超級龍熱

香港功夫映画と共に

陳木川主演「真説モンキーカンフー」TV放送日本語吹き替え版に思う。

2020-04-26 20:19:21 | その他

いま友人である麗しの美女に陳木川&孫榮吉主演「真説モンキーカンフー」(79)日本語吹き替え版をダビング中😚。陳木川の声をジャッキー声優の某氏がアテていますが、陳木川は長年に渡って陳観泰の実弟と言われていましたが、実は陳観泰の叔父の息子である事が判明しています。
まあ要するに海外マニア用語で言うところのKung-Fu Brothersってやつでございます。でもこのTV放送版、オープニングに流れる「怒りの荒野」のテーマ曲を分けわからないBGMに差し替えてるわ😩。恐らく音楽の権利関係だと思いますが、ちょっと残念かなぁ。
この「真説モンキーカンフー」は大昔に徳間から英語版&日本語字幕無し(!)VHSがリリースされていましたね。でも同じ猴拳映画をリリースするなら、陳観泰が邵逸夫と大喧嘩して邵氏兄弟公司を飛び出して立ち上げた独立プロで制作した大傑作「鐵馬騮」(77)をリリースするべきでしたね。
邵逸夫は造反者の陳観泰については「あんなトラックの運転手みたいな奴にギャラ払えるか!」と怒り心頭だったんですが、結局2人は和解。陳観泰は邵氏に出戻ります。
しかし邵逸夫の恨みを買っていた陳観泰を待っていたのは張徹監督作品「残酷復讐拳」(78)の残忍な極悪人キャラだったのでした😱。

Two cool art works of Monkey Kung-Fu.Right is Japanese old VHS cover.


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NWA世界ヘビー級王者列伝⑦ “東洋の巨人”ジャイアント馬場

2020-04-26 05:52:05 | 龍熱の昭和プロレス放談

1979年8月にダスティ・ローデスに王座を奪われたハーリー・レイスだったが、僅か1週間でローデスから王座を奪回し、NWA世界チャンピオンに返り咲くと、2ヶ月後の10月に防衛戦のため日本にやって来る。
そこでレイスを待ち構えていたのが全日の総帥ジャイアント馬場であった。
この名古屋は愛知県体育館で行われたレイスvs馬場のNWA世界戦こそ、2人の幾度にも渡るNWA世界タイトル争奪戦における最もドラマティックな結末が用意された珠玉の名勝負となった。注目すべきはこの当時からNWA世界選手権ルールの改正により試合形式が60分3本勝負から60分1本勝負となった事。
3本勝負絶対支持派の私としては寂しい改正だったが、これにより「1本取られたら試合が終わる」的なよりスリリングな試合展開となったのは事実である。
試合は中盤から王者レイスが額から流血し、馬場が果敢に攻めるも、レイスが膝蹴りで逆襲。
さらにコーナーのトップロープに上がったレイスがダイビングヘッドバットを狙うが、そこを馬場がデッドリードライブでレイスをマットに叩き着ける!歓声が沸き起こる館内!
そして次の瞬間!私たちは信じられない光景を見る!何とあの寡黙なる“静かなる巨人”ジャイアント馬場が観客に向かってコブシを力強く何度も突き上げると「さあ!いくぞ!やるぞ!」とガッツポーズを見せたのだ!!そのリング上の馬場の奇跡のガッツポーズを見た館内の観客たちは一斉に「うおおおおおお!!」と呼応し大興奮!!!
当時TV観戦していた龍熱少年も既に東スポで試合結果を知りながらも😚同じくTVに向かって「いけ!馬場!いけー!」と大興奮!
馬場は対角線上にフラッと立ち上がった意識朦朧状態のレイス目掛けて猛ダッシュ!必殺のジャンピングネックブリーカードロップが完璧に決まりカウントスリー!!総立ちとなり歓喜する観客!
ここにジャイアント馬場は世界最高峰のNWA世界ヘビー級チャンピオンに再び返り咲いたのだった。
ある意味ではアントニオ猪木の専売特許であるガッツポーズを何故試合の勝負ポイントであるあの場面で馬場がやって見せたのか?それはもう誰にも分からない。だがその馬場の驚きと感動のガッツポーズからNWA世界王座返り咲き、さらにはリング上での前王者レイスの「ババ!まだ勝負は着いてねえぞ!これからだ!」の凄味溢れるマイクアピールと共に、この名古屋でのNWA世界王座移動劇は、今も馬場ファンの脳裏に鮮烈に焼き付いているメモリアルマッチである事は間違いない。
ちなみにこの新NWA王者馬場vs前王者レイスのリターンマッチも実にスリリングな好試合で、馬場の32文ロケット砲をかわし自爆させたレイスが一気に馬場をブレーンバスター!しかし馬場は空中で巨体を切り替える(!)とレイスの背後に着地!そこからハイアングルのバックドロップでレイスをピンフォールし初防衛に成功する。この試合も当時TV観戦していた龍熱少年はこれまた既に東スポで試合結果を知りながらも😚またまた大興奮して馬場の初防衛を讃えたのだった。
この馬場の初防衛戦は昔も今も私の大好きな馬場さんの試合の1つである👍。
その後、馬場は翌年に三度レイスに勝ちNWA世界チャンピオンのベルトを腰に巻くが、この奪取劇はレイスの馬場に対する2人の“長年の友情の証”と言われている。
そして時代は1980年代に入り、全米マットにおけるハーリー・レイスとダスティ・ローデスのNWA世界王座抗争に「Woooo!!」の奇声と共に新世代の次期チャンピオン有力候補が割って入る。そう、それが“狂乱の貴公子”リック・フレアーである。

55th NWA World Heavy Weight Champion Giant Baba.


