超級龍熱

香港功夫映画と共に

甄子丹主演『葉問2』、いよいよ来月撮影開始!

2009-07-31 16:26:03 | ニュース
今週は某誌の水野美紀主演作品のレビュー原稿を無事に入稿したものの、先月から続いている他の原稿の仕上げ作業などがあってどうしてもブログ更新が出来ませんでした。
「熱風!韓国LEGENDS」も大台の第30回(ちょっと変化球的作品でゴールするかも?)が目前だし、カン・ジファン&キム・ハヌル主演の最新韓国映画『7級公務員』やミル・マスカラスの新作主演映画などなど、観たいDVDが沢山溜まってはいるんですが、今はちょっと我慢です(涙)。

さて、多くの甄子丹信者注目の『葉問2』がいよいよ来月から撮影開始となるようです。以前からの報道通り、今回の続編では香港へとやって来た葉問の人生を中心に描かれるようです。
そこにまだ未確認情報ですが、洪家拳の達人(洪金寶!)と葉問のお互いの弟子同士に端を発した争いが、やがてそれが葉問と洪家拳の達人の直接対決へと発展していく!という今からワクワクの展開が用意されているようです。
ちなみにドニー兄貴の『葉問2』のギャラですが、パート1の倍額となったそうで、さすがに今乗りに乗っている“最後の本格派”ですね。あとこれまた現在脚本が進行中の『葉問3』に葉問の弟子として登場する李振藩少年の注目のキャスティングですが、現時点ではハルピン出身で12歳の潘爛康(パン・ランカン。爛の字不完全です)君が有力だそうです。潘君は余りブルース・リー少年には似てないものの、武術経験もあるとの事でこちらも今後の展開が楽しみですね。

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♪生日快樂♪ 今日は“最後の本格派”こと甄子丹の誕生日です!!

2009-07-27 12:07:52 | その他
さて、今日は何の日♪と言うと、そう!我らが甄子丹ことドニー・イェンの46歳の誕生日ですねー!いや~まさに男ざかりの“最後の本格派”ドニー兄貴、というわけで当ブログ「超級龍熱」もドニー兄貴のバースデーという事もあって、これまで余り触れて来なかったドニー兄貴の「ちょっと良い話」を幾つか書いてみたいと思います。

ドニー兄貴ちょっと良い話(1) 私、龍熱が電視劇『精武門』の主題歌は誰が歌ってるの?と訊くと「俺だよ~!」、じゃあ陳眞の怪鳥音は?「俺なんだ!」、では『ワンチャイ/天地大乱』の納蘭元述提督が使う布棍は?「フフフ!勿論、俺のアイディアさ!」と“俺だよ”連発!

ドニー兄貴ちょっと良い話(2) 龍熱がリーさんことブルース・リーの映画の事を訊くと「初めて観た李小龍の映画は『唐山大兄』さ。ええ?李小龍の映画でどれが一番好きかって?李小龍の映画に順番なんてつけられないよ。全部好きだ!」それを聞いた龍熱は思わず号泣(涙)。

ドニー兄貴ちょっと良い話(3) ある時インタビュー取材が終了した後の雑談でドニー兄貴が「そうだ、ユーに最高にナイスな映画を教えるよ!きっとこれはまだ観てない映画だぜ?いいか、その映画は・・・『少林サッカー』だ!いいぞ~!この映画は!」でも当時私を含めて『少林サッカー』を観ていない人は1人もいなかったのでした(苦笑)。

ドニー兄貴ちょっと良い話(4) ドイツに滞在当時、谷垣健治導演が黄正利のテコンドー教則ビデオ「The Art of High Impact Kicking」を観ていると、そこにドニー兄貴が通りかかり「ふ~ん!黄正利か、でもちょっと動きが硬いよな!」と一刀両断。ところが次の日になると、ドニー兄貴はやたらと黄正利のキック技を真似するのでした(笑)。いや私、この話凄く好きだなー!健治導演情報多謝でした。

ドニー兄貴ちょっと良い話(5) 日本での『ブレイド2』プレミアの舞台挨拶にゲストで登場予定のドニー兄貴。ところがまだ出番ではないのに司会の襟川クロさんの後に続いて舞台にトコトコと出て来てしまったドニー兄貴!「ちょっと、ちょっと!まだ貴方の出番じゃないのよー!」と慌てるクロさんを尻目に、舞台下最前列に座って拍手する私たちに気ずいたドニー兄貴は「おおっ?ハーイ!」と笑顔でノホホ~ン!と手を振っているのでした(苦笑)。うう~ん!この時の様子って映像で残ってないのかなぁ?是非欲しいです。

