?」
愛くるしい妹の問いに無敵格闘家と言われた男は無言でジャケットの内ポケットから2組のブレスレットを取り出すと、1つを妹の手首に、もう一つを自分の右手首に填めた。
リーエルは不思議そうに「哥哥・・・これは何?」「私の師父から譲り受けた物だ。持ち主を災いから守り幸運を運んでくれるアフリカのお守りさ。像の尻尾の毛で出来ているんだ」「そうなの?素敵・・・嬉しいわ!」
ハイ・ティエンとリーエルの兄妹は寄り添い合いながら、絶壁から眼下の雪景色をジッと見つめる。さらに降る勢いを増した雪を見つめながらリーエルがポツリと呟いた。「哥哥・・・ここにもう1度哥哥と一緒に来れたら嬉しいな。ねえ、また来ようね?」「・・・・・」妹の問いかけにハイ・ティエンは穏やかな笑みを返す。
だが、その兄弟の想いを自然の力がまるであざ笑い、弾き返すかのように一段と雪が降り注ぎ、やがてハイ・ティエンたちの姿は雪景色の彼方に掻き消されていった・・・。


          「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」


① 最高峰ヌンチャク戦!“フィリピンの魔杖師”編

ハイ・ティエン(李小龍)はユックリとバオを床に向かって下ろすと、唖然とするパスカル(ダン・イノサント)に向かって笑みを返しながら、バオの先端で床を叩き返す。
「カンカカカンカン!カンカン!!」
そして“死をも恐れぬ世界最強の男”は、猛々しい怪鳥のような雄叫びと共にバオの先端を“フィリピンの魔杖師”の額に叩き着けた!「アチョオオォォ!!!」
そのハイ・ティエンの雄叫びは、まるで暗雲渦巻く五重塔に新たなる“デスゲーム”の開始を告げるかのように雄々しく、そして勇壮に響き渡った・・・!!
パスカルはハイ・ティエンのバオが自分の額に傷をつけた事に憤怒の表情を見せ、カリ・スティックを握り直しハイ・ティエンに突進!しかしハイ・ティエンはパスカルの突進をかわすとバオで再びパスカルの額を一撃する!
「アチョオオォ!」「あぐ・・ぐぁ!」
「どうした、エスクリマ・マスター?額に×の字が付いているぞ?」ハイ・ティエンの挑発に怒ったパスカルは「ファアアアアイ!ファアアィ!」と2本のカリ・スティックを旋回させ迫るが、ハイ・ティエンの電撃のバオがパスカルの手首を直撃!カリ・スティックが音を立てて床に落ちる。
手首を抑えながら驚きの表情で自分を見つめるパスカルに対して、ハイ・ティエンは床のカリ・スティックを拾い上げ、自分の背後に悠然と投げ捨て語りかける。
「残るはそのスティック1本だな。さあ、ユーの次のムーブは何だ?ウアタアタアタァァ!」
ハイ・ティエンが怪鳥のような雄叫びと共にバオを交差させ威嚇すると、パスカルは思わず数歩後退し残ったカリ・スティックを床に叩き着け、腰に隠し持っていた赤のヌンチャクを取り出す。