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THIS IS 甄子丹(135) Way to the 葉問4:完結篇⑥ 香港詠春宗師、最後の闘い!「イップ・マン完結」後編

2020-04-18 12:45:00 | THIS IS 甄子丹

フラター「くたばれ!チャイナマン!」

葉問「・・・」

歓声と怒号が飛び交う中、コリン・フラターは猛然と葉問に突進すると正拳突きを連発する!しかし葉問はそれを難なく見切ると、フラターの顔面から首筋に鉄拳を連打!
ドカ!ドカ!「ぐうあ!」
衝撃でよろめくフラターの股間に頭を入れた葉問は、そのままフラターの身体ごと大きく持ち上げ転倒させると、怒濤の正拳突きをフラターの頭部に何十発も叩き込む!
ダダダダダダダダダダダァァ…!!
「ぐぎゃあああ!」葉問は苦痛に悲鳴を上げる極天空手の使い手の顔面目掛けてさらに強烈な踵落とし!!バキィ!
「うぐあ・・あああ!!」
何とか立ち上がったフラターは辛うじて再び身構えると、葉問を睨みつける!
フラター「ユー!・・やるな?」
葉問「・・・」
フラター「ウオアアア!」
フラターは再び葉問に突進し左右の正拳突き!葉問はそれを次々受け止めると電撃の短打でフラターのガードを崩し、下からフラターの顎を突き上げる強烈な掌底を連打!ドカ!ドカ!バキィ!「げふう!ぐああ!」血反吐を吐き天を仰ぐフラター!
そのガラ空きとなった喉元に葉問の手刀が突き刺さろうとした瞬間!ババッ!
フラター「ヒヒィ!?」
葉問「・・」
葉問は自らの手刀がフラターの喉元を突き破る寸前で手刀を寸止めすると、そのままフラターを無言で見据える事で既にお互いの勝負が決した事を伝える。
だが!
フラター「ま、まだだ!ミーはまだ負けてねえ!」
葉問「!・・ハアァ!」
葉問は往生際の悪い空手家の突きをかわすと、もう1度強烈な短打をフラターに叩き込み、その衝撃で身体が浮いたフラターの胸板にトドメの正拳を振り下ろす!ドカッ!バキバキィ!
フラター「ぐぎゃああああ!」
フラターの肋骨が折れた音とフラターの悲鳴が擂台に交差し、そこからフラターの巨体が擂台に叩き着けられる!
「ワアァァァァァ!!」その瞬間、中秋節に集った中国人たちは香港から来た詠春拳宗師の勝利を大歓声で称えるのだった!!
ハートマン「葉師父!」
若男「葉師父!凄い!やったわ!」
葉問「・・・」
葉問は擂台に駆け上がって来たハートマンが荒い息遣いと共に自分を心から称える視線に静かに頷き、弾ける笑顔で自分に抱きついて来た若男を受け止めながら、傍らで苦痛に呻きながら横たわるコリン・フラターを憐れみの籠もった眼差しで見下ろすのだった。

自分が送り込んだコリン・フラターの敗北を知ったバートン・ゲッデスは病院のベッドに肋骨を折り弱々しく横たわるフラターを見届けると、その強靭な肉体に怒りと憎悪を滾らせながらコブシを握るのだった。
ゲッデス「薄汚いチャイニーズどもが!貴様らのチャイニーズクンフーとやらがフラター1人倒したくらいで、本当に俺たちの無敵カラテより優れていると思っているのか!
まあいい。こうなったら俺自身が奴らを八つ裂きにしてやる!」

ここでスコット・アドキンスに触れる。龍熱は「人質奪還 アラブテロVSアメリカ特殊部隊」(03)の頃から今日まで、アドキンスに長年注目して来た。
アドキンスこそが欧米白人系マーシャルアーツ武打星において、ハイレベルにしてトップクラスの香港クンフーアクションに対応出来る殆ど唯一の男である。
特にアドキンスが宙に舞い、そこから身体をキリモミさせながら放つ猛スピードの連続後ろ廻し蹴りこそ圧巻にして必見のキッキングアクションである。
このアドキンスが自身の代表作「デッドロック」(06〜16)シリーズから生まれたヴォイカを人気キャラとして確立した辺りから、私も含めた多くのクンフー映画ファンがドニー兄貴とアドキンスの対決を熱望して来た。
そしてその“残された最後の夢の対決”が遂に本作「イップ・マン完結」で実現する!よくぞ実現してくれた!👍。
言うまでもなく、この葉問vsバートン・ゲッデスの激突こそが「イップ・マン完結」最大のクライマックスである!

狂気にも似た怒りと共に単身行動を開始したゲッデスは中華総会に乗り込み、そこに居合わた中国人武術家たちを鬼神のような空手技で次々と叩きのめす。
そして武術家の1人から萬若男と争い顔に傷をつくった白人女学生ベッキーの父親にしてアメリカ移民局高官が萬宗華を移民局に連行した事を知ると、移民局に乗り込み萬宗華の引き渡しを要求する。
そこに駆けつけた若男が移民局の高官に父親の釈放を涙ながらに哀願し跪こうとするのを見た萬宗華は、
萬宗華「若男!止めろ!私たち中国人は彼らに安易に頭を垂れてはならない!
ゲッデス、いいだろう。私も中国人だ。お前と闘うぞ!」
ゲッデス「いい度胸だ。ルール無し、どちらかが倒れるまで闘う。いいな?」
萬宗華「良かろう!」

この基地内にある体育館でのバートン・ゲッデスvs萬宗華の一騎打ちも他のクンフーファイトに負けず劣らず素晴らしい完成度である。
ゲッデスは最初こそ萬宗華の切れ味鋭い太極拳に手こずるが、すぐに萬宗華の間合いとタイミングを見切り、豪快な連続の廻し蹴りから振り下ろすようなストレートパンチで萬宗華を戦闘不能状態にすると、
ゲッデス「貴様と貴様の娘はよ〜く似ているな?特に情けなく頭を下げる姿がな!ドアアアア!」
ハートマン「ああっ!止めろー!」
ドガッ!バキィ!「あぐあああぁ!」
ハートマンの制止を無視したゲッデスの非情な横蹴りが萬宗華の右脚に叩き込まれ、愛国者である太極拳高手の脚は無残にもヘシ折れる!
それを見下ろしながらゲッデスは、周囲に居並ぶ海兵隊員たちに悠然と自分に対する称賛の拍手を強要するのだった。

葉問は萬宗華を見舞いに病院を訪れるが、病室の窓越しに変わり果てた姿でベッドに横たわる萬宗華と、その傍らで悲しみの表情で付きそう若男を悲痛な思いで見届けると、ある固い決意と共にその場から静かに歩み去る。

葉問「阿正か?聞こえるか?爸爸だ。元気か? 
葉正「何だよ?何度も電話なんかして来て!」 
葉問「・・・阿正、爸爸は癌なんだ
葉正「えっ?」
葉問「・・この間は殴ったりして悪かった。許してくれ」
葉正「爸?・・爸!うあああ!
葉問「・・香港に帰ったらお前に武術を教えよう。約束する」
葉正「爸!いつ・・いつこっちに帰るの?
葉問「爸爸はこっちでやらなければならない事がある。それが終わったら帰る。元気でいろよ。じゃあ切るぞ?  
葉正「爸!爸!ううああああ!

最愛の息子との電話を終えた葉問は、高まる悲しみと憤りの鼓動を懸命に抑えながら、いま遠い異国の地で出会った同胞たちの誇りと名誉を守るため、最強を誇るアメリカ人空手家との“最後一戦”に挑む事を決意するのだった!!

葉問「ハートマン、私を米軍基地に連れていってくれ」
ハートマン「葉問!・・は、はい!」
若男「葉師父!待って!」
葉問を追って萬若男が病室から走り出て来る。
葉問「・・若男」
若男「あの軍人は・・ゲッデスは葉師父を殺す気よ!行かないで!」
葉問「・・若男、君はチアリーダーになりたいと言っていたね?」
若男「えっ?」
葉問「私は武術家なんだ。もし悪を前にした時はそれに対し立ち上がり闘う。
私たちはそのために武術を学んで来た。そしてそれが君がチアリーダーになりたいと強く願うと同じように、いまそれが私が何よりも強く望む事なんだ!」
若男「葉師父!」

葉問は涙を浮かべて自分を見つめる若男に穏やかな笑みを返すと、そのままハートマンを伴い病院の廊下を静かに歩み去るのだった。

※ここまで「イップ・マン完結」レビューをお読み下さっている方々へ。ここから先の展開は完全なネタバレになります。もしこれから日本劇場公開が予定されている本作に向けてネタバレを危惧される方は、どうかその点をご留意頂きたく存じます。

ゲッデス「いいか?お前たちがこの偉大な国アメリカで暮らせるのは幸運なのだ!素晴らしく名誉な事なのだ!お前たちの文化や武術など糞だ!我々アメリカの文化、そして俺たちの無敵カラテこそが偉大にして絶対唯一の真実なのだ!分かったなぁ!」 

アメリカ海兵隊基地内の体育館。
バートン・ゲッデスは館内に整然と並んだ大勢の海兵隊員に向かって怒号にも似た演説を終えると、満足げに周囲を睥睨する。
ハートマン「おい!この人種差別主義の糞野郎!」
ゲッデス「誰だ!?」
ゲッデスは体育館の入り口から自分が立つ中央の競技スペースに向かって歩いて来るハートマン、そして隣の白の中国服姿の東洋人を睨みつける!
ハートマン「私たちの文化こそ文化と呼ぶに相応しいものだ!こちらの方は香港からいらっしゃったマスター・イップ・マンだ。
この方が昨晩コリン・フラターを叩きのめしたんだ。そして今からお前も叩きのめされるんだ!」
ゲッデス「・・・ほう?いいだろう!ルール無用だ。どちらかが倒れるまで闘う!いいな?」
葉問「・・・」

実は本作「イップ・マン完結」で、葉問とバートン・ゲッデスが顔を合わせるのはこのクライマックスにおける一騎打ちの只1度だけである。
まさに葉問とゲッデスは、初対面でいきなりお互いの母国の尊厳と名誉を一身に背負った、文字通り命懸けの闘いに挑むのである!

多くの海兵隊員たちが見守る中、ジッと睨み合っていた葉問とゲッデスは、ゲッデスが葉問に向かって猛然と突進する事で闘いの火蓋が切られる!
ゲッデスの猛スピードの左右のパンチをかわした葉問はゲッデスの脇腹に蹴りを入れるが、ゲッデスは顔色一つ変えずに葉問を頭ごと抱えると強烈な膝蹴りを葉問の顔面に何度も叩き込む!ドカ!ドカ!
葉問「ぐう・・!」
口元を切った葉問は一瞬後退し、再び身構え態勢を整えようとするが、ゲッデスはジャンプしての連続後ろ廻し蹴りを葉問の顔面に放つ!
葉問はそれを左腕でブロックして防がんとするも、萬若男を救った際に痛めた左腕はゲッデスの強烈な蹴りを防げず、その打撃のダメージはそのまま葉問を著しく消耗させていく・・!
葉問「ぐう・・うう!」
ゲッデス「!・・フフン!」
ゲッデスは葉問が何故か左腕を庇っている事を見抜くと、再び猛然と葉問に突進し右のサイドキックで葉問の左腕を何度も蹴り上げる!
葉問はカウンターでゲッデスの腹部に掌底の連打を叩き込むが、それをガードすらしないゲッデスは葉問を強引に抱え込み、高々と葉問を担ぎ上げるとパワースラムで床に思い切り叩き着ける!
ゲッデス「ヌオアアア!」
ダダーン!葉問は床に叩き着けられた際の全身を走る激痛と衝撃で息が止まりそうになるが、そこに間髪を入れずゲッデスの悪魔のような蹴りが襲いかかる!!
ドガ!ドガ!ドガ!ドガガ!
ゲッデス「それ!それ!そぉおれ!」
葉問「ぐあ!あぐう!あぐぁあ!」
ハートマン「嗚呼!葉師父!」
顔面から腹部からところ構わず蹴りまくられた葉問は顔面を血に染めながらグッタリと床にうずくまっている・・!
ゲッデス「クックックッ!これか?この程度か!これが貴様らのチャイニーズクンフーか!笑わせるぜ!イップ・マンとか言ったな?貴様も他の薄汚いチャイニーズと一緒だな?そうさ、お前も黄色い負け犬なんだぁ!」
葉問は薄れそうになる意識の彼方でゲッデスの嘲笑を聞いていたが、やがてユックリと立ち上がると、目の前の狂気と怒りを全身に漲らせたアメリカ軍人に対して毅然と右手のコブシを握り示す!
ゲッデス「そうだ!それでいい!さあ!今度こそ息の根を止めてやる!
葉問「・・・」
その時、ゲッデスと対峙する葉問の表情は、この決して敗北が許されない闘いに勝利するには“これまで自らが信じて来た道を敢えて踏み外し闘うしかない”ことを悟り、また決意した人間のそれだった・・!
ゲッデス「ヌアアアアア!」
葉問は突進して来たゲッデスを真っ向から受け止めると猛然と突きや蹴りをゲッデスの上半身に叩き込む!
ゲッデスもそれに応戦し、2人は激しく組み付き合うと、葉問はゲッデスの首を捉えそのまま逆さに捻り前方に投げ飛ばす!
ダダーン!!さらに床に仰向けに倒れたゲッデスの後頭部に葉問は怒濤の正拳突きの連打!!
ダダダダダダダダダダダダ!!!
ハートマン「葉師父!よし!」
ハートマンは葉問がコリン・フラターを圧倒した正拳突きがゲッデスに次々叩き込まれるのを見て、香港詠春拳宗師の勝利を期待する!
だが、バートン・ゲッデスはコリン・フラターを遥かに凌ぐ鉄の精神力と強靭な肉体の持ち主だった!!
ゲッデス「ウガアアアアア!!」
葉問「はっ!」
葉問の攻めを両腕で頭をガードし耐えていたゲッデスは、一瞬の隙を突き葉問の足を掴み転倒させると、逆に葉問に馬乗りになり嵐のような鉄拳を猛然と振り下ろす!
ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!ドカ!
懸命にそれを耐え防御する葉問!
葉問はゲッデスの片脚を払うとバランスを崩したゲッデスの顔面に蹴りを叩き込む!それに耐えたゲッデスが今度は仰向けの葉問の腹部を蹴り上げる!
まさに詠春拳対空手、凄まじい死闘!!
ゲッデスは葉問に再度蹴りを入れようとするが、それを見た葉問は葉問の片脚を横に蹴り飛ばす!葉問は又裂き状態でバランスを崩したゲッデスの顔面、いや左目を狙いコブシを叩き込む!バキィ!
ゲッデス「グワアアアァ!」
その葉問の一撃でゲッデスの左目は無残にも潰れ破壊される!
それでも一瞬後退こそしたものの、ゲッデスは憎悪に満ちた眼差しで再び身構えると葉問に迫る!
「カマーン!」
それを見た葉問は一気に勝負を着けんとゲッデスに接近し、ゲッデスの首筋目掛けて連続の手刀を放つ!だがゲッデスはそれを振り払うと葉問に渾身の後ろ廻し蹴り!
それは葉問の腹部を直撃!葉問はそのまま数歩後退すると、瞬時に態勢を立て直し、意を決したように再び身構える!
バッババッ!もはや・・ここまで!
葉問とゲッデスが咆哮しながら組み合う!葉問はゲッデスが自分の痛めた左腕を掴み、そのまま腕を逆に捻り上げ、非情にも左腕をヘシ折ろうとするのを察知すると、瞬時にゲッデスの急所を蹴り上げる!ベキィ!
ゲッデス「アグアア!」
葉問はゲッデスの絶叫を聞きながらも、さらにゲッデスの急所に蹴りを叩き込む!
バキィ!
ゲッデス「グエェッ!」
葉問は激痛に叫ぶゲッデスの左腕を捉えると、そこから躊躇なくゲッデスの左腕を万力でヘシ折る!バキィ!ボキィ!!
ゲッデス「ウギャアア!アッアァア!」
葉問「!・・」
そして葉問は一瞬の迷いを振り切ると!激痛に立ち尽くすゲッデスの喉元に禁じ手である手刀を叩き込んだ!グサッ!!
ゲッデス「グエエェェ!ゲッホ!ゲッホ!グワアァァァ・・!!」
アメリカ海兵隊員最強の空手家バートン・ゲッデスが喉元を押さえながら弱々しく床に崩れ落ち、そのまま悶え苦しむ姿をジッと見ていたハートマンは、深呼吸を一つすると「ゲッデス長官を医務室にお連れしろ!」と隊員に命じる。
そして敗者ゲッデスの傍らに傷だらけの姿で悲しげに立つ葉問、そう、自分たち中国人の名誉と誇りを命懸けで守った英雄に向かって大きく、そして力強く両手を叩き拍手を始める。
パン!パン!パン!パン・・!
そのハートマンの拍手を聞いた海兵隊員たちも最初は戸惑いながらも、やがては力強く香港から来た詠春拳宗師に万雷の拍手を贈るのだった・・・。

中華街にある中華総会。その広間では葉問と萬宗華が笑顔で語り合っていた。
葉問の顔は傷だらけであり、萬宗華もまた右脚を負傷していた。
だが2人の間には彼らだけにしか分かり得ない温かい連帯感が漂っていた。
萬宗華「葉師父、遅くなり失礼しました。これが紹介状です」
葉問「萬師父、感激です!」
萬宗華「葉師父とご子息がこちらに移住されるなら我々は心から歓迎します!
いつ頃こちらにいらっしゃいますか?
葉問「実は・・今は柵の向こうの芝生は思っていたより青くなかった。そんな心境なのです」
萬宗華「ああ・・なるほど。いや分かりました。ハッハハ!」
萬若男「葉師父!これ私の大好きなお菓子なんだけどお土産にどうぞ!
葉問「おお、若男、多謝!」
萬宗華「コイツ?チャッカリした奴だ!ハッハハハ!」

香港。葉問が自宅の玄関の扉を開け入って来る。手には萬若男から渡されたお土産と鞄。アメリカで負った身体中の傷が産む痛みが葉問の顔を僅かに歪ませる。
と、廊下に父親の帰宅を待ち侘びていた葉正が姿を見せる。
葉正「爸!」
葉問「おお、阿正
葉正は葉問に駆け寄り鞄を受け取ると、優しく、愛おしく父親を見つめる。
その息子の眼差しを眩しそうに、そして嬉しそうに受け止める葉問。
葉正は葉問にピッタリと寄り添いながら、葉問を我が家の奥へと静かに誘うのだった・・。
この父子が共に過ごす時間があとどのくらい残されているのか、それは分からない。だがこれから葉問と葉正が共に過ごす時間が2人の父子にとってかけがえのない日々である事は間違いないだろう。

映画はこの後、葉問が自分が木人椿を打つ姿を葉正に撮影させる感動のエンディングから、1972年に死去した葉問の葬儀に李小龍が駆けつけるシーンで劇終となります。
龍熱が本作「イップ・マン完結」で何より印象的だったのが主人公である葉問の息子に対する深い愛情や同胞に対する熱き友情も勿論ですが、クライマックスで最強無敵の空手家として葉問の前に立ち塞がるバートン・ゲッデスを倒すため武術における“禁じ手”の封印を解く葉問の苦渋の決断でした。
例えどんなに凶悪で悪辣な相手との闘いであっても、自分がその相手を制圧する一撃が肉体的に致命傷となる一撃であってはならない。
それはこれまでのシリーズ3作品で葉問が頑なに貫いて来た正宗武術家としての崇高なるプライドでもありました。
それが最も分かりやすく描かれているのが「イップ・マン継承」(15)における葉問vsフランク(マイク・タイソン)戦で、葉問が闘いの最後にフランクの下腹部に放った蹴りを寸止めする場面です。
その葉問の武術家としての余りにも気高く美しい戒めが、かつてないほどの強靭な精神と無敵の空手技を誇る最強の敵ゲッデスの凄まじい猛攻の前に遂に破られる時が来ます。
それは葉問がゲッデスの喉元を手刀で突き破り倒した直後の悲しく、そして深い自責の念に満ちた表情からもハッキリ分かりました。
まさにシリーズ完結編に相応しい重厚で悲壮感に満ちた決着シーンでした。
それでも龍熱は改めて言いたい!本作「イップ・マン完結」に登場する葉問vs萬宗華、葉問vsコリン・フラター、バートン・ゲッデスvs萬宗華、そして葉問vsバートン・ゲッデス、その全てのクンフーファイトが素晴らしかった!
個人的には葉問vs萬宗華戦がベストファイトではありますが、ラストの葉問vsゲッデス戦も期待以上の壮絶ファイトで、長年ドニー兄貴とスコット・アドキンスの真っ向勝負を待ち望んだ人間としては大満足でした👍。
ハッキリ言って、この2人の対決があと1、2年遅れていたら、例えそこで実現したとしても意味がなかったでしょう。
よくぞ間に合ってくれた!待ちに待ったドニー兄貴vsアドキンス戦がこの「イップ・マン」シリーズ最終章で観れて良かった!本当に嬉しい!!
改めて龍熱は本作のアクション監督である袁和平に文句なく及第点を進呈したいです。
敢えて言えば、ラストの李小龍が葉問の葬儀に駆けつける場面の前に2人の師弟の交流を描く場面がもう1シーンあったら、と感じましたが、それは良しとしましょう。

最後に今回「超級龍熱」では本作「イップ・マン完結」レビューを本当に久々となる前編&後編の形でお届けしました。
久し振りのロングレビュー形式となったためか、執筆から更新までお時間を頂きました。でもこの前編&後編スペシャルには理由がありました。
いま私たちが人類の敵であるコロナウイルスの脅威に直面する中、映画館での映画観賞もままならない日々が続いています。
ならばこの「イップ・マン完結」のレビューで皆さんに元気になって欲しい!己のコブシ一つで悪を挫き、善を救う葉問の雄姿で元気になって欲しい!
そしてその皆さんの元気な笑顔を見て私も元気になりたい!
そんな想いを込めて今回の「イップ・マン完結」のレビューを書き上げました。願わくば、この“香港詠春拳宗師傅奇系列”最終章を皆さんと一緒に劇場で日本語字幕付きでもう一度観れる日が来る事を心から、そして強く願います。
最後になりましたが、今回「イップ・マン完結」観賞に際してはK.M氏にお世話になりました。ありがとうございました。
Ip Man4 the Finale Part2.

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黄正利イベント開催についての経過ご報告です。

2020-04-17 20:42:00 | その他
黄先生イベント開催についての経過ご報告です。先月に今月10日前後に最終的なご報告をします、とお伝えしながら、まだご報告が出来ずに申し訳ありません。
ただこれまで私とトビー・ラッセル監督の間で話し合いを重ねた末の方向性は既に出ております。
今は韓国の黄先生からそれに対してのお返事を待っている状態です。
また「闘道館」の泉館長からも随時的確なアドバイスも頂いています。
現在の私たちはコロナウイルス感染拡大による過酷で辛い状況下にあります。
それでも黄先生イベントに関しましては、皆さんに安心して頂ける、また喜んで頂ける最良の案をご報告出来たらと思っております。
どうかいま暫しのお時間を頂戴出来ればと思います。
何卒よろしくお願い致します。知野二郎。
コメント (2)
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予告!シリーズ最大のクライマックス!「イップ・マン完結」後編、いよいよ「超級龍熱」に登場!