ドニー兄貴ちょっと良い話(6) 『SPL/狼よ静かに死ね』プロモーションで来日したドニー兄貴にインタビューした際、龍熱が「いや『ドラゴン危機一発‘97(龍熱が大大好きな映画)』を観た時に甄子丹って凄いなと思いましたが、今回の『SPL』も素晴らしいですね!」と振ると、ドニー兄貴は「えっと『新唐山大兄』か・・それって結構古い映画だよなー?」とまたも一刀両断!で、そのドニー兄貴の答えに龍熱は思わず「!?・・」と絶句したのでした(苦笑)。

と言った感じで、思いつくままにドニー兄貴のエピソードを駆け足で書いてみましたが、ドニー兄貴、改めてお誕生日おめでとうございます!これからのドニー兄貴は『錦衣衛』、『十月囲城』、『夜行侠陳眞(いよいよです!)』、そして『葉問2』と話題作が目白押しで本当に楽しみですね。今後のドニー兄貴の益々の活躍に期待しましょう!
コメント (4)
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俺は娘を救うためならエッフェル塔でも壊す!リーアム・ニーソン主演『96時間』

2009-07-24 12:56:48 | 作品レビュー
さて、連日原稿書きが続く中、昨日は何とか時間を作ってリュック・ベンソン製作、ピエール・モレル監督、そしてリーアム・ニーソン主演『96時間』を試写で観て来ました。
元秘密工作員の中年男性ブライアン(リーアム・ニーソン)は妻(ファムケ・ヤンセン!)が家を出て行き資産家の男性と暮らす日々に耐えながら、唯一の心の支えが17歳の娘キム(マギー・グレイス)でした。
ところがキムは女性の友人とパリにU2の追っかけ旅行に行った際、人身売買を目的とした凶悪なアルバニア系犯罪組織に誘拐されてしまいます。ブライアンは万一の事を考えキムに持たせた携帯電話から誘拐犯たちが同行の女性を連れ去った後、今度はキムが隠れている部屋に押し入ろうとしている電話の音声に激しく動揺しながらも、懸命にキムに話しかけます。

キム「ああ、パパ!あの連中がこの部屋に入って来るわ!どうすればいい!?」
ブライアン「キム、冷静に聞くんだ!恐らくお前も友達と一緒に奴らに連れていかれるだろう」
キム「パパ!?」
ブライアン「お前はパパが命懸けで助けに行く!だから奴らの顔でもどんな特徴でもいい、電話に向かって叫ぶんだ!パパはここで聞いてるから!」
キム「ああああ?パパ!パパァァ!男性!髭面!手に・・手に刺青!いやああああ!」
ブライアン「キム!キム!?」

遠く離れたパリで愛する娘が無残にも誘拐されていく音声を電話越しに聞かされたブライアンは、やがて何者かがキムの携帯を手に取りジッと息を潜めてブライアンの様子を窺っているのを察知します。
ブライアンはその相手に向かって静かに口を開きます。

ブライアン「お前が何者かは知らない。身代金目的なら金はない。だが俺にはお前らが恐れる特殊な能力がある。娘を返すなら見逃してやる。だが返さないなら、お前を探し、追い詰め、そしてお前を殺す!」

こうしてブライアンのたった1人のキム奪回の闘いが始まります。過去の事例からこの種の誘拐事件では事件発生後、96時間が過ぎると被害者の救出は不可能となります。
そう、ブライアンに残されたタイムリミットは“96時間”しかない!!パリに乗り込んだブライアンはまさに狂気さえ感じさせる行動力で一歩、また一歩と自分からキムを奪った犯罪組織に迫っていきます。
そのためには平然と銃で敵を射殺しますし、残酷な電気ショックによる拷問、あるいは友人であるパリ警察の警部に「俺はキムを救うためならエッフェル塔でも壊してやる!」と言い放ち、それでも協力を拒む警部の妻の肩を平然と銃で撃ち抜きます。
でも私がこの『96時間』で最も感嘆を受け、また大興奮したのがブライアンが誘拐犯一味と対決する際に見せる壮絶な格闘アクションです。至近距離から敵の顔面に鉄拳を叩き込み、手首を叩き折り、さらには非情にも首をヘシ折っていくブライアンの鬼神のようなその姿は、娘を奪われた父親の深い怒りと悲しみ、そして悲壮な覚悟が感じられ、私は思わず手に汗握りながらスクリーンに観入っていました。
あの静かなる男が似合うリーアム・ニーソンがまるでスティーブン・セガール顔負けの格闘アクションに挑戦し、ここまでのリアルかつド迫力のファイト・シーン(ファイト・コレオグラファーはオリバー・シュナイダー)を体現して見せるとは・・まさに絶妙かつ意表を突いたキャスティング!
愛する者を取り戻すため自分が身に付けた格闘術を駆使し孤独と絶望の闘いに挑んでいく1人の男!
いや~私はこういう映画が観たかった!さすがはあのシリル・ラファエリ主演『アルティメット』(04)を撮ったピエール・モレル監督です!大拍手!!!