そして「いい気になるな?見ろ!」と赤のヌンチャクを猛スピードで旋回させ始める。
「ヒュン!ヒュヒュン!ヒュンヒュン!」パスカルは右から左へと猛スピードで旋回させたヌンチャクを脇の下に挟み込むと、満足げな笑みを浮かべハイ・ティエンを見据える。
それを見たハイ・ティエンはフロアの窓際で彼らの攻防をカイ(解元)と共に見ていたジェームズ(田俊)に「カモ~ン!ジェームズ?」と小馬鹿にしたように手招きする。ハイ・ティエンのその行為にジェームズは「チィッ!あの野郎?カイ、お前が行け!」と手にした黒のヌンチャクケースを隣のカイに荒々しく押し付ける。
「何で・・・俺が?」カイがヌンチャクケースを手に渋々ハイ・ティエンに歩み寄ると、ハイ・ティエンはヌンチャクケースを受け取り、代わりにバオをカイに渡す。
そしてヌンチャクケースから黄色のヌンチャクを取り出し、猛然とヌンチャクを旋回させる!「アタ!アタ!アタタァ!」
それはパスカルのヌンチャク捌きよりも遥かに華麗でまた力強いスイッチワークだった!!「ハチャオ!」
ハイ・ティエンのハイレベルなヌンチャク捌きを目の当たりにしたパスカルは愕然とした顔付きで「お前・・・何処でそのタバクトヨクをマスターした?誰が教えたのだ!?」と唸る。「驚いたか?アチャ!アタッ!ホッ!」
ハイ・ティエンは不敵な笑みと共にヌンチャクを旋回させながらユックリとフロアを周り込みパスカルの隙を窺う。
同じくパスカルも用心深くヌンチャクを旋回させながらハイ・ティエンの動きを目で追う。その2人の闘いを傍らでジェームズとカイが真剣な表情で見つめる。
「アタッホ!アアァ!」「バキィ!」「あぐあ!?」ハイ・ティエンのヌンチャクがパスカルの顔面を捉えた!さらにハイ・ティエンのショートレンジのローキックがパスカルの脛に決まる!
「く、くそおぉー!?」焦るパスカルの周囲を軽快なステップで踊るように舞うハイ・ティエン。しかし次の瞬間、ハイ・ティエンの一瞬の隙を突きパスカルのヌンチャクがハイ・ティエンの顔面を一撃する!「バキィ!」「うぐ!・・・」
ハイ・ティエンが思わず頬を抑えてパスカルを見返すと、それをせせら笑うようにパスカルが言い放った。「フン!口ほどにもない奴・・」「アダタァ!」「うぎゃう!(痛)」
パスカルの鼻っ先にハイ・ティエンの報復のヌンチャクが叩き込まれた!
ハイ・ティエンは黄色いヌンチャクを脇の下に振り戻すと笑みを浮かべながら「口ほどにもないのはどっちかな?アハァ~ン!?」とパスカルに問い返す。
そのハイ・ティエンの挑発に怒り狂ったパスカルがヌンチャクを大きく旋回させ迫る!「ヒュン!ヒュヒュン!ヒュン!ヒュン!」

ハイ・ティエンは顔面を真っ赤にしながらヌンチャクを旋回させ自分に迫るパスカルに油断なく身構えながら、心の中で自分にこう問いかけていた。
「この感覚・・・まるで全盛期の自分に立ち戻ったかのようだ。この五重塔の闘いの当初はリーエルやローバの安否で自分の闘いのペースが乱れていた。だが今は違う。私はこの闘いを楽しんでさえいる。いける・・・いけるぞ。このままのリズムで闘いを乗り切れば、きっとリーエルたちを救い出せる!」
ハイ・ティエンはそう自分自身に言い聞かせると、目の前で油汗を流しながら身構えているパスカルに向かって自分のヌンチャクをユックリと2本両手で重ね合わせると、電光石火の蹴りをパスカルの顎に叩き込んだ!
「アチョオオオ!」「ドガァ!!」「ぐああ・・・ああああ!」ドオオオォォン!
パスカルが床に叩き着けられた衝撃で“虎殿”全体が大きく揺れる。
それを見ていたジェームズが苦々しく唸った。「こりゃ勝負あったな。あのフィリピン野郎はもう終わりだぜ!」隣のカイもジェームズの言葉に無言で頷く。
ダメージが深いパスカルがヨロヨロと起き上がると、最後の力を振り絞りハイ・ティエンに向かって「トオオ!トリャ!」とヌンチャクを叩き着ける!
だがハイ・ティエンはそれを難なくカワすと、容赦ない後ろ廻し蹴りをパスカルの顔面にヒットさせる!「オオアタァ!」「ぐうああ!」
その蹴りの衝撃でヨロけたパスカルは痛みと屈辱で錯乱状態となり、メチャクチャな角度でヌンチャクを振り回し始めた!「アイアイィィィ!トオオオオリャアアァァ!」
既に戦士の精神状態ではなくなったエスクリマの達人の断末魔の抵抗に対して、ハイ・ティエンはそれを真っ向から受け止めるべく、猛然とヌンチャクを旋回させる!「アタ!アタ!アタタタァ!オオオオオアタタァ!オオオオォォ!アジャオォオ!」「うおああ・・?」
そのハイ・ティエンの鬼気迫るヌンチャク捌きに気押され、ヌンチャク合戦に振り負けたパスカルが一瞬後退!それを見たハイ・ティエンは怒涛の後ろ廻し蹴り4連発をパスカルに叩き込む!「アジャ!アダァ!オチャ!ウアダァ!」ドオオオオオン!
血反吐を吐き持っていたヌンチャクを宙に飛ばされ、そのまま床に叩き着けられる“虎殿”の番人!!ハイ・ティエンは意識朦朧としながら立ち上がったパスカルにユックリと迫ると、ヌンチャクをパスカルの首に巻き着けそのまま一気にパスカルの首をヘシ折った!!「アアチャアァ!」「ボキボキィ・・・!」

