やっと再起動しました『ドラゴン危機一発』(71)を独断と偏見で熱く濃く考察する連載コラムですが、ご覧のリーさんこと李小龍と記念写真に収まっているのが本作の監督である羅維と共演女優の衣依です。
今回のコラムではこの羅維監督と衣依にスポットを当ててみたいと思います。
まず羅維監督ですが、我々リーさん信者からすると羅維監督と言えば、リーさんとは犬猿の仲だった映画監督のイメージが強いと思います。
私から見た映画監督としての羅維のスキルですが、俳優出身の羅維が鄒文懐と嘉禾影業を立ち上げる前に在籍していた邵氏兄弟公司で撮った数々の監督作品群を見ると、羅維は武侠映画よりも『金菩薩』(66)や『鐵観音』(67)シリーズなどのモダンな現代劇で真価を発揮する監督の印象があります。
ただ監督としての評価は商業監督の域を出なかった人で、多くの成龍作品群の監督としても、実際にその手腕を評価されるべきは執行監督の陳誌華でしょう。
その香港の古参商業監督羅維と世界娯楽の中心にして最先端であるハリウッドから帰国したリーさんが衝突するのは、ある意味必然でした。
それはリーさんがこの『〜危機一発』出演前後に出演したTV番組ピエールバートンショーで、司会のバートンに香港映画の水準を訊かれたリーさんが自虐的な笑みを浮かべながら「Qualitywise!!」と前置きしてから答えている事からも明白でしょう。
私が思うにアメリカから『〜危機一発』を撮るために仕方なく香港に帰って来たリーさんは、アメリカ時代に創造し企画していた沢山の独創的で斬新な映画的アクションを香港映画の現場で映像化したくて仕方がなかったと思うのです。
それら独創的なアクションがド迫力の連続廻し蹴りであり、怪鳥音であり、ヌンチャクであり、コロシアムの決闘であり、五重塔への挑戦であり、鏡の間の闘いだったわけですが、その自分に対して絶えず古臭い映画スタイルを押し付けて来る羅維監督にリーさんがフラストレーションを溜めるのは無理もなかったわけです。
結局リーさんと羅維監督の確執は、後に2人が嘉禾のスタジオ内で傷害事件寸前の騒ぎを起こすまでエスカレートしてしまうわけですが、その李小龍☓羅維の壮絶な修羅場に関しては、当日現場に居合わせた陳銀和氏に私がブログ「超級龍熱」でインタビューしていますので、是非そちらのインタビューをお読み頂ければ幸いです。
さて、もう1人のマリア・イーこと衣依。マリアは苗可秀、茅瑛と共に“嘉禾三大玉女”として売り出された清楚感溢れる美人女優でしたが、人気絶頂期にアッサリと結婚&引退してしまった事で、出演作品も10本にも満たない人です。
ただ逆にそのマリアの女優としての可憐な短命人生が我々日本人ファンに“永遠の許巧梅伝説”を作らせたとも言えます。
実はマリアが結婚した男性は熱狂的な衣依ファンで、その男性がアンジェラ・マオこと茅瑛の友人だった事もあり、アンジェラがマリアに男性を紹介したのが2人の馴れ初めでした。
茅瑛や苗可秀は今でもファンの前に元気な姿を見せていますが、マリア・イーだけは結婚引退後は一切公の場に姿を見せておらず、ある意味その徹底した映画界シャットアウト精神はアッパレと言っていいかも知れません。
ただそれでも我々ドラゴン世代が現在の巧梅に是非もう一度会いたい、会ってみたい♥と熱望する気持ちは今も昔も決して変わりません。
「猛龍的原点回帰〜唐山大兄」まだまだ続きます。鋼鉄の男、その名は李小龍!!
Bruce Lee with Lo Wei and Maria Yi at Big Boss location set.
今回のコラムではこの羅維監督と衣依にスポットを当ててみたいと思います。
まず羅維監督ですが、我々リーさん信者からすると羅維監督と言えば、リーさんとは犬猿の仲だった映画監督のイメージが強いと思います。
私から見た映画監督としての羅維のスキルですが、俳優出身の羅維が鄒文懐と嘉禾影業を立ち上げる前に在籍していた邵氏兄弟公司で撮った数々の監督作品群を見ると、羅維は武侠映画よりも『金菩薩』(66)や『鐵観音』(67)シリーズなどのモダンな現代劇で真価を発揮する監督の印象があります。
ただ監督としての評価は商業監督の域を出なかった人で、多くの成龍作品群の監督としても、実際にその手腕を評価されるべきは執行監督の陳誌華でしょう。
その香港の古参商業監督羅維と世界娯楽の中心にして最先端であるハリウッドから帰国したリーさんが衝突するのは、ある意味必然でした。
それはリーさんがこの『〜危機一発』出演前後に出演したTV番組ピエールバートンショーで、司会のバートンに香港映画の水準を訊かれたリーさんが自虐的な笑みを浮かべながら「Qualitywise!!」と前置きしてから答えている事からも明白でしょう。
私が思うにアメリカから『〜危機一発』を撮るために仕方なく香港に帰って来たリーさんは、アメリカ時代に創造し企画していた沢山の独創的で斬新な映画的アクションを香港映画の現場で映像化したくて仕方がなかったと思うのです。
それら独創的なアクションがド迫力の連続廻し蹴りであり、怪鳥音であり、ヌンチャクであり、コロシアムの決闘であり、五重塔への挑戦であり、鏡の間の闘いだったわけですが、その自分に対して絶えず古臭い映画スタイルを押し付けて来る羅維監督にリーさんがフラストレーションを溜めるのは無理もなかったわけです。
結局リーさんと羅維監督の確執は、後に2人が嘉禾のスタジオ内で傷害事件寸前の騒ぎを起こすまでエスカレートしてしまうわけですが、その李小龍☓羅維の壮絶な修羅場に関しては、当日現場に居合わせた陳銀和氏に私がブログ「超級龍熱」でインタビューしていますので、是非そちらのインタビューをお読み頂ければ幸いです。
さて、もう1人のマリア・イーこと衣依。マリアは苗可秀、茅瑛と共に“嘉禾三大玉女”として売り出された清楚感溢れる美人女優でしたが、人気絶頂期にアッサリと結婚&引退してしまった事で、出演作品も10本にも満たない人です。
ただ逆にそのマリアの女優としての可憐な短命人生が我々日本人ファンに“永遠の許巧梅伝説”を作らせたとも言えます。
実はマリアが結婚した男性は熱狂的な衣依ファンで、その男性がアンジェラ・マオこと茅瑛の友人だった事もあり、アンジェラがマリアに男性を紹介したのが2人の馴れ初めでした。
茅瑛や苗可秀は今でもファンの前に元気な姿を見せていますが、マリア・イーだけは結婚引退後は一切公の場に姿を見せておらず、ある意味その徹底した映画界シャットアウト精神はアッパレと言っていいかも知れません。
ただそれでも我々ドラゴン世代が現在の巧梅に是非もう一度会いたい、会ってみたい♥と熱望する気持ちは今も昔も決して変わりません。
「猛龍的原点回帰〜唐山大兄」まだまだ続きます。鋼鉄の男、その名は李小龍!!
Bruce Lee with Lo Wei and Maria Yi at Big Boss location set.