映画のクライマックスでは、ブライアンが悪辣な中東マフィアらしきグループの手に落ちたキムを追って敵の豪華フェリーに乗り込み、襲いかかる悪ボスの護衛人たちを片っ端から撃ち倒し、変形のナイフを持った腕利きボディガードとの激しい決闘(ここも実にスリリングかつ見事なファイト・シーン!)も制し、文字通り傷だらけの身体となりながらも、遂に目の前に捜し求めたキムの姿を確認します!しかしそのキムの喉元には悪ボスのナイフが突き立てられようとしている!「パパ!?パパァァ!」「キム・・!」果たしてブライアンはキムを無事に救い出せるのか!?それとも!?
この興奮と感動の結末は、来月22日からの全国ロードショー公開で是非見届けて頂きたいと思います。
この『96時間』、現時点での私の今年のベスト1映画です!

追記:言い忘れましたが、この『96時間』にはあの『D.O.A』のホリー・ヴァランスがゲスト出演ながらナイスな役柄で顔を見せていますので要チェックです♪

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“世紀の闘神”ブルース・リー、36周忌を迎えて

2009-07-20 12:55:18 | その他
今年もこの日がやって来ました。36年前のこの日、真夏の香港でブルース・リーことリーさんが32歳の若さで亡くなりました。毎年この日が来るたびに私、龍熱の人生に本当に強い影響を与えてくれたリーさんの事を思い浮かべて、懐かしいような、寂しいような、何とも不思議な気持ちになります。
また同じく当ブログでは毎年7月に入るとリーさん関連の特別企画を延々と連載形式で組んでリーさんへの敬意を表して来たわけですが、今年は静かにこの日を迎える事となりました。
今日は私もリーさんを偲んでリーさんの香港凱旋第1作『ドラゴン危機一発』(71)を観ようか、と思っています。
だってこの映画はタイでロケした作品だし、何となく蒸し暑い真夏のこの時期に観るクンフー映画としてはピッタリな気がするんですね。
この『ドラゴン危機一発』の頃のリーさんは当時アメリカから帰って来たばかりで、その初々しい表情や鍛え抜かれた肉体が実に颯爽としています。共演陣も田俊、衣依、李昆、韓英傑、劉永、林正英、そして特別客串の苗可秀と本当に懐かしくて豪華な顔触れです。
私はこの『ドラゴン危機一発』を74年のロードショー公開時に、渋谷の渋谷宝塚(現在はもうありません)という映画館で観たんですが、前の年の暮れに同じく渋谷で観た衝撃の『燃えよドラゴン』(73)から待ちに待ったリーさんの新作公開に狂喜して劇場に駆けつけたのを今でも覚えています。
で、その時に劇場内で販売していたあの伝説のリーさんグッズであるパンチング人形購入の顛末へと繋がるんですが、その辺りは拙著「香港クンフー映画評論集/龍熱大全」(ぴあ刊)に詳しいので是非ご覧になってみて下さい。
そう言えば何年か前にリーさん信者のオフ会で、私の目の前に座っているMさん(リーさん関連のコレクターとしてもかなり強者な方です)が「いや僕が『ドラ危機』を観たのはね、渋谷宝塚って映画館なんですけど・・」と言われて、思わず私も「ええー!?私も『ドラ危機』は渋谷宝塚で観たんですよぉ!いや~懐かしいなぁ!」とビックリやら嬉しいやらで、その場でMさんとはリーさんの昔話で大いに盛り上がったのを思い出しました(笑顔)。
いや本当に懐かしいです・・。

リーさんが亡くなってから36年。私たちリーさん信者にとって一口に36年と言っても、それはアッと言う間の年月かも知れませんし、あるいはズッシリと長い年月かも知れません。ただこれだけはハッキリと言えます。
私たちは今までも、そしてこれからもブルース・リーという不世出の武打星の伝説を決して忘れる事なく永遠に語り継いでいきます。それがリーさんの雄姿に人生を変えられ、リーさんから多くの事を学んだ私たちのリーさんへのせめてもの恩返しだと思うのです。
誠意献給一代巨星、李小龍!偉大にして永遠のドラゴンよ、どうか安らかに。
コメント (10)
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「ボクシング・ヘビー級最強伝説」&井上譲二著「闘魂の呪縛 王道の絶望」

