超級龍熱

香港功夫映画と共に

「最後的死亡遊戯」⑥ 赤の照明は“死の警告”!韓国合気道金段池漢載登場!

2023-09-18 13:43:17 | 闘神伝説~李小龍

さて、五重塔の闘いは4階は“龍殿”へと上がります。この“龍殿”で私たち観客は初めてそのフロアの闘いの最初から李小龍、解元、田俊たち3人の挑戦者が揃った形で塔の番人と対峙する姿を観る事となります。
この“龍殿”では下階の“虎殿”では僅かしか観れなかった3人それぞれの細かいキャラクター設定や微妙な上下関係がハッキリと観客に伝わるよう描かれていて、それもあってか、私は五重塔のファイトシーンではこの“龍殿”が一番好きなフロアです。
“龍殿”を守るは韓国合気道の大家池漢載。嘉禾作品『アンジェラ・マオの女活殺拳』(72)で黄仁植と共に香港の映画ファンに初めて韓国合気道を紹介する機会を得た池漢載は、本作『死亡遊戯』でいよいよ武打巨星李小龍との対決を迎えます。
まずご覧の“武芸者”こと池漢載の初登場シーン。カーテン奥のベッドに寝転がりながら李小龍を迎え討つ韓国合気道金段の余裕綽々な姿が印象に残ります。
この光景は本作『死亡遊戯』において下階は“虎殿”の番人ダン・イノサントの初登場シーンである虎の毛皮の椅子に座りジッと塔の挑戦者を見据える姿と共に実に重要なシーンです。
何故なら李小龍監督が本作『死亡遊戯』で特に入念に描こうと試みた、塔の挑戦者たちが五重塔最上階を目指し塔の各階を突破しようとするも、各階の番人にその都度止められるという、息詰まる緊張感に満ちた対峙シーン。
この各階の番人登場シーンこそ本作『死亡遊戯』の裏テーマである、塔を上がろうとする者とそれを止めようとする者、その闘いにおける個々の順応能力が試される命懸けのデスゲーム、の導入部分として絶対に欠かせないシーンだからです。
またこれは繰り返し語られて来た事柄ながら、ご覧の李小龍、解元、田俊を迎え討った武芸者がカーテン横の柱に備えられた電灯スイッチを押し“龍殿”内の照明が点火する一連の興味深いシークエンスがロバート・クローズ監督『ブルース・リー死亡遊戯』(78)ではバッサリとカットされてしまったのは改めて残念でした。この武芸者による照明点灯シーンを入れれば、この後の武芸者の台詞シーンを口パクにする必要もなかったし、照明の色の変化も李小龍が単独で映るシーンの色彩調整で幾らでも対応出来たでしょう。
そして何よりこの照明点灯シーンを入れるだけで、78版『死亡遊戯』で我々観客が殆ど感情移入出来なかったある意味“アッサリとしたビリー・ロー☓武芸者の闘い”にスリリングな対立概念を生む事が可能だったと思うのです。
さて、これからこのデスゲーム検証コラム「最後的死亡遊戯」は「The Final Game of Death 」での“龍殿”フロアの細かいテイクの相違点検証に加えて、“韓国の猛将”黄仁植の意外にして驚きの登場となります!Let's the death game begin!!

Tさん、画像提供ありがとうございました😊。

Pagoda challengers against Korean hapkido master from The Final Game of Death.


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「最後的死亡遊戯」⑤ このヌンチャク合戦シーンは本当に必要だったのか?

