超級龍熱

香港功夫映画と共に

倉田保昭直筆サイン入り『無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く』生写真!

2024-11-02 21:18:23 | その他
自宅の龍熱の部屋の棚の奥から出て来た倉田保昭さん直筆サイン入り『無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く』(74)生写真。
この倉田さんのサイン、私は倉田さんに何時何処で頂いたのか全く記憶にありません😅。
この倉田さん☓梁小龍がローマ市街で壮絶な蹴り合いを見せるクンフーファイトは当時はゲリラ撮影、つまり呉思遠監督とカメラマン数名と倉田さん、梁小龍だけで強行した完全な盗み撮りでした。
今なら下手したらローマ警察に逮捕されてしまうかも知れませんが😅、当時も強面の東洋人2人がいきなり目の前で蹴り合いを始めたのを見たローマ市民たちは「な、なんだ?この東洋人たちは?何で殴ったり蹴り合ってるんだ!?」と唖然とした事でしょう。
それでもここで倉田さん☓梁小龍が見せる殴っては走り、蹴っては走る、いわゆる“ハイスパートクンフー”は圧倒的に素晴らしく、今も日本を含めた世界中の香港映画ファンたちから「これはクラタ&ブルース・リャンたち黄金コンビの『帰って来たドラゴン』と並ぶ傑作だ!」と絶賛され続けているのも納得です。
余談ですが、このクライマックスの倉田保昭☓梁小龍の激闘は、何故かローマ市街から突如として雪山(!)に舞台が変わり、さらには倉田さんの破天荒なトランプ攻撃!(!)と、ある意味衝撃的な展開が待っています。
それについて以前に倉田さんにお訊きしたところ、我らが和製ドラゴンも「いや、あれはねえ!」と思わず苦笑しながらも懐かしそうに笑顔だったのを思い出しました😊。
いま全国を縦断しながらヒットを続けている倉田保昭凱旋帰国記念作品『帰って来たドラゴン』(73)に続いて、本作『無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く』も倉田保昭凱旋帰国記念シリーズ第2弾!として是非とも劇場リバイバル公開して欲しいですね。

Yasuaki Kurata autographed for me on Little Godfather from HongKong photo.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ヤング・マスター』での成龍とのスカート決闘は永遠に!李麗麗が死去。

2024-10-28 17:08:40 | ニュース
70年代から80年代の香港クンフー映画を代表する女ドラゴンである李麗麗が本日28日に癌のために亡くなったそうです。享年75歳。

https://www.hk01.com/%E5%8D%B3%E6%99%82%E5%A8%9B%E6%A8%82/1070571/%E6%9D%8E%E9%BA%97%E9%BA%97%E9%A9%9A%E5%82%B3%E6%82%A3%E7%99%8C%E9%9B%A2%E4%B8%96%E4%BA%AB%E5%B9%B475%E6%AD%B2-%E5%85%A5%E8%A1%8C%E8%B6%85%E5%8D%8A%E4%B8%96%E7%B4%80%E9%A6%96%E6%8B%8D%E5%8A%87%E5%B0%B1%E5%81%9A%E5%A5%B3%E4%B8%BB%E8%A7%92

私たち日本人の香港クンフー映画ファンにとって李麗麗と言えば、まず真っ先に思い浮かぶのが『ヤング・マスター師弟出馬』(80)での成龍相手に華麗かつ俊敏なスカート決闘を披露した李麗麗でしょう。
他にも邵氏兄弟公司作品で劉家良監督『激突!蟷螂拳』(78)、本格派クンフー映画『獨脚鶴』(79)、そして李麗麗の女師匠役が印象的な孟元文主演『カンフー仁義/復讐の刃』(80)など数多くの佳作に出演した人でした。
ユニークな作品では李麗麗が女透明剣士を演じた邵氏作品『隱身女俠』(71)もありました。
晩年は電視劇にもよく出演していましたが、今は突然の訃報に言葉もありません。また1人香港映画の美しき女ドラゴンが逝きました。合掌。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『麒麟掌』スペシャル Part2「麒麟掌的未公開映像超級探訪」