2009-07-18 12:17:36 | その他
先月からひたすら格闘中の原稿はまだまだ続きそうなんですが、それとは別に今週某誌から水野美紀主演『ソード・シーカーズ/刀狩るもの』のDVDレビュー原稿依頼が来ました。まあ映画自体を観るのはまだこれからなんですが、それにしても水野さんは今月公開された『ハードリベンジ、ミリー/ブラッディ・バトル』と言い、来月公開の『さそり』と言い、もう続々と主演アクション映画が公開されて本当に絶好調ですねえ。
是非とも水野美紀さんにはこの調子でガンガン!とアクション映画に主演していって欲しいです♪

さて、今週本屋さんで面白そうな本を2冊見かけたんで購入したんですが、1冊が「ボクシング・マガジン」特別編集による「ボクシング・ヘビー級最強伝説」なんです。題名通りにプロボクシングの最重量クラスであるヘビーの強豪たちの素顔や熱闘を特集したムック本で、モハメド・アリ、ジョー・フレージャー、ジョージ・フォアマン、マイク・タイソンと言った錚々たる名選手の足跡が豊富な写真や記事と共に特集されています。(ついでにあのコング斉藤まで載ってるぞ!?)ただ私個人としてはアリやタイソンは別格として、以前から昨今のヘビー級では最後のスターだと思っている“Real Deal”ことイベンダー・ホリフィールドがかなり頁を割いて特集されていたのが嬉しかったですね。
そう言えば最近ホリフィールドがまだヘビー級にクラスアップする前の88年に、カルロス・デ・レオンに勝って世界クルーザー級タイトルを統一(WBC、WBA、IBF)した試合を観ていたんですが、何とリングサイドで当時統一世界ヘビー級王者だったマイク・タイソンが観戦していて、アナウンサーに「マイク、ホリフィールドと闘う気はありますか?」と訊かれて、「まあ、アイツはグッド・ボクサーだよな!」と答えていたのが印象的でした。
ご存知のようにこの試合の9年後に、タイソンはホリフィールドの世界王座に挑戦した試合でボクシング史上最大のスキャンダラス事件とされる“耳噛み切り事件”を起こす事となります。
もっとも現在の2人に関して触れれば、ホリフィールドは昨年の12月にWBA世界王者の巨漢ニコライ・ワルーエフ相手に46歳でフルラウンド闘うなど健在ぶりをアピールしていますが、片やタイソンは近影を見るともうデブデブに肥ってしまって殆ど引退状態(涙)、改めて色々な意味でこの2人は稀に見る因縁のライバルでしたね。

で、もう1冊の「闘魂の呪縛 王道の絶望」は元「週刊ファイト」編集長だった井上譲二氏の最新刊で、内容的には近年やたら無意味に乱発されているプロレス暴露本とは明らかに異なる充実したコンテンツで大変興味深く読みました。特にジャイアント馬場さんの生前の様々なエピソードや、ドリー・ファンクJR、ミル・マスカラス(マジでドン引き!)の知られざるプライベート話は、私も読んでいてついつい「へえ~!?知らなかった!」の連発でしたし、最近は滅多にプロレス関連書籍を購入しなくなった私もこの本は購入して良かったと思いましたね。
でもこうして日本のプロレスを全盛期から取材している井上氏の著作を読むと、改めて日本プロレス界の御大にしてお目付け役だった馬場さんが亡くなってしまった事が現在のプロレス界の衰退に如何に大きな影響を与えたかを痛感させられますね。
実際私もここ数年の間にプロレス界が直面した多くの悲劇やトラブルを聞く度に「ああ、もし今も馬場さんが健在でいてくれたらなぁ!」と思う事が何度もありました。まさに“東洋の巨人”ジャイアント馬場さんが亡くなった事、この余りにも悲しい事実こそが日本のプロレス界最大の損失だったと思います。
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熱風!韓国LEGENDS(29) 若者よ、いざ我が道場に集え!林子虎主演『金剛禅法』