ハイ・ティエンのトドメの首絞めで絶命したパスカルが床に崩れ落ちるのを見届けたジェームズとカイが小走りにハイ・ティエンに近ずく。
カイはハイ・ティエンの闘いを褒め称えるかのように「お見事!」と肩を叩くと床にバオを投げ捨て、そのまま大股で4階への階段を上がっていく。
だがジェームズはハイ・ティエンに憎々しげに顔を寄せると「ハイ・ティエン、お前何処でタバクトヨクを習得した?これもお前の截拳道とやらの一部なのか?」と問い詰める。
ハイ・ティエンが答える。「あらゆる武術の優れたパートを貪欲に取り入れた格闘技、それが截拳道さ。何ならお前の得意の少林拳もお見せしようか?」
「何ぃ?少林拳だと!じゃあお前は少林寺で・・・フン!まあいい。さあ、お前が先に上がれ!」「仰せの通りに」
またも一瞬即発となったハイ・ティエンとジェームズは、新たな番人が待つ五重塔の4階への階段を足早に駆け上がっていく。以下、「驚異の関節技地獄!“韓国合気道金段”編」に続く!

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今日は“世紀の闘神”ブルース・リーこと李小龍の75回目の誕生日です!!

2015-11-27 00:08:12 | 闘神伝説~李小龍
さてさて、本日11月27日は我らが“世紀の闘神”ブルース・リーこと李小龍の75歳の誕生日です。毎年この日が来ると、当ブログと「超級龍熱Facebook」では様々な催し物を企画してリーさんのお誕生日をお祝いしているんですが、今年もご存知のように「李小龍生誕75周年特別企画」として「死亡遊戯」と「死亡の塔」一大フェスティバルを開催中です(^_^)。
お陰様で「死亡の塔」の“生き証人”であるロイ・ホランの直撃インタビューや「死亡の塔」韓国バージョン発掘の軌跡もご好評を頂いており、私も大変嬉しく思っています。そして本日27日のリーさん誕生日から4日間に渡って、リーさんが志し半ばで急逝した事で未完の大作となっていた「死亡遊戯」に文字通り“完全決着”を着けるべく、不肖私こと龍熱が挑みます「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」がスタートします!!
もう理屈は要りません。私のリーさんに対するリスペクトの想いはこの「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」に全身全霊込めて書き上げました。どうぞご期待ください!!誠意献給一大巨星、李小龍!!!

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「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」、いよいよ明日スタート!!

2015-11-26 16:57:04 | 闘神伝説~李小龍
「アタ!アタ!アタタァ!」
それはパスカルのヌンチャク捌きよりも遥かに華麗でまた力強いスイッチワークだった!!「ハチャオ!」
ハイ・ティエンのハイレベルなヌンチャク捌きを目の当たりにしたパスカルは愕然とした顔付きで「お前・・・何処でそのタバクトヨクをマスターした?誰が教えたのだ!?」と唸る。「驚いたか?アチャ!アタッ!ホッ!」
「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」“フィリピンの魔杖師”編より。