2023-09-13 17:52:46 | 闘神伝説~李小龍

五重塔は3階“虎殿”で繰り広げられた李小龍☓ダン・イノサントの世界最高峰のヌンチャク戦。
ただご覧のヌンチャク戦の終盤、李小龍がイノサントに連続廻し蹴り4連発を叩き込む直前に2人が見せるヌンチャクのスイッチワーク合戦はロバート・クローズ監督『ブルース・リー死亡遊戯』(78)には登場せず、後年にアートポート製作『BRUCE LEE in GOD/死亡的遊戯』とジョン・リトル監督『A Warriors Journey』(共に00)で初めて正式に本編に挿入されたアクションシークエンスでした。
実はこのヌンチャク合戦は、1980年代に香港李小龍截拳道研究学会が発行していた雑誌BMシリーズの『死亡遊戯』特集記事で劇場生撮り写真ながら既にその存在は知られていて、後に我々日本のファンもドキュメンタリー作品『ブルース・リーの生と死』(73)で断片的ながら映像で観る事が出来ました。
では何故にクローズ監督は78版『死亡遊戯』でこのヌンチャク合戦を本編に使用しなかったのか?
その一番の理由がご覧のイノサントのテイクを見れば分かるように、右端に78版『死亡遊戯』では編集カットされた田俊&解元がハッキリと画面に映り込んでしまっていたからでしょう。
さらにもう1つの理由としては、このヌンチャク合戦の前に既に李小龍とイノサントが激しくヌンチャクを振り合い、最後はイノサントが李小龍の鬼気迫るヌンチャクのスイッチワークに圧倒されそのまま後退、またはヌンチャク合戦でイノサントが振り負けたシーンの後に再度このやや気の抜けたようなヌンチャク合戦を挿入するのは編集の構成上においても相当な違和感があったからだと推測出来ます。
事実、このヌンチャク合戦を無理やり挿入した『GOD』と『A Warriors Journey』では編集を担当した人間がある意味この“無意味”なヌンチャク合戦の扱いに相当苦労した跡がハッキリと感じられた編集になっていました。それは今回新たに製作された『The Final Game of Death 』も同様です。
私が思うに李小龍監督自身も『死亡遊戯』完成の際は、もしかしたらこのヌンチャク合戦のシーンは削除したのではないか?そう思わせるほど編集の流れ的には浮いてしまったヌンチャク合戦でした。
それら全ての推測や過程を含め、改めて作品の撮影途中で監督、脚本、武術指導、主演を兼ねた人間が急逝すると言う悲劇がこのような編集構成上の謎を生んでしまった。それは余りに悲しい事実としか言いようがないデスゲームが遺した悲劇でした。Let's the death game begin!!

Tさん、画像提供ありがとうございました😊。

Nunchaku battle between Bruce Lee and Dan Inosanto which hard to edit and put in any scene in Game of Death.


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「最後的死亡遊戯」④ “フィリピンの魔杖師”がカリスティックを投げ捨てる時!

2023-09-07 13:41:21 | 闘神伝説~李小龍

お陰様でデスゲーム連載コラム「最後的死亡遊戯」、ブログ「超級龍熱」でも一昨日は驚異的なアクセス数を達成し、龍熱本人も大感激です😊。
勿論、これからも「最後的死亡遊戯」続きますが、今日はサクッと小ネタをお届けしたいと思います♫。
左の“虎殿”での李小龍☓ダン・イノサントのヌンチャク戦で、フロアの右に備えられたイノサントが座る虎の毛皮の椅子の上に無造作に置かれた1本のカリスティック。
これこそイノサントが李小龍が3階は“虎殿”に上がって来る前に迎え討った丸太男こと解元と闘う際、イノサントがエスクリマから素手のケンポーカラテに闘いのスタイルを変えんと虎の毛皮の椅子に向かって投げ捨てた2本のカリスティックの内の1本でした。
これまではそのイノサント☓解元のファイトシーンの細かいプロセスが不明でしたが、今回『The Final Game of Death 』が公開された事で、なぜ虎の毛皮の椅子の上にカリスティックがあるのかがやっと判明したわけです。と言いながら、イノサント師匠は視線は解元を見ながら2本のカリスティックを虎の毛皮の椅子の上に“着地”させるアクションには苦労したようで、何度もNGを出していましたね😚。Let's the death game begin!!

Tさん、画像提供ありがとうございました😊。

We can find kali stick that Dan Inosanto threw away on  tiger chair.Cool pic from Game of Death.


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これが真死亡遊戯だ!『死亡遊戯 STOP MOTION 1972』に大興奮!