2024-10-25 20:52:55 | 闘神伝説~李小龍
大変お待たせしてしまいました『麒麟掌スペシャル』Part2ですが、今回は「麒麟掌的未公開映像超級探訪」と題しまして、既に製作から51年、約半世紀が経ちました李小龍関連作品最凶の問題作品『麒麟掌』にはズバリ!どのような未公開映像が存在したか?を探求したいと思います。
まず『麒麟掌』に登場する李小龍の“出演シーン”は、映画冒頭オープニングクレジット直後の野外で李小龍が武術指導する様子を撮った、如何にも盗み撮りらしきシーン。
主人公である小麒麟が恩師(李小龍の設定?)と会話するシーンに李小龍の盗み撮りした顔のアップを強引に挿入したシーン。そしてエンディングでマスコミに囲まれた李小龍が孟海少年をヘッドロックに決め、その後ろを倉田保昭さんが通り過ぎるセット内のシーン、の3箇所になります。
私が思うに当時『麒麟掌』本編に挿入せずに未公開映像が残った可能性があったのは野外で李小龍が武術指導する様子を撮影したシーンだと思います。
それが星海影業関係者が多方面で「我々が撮影した李小龍の『麒麟掌』の映像は約20分あった」と証言していた未公開映像を指していた可能性が高いと推察出来ます。
ただそれよりも実際にこれまで広く出回って来た『麒麟掌』の英語版には未収録の未公開映像で、私が実際に観た映像があります。
それが『麒麟掌』の劇場公開当時のオリジナル予告編です。これは予告編ながら『麒麟掌』の見せ場を殆ど収録しているロングバージョンの予告編で、ハッキリ言ってこのロングバージョン予告編を見れば本編は見なくていいかも?と思わせる超お得感ある予告編になっています。
その予告編の最後に前述したセット内で李小麒が孟海にヘッドロックを決めるカットが出回っていた英語版のエンディングより数秒(!)長かったのです。
この『麒麟掌』ロングバージョン予告編は、近年に海外DVDに収録されましたが、その肝心のラストの孟海ヘッドロックの箇所になると、何故か画面が不自然に暗転して予告編が終わっていました。
明らかに李小龍が孟海を数秒長くヘッドロックに決めるテイクを意図的にカットしたわけです。
私が観た『麒麟掌』ロングバージョン予告編の孟海ヘッドロックの数秒長いの“数秒”は恐らく3秒ほどだと思いますが、それこそ李小龍信者にとってその“3秒”は世界遺産的な価値のある数秒なわけです。
何故いまその『麒麟掌』ロングバージョン予告編のラストの孟海ヘッドロックが完全な形で見れないのか、その理由は不明ながら、この貴重な劇場公開予告編は是非完全な形で公開して欲しいと切に願います。
最後にご覧の『麒麟掌』劇場公開当時の新聞広告の一番下に広告が掲載されている同じ星海影業作品『死亡任務』にも注目です。
この作品内容が今だ一切不明の『死亡任務』に関しては、私自身も長年に渡りその謎に包まれた内容を探求している作品です。
ただ『麒麟掌』とほぼ同キャストが表記されている点からも、もしかしたらこの『死亡任務』に『麒麟掌』で使用されなかった李小麒の未公開映像が挿入されていた可能性は決して否定出来ないと思うのです。

さて「龍熱的香港功夫電影新聞広告大全」として全2回に渡ってお届けしました『麒麟掌スペシャル』如何でしたでしょうか?
この問題作品である『麒麟掌』こそが、未完成作品『死亡遊戯』と並んで、我々李小龍信者にとって今も多くの謎と魅惑に満ちた、まさに強烈なほど刺激的な李小龍作品である事を改めて再認識出来た特別企画だったと思います。
私こと龍熱はこれからもこの謎に満ちた問題作品『麒麟掌』の真実を追い求めていくつもりです。

Fist of Unicorn old but cool HK newspaper advertisement.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あなたは『ドラ道』派?『死亡遊戯』派?選択される唐龍怒りの咆哮

