さてさて、お待たせしました!王晶共同監製、闞家偉監督、そして我らがドニー兄貴こと甄子丹主演最新作「大師兄」(18)観ました!(何時も私をサポートしてくれる友人に感謝です)
香港の徳智中学(の表記ですが、実際は高等科のようです)は財政難に苦しんでいますが、そこに屈強な男性教師陳侠(ドニー兄貴)が赴任して来ます。何処か謎めいた雰囲気を持つ陳侠が受け持ったクラス、それは男女の生徒たちそれぞれが家庭に様々な問題を抱えているクラスで、彼ら生徒は最初は陳侠に事あるごとに食って掛かり反発します。
そんな問題生徒たちに対して陳侠は、生徒1人1人と真正面から向き合い、時に破天荒な行動で、時に心優しいアドバイスで生徒たちの苦しみや悩みを解決していきます。やがて生徒たちはそんな陳侠先生を親愛の念を込めて“陳老師”と呼ぶのでした。しかし陳侠先生のクラスの男子生徒が黒社会と総合格闘技界に暗躍する街の悪ボス(演じるは甄家班の重鎮にして“火雲邪神”こと喻亢)の悪事に巻き込まれライトヘビー級の猛者ジョン・ジョーンズ(演じるは元UFCウェルター級の強豪でパンクラス・ロンドン所属のジェス・リアウディン!拍手!)が出場する試合会場に監禁されてしまいます。
それを知った陳先生は試合会場に駆けつけると、試合直前の異様な殺気と選手たちの体臭が充満したドレッシングルームを単身訪れます。
陳先生「やあ諸君!お取り込みのなか恐縮なんだが、ここで私のクラスの男子生徒を見なかったかな?」
「そんなガキ知るかよ!ここは先公の来るとこじゃねえんだ!とっとと出ていけ!」とのジョーンズのセコンド(演じるは龍熱とFacebook朋友のマイク・リーダー)の罵声に紛れて、陳先生を仁王立ちで睨み付ける悪ボスの傍らのロッカーの中から男子生徒の悲鳴!「陳老師!ここです!助けてえ!」
「!・・なるほど。バッババッ!」それを聞いた陳先生、いや陳侠は瞬時に悪ボスと格闘家軍団に対して身構える!さあ、映画が始まってここまでで約40分、いよいよドニー兄貴の“MMA猛爆”殺法がベールを脱ぐときが来た!
このドレッシングルームでの陳侠が格闘家軍団の追撃をかわしながら隙を見てその場にあるあらゆる物を使って反撃する、といったハイテンションかつトリッキーな乱闘は、本作のアクション監督を担当した谷垣健治が構築したシークエンスでしょう。この思わずジャッキー・チェン作品を彷彿させるアクションシーンは本作「大師兄」で私たち観客が主人公陳侠の超人的な格闘テクニックを初めて目の当たりにする重要なシーンであり、この映画の大きな見せ場にして必見のシーンです。と同時に個人的にはドニー兄貴とUFCファイターであるジェス・リアウディンのロックアップからのガチガチの間接技勝負を期待していた私としては、ここでの2人の闘いのアッサリとした決着シーンはちょっと物足りない印象を持ちました。
さて、映画はここから後半に入り、ここで陳先生の意外な過去が判明し、さらにはある事が原因で陳先生が徳智中学を去ることになります。それを知りショックを受け悲しみに沈む生徒たちが学校に集まりますが、そこに何故か執拗な執念で陳先生を付け狙う悪ボスが手下を引き連れ現れると生徒たちを監禁し学校を占拠するのでした。しかしその時!!
「おい!学校内は喫煙禁止だぁ!」との怒号と共にくわえ煙草の悪ボスの手下にバスケットボールを叩きつけたのは・・帰って来た陳侠先生だ!(大拍手!!)
「わあ!陳老師!(嬉)」「お前たち大丈夫か!?」生徒たちを助け出した陳先生は悪ボスの手下を次々と蹴散らし、そのまま学校内の階段を駆け上がると、何故か鼻の欠けた校長の銅像(ちゃんと意味あり)の横を回り込もうとしますが、そこで憤怒の表情で立ちはだかる悪ボスと対峙します。
陳先生「何故だ?お前は何故そうまで私を付け狙うんだ!?」
その陳先生の問いかけに悪ボスは憎悪に満ちた顔で右手を掲げながらこう吠えます!「何故だとぉ!?陳侠!よもや俺の顔を忘れたとは言わせねえぞ!さあよ~く見やがれ!」悪ボスの罵声に陳先生は目の前の悪人の顔を凝視すると「お前は・・まさか!?」
ここに余りに悲しくも切ない因縁が甦り、陳先生と悪ボスの壮絶なる一騎討ちが火蓋を切った!!本作「大師兄」のクライマックスファイトとなるこの教室内を舞台としたドニー兄貴vs喻亢の対決(ここからの太字の部分はややネタバレとなりますのでご注意!)は、私を含めたドニー兄貴の“MMA猛爆 ”殺法炸裂!を待ちわびていた全ての“最後の本格派”信者の期待を決して裏切らない素晴らしいファイトシーンに仕上がっています。その感動的な決着シーンと共に、このドニー兄貴vs喻亢戦だけでも本作「大師兄」を観る価値があると、ここに私こと龍熱は断言します(^_^)。
さて、本邦最速レビューとなりました「大師兄」如何でしたでしょうか。ドニー兄貴が学校の先生役に挑戦。文字通りドニー兄貴にとって大いなる挑戦にして実験的作品となった本作「大師兄」ですが、龍熱としては映画の前半にもう1シーン、アクションシーンがあるとさらに全体的にバランスが良いかなと思いましたが、それでもドニー兄貴の陳先生、いえ陳老師、とても似合っていたし、こんな先生がいるなら今からもう1度中学生になってもいいかも♪と思いました(^_^)。
本作「大師兄」、出来る事ならもう1度大きなスクリーン&日本語字幕付きでジックリ観直したい映画ですね。