2023-09-06 17:26:13 | 闘神伝説~李小龍

これは凄い!何と李小龍原案『死亡遊戯』をストップモーションで約38分のドラマとして完全再現だ!
まずジョンリトルが『A Warriors Journey』(00)で撮れなかった五重塔1階周辺の李小龍たち塔の挑戦者4人☓空手家軍団の乱闘をシッカリ撮っている!👍。
塔に侵入してからも1階の李小龍☓黄仁植戦も、2階のターキー木村戦も(ちゃんと3階の闘いとシンクロさせながら)撮っている!👍。
3階のダン・イノサントとのヌンチャク戦、4階の池漢載とのグラップリング戦、そして5階の“未知の恐怖”ジャバール衝撃の弱点も完全再現!!👍。
李小龍の気迫漲る表情やリアルな怪鳥音も素晴らしい効果を発揮している👍。田俊が矢吹丈に似てて、解元が力石徹に似てるのはみんなの気のせいだぜ!😆。
そして!この『死亡遊戯』の主人公李小龍はジャバールを倒した後も五重塔を降りない!何と最上階にある“秘宝”を求めて塔の6階に上がるのだ!!👍。
この圧倒的なほどマニアックなストップモーション『死亡遊戯』が与えてくれた興奮と感動が意味するものは何か?。
それは今の最新CG技術なら完全にして完璧な李小龍原案による『THE REAL 死亡遊戯』が製作可能な事を我々に確信させてくれるのである!!

https://m.youtube.com/watch?si=gVVQizZ_qRpyvX3b&fbclid=IwAR1iBZmzs-e3Q5xoL8fZJu3GX0I8tZa38fJ9mEUnD-CG203-GSA0Z50ln00&v=dF-hqJcjVGg&feature=youtu.be#bottom-sheet

Stop motion Game of Death 1972 as Bruce Lee's original story!!Awesome and amazing!!


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「最後的死亡遊戯」③ 余りに惜しい『FGOD』の粗悪なヌンチャク音を検証する!

2023-09-04 18:00:51 | 闘神伝説~李小龍

今回の「最後的死亡遊戯」第3回からは、いよいよ『The Final Game of Death 』を映像作品として検証して行きたいと思います。
まず今回の『The Final Game of Death (以下FGOD)』で最も気になったのが李小龍の過去作品からダビングした怪鳥音&効果音の仕上がりです。
『死亡遊戯』で李小龍とダン・イノサントが使用する黄色と赤のヌンチャクは本体をラバー製のカバーで覆い、その2本のヌンチャクを紐で繋いだ形状です。
なのに『FGOD』ではヌンチャクを旋回させるシーンで、何故か鎖で繋がれたヌンチャクを旋回させる効果音を入れてしまいました。
これはさすがに私もフォローのしようがない重大なミスとしか言いようがありません。
折角この五重塔は3階“虎殿”のファイトシーンの編集自体が初公開の丸太戦も含めて、それなりに無難な編集になっているのに、この粗雑なヌンチャクの効果音で大幅な減点となるのは仕方がないでしょう。
これまで『死亡遊戯』関連作品のヌンチャクの効果音では、1978年に公開された『ブルース・リー死亡遊戯』(78)東宝東和(国際版含めた)版で本物怪鳥音と共に使用された「パチパチパチ!」とヌンチャクが手に当たる公開音がリアルなヌンチャク音。
さらには香港や台湾版で本物怪鳥音と共に使用された「ヒュン!ヒュン!」なる旋回音が入ったヌンチャク音。そしてジョン・リトル監督作品『A Warriors Journey』(00)の軽木を叩くような、やや迫力不足の旋回音が使用されたヌンチャク音、と3種類のヌンチャク効果音が生まれています。
余談ですが、リーさん急逝後に公開されたドキュメンタリー作品『ブルース・リーの生と死』(73)に登場する『死亡遊戯』ハイライトシーンの如何にも“本物っぽい”李小龍の怪鳥音が今回の『FGOD』の同シーンのヌンチャク戦にそのまま流用されているのに気がつかれた方はいらっしゃるでしょうか。
この『〜生と死』の『死亡遊戯』のシーンの怪鳥音を「あれが李小龍が生前吹き込んだ『死亡遊戯』の怪鳥音だ」と長年信じ込んでいたファンがいましたが、残念ながら李小龍本人は『死亡遊戯』のアクションシーンには怪鳥音や台詞を一切吹き込んでいませんでした。
そうは言いながらも、今回の『FGOD』で3階における冒頭の田俊&解元☓ダン・イノサントに長年幻だった丸太戦映像が追加された事で、フィリピノエスクリマの達人イノサントが解元を失神させ、孤立した田俊を猛然と追い込むも、そこに2階から上がって来た五重塔最強の挑戦者である李小龍に挑発的な言葉で幻惑されまくり闘いのペースを乱され苦戦。
さらにイノサントはヌンチャク戦になっても李小龍の圧倒的なヌンチャクテクニックの前に次第に精神的に追い込まれ、最後はヌンチャクで首を折られ敗れ去る、というハイレベルなファイトシーンのプロセスが初めて正しい編集の形で繋がれ、こうして我々の前に映し出された事は大変意義深いと断言出来ます。
そう、撮影から51年経った今、長きに渡り分断されていた五重塔は“虎殿”において4人の格闘家たちが繰り広げるデスゲームと言う名のパズルが遂に完全な形で合わさったのです。Let's the death game begin!! 

