36年前の今日はアントニオ猪木とブルーザー・ブロディが初対決した日ですね。
猪木さんの「ブロディを引き抜きたいんだけど馬場さん怒るかな」の一言で始まった“ブロディ革命 in 新日本プロレス”ですが、それはトラブルの連続でした。
ただ私はその数々のトラブルはブロディと新日が合わなかったからではなく、ブロディは自分の価値観と合わない人物、自分が納得出来ない事柄に対して絶対に妥協しない人だったので、それは何時何処ででも起きたと思うのです。
で、猪木☓ブロディは噛み合ったか?私はそれなりに噛み合っていた、と思います。
ただ私の記憶に残る2人の試合が両国の初対決ではなく、大阪の60分フルタイムぐらいしかない理由。それは猪木☓ブロディを安っぽく連発し過ぎた、に尽きると思います。
最後に実は私は個人的にはジャイアント馬場☓ブロディが好きでした。
それはブロディが当時既に全盛期を過ぎた馬場さんに対して「ババ!お前はそんなもんじゃないだろ!もっとできるだろ!」とまるで叱咤激励するかのような厳しい攻めを見せ、それを馬場さんがムキになって受け、そこから反撃に転ずる“巨人たちの闘い”が大好きだったからです。
特に蔵前のPWFヘビー級選手権でブロディが馬場さんに放ったパイルドライバーは落とし方が危なかった。
馬場さんが受け身が上手い人だったから怪我をしませんでしたが、私はこの時「ブロディってガチでヤバい奴だな!」と冷や汗をかきました。でもブロディが馬場さんにこんなデンジャラスな攻めを見せるのも、結局は2人の間に長年の間に築かれたレスラー同士の信頼関係があったからだと思うのです。
それが証拠に馬場さんは新日と何度もトラぶり、最後は行き場所を失ったブロディを再び全日で受け入れました。恐らくこの時のブロディは彼の頑なな人生で初めて心からジャイアント馬場に感謝し頭を垂れたと思うのです。
生前のブロディはバーバラ夫人に嬉しそうにこう言っていたそうです。
「ババは俺の話をちゃんと聞いてくれるんだよ」。そう、彷徨い放浪した誇り高き“超獣”ブルーザー・ブロディの故郷こそ、長年自分が慣れ親しんだ全日本プロレスとジャイアント馬場だったんですね。
Bruiser Brody who fought two Japanese pro-wrestling legends.
Against Giant Baba and Antonio Inoki.