2020-04-17 14:56:00 | その他
激闘の末にコリン・フラターを倒した葉問。
だがそれは同時にアメリカ海兵隊員最強の空手家バートン・ゲッデスとの決して避ける事が出来ない闘いを意味していた!
中華街、移民局、海兵隊軍部らが三つ巴で入り乱れる中、葉問は同胞たちの誇りと名誉を守るため、ゲッデスとの壮絶なる“最後一戦”に挑む!
多くのクンフー映画ファンが待ち望んだ甄子丹vsスコット・アドキンス、遂に激突!
10年にも及ぶ“香港詠春拳宗師傅奇系列”最大のクライマックスにして最高潮!
いま香港詠春拳宗師、最後の闘いが始まる!闘え!葉問!今こそコブシを握る時!

「超級龍熱」がお届けする「THIS IS 甄子丹」スペシャルにして「Way to the 葉問4:完結篇」大結局、「イップ・マン完結」後編、いよいよ登場!ご期待下さい!!

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THIS IS 甄子丹(134) Way to the 葉問4:完結篇⑤ 香港詠春宗師、アメリカへ!「イップ・マン完結」前編

2020-04-13 21:50:00 | THIS IS 甄子丹
さあ!お待たせしました!「THIS IS 甄子丹」第134 回にして「 Way to the 葉問4:完結篇」大結局は、葉偉信監督作品「イップ・マン完結」(19)前編です。
そうです!やっとメインイベント、いやフィナーレである「葉問4:完結篇」に辿り着きました👍。

愛妻の永成(熊黛林)を亡くした葉問(甄子丹)は息子の葉正(李震權)と親子2人で慎ましく暮らしていた。
だがある日、葉問は医者から自分の人生の残り時間が限られている事を知らされる。静かに自分の運命を受け入れようとする葉問だったが、自分に武術を教えて欲しいと激しく詰め寄る葉正に思わず手を上げてしまうのだった。
そんな葉問の許にアメリカはサンフランシスコで道場を開く愛弟子の李小龍(陳國坤)から国際空手トーナメント大会観戦を願う使者ビリーが訪れる。
葉正をアメリカに留学させたいと願う葉問は留学先を探す目的も兼ねて李小龍の招待を受けるのだった。
アメリカに到着した葉問は葉正が現地の学校に留学するために必要な推薦状を中国人社会を束ねる中華総会の議長にして太極拳の大家萬宗華(吳樾。名演!拍手!)に頼むべく中華街にある中華総会を訪れる。
だがそこで葉問を待っていたのは萬宗華ら各流派を代表する中国人武術家たちの激しい敵意だった。

萬宗華「葉師父、貴方の弟子の李小龍がこのサンフランシスコで何をしているかご存知か?あろう事か外国人に我らの中国武術を教えている!さらにはこんな英文の技術書まで書いている!いったい何を考えているんだ!
葉問「萬師父、外国人に武術を教えて何がいけないのでしょうか?この技術書は私も読みましたが、良い本でした」
萬宗華「・・なるほど。そうでした、葉師父に私たちから粗茶をお出ししましょう・ドァア!!

萬宗華は突如目の前のガラスのテーブル上にある茶碗を葉問に向け滑らせると、そのままガラスのテーブル台を憤怒の力を込めた掌底で葉問目掛けて押し込む!

葉問「萬師父!ハァァァッ!」瞬時に葉問もテーブルを掌低で押し返す

メリメリ!・・!バリバリ!

2人の武術家の物言わぬ対立がテーブル台を砕くのを見届けた葉問は、萬宗華の「葉師父、私たちは貴方とは違う。この美国に住み、今日まで必死に生き抜いて来たのだ!」の言葉に静かに目礼し、その場を歩み去るのだった。

この後に李小龍信者注目の陳國坤扮する李小龍の1964年度国際空手大会での演武、そしてマーク・ストレンジ扮する白人空手家とのクンフーファイトが登場する。
陳國坤とストレンジの対決はリーさん信者なら思わず「ニヤッ!」とするオマージュ的描写が幾つも登場するし、陳國坤の猛龍アクションも十分に及第点を進呈出来る完成度に仕上がっている。
何より陳國坤演じる李小龍は嫌味がない。だから龍熱も含めた口うるさい李小龍信者も素直に感情移入が出来るのだ。
龍熱は陳國坤の“李小龍演者”としてのその部分を高く評価しています。

李小龍の弟子の伝手で現地の学校を訪れた葉問は、そこで白人女学生ベッキーたちに暴行を受ける中国人美少女萬若男(李宛妲)を救う。そしてこの若男こそ中華総会議長萬宗華の娘であった。
だがこの時葉問が若男を助ける際に左腕を痛めた事が後々葉問を苦境に陥れる事となるのだった・・。
若男を中華総会まで送って来た葉問だったが、出迎えた萬宗華は若男の顔の傷を見て動揺し、思わず若男を叱責し、さらには葉問を問い詰める。

萬宗華「葉師父、いや葉問!紹介状が欲しければ娘など使わず、いま私と闘え!」
葉問「いいでしょう。ただ萬師父、貴方は思い違いをしています!」

ここで繰り広げられる葉問vs萬宗華の詠春拳と太極拳の激しい闘いこそ本作「イップ・マン完結」におけるベストファイトであると龍熱は断言する!
華麗にして豪胆な太極拳を駆使し葉問を攻め込む萬宗華と、それを真っ向から受け止めんとしながら、痛めた左腕を庇いながらの闘いを強いられる葉問。
それを見た太極拳宗師は「どうした?古傷か?」と自らも左腕を封じ改めて身構える。「・・・」そして葉問もまた無言で左腕を封じ、それに応える。
2人の武術家がお互いの憤りと戸惑いを拳を交える事で少しずつ理解し合っていく様がこのやり取りから観客にシッカリと伝わっていく・・!
この甄子丹vs吳樾こそ90年代の陳眞と2000年代の陳眞、2人の“陳眞武打星対決”である。
と同時に異国で白人による激しい差別と弾圧から同胞たちの尊厳を守るため奮闘する萬宗華を快演した吳樾の存在感は、シリーズ屈指の名編「イップ・マン2」(10)で洪金寶が演じた伝説の名キャラ洪震南に匹敵するベストパフォーマンスである。
葉問と萬宗華の闘いは“自然界の審判”が2人の間に割って入り、後日に持ち越しとなる。

だがそんなアメリカ滞在中の葉問の周辺はアメリカ軍海兵隊の高官にして凄まじい人種差別主義者バートン・ゲッデス(スコット・アドキンス!大拍手!後述)が李小龍の弟子にして海兵隊員ハートマン(呉建豪)が基地内に持ち込んだ詠春拳の木人椿に難癖をつけ、非情にも木人椿を燃やした事で風雲急を告げる!

ゲッデス「貴様ら、いいか?よく聞け!基地内で俺を人種差別主義者だとか抜かしてる輩がいるらしいな?だがそれは間違いだ!
俺はお前ら有色人種が嫌いなんじゃない。お前らみたいな腰抜けの有色人種が嫌いなだけだ!」

自らも恐るべき破壊力を誇る空中連続廻し蹴りを得意とする空手の達人ゲッデスは部下にして空手コーチのコリン・フラター(クリス・コリンズ!アメリカ海兵隊出身で詠春拳など様々な武術のエキスパート。「SPL狼たちの処刑台」(17)の極悪反派が強烈な印象を残す)を呼びつけると、

ゲッデス「コリン、チャイニーズの奴らがチャイナタウンのフェスティバルで武術の演武をやるらしい。お前が我々のカラテこそNo.1である事を奴らに思い知らせてやれ!いいな?」
フラター「イェッサー!お任せて下さい!薄汚いチャイニーズをブチのめしてやりますぜ!グッフフ!」

ゲッデスに劣らず有色人種を憎悪する凄腕空手家コリン・フラターは弟子を引き連れ中秋節に賑わう中華街に乗り込む。フラターは中国武術の各流派が演武中の擂台に荒々しく割り込み、気合い諸共巨大なブロックを叩き割ると、周囲を憎々しげに睨みつけながら咆哮する!

フラター「チャイニーズの黄色い豚ども!よ〜く聞け!俺は極天空手の黒帯四段コリン・フラターだ!俺が今から貴様ら腰抜けチャイニーズどもに本物のコンバットを教えてやる!
さあ?俺と闘う奴はいねえのか!貴様らのインチキ武術を見せてみろ!どうした?さあ!闘えぇ!Fight me!」

このコリンの侮辱に満ちた挑発に中秋節に集まった群衆が騒然とする中、猿拳の羅駿霆(羅莽。嗚呼、五毒の毒蝦蟇拳士健在なり!)が怒りの掛け声と共に「私が相手だ!きええ!」と飛び出るが、コリンの正拳一発で擂台から落下!

コリン「フン!腰抜け野郎が!Who's next!?」

「ワシだ!」続いて七星蟷螂拳の趙(高強)がコリンに挑むが、圧倒的な身体能力から繰り出されるパワー空手の権化のようなコリンの手刀が趙の防御した右腕ごとヘシ折る!
「ぎゃあああああ!」趙の敗北を意味する悲鳴を聞いた観客たちが一切に凍りつく傍らで、その様子を8ミリカメラで撮影していたハートマンは悲しげに撮影を止めカメラを下ろすのだった・・。
そこに颯爽と擂台に飛び乗るは武術界の紅一点にして形意拳の蔣!(周小飛。畢業于解放軍体育学院出身で八卦掌や跆拳道を習得女ドラゴンと怒りの未亡人軍団」(11)や「グランドマスター」(12)などに出演)拍手で迎える観客!

コリン「ほう?女か?手加減はしねえぞ!」
蔣「それはこちらの台詞よ!いざ!」

蔣の華麗にして俊敏な形意拳が何度もコリンに決まり、コリンも思わず顔を歪めるが、次第にその怒濤のパワー空手が蔣の華奢な身体に何度となくヒットし、その度に蔣が苦悶の表情で膝をつく!
さらにコリンの丸太のような蹴りが蔣の腹部に叩き込まれる!フッ飛ぶ女拳士!観客席から飛び交う悲鳴!

蔣「あうう!ぐああ・・!」
コリン「容赦しねえと言ったぞ!ドリャァ!」

コリンの冷酷非情な正拳突きが仰向けに倒れ戦闘不能状態の女拳士に今まさに振り下ろされようとした、その瞬間!

ドガァ!飛燕の蹴りがコリンの横腹に叩き込まれる!

コリン「グァアァァ!」

その衝撃でコリンの身体が宙に舞い、擂台の床に叩き着けられる!
憤怒の表情で飛び起きたコリンが絶叫する!

コリン「貴様!・・誰だぁぁ!?」

自らが蹴り上げた極悪空手家の怒号を背中で聞きながら、葉問は傷ついた蔣を優しく抱き起こすと飛び込んで来た門徒たちに女拳士を預け、中国武術への傍若無人なる挑戦者にユックリと向き直る。

葉問「そこまでだ!」
コリン「何だと!さあ来やがれ!Come on!」

「葉師父!」「葉問!」「葉師父!勝って!」
颯爽と擂台に立った葉問に中国人たちの大歓声が注がれる中、ハートマンは目を輝かせながら再び8ミリカメラを回し始める!

バッババッ!葉問は目の前で怒りと憎悪を全身に漲らせたコリン・フラターに対し静かに身構える。そう、いま遠い異国の地を訪れた香港詠春拳宗師は中国人の誇りと名誉を守るため、その聖拳を再び握らんとしている!
いま闘いの時が来た!!(以下、後編につづく!)

Ip Man4 the Finale Part1.

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緊急予告!香港宗師、最後の闘い!「イップ・マン完結」、いよいよ「超級龍熱」に登場!