2024-10-19 21:40:31 | 闘神伝説~李小龍
唐龍「この悪党めえぇぇ〜!!(柴俊夫調で)」

この『ドラゴンへの道』(72)のコロシアムの決闘後、逃げる何泰(魏平澳)に向かって唐龍が「この悪党めぇ!(英語ではYou bastard!!)」と怒りの咆哮を発する場面。
この画像をそのまま『ドラ道』の唐龍として見るか、それとも『ブルース・リー死亡遊戯』(78)オープニングの「ホワアアアアァァァアア〜!」とクリスケントの怪鳥音を挿入した流用カットとして見るかで、そのリーさん信者の好みが分かるわけです😉。

ちなみに私は断然『〜死亡遊戯』オープニング派で、何故なら78年『〜死亡遊戯』劇場公開当時はまだビデオデッキが家庭に殆ど普及しておらず、リーさん作品を自宅で繰り返し観賞する方法がありませんでした。
なので龍熱少年もこの「この悪党めぇ!」が『ドラ道』終盤に出て来る唐龍のカットだったとは思い出す事が出来なくて、どうしても『〜死亡遊戯』オープニングの方がインパクトがあったんですね。
最後に余談ですが、この『〜死亡遊戯』オープニングの「ホワアアアァァァアアア!」のクリケン怪鳥音、各種存在するVHSのバージョンによっては無音声になってしまっていて、龍熱青年はテープを再生しながら「あれ?このテープ音が出ないぞ。不良品かな?」とイライラしたりしてました😚。

You bastard!!Cool shot from Way of the Dragon.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『燃えよドラゴン』で李小龍が使用した黒ヌンチャクの行方は!?

2024-10-11 17:16:35 | 闘神伝説~李小龍
『死亡遊戯』のイエローヌンチャクと共にその行方が気になる『燃えよドラゴン』(73)の地下牢ファイトで李小龍が使用した写真の黒のヌンチャク。
実はこの黒のヌンチャクに関しては、途中までその行方が分かっています。『燃えよドラゴン』撮影終了後、リーさんこと李小龍はこの黒のヌンチャクのグリップ部分に白のマジックで直筆サインを入れると、それをリーさんのお気に入りカメラマンだった陳旭に「貰ってくれ」とプレゼントしました。
2人の固い信頼関係が分かりますね。リーさんが亡くなった後、陳旭はその黒のヌンチャクを大切に保管していましたが、そこに李小龍の研究者では世界No.1のジョージタンが訪れ、2人は『燃えよドラゴン』のヌンチャクの話題になりました。
陳旭はリーさんからプレゼントされた黒のヌンチャクを出して来ると「良かったら君に貸してあげようか?」と驚きの申し出をします。
その陳旭の好意にジョージさんは「い、いやお気持ちは凄く嬉しいんですが、もしこのヌンチャクをお借りしたら、僕は貴方にこれを返したくなくなってしまうと思うので遠慮します💦」と固辞したそうです

Cool shot from Enter the Dragon.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何宗道主演作品は本当に李小龍未亡人に告訴されていた!!

2024-10-04 16:33:02 | 闘神伝説~李小龍
昨日、更新しました「龍熱的香港功夫電影新聞広告大全」の『麒麟掌』スペシャルPart1「李小龍與星海影業盗撮事件秘録」でも触れましたが、李小龍は実際には星海影業を『麒麟掌』(73)での盗撮や映像の無断挿入で告訴までには至らなかった、の考察で思い出したのが何宗道(即:黎小龍)でした。
皆さんも以前に白夜書房が「〜超全集」シリーズの新刊として「クンフー映画大全集」を企画し実際に製作がスタート。私たちライターも原稿を書き始めながら諸事情で「クンフー映画大全集」は製作中止になった経緯はご存知かと思います。
ただその製作過程で、白夜書房編集部から「良かったら知野さんに担当して頂く原稿の資料として使って下さい」と渡された香港の古い映画雑誌、香港映画会社の機関誌などの大量の資料の中にある裁判記録のコピーがありました。
それが李小龍の未亡人だったリンダ・リーが黎小龍(当時)の某主演作品を告訴した際の裁判資料だったんです。私も当時から噂や日野康一さんの文献などでリンダ夫人がソックリさん映画の内容に激怒して告訴した、とは聞いていましたが、まさか本当に裁判になっていたと知り、ビックリしたのを覚えています。
同時に白夜は私にこんなヤバい資料を使ってどんな原稿を書けと言うのか?とかなり戸惑ったのも事実でした😅。このリンダ夫人☓黎小龍映画裁判の資料は今でも何処かに保管してあるので、機会ありましたら探してみたいと思います。
最後に余談ですが、何宗道は1980年代半ばに愛妻を癌で亡くし、その悲しみから俳優引退を選んだと言われていますが、現在は再婚しています。
そして驚くなかれ、その何宗道の現在の奥さんはかつて郭南宏監督の会社に勤務していた日本人女性です。これはもしかしたら私も何宗道夫人を通せば、伝説の最強ソックリさん武打星に奥さんの日本語通訳付きでインタビュー出来るかな♫。