今回も画像を提供して下さったTさんに感謝。ありがとうございました😊。

Greatest nunchaku battle from The Final Game of Death.


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愛娘失踪に隠された驚愕の真実!ベン・アフレック主演『ドミノ』10月公開!

2023-08-29 21:52:44 | 作品レビュー

さて、昨日はロバート・ロドリゲス監督、ベン・アフレック主演『ドミノ』(23)を試写で観て来ました。

刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)は愛する娘のミニーを一瞬の油断から誘拐され今だに行方不明のまま、の生活に悲しみ疲れ切っていた。そんなロークの許に銀行強盗計画のタレコミが入る。

銀行に部下たちと張り込んだロークは、そこで異様な雰囲気を持つ男デルレーン(ウィリアム・フィクナー)と出会う。しかしデルレーンは自分が話しかけ、また触れた人間を次々と服從させるという驚愕の行動を繰り返しロークの目の前で現場から逃走する。そしてロークの手許には銀行の貸し金庫に保管されていた愛娘ミニーの写真が残った。

あのデルレーンは何者なんだ?あの男は絶対にミニーの行方を知っている!捜査を開始したロークはやがて女占い師ダイアナ(アリシー・ブラガ)に辿り着く。ダイアナは“人の心を操る能力”を持った女性だった。そこでロークがダイアナから聞かされたデルレーンの正体は想像を絶する真実だった。ロークはダイアナと協力し、愛する娘を救い出すため、邪悪な集団を率いるデルレーンとの対決を決意する!

映画の前半の主人公ロークが失踪した娘を救い出すために謎の組織に立ち向かう展開はスリル満点で面白いし、そこからの“HYPNOTIC(本作の原題)”な世界との闘いもテンポ良く楽しめました。ただ後半からの展開はロドリゲス監督ちょっと捻り過ぎかなと感じました。登場人物の関係が複雑かつ強引過ぎて、それが逆にクライマックスに至る緊張感を損なってしまった印象でした。

それでも“人の心を操る能力”同士の闘いは、私たちの世代は横山光輝先生の漫画『バビル2世』のバビル少年☓悪漢ヨミの闘いを彷彿させてくれましたね(^^)。

この『ドミノ』は10月27日からロードショー公開との事です。


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「最後的死亡遊戯」② “フィリピンの魔杖師”☓怪力丸太男!