2009-07-16 12:44:34 | 熱風!韓国LEGENDS
さて、もう誰にも止められない「熱風!韓国LEGENDS」第29回は、南基男導演、ジャック・ラムこと林子虎主演『金剛禅法』(81)です。言うまでも無く全編韓国語版にして本邦初のレビューとなります。
と言いながら林子虎と言えば、以前に観た『帰って来た双龍』(81)がちょっと酷すぎる出来だったので果たして今回はどうかいな?と思いながらの鑑賞でしたが、この『金剛禅法』は私がこれまで観て来た林子虎作品の中では一番作りがシッカリしていましたし、最もシリアスな展開の作品でした。
舞台は日本の圧政に苦しんでいた戦時下の韓国なんですが、映画の冒頭で主人公キム・ジョン(林子虎)がキャバレーでビールを飲んでいるんですが、ステージで日本人客たちが好む音楽を演奏しているバンドに向かってキム・ジョンは敢然と「おい、今すぐアリランを演奏しろ!」と迫ります。
店内にアリアンが流れるとそれに「バッキャロォ!」と激怒した日本人客たちとキム・ジョンが乱闘を展開!とここまででこの『金剛禅法』がナショナリズム全開の韓国武打片である事が判ります。
キム・ジョンは満州で日本相手に独立運動の闘士として活動していたんですが、日本が戦争に負けた事により韓国が解放され、キム・ジョンもソウルに帰還を決意します。
ところが戦後の動乱の中では韓国人同士でも犯罪や汚職が蔓延し、キム・ジョンは道中で恋人のユンスク(ミン・ボッキ。若い!)を暴漢にレイプされた上に2人は離れ離れになってしまいます。
傷心のキム・ジョンでしたが、やがてヤクザ(朴東龍)や荒くれ武道家(白黄基)らとの激しい闘いにも勝ち抜き、最愛のユンスクとも再会し、当地で戦後の混乱のために心が荒んでしまっている若者たちを集め、その若者たちを武道を通じて正しい人間に育成しようと自らの武館「金剛拳法道場」を開きます。
多くの門弟たちを率いて座禅を組み日々厳しい稽古に励むキム・ジョン。いや~これって本当に林子虎主演作品かいな?(苦笑)もうマジでシリアスな展開だセヨ~♪
クライマックスは浜辺でヤクザのボス(シム・サンチョン)一派とキム・ジョン武館の大乱闘(ここでキム・ジョンの門弟の女性が林銀珠顔負けの女テコンドー蹴りで大暴れ!)となりますが、最後はキム・ジョンの怒涛の蹴り技を浴び劣勢となったヤクザのボスが卑怯にも日本刀でキム・ジョンを襲おうとした所に警察が駆けつけボスは逮捕され、ちょっと中途半端な終わり方ながら劇終となります。

劇中での林子虎のアクションですが、中盤の林子虎vs白黄基のクンフー・ファイトがお互いに電撃の拳技を次々と繰り出しての見事な攻防を披露していて中々の出来でした。ただ私としては林子虎のベスト・ファイトは?と聞かれたら迷わず金時顕導演作品『スターフェリー不請客』(84)でのvs黄正利戦と答えるでしょう。
確かこの映画はIFD作品として『ニンジャ・ターミネーター』という英語題名で欧米でもリリースされていたかと思うので、ご興味のある方は是非!

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熱風!韓国LEGENDS(28) 王虎&郭武星主演『盲龍唖虎』韓国オリジナル版

2009-07-14 13:00:15 | 熱風!韓国LEGENDS
いや~昨日のK1ワールドMAX準々決勝で、山本KIDが韓国のチョン・ジェヒにまさかの1ラウンドKO負け!!私もリアルタイムでは観れなかったので、夜遅くに予約録画しておいたのを観て思わず唖然としてしまいました。
いやはやそれにしても格闘技って本当に何が怒るか判らないので怖いですねえ・・。

