超級龍熱

香港功夫映画と共に

『死亡遊戯』は“龍殿”の解元亡骸役は胡奀?

2022-04-27 08:57:56 | 闘神伝説~李小龍

『死亡遊戯』は“龍殿”でジャバールに転落死させられた解元ですが、そのままリーさんと池漢載が闘うプロセスで、階段の下にズッと横たわる解元の亡骸はどうやら胡奀が解元の黒の道着を着てダブルを担当していた可能性があるようです。
これは他のマニアの方が検証されているサイトを見たのですが、確かにそこに貼られたやや画質が落ちたラフカットの拡大画像を見ると胡奀に見えます。
確かに胡奀は“龍殿”のセットにいましたし新界野外ロケにも参加していました。まだ100%そうだと断言できないのが残念ですが、先日の黄仁植の解元スタントダブル写真発掘の例もありますから、今後解元の黒の道着を来た胡奀の未公開写真が出てくるかも知れませんね。

Seems Gai Yuen dead body was doubled by Wu Ngan.
Not 100 % sure but Wu Ngan was surely there at Floor of Dragon set.So must be him.


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これぞジミー・ウォング最高峰!『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』!

2022-04-22 13:59:27 | 作品レビュー

昨日、久々に『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』(76)を手許にあった北米盤DVD(ワイドスクリーン仕様、北京語音声&英語字幕)で観てました。
いや〜何度観ても面白い♫この映画には娯楽映画の醍醐味が全て詰まってます。
それこそ映画の随所に登場する奇天烈で破天荒なアクションもさる事ながら、やはりクライマックスの俞天龍☓ギロチン坊主こと封神無忌(金剛)による桶屋を舞台とした壮絶なるクンフーファイトこそ圧巻です。
片腕というハンディに加えて、ギロチン坊主が使う戦慄の殺傷武器血滴子に対抗するため、俞天龍は予め桶屋の至る所に様々な“罠”を隠し備えています。
注目すべきは、俞天龍とギロチン坊主の闘いが序盤から中盤で血滴子が真っ二つとなり、そこからは俞天龍とギロチン坊主の素手によるクンフーファイトが延々と展開される事です。
ここでジミー扮する俞天龍が披露する切れ味鋭く、それでいてトリッキーな拳技アクションこそ必見です。桶屋という閉ざされた密室的空間が生んだスリリングかつ特異な視覚効果によって、ジミー俞天龍のキレが冴え渡る拳技アクションの魅力が最大限に発揮され、そのラストの俞天龍の必殺の鉄拳を浴びたギロチン坊主が桶屋の天井を突き破り、野外の棺桶に落下し絶命!という衝撃のエンディングに至ります。
では何故本作でジミーが披露する拳技アクションが素晴らしいか?それは本作の武術指導を劉家良&劉家榮の劉氏兄弟が担当しているからです。
力強く俊敏な本物の南派洪家拳宗師の劉家良が構築する拳技だからこそ、そのジミー俞天龍のクンフーアクションが見応えあるのは当然なわけです。
事実、私がジミーにインタビューした時も「劉家良師父は本物だよ。素晴らしかった。劉師父には本当に助けて貰った。袁和平?ああ、アイツは俺の映画でよく絡み役やってたよ」と“天皇巨星”の劉家良と袁和平に対する評価はこちらが呆れるほどハッキリと別れていました。
クンフー映画に登場する派手な足技アクションは、ある意味どんなレベルのファンでもその凄味と迫力は分かり易いでしょう。そこら辺の無知で恥知らずの自称武道家とやらでも分かる。
ただジミー・ウォングが見せる独特の佇まいと味わい深い拳技アクションは、それこそ長年に渡り多くのクンフー映画を観続けて来た、クンフー映画に対して愛情溢れるファンだからこそ理解出来るし、また心から楽しめるのです。

Just watched again One-armed Boxer vs the Flying Guillotine DVD.This is what we called classic!!


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最後の激闘遺作!『ドラゴン/さらばブルース・リー死亡遊戯』新聞広告!

2022-04-21 10:03:07 | 闘神伝説~李小龍

最後の激闘遺作!『ドラゴン/さらばブルース・リー死亡遊戯』!
恐らくまだ『ブルース・リー死亡遊戯』(78)完成前に東宝東和が出した新聞広告だと思いますが、監督もリーさんのままだし、何よりクライマックスの五重塔が“七層の塔での壮絶な死闘!”扱いになっています。
この点からも当時の嘉禾影業側が公開権利を売った東宝東和に対してでさえ如何に情報を小出しにしていたか、が分かりますね。
この『死亡遊戯』のクライマックスが“七層の塔”を舞台にしている、の情報は国内では意外に長期に渡り信じられていて、この前後に映画評論家の先輩宇田川幸洋さんが別名義で書いた『死亡遊戯』のノベライゼーションも“七層の塔”が舞台として登場していました。ただ私が宇田川さんにこの『死亡遊戯』ノベライズ執筆についてお訊きした際、出版元に香港から送られて来た資料はペラペラの紙数十枚で、宇田川さんはそれを基にストーリーを膨らませてノベライズを書き上げたと仰っていました。
しかし例えペラペラの資料数枚でも、この75年前後の段階で“七層の塔”に主人公の他に何人も挑戦者が同行する設定や、闇の番人ジャバールのホラーテイストの設定を資料提供側が一体どんなルートで嘉禾側から得ていたのか、その辺りは大変興味深いですね。

Old Japanese newspaper advertisement of Game of Death before final film title was announced.