2023-08-28 21:14:13 | 闘神伝説~李小龍

撮影から51年経って遂に一般公開された『死亡遊戯』は3階“虎殿”のダン・イノサント☓田俊&解元戦。
殆どのファンがそれまでスチール写真のみでしか観れなかった解元が丸太を手にイノサントと闘う様子が動く映像で観れた事に感激するのは無理ないでしょう。
今回の『最後的死亡遊戯』第2回では、そこからさらに踏み込んでこの五重塔内で繰り広げられる3人のウェポンファイト自体を検証したいと思います。
李小龍演じる主人公がまだ下階で蟷螂拳の達人(ターキー木村)と闘っている間に3階に上がった田俊と解元を待っていたのがフィリピノエスクリマの名手イノサントでした。
イノサントは2本のカリスティックを「カンカカカンカン!カンカン!」と繰り返し打ち鳴らし、五重塔の侵入者2人に対して「自分は今からお前たちと闘う!」と宣戦布告します。
それに対して丸太を手に戸惑う解元と、後ろから解元に向かって身勝手に攻撃を指示する田俊。
改めてこの五重塔の番人☓五重塔の挑戦者たちのスリリングな邂逅シーンがロバート・クローズ監督作品『ブルース・リー死亡遊戯』(78)で主人公ビリー・ローが挑むクライマックスファイトの冒頭部分として観れなかった事が残念でなりません。
ここからのイノサントが突進して来る解元の丸太をカリで叩き落とし、お互い素手による乱打戦から最後はイノサントの顔面蹴りで解元が失神するまでのファイトは素晴らしい完成度です。
李小龍監督はこのダン・イノサント☓解元の闘いで、観客にイノサントが何の武術のエキスパートか理解させ、イノサントがエスクリマだけでなくケンポーカラテの名手である事を明らかとする事で、この“フィリピンの魔杖師”がトータルバランスに優れた格闘家である事を私たちに強く印象付ける事に成功しています。
また解元を倒したイノサントが後ろに控える田俊にユックリと振り返り、悠然と両手を揺らし挑発する様も実にインパクトあるパフォーマンスです。
さらに田俊が腰に差した棍棒を取り出すと、それを見たイノサントが口元を歪ませ闘志を漲らせながら、背後の椅子からカリを取り猛然とそれを旋回させ田俊を挑発するシーンも「何でクローズ監督はこんなカッコイイ姿のイノサントを78版『死亡遊戯』でカットしたのか!」と憤然とした気持ちにさえなります。
一説には78版『死亡遊戯』製作の際に、この李小龍監督による五重塔内ファイトの(田俊&解元出演シーン込み)撮影済みフィルムを観たクローズ監督がかなり辛辣な評価をしていたとの情報もあり、結果的に約45分の五重塔内ファイトが約11分のレッドペッパータワーのファイトとなった背景には、クローズ監督の存在とその監督自身の思い切った判断が大きなウェートを占めていたのかも知れません。
この直後、ターキー木村を倒した李小龍が3階に駆け上がって来るお馴染みのシーンとなりますが、この李小龍、いやビリー・ローが階段を駆け上がって来る前に、もしイノサント☓田俊&解元のウェポンファイトが插入されていたら、私たちの『ブルース・リー死亡遊戯』のクライマックスファイトに対する印象は全く異なっていたかと思うと、改めて残念な気持ちです。
諸事情により切り離されたイノサント☓解元の丸太戦とビリー・ロー☓パスカルのヌンチャク戦が再び1つのファイトシーンとして繋ぎ合わさるまで45年という長い年月が必要だった。
その悲しくも切ない事実こそが永遠の未完成作品『死亡遊戯』を最も象徴する出来事なのかも知れません。Let's the Death Game Begin!!

今回も画像提供のTさんに感謝。ありがとうございました😊。

Long time missing log fight scene from Game of Death.


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「最後的死亡遊戯」① 未公開映像で見る“虎殿”に集った3人の格闘家!!

2023-08-24 11:58:55 | 闘神伝説~李小龍

さあ始まりました!『The Final Game of Death 』検証企画『最後的死亡遊戯』です。

李小龍監督が撮影した『死亡遊戯』は五重塔内のファイトシーンで、最も下層階のフロアである3階は“虎殿”におけるダン・イノサント☓田俊&解元の闘い。
李小龍監督が残した設定ノートには、彼ら3人それぞれのキャラクターがある程度は書き残されているようです。そして今回撮影から51年目で遂に一般公開され、改めてテイク順に繋いだファイトシーンを見ると、新たに彼ら3人の細かいキャラが垣間見えて興味深いですね。
まず田俊は狡猾かつ用心深い格闘家で、必ず同行者の解元を先に塔の番人と闘わせてその実力を知ろうとする狡猾な人物。
丸太を抱えた解元はやや単細胞で力任せに丸太を振り回すも、すぐ不安になり田俊の顔色を伺う。
ここで五重塔に入る前からの田俊と解元の微妙な力関係が分かります。
そしてエスクリマの達人ダン・イノサントは自分のカリスティックの技術と“死の舞い”と称される素手の闘いに絶対の自信を持つ格闘家です。
ただこれまで私たちがパスカルことイノサントに対して持っていたCoolな格闘家とのイメージが、今回『The Final Game of Death 』で田俊が腰から棍棒を取り出し挑んで来るのを見たイノサントが口元を歪ませて怒りの表情と共に猛然とカリスティックを旋回させ臨戦態勢に入る、というこれまで知られていなかった闘志漲るエスクリマの達人の姿を観れた事により、新たにイノサントに対するイメージが良い意味で覆された事に改めて興奮を禁じ得ません。『最後的死亡遊戯』まだまだ続きます。Let's the Deah Game Begin!!