さて、「熱風!韓国LEGENDS」第28回は、金正勇導演、カサノヴァ・ウォンこと王虎&郭武星主演『盲龍唖虎』(79)、それも大昔に韓国で発売されていたVHSによるオリジナル韓国バージョン(全編韓国語!)でいきましょう。
恐らくこの映画の英語吹き替えバージョンをご覧になっている方は結構いるかと思いますが、私もこの映画を初めて観たのが今から16、7年ほど前にPALM BEACH ENTERTAINMENTから出ていた英語版のビデオ(紙ジャケ&珍しくちゃんと実際の主演者である王虎の写真がジャケットに使用されていた)『WARRIORS KUNG-FU』でした。
で、今回の韓国オリジナル版は冒頭から雪山をバックにまたも「ドドーン!」と巨大な漢字表記(それも真っ赤な文字!)で王虎、郭武星など主演者のクレジットが次々と映し出されていきます。
いいねえー!やっぱり70年代韓国クンフー映画はこうでなくちゃ(笑顔!)。
作品自体は上記のように現在も欧米で英語吹き替え版DVDが出回っているようですのでここでは細かく触れませんが、幼い頃に生き別れてしまった王虎演じる盲目の兄、郭武星演じる唖の弟が、最初は2人が実の兄弟と知らずに道ですれ違った際に一瞬即発で睨み合ったり、実際に激しく闘ってしまったりと目や口が不自由であるためにお互いが兄弟である事が中々判り合えない兄弟の悲運を悲しげなBGMと共に盛り上げていきます。
この辺りの演出は導演(脚本も)の金正勇が珍しく(?)丁寧な仕事をしていてちょっと感心しましたが、そうは言ってもやはりこの映画の見せ場は王虎と郭武星2人の見事なクンフー・アクション(武術指導は南忠一)にあるのは言うまでもありません。
特に怨敵である将軍(ヒョン・キルスー!)と対決する際に勇壮なBGMに乗って登場した王虎の披露するまさに“Blind Kung-fu”とでも呼ぶべき颯爽とした剣術&代名詞の連続廻し蹴りは思わず「おお、韓国の座頭市登場!」と喝采を叫びたくなるほどのカッコ良さなんですねー!!また郭武星も私が以前からこの人を“韓国の元彪”と呼んでいるほど切れ味鋭い蹴り技を披露しています。
クライマックスは雪山を舞台に、王虎と郭武星が2人に協力する女性の怨敵であるガム・ケイチュー(韓国悪役商会の大御所さん)と文字通り血ダルマの死闘の末にケイチュー王を倒し、そのままボロボロになった3人が決戦場に横たわったままガッチリとお互いの手を握り合うシーンで劇終となります。
私は最初にこの『盲龍唖虎』を観た時に、このラストの大決闘で王虎がケイチュー王に叩き込む連続の大回転蹴りや郭武星の重力どころかセオリー無視のワイヤー大飛翔に「おいお~い?」と苦笑しながらも、ついつい手に汗握って観てしまった思い出があります。
私は韓国時代の王虎主演作品ではこの『盲龍唖虎』と、金宣慶導演作品『金虎門(中文題名『陰陽十八翻』)』(77)の2本が王虎のベスト・ワークだと思います。最後に繰り返しになりますが、これら2作品は欧米で英語吹き替え版DVDがリリースされていたかと思いますので、機会がありましたら是非ご覧になって頂ければと思います。

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『ラスト・ブラッド』DVD発売日決定!&チュ・ジャヒョン主演『失踪』を観る!

2009-07-12 12:07:10 | DVD&Blu-ray情報
まずはDVD情報ですが、我らがチョン・ジヒョン海外進出第1作『ラスト・ブラッド』スペシャル・エディションDVDが10月9日(まだちょっと先ですが)にリリースされるようです。気になる映像特典ですが、“メイキング・オブ・「ラスト・ブラッド」”と題して登場キャラクター紹介、キャストなどのインタビュー(特に倉田さんや元奎動作導演がジヒョンについて語るパートは興味津々!)、さらにはジヒョンのアクション・メイキングやトレーニング・メイキング、VFX(クリーチャー&特殊メイク)メイキング、そしてジヒョンの来日時映像と盛り沢山の内容になっているようです。
もうこれはジアーナじゃなくて(苦笑)、チョン・ジヒョン信者はマスト・バイだセヨ~!♪

さてさて、韓国女優の最新の話題が続きますが、私がこれは観たい!と思っていたキム・ソンホン導演、チュ・ジャヒョン主演のホラー・サスペンス最新作『失踪』(09)をいち早く観る事が出来ました!!
07年に韓国のある村で実際に起きた忌まわしい連続殺人事件を題材とした本作は、ある日突然失踪してしまった妹ヒョナ(チョン・セホン)を探そうと人里離れた村にやって来た主人公の女性ヒョンジョン(チュ・ジャヒョン)の身も凍るような恐怖と壮絶な闘いを描いています。で、実は失踪した妹ヒョナは村の養鶏場の中年男性バンゴン(ムン・ソングン。大怪演!!)によってヒョナの連れの男性は惨殺され(この殺され方が惨い!)、ヒョナも拉致監禁された上にレイプ、拷問(前歯をペンチで何本も抜かれたり・・・絶句!)と散々な虐待を受けます。
ヒョンジョンは村の警察にバンゴンの家を捜索して欲しいと申し出ますが、村人同士の結束が妙に強いせいか、ヒョンジョンの願いも空しく署長はバンゴンの家の捜査も御座なりで終わらせてしまいます。
しかしヒョンジョンが自分を疑っている事を知ったバンゴンは、信じられないような残虐な方法でヒョナを殺し(このヒョナの殺害シーンはあまりにあんまりなのでここでは自粛)、今度はヒョンジョンを拉致監禁しようと「俺、あんたの妹のネックレス拾ったんだけどよぉ?」と言葉巧みにヒョンジョンを誘い、とうとうヒョンジョンはバンゴンに拉致監禁されてしまいます!パングンの家の暗い地下室でヒョンジョンに迫る凄まじい恐怖!絶望!そして妹を殺された怒り!
さあ果たしてヒョンジョンは妹と同じ無残な運命を辿るのか?それともこの残忍な殺人鬼バンゴンと対決し生き延びる事が出来るのか?クライマックスの息を呑むような迫力は思わず観る側をグイグイ!と画面に引き込ませる事必至です。この『失踪』、是非何らかの形で日本でも公開して欲しいです。
こうなったらこれから夏本番に向けて、当ブログでも夏はアジアン・ホラー特集だ!とばかりに70年~80年代作品を中心に「亜洲恐怖片劇場」やろうかなぁ?