無敵を誇りながら武術界から引退したばかりの格闘家ハイ・ティエンは、妹のリーエルや弟ローバと韓国に赴いた際、空港で何者かにリーエルたちを誘拐される。
リーエルたちを拉致したのは韓国人黒社会のボス王国豪だった。
王はハイ・ティエンにリーエルらの解放の交換条件として韓国奥地にある五重塔の最上階に隠された“秘宝”の奪取を強いる。
さらに王は用意した8㎜映像をハイ・ティエンに見せながら、金属探知機が装備された五重塔の各階には世界各国から選りすぐられた凄腕の挌闘家たちが待ち受けている事をハイ・ティエンに告げ、王が呼び寄せた4人の武術家の同行をハイ・ティエンに強要するのだった。
愛する妹たちのため選択の余地すらないハイ・ティエンは、素性や武術の腕前さえ不明の挑戦者たちと共に“命懸けのデスゲーム”に挑むべく、謎が渦巻く五重塔へと向かった。
五重塔での闘いは熾烈を極め、ハイ・ティエンたちは1階でワンを、2階でリュウを失う。ハイ・ティエンは同行者であるジェームズの執拗な挑発と策略に遭いながらも、各階の格闘家を倒し、3階で待ち受けていたフィリピノ・エスクリマの達人パスカルとの闘いに挑む!!

あの「死亡遊戯:完全版2015」から5ヶ月。“世紀の闘神”ブルース・リーが遺した未完の大作「死亡遊戯」に再び「超級龍熱」が挑むオリジナル・ノベライゼーション完結編「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」いよいよ始動!!
「死亡遊戯」を愛する全ての李小龍信者のために、全ての闘い、全ての謎に文字通り“完全決着”を着ける時が来た!明日、いよいよ李小龍生誕の日にスタート!!Bruce is Back and Back Again !!

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★李小龍生誕75周年記念特別企画★ 独占インタビュー!ロイ・ホランが「死亡の塔」を語る!!

2015-11-26 00:06:08 | 闘神伝説~李小龍
さてさて、お待たせしました!「李小龍生誕75周年記念特別企画」その第2弾は「ブルース・リー死亡の塔」出演者への独占単独インタビューです!!
いま現在もその制作から公開に至るまでのプロセスが謎に包まれている作品「ブルース・リー死亡の塔」(81)。そもそもこの「死亡の塔」は何故制作されたのか?
何故リーさんこと李小龍出演作品を歌いながら、実質は金泰靖主演による本格派のクンフー映画として完成したのか?私は、いえ私たち「死亡の塔弁護士会」はどうしてもその“最後の真実”が知りたい!!
では、それらの謎に答えられる「死亡の塔」関係者は果たして誰なのか?
監督の呉思遠?年齢的に遥か昔の事をどれだけ覚えているでしょうか?“主演武打星”の金泰靖?残念ながら鬼籍に入ってしまいました。秦谷役の黄正利?韓国語でのインタビューはちょっと厳しいでしょう。日本人出演者の加藤寿さん?加藤さんの出演シーンは作品の謎に迫る部分とは無関係でしょう。
では残る関係者では一体誰がいるのか???そう、1人だけいました!最も適任者の武打星が!!それは70年代から多くの香港クンフー映画に出演し、外国人として唯一黄正利の弟子となり、「死亡の塔」でも実質的にプロダクション・マネージャー的なポジションにいた人物!!そう、彼こそ“死の宮殿”の番人ルイスことロイ・ホランその人です!!!(大拍手!)。
今回、私はホラン教授にFacebookを通して「死亡の塔」に関する重要な質問を2度に渡って申し入れました。それに対してホラン教授は実に真摯に、また的確な回答を返してくれました。
Facebookを通してのインタビューである性質上、また多忙なホラン教授に対して余り多くの質問をぶつける事は控えたものの、それでも今回のホラン教授への会見は私こと龍熱、つまりは日本人映画評論家による初のインタビューとなりました。
そしてホラン教授が明らかにしてくれた「死亡の塔」の“最後の真実”こそ、まさに“底が丸見えの底なし沼”だった!!では以下の独占インタビューをお読み下さい。どうぞ!

ーMr.ホラン、いえホラン教授、今回はありがとうございます!

ロイ・ホラン やあ、Facebookの友達リクエストありがとう!こちらからの返信が遅れてしまって申し訳なかった。実は私の幾つかのFacebook(後述)を整理するのにちょっと時間がかかってしまってね。どうやら私もかなり老いぼれて来たようだよ!(笑)。

ーとんでもないです!私はロイ教授の出演作の中でも特に「死亡の塔」が大好きなんです。まずお訊きしたいのが、ホラン教授は当時この映画のロケで来日して金泰靖や王将と一緒に銀座駅などを訪れていますね?