*Tさん、画像提供ありがとうございました😊。

Unseen Game of Death scene from The Final Game of Death.


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20歳の龍熱編集による『李小龍〜決戦五重塔』とは何か!?

2023-08-22 13:45:18 | 闘神伝説~李小龍

『李小龍〜決戦五重塔』&『李小龍〜真・死亡塔』と書かれた2枚のDVD-R。
先週、私の部屋の奥の棚から出て来て、約10年振りに手に取ったこのDVD、元はBetaのテープでした。
今から約40年前に当時20歳だった龍熱青年がまだ稼働していたBetaのビデオデッキでVHSからBetaのテープにダビングしたもので、それを後年に私の知り合いがBetaからDVDに変換ダビングしてくれたのがこれらのDVD-Rなわけです。
実はこの『李小龍〜決戦五重塔』、20歳の龍熱青年がVHSデッキを2台並べて当時入手可能だった『死亡遊戯』関連の映像ソフトである『ブルース・リー死亡遊戯』(78)、『〜死亡遊戯』欧米公開版、『ブルース・リーの神話』(84)を駆使して、もし李小龍監督原案による五重塔ファイトを自分で編集したらどうなるか?をテーマに私が自分で各フロアのテイクを編集し、自分で本物李小龍の怪鳥音をダビングし、自分で打撃音などの効果音を入れた、言わば世界にたった1つのオリジナル編集版と言っていい『死亡遊戯』五重塔ファイト映像『龍熱的死亡遊戯』なのです!!
78版『死亡遊戯』の本物李小龍のアクションシーンは約11分でした。しかし『龍熱的死亡遊戯』の五重塔ファイトは何と約20分あります。
いま見直してみると画質も悪いし音声も聴き難いですが、製作から40年間に渡り、我ながらよくぞ今日まで紛失や破棄を免れ保管して来たと感嘆しています。
この『龍熱的死亡遊戯』の編集経験があったからこそ、1994年に発刊された私の記念すべきデビュー本「ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!」で最も反響が高かったデスゲーム検証企画「闇の中に誰も知らない『死亡遊戯』を見た!」で、私が『死亡遊戯』の未公開フィルムに関してあのような的確な考察が可能だったわけです。
つまり、この約20分の『龍熱的死亡遊戯』こそ、私こと香港功夫映画評論家知野二郎のライフワークである“『死亡遊戯』探しの旅”の原点中の原点なのです。
さらにこの『李小龍〜決戦五重塔』DVDには冒頭の『龍熱的死亡遊戯』の後にも、当時の龍熱青年がこの時入手可能だった様々な『死亡遊戯』関連映像や五重塔ファイトにあらゆる編集&怪鳥音変更などの冒険的かつ強引な試行錯誤を繰り返した無数のバージョンも収録されていました。
さて、この“『死亡遊戯』探しの旅人”である知野二郎の原点的映像『龍熱的死亡遊戯』ですが、今年も11月に開催予定の「龍熱トークライブ2023 」での本邦初の上映を考えております。
世界にたった1つの知野二郎編集による『龍熱的死亡遊戯』、その本邦初、そして恐らくは最後の上映、どうぞお楽しみに!!

My self edited Game of Death pagoda footages DVD which I made them almost 40years ago  are found from my room.


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遂に発見されたDVD-R!『龍熱的死亡遊戯』とは何か!?

2023-08-20 12:54:12 | 闘神伝説~李小龍

先週自宅の部屋の奥の棚からそれこそ10年以上再生していないDVD-Rが出て来ました。
このDVD-Rは元はBetaのテープに収録されていた映像を永久保存を目的にDVD-R化したものでした。
ではそのDVD-Rのディスクに収録されている映像とは何だったのか?
そう、その映像こそ李小龍信者のバイブルにして私のデビュー本「ブルース・リーと101匹ドラゴン大行進!」で最も読者を熱狂させたデスゲーム検証企画「闇の中に誰も知らない『死亡遊戯』を見た!」のベースとなった、言わば世界にたった1つの“『龍熱的死亡遊戯』”なのである!!近日発表予定の詳細を待て!!

Found amazing and very much personal Game of Death footages in old DVD-R from my room last week!!


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