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熱風!韓国LEGENDS(27) ブロンソンvsスーパーフット!巴比金主演『満州の復讐者』

2009-07-10 13:42:32 | 熱風!韓国LEGENDS
既に皆さんもご存知かと思いますが、来月8日公開の『劇場版仮面ライダー・ディケイド/オールライダー対大ショッカー』で、あの仮面ライダー4号ことライダーマンが復活し、そのライダーマンを何とGACKTが演じるそうですねー!
まあ故山口豪久さんの『電人ザボーガー』と並ぶ代表キャラであるライダーマンをGACKTが演じる事については映画の公開前の現時点では何とも言えませんが、私としてはライダーマンと言えば子供の時に観た『仮面ライダーV3』最終回の直前でライダーマンが人類を救うために自爆し雄々しく散っていくエピソードが強く印象に残っています。
で、その時ライダーV3がライダーマンの勇気ある最後に対して贈った言葉がまた泣かせるんだよなあぁぁ!(涙)。
これはちょっと久々に『仮面ライダーV3』のDVD借りて来て観てみようかな?

さて、エンジン全開状態の「熱風!韓国LEGENDS」第27回は、エド・ワーニック監督、そして“韓国のチャールズ・ブロンソン”ボビー・キムこと巴比金主演『満州の復讐者』(83)です。この映画は純粋な韓国映画ではなく、巴比金がアメリカに渡って主演したいわゆる“クンフー・ウエスタン系列”の1本です。
映画はコロラドを舞台に自分を育ててくれた叔父のキムに会うために故郷に帰って来た中国人(の設定のようです)のテコンドー使いジョー(巴比金)が街に救う妖術使いの悪漢チャン(T.ツチモト)が狙う黄金の争奪戦に巻き込まれていき、やがてチャンこそかつて自分の父親を殺した怨敵だと判り、ジョーはその怒りのテコンドーで単身チャン一味に闘いを挑んでいく!という展開です。
劇中での台詞は全編英語なのですが、巴比金自身も流暢な英語を話していて、韓国時代の巴比金主演作品ではまず聞く事が出来ない巴比金本人の英語肉声を聞く事が出来るのはちょっと嬉しいですね。
ただ作品的には監督のワーニックの演出が今一つキレがないと言うか盛り上がりに欠けている事と、肝心のアクションも単発では見事なアクション・パフォーマンスが見られながら、そのアクション自体にリズミカルな連続性が無いため観ている側が最後まで乗り切れないという状態が延々と続きます。
そうは言いながらも本作でお馴染みの口髭&ベスト姿で得意の連続廻し蹴りを悪漢たちに叩き込む巴比金の暴れっぷりは実に見事で、そのテコンドー蹴りの冴えは韓国時代の巴比金のアクションを遥かに凌ぐと言ってもいいでしょう。例えば、自分の両側に立つ敵に右の開脚蹴り、左の開脚蹴りを次々と叩き込み、最後は電撃のダブル・バックエルボー!の流れるような巴比金のコンビネーション殺法はまさに圧巻のテコンドー・ファイトで私も思わず何度も観直してしまいました。
そしてこの『満州の~』の最大の注目点が、チャンがジョー抹殺のために呼び寄せた悪辣な無頼集団“風の兄弟”最強の格闘家カミカゼ(凄い名前ですが)に扮したビル“スーパー・フット”ワラスのキャスティングでしょう。
ビル・ワラスと言えば長きに渡り無敵のPKA世界ミドル級王者だった人で、アメリカ格闘技界における伝説的な格闘家ですし、香港クンフー映画ファンにとってはあの『プロテクター』(85)で成龍ことジャッキー・チェンと壮絶な一騎討ちを見せた人と言えばお判りだと思います。
“韓国のブロンソン”vs“伝説のスーパー・フット”!!まさにマニア号泣のスーパー・キッカー同士の夢の激突は、最初からワラス得意の強烈な連続中段蹴りが巴比金の顔面に何度も炸裂し、巴比金も豪快なジャンピング・スピンキックをワラスに叩き込むなど、私たちの期待通りの迫力の攻防が展開されます。
ただこの2人の対決の決着自体は製作側が大物であるワラスに気を遣ったのか、ジョーの猛攻にやや劣勢となったカミカゼがチャンがジョーに倒されたのを見届けると・・そのまま悠然と霧の中に姿を消していくというまるで意味不明の決着となっていて、そこがちょっと物足りなかったですねえ(溜息)。
この『満州の復讐者』はかなり以前に『Manchurian Avenger』のタイトルで海外でVHS(発売メーカーはあのORIONで、ジャケットもイラストの巴比金が超ナイス!)がリリースされていましたし、現在でもそれほど入手が困難な作品ではないと思いますので、機会がありましたら韓国クンフー映画ファンやスーパー・キッカー信者には是非観て頂きたい作品です。
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熱風!韓国LEGENDS(26) 空中大飛翔!王龍導演『警察+チルドゥギとノトル道師』