ロイ・ホラン 私の「死亡の塔」の日本ロケで一番トンでもない思い出はね、映画会社(思遠影業公司)が私と金泰靖、それと黄正利(!)を日本でいうラブホテルに泊まらせた事さ!

ーええっ!ラブホテルにですか!?(汗)。ってあの黄正利もラブホテルに一緒に泊まってたんですね。

ロイ・ホラン それも撮影中ズ~ッ!とだよ。私は夜なんかもう寝れなかったよ!(苦笑)。

ーな、なるほどぉ。あといまお話に出た金泰靖(即:唐龍。故人)はどんな人でしたか?

ロイ・ホラン 金泰靖は礼儀正しい男だったね。ただ口数が少ない男でもあったな。やっぱり彼が我々とコミュニケーションを取る時は何時も(韓国語の)通訳が必要だったからね。

ーあと今回どうしてもお訊きしたかったのは「死亡の塔」韓国バージョンについてなんです。

ロイ・ホラン 「死亡の塔」韓国バージョンか。私が思うに韓国バージョンはゴールデン・ハーベストが彼らの(韓国での)マーケットをより大きくし、そこでさらなる興行収入を得る為に(韓国サイド)に制作させる便宜を図ったんだろうね。

ーさて、ここからいよいよ核心部分をお訊きしたいと思います。そもそも「死亡の塔」は何故制作されたんでしょうか?私が思うに、78年に「死亡遊戯」が公開された後、もうブルース・リーの映画を制作する真っ当な理由が無かったと思うのですが・・・。

ロイ・ホラン まず、判って欲しいのが映画制作の目的とはビジネスとしてお金を稼ぐ(興行収入)ためでもあるわけなんだ。そもそも「死亡の塔」はブルース・リーの「未公開映像」を使用して映画を制作するために企画されたんだよ。

ーその「未公開映像」は「燃えよドラゴン」の未公開映像の事ですね?

ロイ・ホラン ただその「燃えよドラゴン」の「未公開映像」を使って映画を制作する、というプロジェクト自体が実に複雑な枠組みを伴ったプロジェクトだったんだ。何故なら、その「未公開映像」自体が「燃えよドラゴン」という他の作品の映像なわけで、それこそその「未公開映像」に映し出される撮影場所も、俳優が着る衣装も、「死亡の塔」本編とは関係ない映像なんだからね。要するに78年の「死亡遊戯」と同じ制作プロセスなわけだよ。

ーなるほど!ラスト10分間のブルース・リーのアクションを最大限に生かすために制作された「死亡遊戯」と結局は同じ制作スタイルになるわけですからね。

ロイ・ホラン おまけに監督の呉思遠と思遠影業が「死亡の塔」の制作に入った時、肝心のブルース・リーが出演している「未公開映像」が余りに短時間な事に気がついたんだよ!!

ーうう~ん!未公開映像と言ってもたった5分弱の「燃えよドラゴン」の映像ですからねー!

ロイ・ホラン そこで呉思遠たちはこの「死亡の塔」の映画としての失敗を何とか回避するために、作品のテーマ自体を「ブルース・リー映画」から「良質なクンフー・アクション映画」へとシフト・チェンジする道を選択したんだ!

ーそうか!それがこの「死亡の塔」という作品が辿った“本当の真実”だったんですね!!(溜め息)。

ロイ・ホラン その後、この「死亡の塔 Tower of Death」はマーケットに受け入られた事もあって、英語題名を「死亡遊戯Ⅱ Game of Death2」へと変更していったんだよ。

ーいや~長年の「死亡の塔」の核心部分の謎がやっと解けました!本当に感激です。そう言えば思遠影業作品の「神腿鉄扇功 Snuff Bottle Connection」や「龍の忍者 Ninja in the Dragon`s Den」などの英語題名の殆どはホラン教授が命名されたそうですね?素晴らしいセンスの英語題名ばかりで、私は最高にカッコイイと思います!(^_^)。

ロイ・ホラン サンキュー、二郎!(笑)。私も何時かまた日本を訪れたいと思っているよ。日本は素晴らしい国だからね!