コメント (2)
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英雄は生きるべきか?死すべきか?『ドラゴン怒りの鉄拳』伝説のラスト回想。

2022-04-18 09:40:39 | 闘神伝説~李小龍

『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)における、今も伝説のラストシーンとして広く知られる陳眞が物悲しげな怪鳥音と共に大飛翔してからのストップモーションのエンディング。
皆さんもご存知のように、このエンディングに関してはリーさんの「主人公である陳眞は生き残るべきだ!」と、監督である羅維の「いや例え恩師の復讐のためとはいえ多くの人間の命を奪った陳眞は自分の命でそれを償うべきだ!」と真っ向から意見が別れました。

結果、リーさんがアメリカ在住時に見た『明日に向かって撃て!』(69)のポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが銃弾の雨に突っ込んでいくエンディングを巧みにアレンジした上記の大飛翔のエンディングという圧巻のラストとなり『〜怒りの鉄拳』は李小龍不滅の最高傑作となりました。
ただここで改めて重要なのがリーさん演じる陳眞がニューマンやレッドフォードのようにカメラに向かって銃を撃ちまくりながら走り出すエンディングではなく、精武館をバックに怪鳥音の雄叫び諸共、高々とジャンプするストップモーションのエンディングを撮った事です。
この大飛翔のエンディングをストップモーションとした事で、私たち観客は“精武英雄”陳眞が自らの命と引き換えに精武館を存続させ、そのまま雄々しく天に召されていくイメージをハッキリと思い浮かべると同時に、その崇高なる犠牲的精神に深い感動を感じる事が出来たからです。
それが証拠に4年後に同じ羅維監督が撮った成龍主演『レッドドラゴン/新・怒りの鉄拳』(76)でも成龍演じる阿龍がラストで陳眞と同じように銃弾の雨に倒れますが、この時は何故か大飛翔ではなく、阿龍がその場で立ち尽くした状態で銃弾を浴びる設定にしてしまったため、前作『〜怒りの鉄拳』の陳眞のような崇高な感動を生む事もなく、ただ悲壮感と後味の悪いエンディングとなってしまったのでした。
そういう意味でも『ドラゴン怒りの鉄拳』はご覧のように自身も警察署長役で出演もした羅維監督にとって、まさに全てが完璧に仕上がった映画人羅維のベストワークでもあったのです。

Legendary ending from Fist of Fury.


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『死亡遊戯』に見る“フィリピンの魔杖師”の警告、その真の意味。

2022-04-10 19:55:46 | 闘神伝説~李小龍

パスカル「カンカカカンカン!・・カンカン!」

『死亡遊戯』決戦の地、五重塔は3階を守るフィリピノカリの達人パスカルによる塔の侵入者たちに対する“警告音”が塔内に悠然と鳴り響く・・!。
昨年開催しました「龍熱トークライブ2021」にご来場下さった方々は、このパスカルことダン・イノサントが2本のカリスティックをリズミカルに打ち鳴らす相手が実は主人公李小龍ではなく、同じ五重塔挑戦者の田俊と解元である事は既にお分かりだと思います。
実は私が2000年にダン・イノサント先生にインタビューした際、イノサント先生が「私がカリスティックを打ち鳴らすあの行為にはフィリピン武術ではちゃんと意味があるんだ。実際はカリスティックを打ち鳴らすのではなく、カリでもう片方の腕の上腕部分を上下に叩き、これからお前と闘う!と相手に知らせたり、叩き方を変えるとお前と闘う、但し血は流さない!と闘いのメッセージを相手に伝える目的があるんだよ。
ただ『死亡遊戯』の撮影現場でブルースがダン、そのリズムじゃダイナミックじゃないだろ?と指摘して、君たちが完成した映画で見たカンカカカンカン!にチェンジしたんだよ」と実に興味深い秘話を話してくれました。
さらにイノサント先生はその場でシャープペンとペットボトルを使って「ポンポポポンポン、ポンポン!」と『死亡遊戯』のパスカルの“警告”シーンを私の目の前で再現してくれたのを覚えています。
最後にほんの少しだけ未公開の情報をお話しますと、このパスカルの“警告”シーン、李小龍監督のオリジナル版ではパスカルがその2本のカリスティックを皆さんが想像する以上に執拗に何度も叩きます。何度もです。そう、ロバート・クローズ版『ブルース・リー死亡遊戯』(78)でレッドペッパーレストランに乗り込んできたビリー・ローを待ち構えていたパスカルが見せたまるで“未知との遭遇”のようなスリリングな“宣戦布告”シーンは、まだその全貌のほんの一部でしかなかったんですね。

Dan Inosanto ready to fight against James Tien and Gai Yuen but not Bruce Lee from original Game of Death .


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兄貴みたいな人でした・・!“和製ドラゴン”倉田保昭から亡きジミー・ウォングに追悼メッセージ!

2022-04-07 14:03:24 | その他

今月5日に亡くなりました“天皇巨星”ジミー・ウォング。世界中のクンフー映画ファンが今も悲しみに沈んでいます。そしてジミーと『ドラゴンvs不死身の妖婆』(73)でダブルヌンチャクを手に激闘を展開し、プライベートでも長きに渡りジミーと交友関係があった“和製ドラゴン”倉田保昭さんもまた深い悲しみに沈んでいらっしゃいます。私が思い切って倉田さんにジミーさんの思い出をファンの皆さんにお話頂けませんか、とお願いしましたところ、倉田さんから以下の追悼メッセージを頂きました。

私はこの倉田さんのジミーさんへの追悼メッセージを拝読した時、和製ドラゴンの“台湾の兄貴”を失った痛烈な悲しみが文面から溢れ出ていて、思わず涙が出ました。では倉田さんのジミー・ウォングへの追悼メッセージです、どうぞ。

 

さびしいです。悲しいです。

兄貴のような人でした。

まだ建設中だった陽明山の自宅に案内されたのは、

もう半世紀も前の事ですが、まるで昨日のように感じます。

本当に弟のように可愛がって頂きました。

台湾の北投温泉、牛肉面を食べに、そして映画祭、そのたびにニコッと笑い

『倉田さん』と寄って来てくれました。

日本では、二人だけでフグも食べました。

そして私のポルシェに小さくなって乗り込んで、東京の街を走りました。

もう一度、映画で共演したかった、憧れの兄貴でした。

大学生の時に観た『座頭市破れ唐人剣』カッコ良かった。

どうか安らかに。

今はコロナで行きたくても、台湾へ行けません。

さようなら、ジミーさん。倉田保昭

 

倉田さん、大きな悲しみの中にもジミーさんに対する深く厚い親愛の情が込められた追悼メッセージ、本当に本当にありがとうございました。

また1人、偉大なドラゴンが天に昇りました。改めまして“天皇巨星”ジミー・ウォング先生のご冥福をお祈り致します。合掌。


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“天皇巨星”ジミー・ウォング、死去!

2022-04-05 10:55:11 | ニュース

“天皇巨星”ジミー・ウォングこと王羽が亡くなりました。享年80歳。とうとう李小龍と並ぶ香港クンフー映画の偉大な伝説が逝きました。涙が止まりません。ジミーさん、ありがとうございました!!!

https://m.sohu.com/a/535377375_603537/?pvid=000115_3w_a


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ジョン・サクソン生涯のベストファイト!『燃えよドラゴン』vs楊斯の背景。

2022-04-02 15:43:40 | 闘神伝説~李小龍

ローパー「やはり俺には越えられない一線があるようだ」
ハン「フン!私の思った通りだな?ボ〜ロ!」

『燃えよドラゴン』(73)の終盤、ラストの李振強☓ハンのセミファイナル的なファイトシーンがこの広場でのローパー☓ボロです。
このジョン・サクソンが楊斯扮する怪力ボロと一騎討ちを展開するシーンは、それまでB級西部劇やアクション映画で平凡な殴り合いアクションしか見せて来なかったサクソンとはまるで別人のような切れ味鋭くリズミカルなファイトシーンに仕上がっています。
勿論それは本作『燃えよ〜』のアクション監督を担当した李小龍ことリーさんがこのローパー☓ボロのアクションを構築したからです。
特にローパーがボロの強烈な腕ひしぎ十字固めを足に噛み付いて脱出し、そこから軽快なステップワークでボロを撹乱しながら顔面に何度もパンチを打ち込み次第にボロを精神的かつ肉体的に追い込んでいく流れは、まさに『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)の陳眞☓ペドロフの日本庭園の決闘シークエンスの再現です。
但しそれは決して手抜きやコピーではなく、リーさんのサクソンに対する心からの親愛の気持ちが敢えて自分の代表作のベストファイトのエッセンスを込めたシークエンスをサクソンに進呈したと考えるべきでしょう。実は『燃えよドラゴン』出演のオファーが来た時、サクソンは自分がこの映画に出演する事が作品の“格上げ”になる、と信じていました。
しかし香港を訪れ李小龍と言うアジアのスーパースターと撮影を共にする内にサクソンはその自分の考えが間違っていた事を悟るのでした。
だからこそ本作『燃えよドラゴン』劇中でのローパー☓劉永、ローパー☓ボロの2大ファイトが作品公開から約50年の月日が経った今も決して色褪せる事なく、俳優ジョン・サクソン生涯のベスト・ファイトとして私たちの記憶に刻み込まれているのです。

Roper against Bolo from Enter the Dragon.Without doubt,John Saxon's best fight ever with his entire film career.And needless to say this fight sequence was staged by Bruce Lee.


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