2009-07-08 03:33:00 | 熱風!韓国LEGENDS
最近海外の友人からパンナー・リットグライの過去の出演作品群(相当古い作品ばかり)のアクション・シーンのみを1枚に12作品収録したDVDの2枚組DVDセットというのを送って貰ったんですが、自作DVDとは言えよくこれだけ根気強く色々と編集したねえ!でもパンナ師匠の古い作品って、みんなどれもが同じ映画に見えるのって私だけかな(爆笑)。

さて、またしても誰も観た事がない、または観ようともしない?レアな韓国武打片を徹底レビューする「熱風!韓国LEGENDS」第26回ですが、今回はあのマイク・ウォンこと王龍が導演し、孫永春が主演した『警察+チルドゥギとノトル道師』(89)です。王龍と言えば『ニンジャ・ハンター/炎の勇者たち』(83)は勿論、『武林大侠』(78)、『少林寺十大掌門』(78)、『少林寺十大女傑』(81)などで知られる韓国武打星ですが、日本では本当に一部のマニアの間でしか知られていない人ですね。で、その王龍の何本かある導演作品の1本がこの『警察~』なわけです。
ちなみに今回この『警察~』には王龍自身は一切画面に登場しません。映画としては悪のゴン・ダルグー博士が、世界征服の野望のために子供たちの誘拐を企み、それを阻止しようとする正義のノトル道師(ちょっと袁祥仁が得意とした道士ルックを彷彿)がアホでマヌケな警官のチルドゥギ(孫永春)に自分の弟子を憑依させゴン博士の悪事を防ごうとする、というコメディ・クンフー映画です。
それにしても主役(と言っても殆ど活躍しませんが)の孫永春がいま話題の東国原知事にソックリの風貌でもうベタなギャグを連発するんで(苦笑)、私としては映画の最初からかなり脱力気味でしたねえ(トホホ!)。
ところが!ところが!映画の中盤、ゴン博士に仕える2人の従者とノトル道師の弟子が激しいクンフー・ファイトを見せる辺りから画面の雰囲気が一変します!ここでは3人が何度も宙を飛び交いながら闘い、さらには相手の頭上で空中連続回転し、挙句は自転車までグルグル!と舞わしてしまうなど、豪快なワイヤーワークを全開にした見事なアクションが次々と披露されていきます。
確かにこの80年代終盤から90年代序盤にかけてワイヤーワークと言えば香港映画の独壇場だったわけですが、それを多少割り引いても王龍導演(武術指導はジャン・ドンイル)がこの『警察~』で構築して見せた豪快なワイヤー・アクションは80年代終盤当時の韓国クンフー映画のレベルとしても十分に及第点を進呈したいですね。
さらにこの『警察~』における豪快なワイヤーワーク描写のクライマックス的なシーンが、映画の終盤で巨大な斧を持ったゴン博士と同じく巨大な剣を持ったノトル道師が目も眩むような谷間の上から下まで大落下しながらチャンチャンバラバラ!とウエポン・ファイトを見せるシーンで、ここはまるであの程小東の導演デビュー作品『ザ・SFX時代劇/妖刀斬首剣』(82)ラストの徐少強vs劉松仁の断崖絶壁の大決戦を思い出してしまいました(ってちょっと誉め過ぎセヨ~!♪)いずれにしろ王龍は1960年1月13日生まれなので、この『警察~』製作時はまだ29歳だったわけで、まさに青年導演としての王龍の意外なほど卓越した腕前に感嘆させられた1本でした。

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