ーホラン教授、お忙しい中のインタビュー、本当にありがとうございました。

(2015年10月14日及び、10月19日収録)

「死亡の塔」出演者にして生き証人であるロイ・ホランの直撃インタビュー、如何でしたでしょうか。以前に拙著「龍熱大全」の文中で「死亡の塔」に触れた際、私は監督の呉思遠本人が当時語った「死亡の塔」制作の経緯を掲載しました。
ただその呉思遠の証言は今回の私とのインタビューでロイ・ホランが語った「死亡の塔」の“最後の真実”と比べると、やや抽象的で決定的な核心部分が欠けていただけに、今回のホラン教授のインタビューは余計にリアルで生々しかったですね。
要するに「死亡の塔」という作品は、①李小龍の「未公開映像」の存在を確認→②その「未公開映像」を使用しての李小龍映画制作の決定→③李小龍の「未公開映像」が僅か5分間の「燃えよドラゴン」の映像のみである事が判明→④苦肉の策として李小龍映画から“影武者”金泰靖を全面に押し出した本格派のクンフー映画へと大幅な路線変更を決断・・・との経緯を辿った作品だったわけです。
さらに今回のホラン教授とのインタビューは、私とホラン教授が2人の間に通訳を一切入れずに直接英語によるやり取りが出来た事で、私自身「死亡の塔」という作品周辺に長きに渡ってモヤモヤと漂っていた深く濃い霧がやっと晴れた、そんな爽やかな気分です。
それにしても、今回のホラン教授はよくぞこれまで面識すら無かった私との会見に快く応じてくれました。実はこれまでにも名前こそ出しませんが、私がFacebookを通してインタビューを申し込んだ香港武打星&関係者たちが何人かいたのですが、大抵は無視か「ああ、また今度な?」的な何ともつれない対応が殆どでした。
そういう意味では、今回のロイ・ホラン教授とのディープかつユーモア溢れる会話は本当に楽しかったですし、改めて私はホラン教授の大ファンになりました(^_^)。

We deeply thank to Mr.Roy Horan for joined us with this great interview about Tower of Death mysteries!!Yes,we are not alone in the night!!

最後になりましたが、こちらがホラン教授の武術、映画キャリア、香港アクション映画などに関するFacebookです。
https://www.facebook.com/royhoran88kungfu

こちらがホラン教授によるトレーニング、コンサルティングなどなど様々な事柄に関するFacebookです。
https://www.facebook.com/innovea
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★李小龍生誕75周年記念特別企画★ 幻の別バージョン発見!「死亡の塔」韓国版VHS発掘の軌跡!!

2015-11-25 00:00:24 | 闘神伝説~李小龍
さあ、始まりました!「超級龍熱」がお届けする「李小龍生誕75周年記念特別企画」、その第1弾はリーさん映画最大の怪作と言われる「ブルース・リー死亡の塔」(81)。それもその「死亡の塔」に韓国側が独自の編集を加えた衝撃の別バージョンである「死亡の塔」韓国版をテーマに熱く濃く掘り下げていきたいと思います。
この「死亡の塔」韓国バージョンを本邦初の形で日本に紹介した人間がこの私こと龍熱である事は既に皆さんもご存知でいらっしゃると思います。
ただ、そこに至るまでに「どうも「死亡の塔」には韓国バージョンが存在していて、そのバージョンは国際バージョンとは編集が違うらしいぞ?」との情報を私に与えてくれた人物こそが当ブログでもお馴染みのイギリスの映画監督トビー・ラッセルでした。そう、このトビー監督こそが西洋人で初めて「死亡の塔」韓国バージョンのオリジナルVHSを韓国現地で実際に入手し、そのコピーを私に送ってくれた人間だったんですね。
そこで今回、新たにトビー監督に彼が「死亡の塔」韓国バージョンを入手した当時の経緯を振り返って貰い、その詳細を皆さんにお伝えしたいと思います。では、どうぞ!