2020-04-12 14:26:00 | その他

葉問は愛弟子李小龍からアメリカはサンフランシスコの空手大会に招かれる。

だがそこで葉問を待っていたのはアメリカ海兵隊員たちの激しい人種差別と中国人社会の敵意だった。
葉問は自らの命に限りある事を悟りつつも、その海兵隊と中華街の争いに否応なくその身を投じていくのだった!
“最後の本格派”甄子丹主演“香港詠春宗師傳奇系列”、ここに堂々の完結!
闘え!葉問!いま闘いの時来たり!!
 
「超級龍熱」が満を持してお届けする「THIS IS 甄子丹」スペシャルにして「Way to the 葉問4:完結篇」大結局「イップ・マン完結」前編&後編、いよいよ登場!ご期待下さい!!

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THIS IS 甄子丹(133) Way to the 葉問4:完結篇④ 詠春正宗比賓!「イップ・マン継承」

2020-04-05 20:17:29 | THIS IS 甄子丹

さあ!「THIS IS 甄子丹」第133回にして「 Way to the 葉問4:完結篇」④は葉偉信監督作品「イップ・マン継承」(15)でいきましょう。

まずこの「〜継承」がこれまでのシリーズ2作品と異なる点。それがアクション監督がサモハンから袁和平に変更となった事です。香港映画の歴史において、長きに渡り詠春拳系列の優れた作品群を刻み込んで来たサモハンの存在はある意味この「イップ・マン」シリーズの中核でした。
その重責を既にアクション監督としては燃え尽きた感のある袁和平が果たして引き継ぐ事が出来るか、そこに龍熱は最も注目しました。
で、今回久々に観た「〜継承」ですが、何より感じたのが葉偉信監督がドニー兄貴扮する葉問をアップを中心に実に巧みに、また味わい深く撮っている事です。
それは葉問の愛する妻である永成(熊黛林)が不治の病に倒れる辺りからより鮮明となり、特に永成の最後の願いとして貴方と一緒に写真を撮りたいの、との言葉に思わず葉問が悲しみに顔を歪めるシーンや、葉問が永成の前で木人椿を黙々と打ち続ける場面で葉問が顔ではなく、その背中全体で深い深い悲しみを表している事が観客にハッキリと伝わってきます。素晴らしい!👍。
さて、この「〜継承」には大きなファイトシーンが3つ用意されています。
まずは街の小学校の利権を狙うフランク(元プロボクシング世界統一ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソン!)が放った刺客ムエタイ拳士(トニー・ジャーのスタントダブルの経験を持つサラット・カアンウィライ)の襲撃から狭いエレベーター内で葉問が永成を守りながら応戦するスリリングなファイトシーンです。
ここでの葉問が無関係の永成をも平然と闘いに巻き込むタイの殺し屋に対する静かなる怒りを詠春連打へと変え、その強烈な打撃を殺し屋に次々と叩き込みながらビルの階段を1階、また1階と下り、最後にはムエタイ拳士を撃退します。
そしてムエタイ拳士がヨロヨロと立ち去り、そこに1階に着いたエレベーターから心配そうに出て来た永成を振り返った葉問の表情が数秒前の憤怒に満ちた顔付きから愛する妻を優しく見つめる眼差しに戻っている、というコントラストが本当に素晴らしい!👍。
この葉問vsムエタイ拳士は「〜継承」で龍熱が1番好きなファイトシーンです。
また中盤に登場する葉問vsフランクの詠春拳☓ボクシングの闘いですが、ここは龍熱が語り出したらそれこそ朝になってしまいますし😅、とにかく甄子丹とマイク・タイソンの一騎討ちが本当に実現したという厳然たる事実が全てです。
それはあのアントニオ猪木vsモハメド・アリの格闘技世界一決定戦と同じく、これから何十年と言う長い時間をかけて幾度となく検証され、また絶賛されるべき歴史的なスーパーファイトである、とここでは言及するに留めたいと思います👍。
そしてクライマックスの“詠春正宗”を懸けた葉問vs張天志(張晉)の対決ですが、龍熱はこのファイトシーンに先ほど触れましたサモハンと袁和平のアクション監督としての差が出たと思います。
要するにサモハンなら葉問に与えられた尊敬と名声を奪おうと手段を選ばず挑んで来る張天志の詠春拳打にもっと爆発的なパワーと情念を注ぎ込む事が出来たと思いますが、袁和平にはそれが出来なかった。
それは同時に葉問に扮したドニー兄貴がこのクライマックスファイトで完全無敵にして威厳に満ちた揺るぎない詠春功夫を体現したの対して、張天志に扮した張晉が荒々しくも線が細く不安定な詠春拳打に終始した事からも明白です。
そしてそれは同時に甄子丹と張晉という2人の武打星の間にハッキリと存在する大きな差でもありました。
ただそうは言いながらも、この葉問vs張晉戦の最後の最後に一瞬右目の視力を奪われ絶対の危機となった葉問が一転して張晉に叩き込む文字通り一発逆転となる“秘拳”は、李小龍信者なら涙無しでは見れないフィニッシュシーンであり、ここは甄子丹&袁和平の師弟コンビの殺陣構成に素直に拍手を贈りたい気持ちです👍。
最後に龍熱が本作「〜継承」で残念だったのが陳國坤扮する李小龍青年の登場シーンが少なかった事です。
これでは李小龍青年が登場する意味がない。いや本当にそれが残念でした。
ただそれも本作「イップ・マン継承」がシリーズ最終作だったなら、の場合でした。
いや違った!「イップ・マン」シリーズは「〜継承」がシリーズ最終作ではなかった!!(大拍手!)
さあ!お待たせしました!次回「THIS IS 甄子丹」スペシャルにして「 Way to the 葉問4:完結篇」大結局は、葉偉信監督作品「イップ・マン完結」(20)の登場です。
そう!「葉問4:完結篇」へのカウントダウンまで、いよいよゼロです!

Donnie Yen in Ip Man3.And yes finally countdown zero to Ip Man4 the Finale!


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