Bruce Li now.Living legend of Bruceploitation films.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『麒麟掌』スペシャル Part1「李小龍與星海影業盗撮事件秘録」

2024-10-03 19:36:15 | 闘神伝説~李小龍
私たち日本人の李小龍信者の“問題作品”にして星海影業製作『麒麟掌』(73)に対するイメージは「ほぼ反社映画会社だった星海影業が小麒麟に初主演映画を餌に親友の李小龍を誘い出させ、李小龍が撮影現場で武術指導する様子を無断で撮影し、その映像を勝手に作品に挿入。それを知った李小龍が激怒し星海を告訴。李小龍と小麒麟の関係も終わった」だと思います。
ただここで『麒麟掌』の真実を語るに最も相応しい人物が登場します。そう、それが星海影業の社長にして『麒麟掌』の製作責任者だった時潮欽です。
実は私の友人にして皆さんもご存知のトビー・ラッセル監督は以前に時潮欽と対面していて、その際にトビー監督と時潮欽社長で『麒麟掌』の話になりました。その際、時潮欽社長はトビー監督に驚くべき事実を明かしたそうです。

時潮欽「いや、そもそも李小龍は『麒麟掌』の撮影現場や記者会見に出席した自分(李小龍)を我々が撮影する事は構わない、撮影していいよと言ったんだよ!」

この衝撃的な証言は、問題行動と言われる撮影行為を行った側の星海影業のトップの発言である事を差し引いても、大変重要な意味を持つ証言でしょう。
つまりもし時潮欽社長の証言が事実ならば、長年に渡り我々が信じて来た「星海影業が『麒麟掌』の李小龍出演シーンを盗撮した」は事実無根となるからです。
さらにこれまで私がリサーチした限りでは、李小龍が『麒麟掌』で自分の出演シーンを盗撮し、無断で作品に挿入した行為に対して星海影業を正式に告訴した、との事実は発見出来ませんでした。

さらに細かく考察すると、私が聞いた別の話では李小龍は時潮欽社長に「記者会見の撮影は何々、ロケ現場の撮影は何々」と撮影OKな場所とNGな場所を細かく伝えていたとも言われています。
また例え李小龍が時潮欽社長に『麒麟掌』の自分の“出演シーン”の撮影をOKしたとしても、それを劇場公開される映画に無断で挿入して良いか悪いかは一般常識で考えれば誰にでも分かる事なわけです。

最後に私から見た『麒麟掌』の李小龍盗撮事件の結論は李小龍と時潮欽社長、どちらの発言が正しい間違っている以前に、李小龍が『麒麟掌』に出演しているシーンを撮影する事、そしてその映像を『麒麟掌』本編に挿入する事を当時の両者が口約束ではなく、正式な契約文書にしていない限り、正しい結論に辿り着く事は永遠にないと言う事です。

Fist of Unicorn HK newspaper advertisement.Special thanks to Toby Russell for Fist of Unicorn infor.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“燃える闘魂”アントニオ猪木よ、永遠なれ!!