トビー監督「俺が「死亡の塔」韓国バージョンのオリジナルVHSを入手したのは確か1994年だったな。当時は韓国のソウルにある東大門には沢山の中古VHS店があったんだ。その内の1店が特にレアな韓国映画のVHSを置いてる店だった。
俺がその店で見つけた「死亡の塔」韓国バージョンのVHSを買おうと思ったのはVHSのジャケットに陳耀林の名前が記載されてたからなんだよ。でもその「死亡の塔」のVHSが国際バージョンとあんなに編集が違うバージョンだったなんて、実際にテープを再生して見るまで判らなかったよ。韓国バージョンを観てどう思ったかって?俺はこの韓国バージョンは好きだよ。だって国際バージョンよりもストーリーラインが良いからね」

「死亡の塔」韓国バージョンを購入しようと思った動機が陳耀林(それも王将と共に韓国バージョンのオープニング・クレジットに名前がありながら、本編には一切登場しない!)だったというのが如何にもトビー監督らしいですね(^_^)。
で、このトビー監督から私の許に航空便で送られて来た「死亡の塔」韓国バージョンですが、その当時に私は2人の人間にこの韓国バージョンを進呈しています。
1人は私の長年の友人であり強者リーさん信者であるE君、もう1人は「死亡遊戯」などのオリジナル編集のエキスパートであるAさんです。
実はAさんに関しては、トビー監督から「ユーの知り合いで「死亡遊戯」のスーパーエディターがいるだろう?彼にもこの「死亡の塔」韓国バージョンを見せてあげたらどうだい?」と提案があり、それをAさんに打診したところ「是非お願いします!」との返事があったので、お送りしたわけです。
いや~Aさん、もう飛び上がるほどに喜んでくれましたね!考えて見たら、Aさんはそれまでにもビリー・ローが最後まで死なない(!)オリジナル編集バージョン「死亡の塔」を独自に制作していたプロセスもあって、そこにいわゆる正規版の“別編集バージョン”をいきなり目の当たりにしたAさんの興奮と感動!私にもそれはよく理解出来ました(^_^)。
あ、そういえばもう1人、私が「死亡の塔」韓国バージョンをダビングした人間がいましたっけ。それが某韓国功夫映画マニアの男性で、この時はこの男性から「「死亡の塔」韓国バージョンと「鍾路ブルース」がどうしても観たいんです。何とかお願い出来ませんでしょうか」と私に頼んで来ました。
この男性、この頃はまだ素直で礼儀正しかったなぁ(遠い目)。

今では私の手許には「死亡の塔」韓国バ-ジョンの貴重な韓国製オリジナルVHSもありますし、また既に多くの皆さんが「死亡の塔」韓国バージョンをご覧になっている事でしょう。
ただ以前にも触れましたが、この「死亡の塔」韓国バージョンを某映画雑誌誌上で本邦初の形で紹介する時も担当編集者の執拗な反対がありましたし、当時の私は「死亡の塔」という“ブルース・リー映画史上最大の怪作”が生んだ巨大なトラウマと文字通りたった1人で闘っていたわけです。
そういう意味でも、現在の「死亡の塔」に対する“80年代末期におけるベスト・クンフーアクション映画”との正しい評価は、私にとってはまさに長年に渡る孤独な闘いの果てにやっと掴んだ細やかな、本当に細やかな栄光でした。
だからこそ、以前は韓国現地のごく少数の韓国人マニアの間だけにその存在を知られていた「死亡の塔」韓国バージョンを、そこから広く世界中に知らしめたトビー・ラッセルの尽力と、その「死亡の塔」韓国バージョンを快く私に送ってくれた彼の友情には改めて深く感謝したいですし、その事実を改めてここにシッカリと書き残しておきたいと思うのです。

「I found the Tape in Seoul in 1994 , i see the name Charlie Chan on the box so I buy it, i did not know it was different untill I watched it, I like this version more, seems better story line 」(by Toby Russell).

Special thanks to Toby Russell for gave me a chance to watch Tower of Death Korean virsion.
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★李小龍生誕75周年記念特別企画★ 「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」始動!!

2015-11-23 00:06:08 | 闘神伝説~李小龍
さあ、お待たせしました!「李小龍生誕75周年記念特別企画」第3弾は、今年7月に当ブログ「超級龍熱」&「超級龍熱Facebook」連動特別企画としてお届けしましたオリジナル・ノベライゼーション「死亡遊戯:完全版2015」、その完結編である「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」をお届けします!
今回の「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」は、当然前回のラスト、五重塔は3階“虎殿”でのハイ・ティエンvsパスカルの闘いから始まります。
そしてこの「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」では、その副題にありますように「AFTER THE GAME」、つまりリーさんこと李小龍監督が72年当時には惜しくも未撮影に終わった五重塔での全ての試練を突破したハイ・ティエンが塔を降りてからエンディングまでのストーリーを、私こと龍熱の独自の構想&脚色による“完全オリジナル・ノベライゼーション”として描いております。
以下、その主要キャスト&スタッフとなります。

ハイ・ティエン(李小龍)主人公。引退した最強挌闘家にして截拳道の始祖。

リーエル(苗可秀)誘拐されたハイ・ティエンの妹。

ローバ (孟海) 誘拐されたハイ・ティエンの弟。 

ジェームズ(田俊)現役の武術王者。狡猾な性格でハイ・ティエンに激しい対抗意識を持つ。
 
カイ  (解元)猪突猛進タイプの挌闘家。怪力が自慢で空手の名手。
 
アコン (李昆)アル中の錠前屋。五重塔1階の扉の開錠目的で同行。

パスカル(ダン・イノサント) 五重塔は3階“虎殿”の番人。エスクリマの達人。

武芸者(池漢載) 五重塔は4階“龍殿”の番人。韓国合気道の大家。

ハキム(カリーム・アブドゥル・ジャバール) 五重塔は5階の番人。“未知の恐怖”。

王国豪(朴魯植) 韓国人黒社会の大物で誘拐犯一味のボス。

ロブ・オカタ(ボブ・ウォール) 五重塔は最上階にある“秘宝”を狙う刺客。

義手の左手を持つ男(??) “秘宝”を狙う誘拐事件の真の黒幕。

ジム・フレミング(ジョージ・レーゼンビー) 英国諜報機関のエージェント。

撮影監督:西本正。

監督、脚本、総武術指導:李小龍。

果たしてハイ・ティエンは愛するリーエルたち妹弟を救う事が出来るのか?五重塔の最上階にある“秘宝”の正体とは何か?そして事件の本当の黒幕とは一体誰なのか?いま「死亡遊戯」の全ての謎に完全決着を着けるべく「超級龍熱」が満を持して放つ渾身の完全オリジナル・ノベライゼーション「死亡遊戯:完全版2015~AFTER THE GAME」!!
“世紀の闘神”李小龍が遺した未完の大作「死亡遊戯」、ここに堂々の完結!!
いよいよ李小龍75回目の生誕日となる11月27日に始動です。どうぞご期待下さい!!!

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嗚呼、昭和プロレス、ここに終焉!天龍源一郎、引退試合速報!!

2015-11-15 22:17:42 | ニュース
たった今、両国国技館で行われた“風雲昇り龍”天龍源一郎の引退試合から帰って来ました。いや素晴らしい引退興行でした。
もうメインエベントの天龍vsオカダカズチカ戦では、超満員(まさにガチで超満員!)の観客は天龍が入場して来てリング上でオカダと睨み合った時点で総立ちでしたし、試合の終盤では泣きながら天龍に声援を送っていました。
そう言う私も・・・不覚にも泣いてしまいました。もう天龍、腰が悪くてちゃんと歩けないんです。天龍チョップもうまく打てない。延髄蹴りも超低空飛行。パワーボムも途中で投げっ放し状態なんです。
でもそれでも今の65歳に出来る目一杯のファイトで遥か年下のIWGP王者に挑んでいく“Mrプロレス”の姿、本当に素晴らしかった!
最後はオカダのレインメーカーに敗れましたが、試合直後にオカダが天龍に見せた“最敬礼”に館内のファン全員が退場するオカダを万雷の拍手で讃えていました。
思えば、あの馬場さんは生前引退試合が出来ませんでした。ジャンボ鶴田も引退セレモニーだけでした。
でも大将、今日この引退試合で多くのファンに、多くのレスラー&関係者にこれだけ温かく盛大に送り出して貰った貴方は最高に幸せ者ですね。
天龍源一郎、とうとう貴方が引退した事で(まだドラゴン藤波が頑張ってはいますが)昭和プロレス、そして真の意味での全日本プロレスが終焉しました。本当に本当にお疲れ様でした。
コメント (4)
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