2024-10-01 10:56:24 | その他
「プロレスこそ世界最強の格闘技である!」「いつ何時、誰の挑戦でも受ける!」「例えリングの外で何があろうと、リングの中は闘いである!」

私が今日まで54年間、プロレスファンである事に誇りを持って生きて来たのも、このアントニオ猪木さんの言葉に支えられて来たからです。
猪木さん、ジャイアント馬場さんのいないプロレス界は本当に寂しいです。それでも50年以上も猪木さんや馬場さんと同じ時間、同じ時代を共有出来た私は心から幸せです。
猪木さんも馬場さんも最後までプロレスを守りました。私も微力ではありますが、大好きなプロレスを守れるようにこれからも頑張ります。“燃える闘魂”の魂よ、どうか安らかに。

Greatest wrestler of all time Antonio Inoki.R.I.P.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緊急告知!龍熱が李小龍“問題作品”『麒麟掌』に迫る!

2024-09-24 19:44:30 | 闘神伝説~李小龍
緊急告知!次回の「龍熱的香港功夫電影新聞広告大全」は李小龍作品最大の問題作品『麒麟掌』(73)登場!諸事情で休止中の「龍熱チャンネル」の分も含めて、龍熱がこの“問題作品”に踏み込みます!誰よりも踏み込みます!ご期待下さい😊。

We will feature Bruce Lee's worst nightmare film Fist of Unicorn.So stay tuned!!

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラッセル・カウソンが編集した“第3の『死亡遊戯』”とは何か?

2024-09-23 11:43:01 | 闘神伝説~李小龍
既に出尽くしたと言われる『死亡遊戯』の未公開フィルム。でも探せばまだまだあるんです。
例えば李小龍関連のドキュメンタリーの最高峰と称賛される『ブルース・リーの神話』(84)。
本作の中盤に挿入された『死亡遊戯』の数々の未公開テイクやアウトテイクは当時は大変な衝撃でした。
さらにその数年後に発見された『死亡遊戯』の未公開テイクがさらに大量に追加された『〜神話』別編集バージョン(ご覧のジャバール戦でカメラに向かってOKテイクを確認する李小龍も挿入されていました)も当時『死亡遊戯』の全てを見たがっていた我々李小龍を大興奮させたわけです。
実はこの『ブルース・リーの神話』は当初嘉禾影業が李小龍の10周忌に合わせて、それこそ『死亡遊戯』をメインテーマに企画されたドキュメンタリーでした。その言わば“早過ぎた『A Warriors Journey』”の陣頭指揮を取ったのが嘉禾の重役ラッセル・カウソンで、カウソンは『死亡遊戯』の撮影済みのフィルムを駆使して一度は五重塔内のファイトシーンを編集し終わったと言われています。
ところが、この時、これまで私が何度か触れていますように社長の鄒文懐からカウソンに突然「『死亡遊戯』ではなく李小龍の生涯をフィーチャーしたドキュメンタリーに変更してくれ」との要請が入り、そこから『ブルース・リーの神話』は大幅な路線変更を強いられます。
その後、完成し公開された『〜神話』に大量の『死亡遊戯』の未公開テイクが挿入されていたのは、そのカウソン版『A Warriors Journey』の名残りなわけです。ただ私がチェックポイントとして挙げたいのがラッセル・カウソンが当初『〜神話』の初期製作過程で編集した『死亡遊戯』の五重塔内ファイトシーンが果たしてどのテイクを使って、どのような展開のファイトシーンだったのか?です。
何故なら当時の嘉禾製作サイド&カウソンが李小龍の死後に恐らくはリンダ夫人がアメリカに持ち帰ったと思われる李小龍の『死亡遊戯』の詳細な設定ノート「死亡的遊戯之進攻計劃」に目を通していた可能性はかなり低いと思われるからです。
さらに李小龍が遺し、嘉禾が保管していた『死亡遊戯』の撮影済みフィルムにはダン・イノサント☓解元の丸太戦、新界野外ロケ映像も収録されていたはずで、当然カウソンは丸太戦も編集し『〜神話』のファイトシーンに挿入したでしょう。
アートポートでもない、ジョン・リトルでもない、まさにラッセル・カウソンが約41年前にごく限られた情報と資料だけで編集した五重塔ファイトシーン、言わば“第3の『死亡遊戯』”。
もしその“第3の『死亡遊戯』”が今もフォーチュンスター社のフィルムアーカイブに保管されているなら是非観てみたいものです。

Cool out-takes from Game of Death.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする