超級龍熱

香港功夫映画と共に

“洪拳宗師”劉家良、肺炎で入院

2010-02-27 13:48:16 | ニュース
先ほど香港映画の重鎮であられる方からお訊きしたばかりなのですが、あの劉家良が肺炎で再入院していたとの事です。
詳しい事はこちら(記事自体はちょっと古めですが)をご覧下さい↓http://news.hkheadline.com/dailynews/content_hk/2010/02/05/102013.asp

劉師父には以前にも喉頭癌に勝利したように今回も頑張って欲しいと思いますが、上記の現地記事に掲載された劉師父と30歳下の奥さん翁靜晶のツーショット写真を見ると、本当に痛々しいし辛いです。今後また続報がありましたらお知らせしたいと思いますが、劉師父、本当に本当に何とか頑張って快復して欲しいです・・。
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THIS IS 甄子丹⑩ この映画を“初代陳眞”李小龍に捧げる!『精武風雲』予告編!

2010-02-26 14:49:41 | THIS IS 甄子丹
さてさて、遂に第10回となります「THIS IS甄子丹」ですが、そのドニー兄貴渾身の超話題作にして劉偉強導演作品『精武風雲』の初映像となる予告編がいよいよ公開となりました。
こちらがその予告編映像のアドレスです→http://tieba.baidu.com/f?kz=717048319(もしかしたらすぐに観れなくなってしまうかも知れません)
「映画秘宝」最新号で谷垣健治導演も本作の簡単な粗筋に触れていましたが、この僅かな時間の予告編を観ると、ドニー兄貴扮する陳眞は当初はまるで『グリーン・ホーネット』のカトー、あるいは“黒侠”のようなコスチュームで闘うようです。
さらにドニー兄貴自身も某媒体のインタビューに答えて「この『精武風雲』で僕が演じる陳眞は李小龍が演じた陳眞をよりパワーアップさせたキャラクターになる。僕はこの映画で李小龍が残した様々な足跡、つまり彼の情念なスタイルを継承していくんだ。同時にそこに僕自身の考案したファイト・スタイルなども取り入れながら、全く異なったイメージ、それでいて気高い李小龍の陳眞にしたいんだ。そう、僕はこの『精武風雲』を敬愛する李小龍に捧げるつもりだ!」と熱く語っています。

先日私が倉田保昭さんにインタビューでお会いした際も、倉田さんはこの『精武風雲』でドニー陳眞と対決するシーンを撮影するため上海に向かう数日前の取材だったのですが、「ドニーとの対決シーンはお互い上半身裸になって闘うかも知れないね。でも俺はやるよ、そうなったら上半身裸になってね!」と燃えに燃えていました。
また健治導演と同じく今回『精武風雲』に龍虎武師として参加していた当ブログでもお馴染みのゲーリー岩本こと岩本淳也君も先日「無事上海から帰国しました!」とメールをくれたので、また折を見て岩本君のドニー兄貴や『精武風雲』の貴重な撮影エピソードも訊かせて貰えれば、と楽しみにしています。
当ブログをご覧になって下さってい方々には改めて繰り返すまでもないとは思いますが、今年はブルース・リーことリーさんの生誕70周年に当たる記念すべき年です。
この“世紀の闘神”のメモリアル・イヤーを迎えて、既に私の周囲でも様々なプロジェクトが動き出していますし、勿論当ブログ「超級龍熱」でも「猛龍生誕70周年記念特別企画」を行うべく思案中です。
恐らくは今年の夏前後には現地でドニー兄貴&サモ・ハンがスクラムを組んだ『葉問2』が公開されると思いますし、その後10月辺りにはこの“精武英雄系列最終章”作品にしてドニー陳眞主演『精武風雲』が現地公開となると思われます。
さらにはあの周星馳もハリウッドでリーさん導演作品『ドラゴンへの道』をベース(!)とした新作『太極』を撮るとの事です。

まさに“猛龍生誕70周年”をキーワードに、リーさんの故郷である香港映画界、そして私たちリー信者を初めとする世界中の龍熱者たち全てを巻き込んだ“ドラゴン・パワー”という名の巨大なエネルギーが、いよいよ爆発の時を迎えようとしています。そう“不滅の英雄”ブルース・リーのメモリアル・イヤーである今年2010年は、きっと“何か”が起こる!いや起こして見せる!それもリーさんを敬愛する全ての人たちが、心からの笑顔でリーさんの70回目の誕生日を祝えるような素晴らしい形で。それが今の私、龍熱の胸一杯の願いです。誠意献給一代巨星、李小龍・・!
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THIS IS 甄子丹⑨ 『葉問2』に登場のブルース・リーこと李振藩少年のスチール公開!

2010-02-23 14:19:02 | THIS IS 甄子丹
さてさて「THIS IS 甄子丹」第9回ですが、既に私の周囲のリー信者やドニー兄貴信者の間では「おお!これは似てる!」と話題騒然状態の『葉問2』に登場するブルース・リーこと李振藩少年のスチール写真が公開されていますね。
他にもドニー葉問vs洪拳大師(洪金寶)戦や、ドニー葉問vs英国人拳闘士タイラー・ミロス(ダレン・シャラヴィ)戦などのスチールも公開されていますが、何と言っても李振藩少年のこの衝撃の「鼻ピン!」ポーズのインパクトの前には霞んでしまいますね(苦笑)。で、下記のアドレスがそのリー少年の「鼻ピン!」ポーズ写真です↓

http://www.wu-jing.org/News/images/2010/2010_02_01_04_Ip_Man_2_oz.jpg

でも考えてみると、リーさんって後のドラゴン時代のトレードマークの「鼻ピン!」ポーズをもう子供の時からやってたんですよねえ(苦笑)。果たして『葉問2』でドニー兄貴演じる葉問師父と、この小生意気そ~な(爆笑)リー少年がどんな会話をするのか?今から映画の公開が待ち切れません!
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「映画秘宝」最新4月号で倉田保昭インタビュー&韓国暴力映画の系譜特集!

2010-02-19 12:18:42 | その他
昨日はポール・グリーングラス監督、マット・デイモン主演の戦争アクション『グリーン・ゾーン』(09)の完成披露試写会に行って来ました。映画はイラクを舞台としたサスペンスタッチの戦争映画で、勿論激しい戦闘シーンもあるんですが、そのアメリカとイラクの戦争の裏に隠された恐るべき陰謀を描いています。主人公の若き指揮官に扮したマット・デイモンが中々カッコ良かったですね。この『グリーン・ゾーン』は5月14日からロードショー公開との事です。

さて、近日発売の「映画秘宝」最新4月号で私、龍熱が聞き手を担当しました“和製ドラゴン”倉田保昭インタビュー&最新作『柔術』レビューが掲載されていますのでよろしくお願いします。
倉田さんのインタビューに関しては、私がここで詳細を語るよりも、是非皆さんに一読して頂ければその充実の内容をきっと楽しんで頂けると思います。特に倉田さんがリーさん、ドニー兄貴、チョン・ジヒョン、そして山ちゃん(笑)こと山下タダシについて語っているパートは必見です。改めて今回このような数々の濃い内容のエピソードを語って頂いた倉田さんに感謝したいと思います。ありがとうございました。
さらにさらに「映画秘宝」同号では「韓国暴力映画の系譜」と題して、堂々9頁に渡って新旧の韓国暴力映画を大特集しているんですが、私も他の秘宝ライターさんと共にイ・ドゥヨン監督、韓龍哲主演『帰って来たウェダリ』(74)や同じくイ・ドゥヨン監督、姜大希主演『武装解除』(75)を執筆していますので、こちらもよろしくお願いします。
あ、実は同コーナーではもう1本某韓国猟奇犯罪映画も書いたのですが、それは是非観てのお楽しみです♪あと同特集では以前に当ブログでも紹介しました「TRASH-UP!」誌で活躍されている岡本敦史さんも「韓国暴力映画の歴史」と題して力の入った原稿を書かれていますので、こちらも要チェックです!
いや~私も韓国クンフー映画の原稿書いたのって、もしかしたら拙著「龍熱大全」以来だし、何か妙に嬉しいなぁ♪と言うわけで「映画秘宝」最新号、是非是非よろしくお願いします!
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その輝ける邵氏公司作品よ、永遠に!井上梅次監督死去

2010-02-18 12:43:16 | ニュース
ここ数日間は原稿絡みで李麗麗主演『獨脚鶴』(78)や、雷成功&嘉凌主演『三鬥鶴觀音』(79)など鶴拳映画を何本も観なければいけなくて、中々ブログの更新が出来ませんでした。バンクーバー五輪もチラッチラッと観てはいるんですが、中々落ち着いて観ていられないのが残念です(涙)。

さて訃報です。井上梅次監督が11日午後6時5分、脳出血のため東京都港区の病院で亡くなったそうです。享年86歳。
喪主は妻で女優の月丘夢路さんで、後日お別れの会を開くとの事です。
井上監督といえば、石原裕次郎などの日活アクション映画は勿論ですが、やはり龍熱としては井上監督が60年代中盤から邵氏公司の招きで香港で撮った数々の香港映画群が印象に残っています。
例えば鄭佩佩主演のスパイ・アクション『諜網嬌娃』(67)、自身の作品『踊りたい夜』のリメイクのミュージカル『香江花月夜』(67)、同じく『嵐を呼ぶ男』のリメイク『青春鼓王』(67)、犯罪サスペンスの秀作『遺産五億圓 』(68)などなど。
同時期に邵氏公司で活躍した他の日本人監督がやや強引?な中国名を名乗らされて監督作品を撮っていたのに対して、井上監督だけは堂々とそのまま「井上梅次」表記でクレジットされていた事からも、如何に当時から邵逸夫ら邵氏公司の関係者たちが井上監督の力量を高く評価していたかの証明でしょう。
数年前に私がキングレコードさんと邵氏公司作品のDVDのお仕事をしている時に、機会があったら是非DVDの映像特典向けのインタビューとして井上監督に色々と当時のお話をお訊きしたいですねー!と話していたんですが、それだけに今回の井上監督の訃報は本当に残念です。
またお1人、邵氏帝国全盛期の伝説を知る生き証人、そして日本映画の実力とセンスを香港やアジア各国の映画界で立派に証明して見せた第一級の日本人監督が鬼籍に入られました。ここに謹んでご冥福をお祈り致します。合掌。
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“薄命の貴公子”の雄姿がここに! 傅聲主演『蔡李佛小子』(SB)

2010-02-13 12:40:57 | 作品レビュー
今週は“和製ドラゴン”のインタビュー記事の校正や他の原稿書きで色々と慌しかったんですが、今日からいよいよバンクーバー五輪も始まりましたし、まずは今夜の開会式をもう一度ジックリと観たいと思います!

さてさて、昨日はちょっと原稿絡みで本当に久々に長弓電影公司作品にして、張徹(午馬聯合導演)導演、そして“薄命の貴公子”こと傅聲主演『蔡李佛小子』(76)を観ていました。
題名からも判るように本作は洪家拳と共に広東省を代表する南派拳術である蔡李佛拳を題材とした武打片です。
映画の冒頭では傅聲本人が披露する見事な蔡李佛拳の表演に加えて、開祖である陳亭が蔡李佛拳を創造する経緯や陳亭の息子たち(陳安伯&陳官伯)への伝承などが詳細に語られていきますが、改めて今は亡き傅聲の演武映像は本当に貴重ですね。そう言えばこの本編の前の傅聲の表演映像のパートは、確かブート時代には『蔡李佛小子』イタリア版VHSでしか観られなかったんじゃなかったかな?ってもうその辺りは良く覚えてないんですけど(苦笑)。
映画自体は張徹導演の得意とする“浪漫暴力悲劇”路線の典型的な作品なんですが、それでも後に傅聲夫人となる甄妮、蔡李佛拳の老師役で陳慧樓、珍しく師父役で“良い人”の山茅(苦笑)、お馴染み“長弓悪役商会コンビ”の王龍威&梁家仁、邵氏名優の1人である盧迪や李影、さらに良く観るとまだ絡み時代の戴徹、超若い郭追や鹿峯ら“五毒”も確認出来ます。またこれは以前にも書きましたが、本作では陳信一と謝興が武術指導を担当しているんですが、実際の「蔡李佛拳指導」は傅聲も師事した甄日良師父がクレジットされていましたね。
それにしても何度観てもラストの傅聲演じる主人公の鍾堅と王龍威演じる悪漢馮天山の一騎討ちは素晴らしい完成度ですねー!自分の子分である汪振濟(梁家仁)が鍾堅の手で倒されるのを見た馮天山(傍らに子分の陸剣明が控える)は、思わず自らの拳を怒りと共に「バキィッ!」と鳴らすと目の前に仁王立ちしている鍾堅を睨みつけます。
その馮天山の視線を真っ向から受け止めた鍾堅は、老師との厳しい特訓で習得した蔡李佛拳の構えを「バッ!ババッ!」と披露すると、馮天山との闘いに挑むべく身構えます。その鍾堅の構えを見た馮天山は・・

馮天山「ほおぉ!お前は蔡李佛拳の使い手だったのか。汪が勝てないわけだな?」
鍾堅「そうだ!コイツにはその拳を使うまでもなかったがな!さあ、来い!」

ここから火蓋を切る鍾堅と馮天山の決闘では、2人の激しい闘いの最中に鍾堅の蔡李佛拳の特訓シーンが何度となくモノクロのフラッシュバック映像で挿入されるという実に斬新な映像処理が施されています。
そして鍾堅と馮天山の対決は、ここからさらに凄惨かつ悲劇的な決着へと向かっていく事となります・・!
この『蔡李佛小子』は確か国内メーカーからDVDが出ていたかと思いますので、まだ未見の方には“薄命の貴公子”傅聲のベストの1本として是非ともご覧になって頂きたいと思います。
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稀代の“暴れん坊横綱”朝青龍、突然の引退に思う

2010-02-09 13:30:45 | その他
先週は某誌からの追加原稿(韓国クンフー映画関連なのがちょっと嬉しい♪)を書いたりでブログの更新が出来なかったんですが、今週は新たに映画専門誌ではない出版社さんからも原稿依頼を頂いたりと、これはさらに頑張らないといけません!と言いながら最近も色々DVDを購入したんですが、ちょっと古めながら長瀬智也&チェ・ミンス主演『ソウル』2枚組、チョン・ジヒョン主演『デイジー』3枚組限定版(国内未発売&韓国現地でも廃盤)、あとチョン・ジヒョン主演『ラスト・ブラッド』スペシャル・エディションと・・結局はチョン・ジヒョン関連DVDばかりじゃないの?(苦笑)。
でも『デイジー』3枚組は入手困難アイテムだったので、今回新品DVDで購入出来たのは嬉しかったです(笑顔)。
新作と言えばイ・ボムス主演『洪吉童の末裔』(09)もDVDを入手したので時間が出来たら是非観たいと思います。

それにしても先週の横綱朝青龍の突然の引退には本当にビックリしました。私はたまたまテレビのテロップでこの一報を知ったのですが、一瞬「ええっ?」とその場に立ち尽くしてしまいましたからねえ。
まあ確かに朝青龍は過去に数々のトラブルを起こした角界の問題児ではありましたし、今回の引退も言わば自業自得的な部分も多分にあるかと思います。
また同じモンゴル出身の横綱白鵬が「朝青龍引退!」の知らせに声を震わせて泣く姿は見ていて痛々しいほどでした。
ただ私から見ても朝青龍という力士の土俵上での強さは絶対的な物がありましたし、あの小柄な身体から繰り出すスピードと一瞬の豪力、あと普段中々見られないような相撲の荒技をアッサリと披露する力士としての“引き出しの多さ”は傑出した物がありました。あと朝青龍自身も同じ思いだと思いますが、本人も少なくともあと2、3年は現役を続けたかったと思うし、そうすれば優勝回数も優に30回は越えたかと思うと本当に無念でしょうね。
それにしてもあの朝青龍の制限時間いっぱいの瞬間、自分のマワシを思い切り「バーン!」と叩く独特の“気合い入れ”ポーズがもう土俵上で2度と見られないのかと思うと、ちょっと寂しいような何とも複雑な心境です。

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THIS IS 甄子丹⑧ 革命にその命を散らす男たち・・!陳徳森導演『十月圍城』

2010-02-05 00:24:38 | THIS IS 甄子丹
さてさて、快調に飛ばす「THIS IS 甄子丹」第8回ですが、遂に観ました!陳徳森導演作品にして、我らがドニー兄貴最新作『十月圍城』(09)です。1906年の10月。清王朝打倒!を目指す革命家・孫文(即:孫中山。演じるは張涵予)が香港に寄港する事を知った清朝政府は凄腕の刺客集団(胡軍、釈行宇、李康ことカン・リー)に「孫文抹殺!」を命じます。
また孫文の支援者陳少白(梁家輝)や商人の李玉堂(王學圻)たちも、孫文が協力者たちと香港の街中で会談するその僅か“1時間”の間、それこそ自分たちの身を挺して刺客たちの魔手から孫文を守るべく決死の闘いに挑んでいきます!
映画は冒頭、いきなり張學友演じる革命支持者の教師が胡軍の放った銃弾により教え子たちの目の前で眉間を撃ち抜かれる(!)衝撃のオープニングから、もう観る側をグイグイ!と画面に引っ張り込んでいきます。
ギャンブル好きが原因で妻(范冰冰)に逃げられ負け犬同然の人生を送る沈重陽(ドニー兄貴!)、愛する女性阿純(周韻。とても清楚で素敵な女優さん)との将来を夢見る心優しい車引きの青年阿四(謝霆鋒)、革命軍の父(任達華)を釈行宇に殺され復讐に燃える女性方紅(李宇春)、禁じられた恋に傷ついた過去を引き摺り自暴自棄に生きる鉄扇の達人劉郁白(黎明)、元少林寺僧の巨漢(メンケ・バータル)、彼らはそれぞれの思いを胸に秘めながらも“革命の父”が無事に香港を離れるその瞬間まで、次々と襲いかかる清朝の刺客たちと壮絶な闘いを繰り広げながら、1人、また1人と命を落としていきます。
私は彼ら“革命義士”が刺客との激しい闘いで傷つきながらも、中国の明日を孫文に託して雄々しく散っていくそのドラマチックかつ熱い生き様には、もう何度も何度も涙しながらの鑑賞でした・・。
あと私が『十月圍城』で大好きなシーン。それが阿四が主人の李玉堂に自分の愛する写真屋の娘阿純と仲良くなるのを助けて貰う場面で、ここで李玉堂は実は阿純が足が不自由な女性であった事を初めて知ります。李玉堂は思わず「!・・」と傍らの阿四を見ますが、阿四は足を引き摺りながらも笑顔で歩く阿純をただ優しくジッと見守っているんですね。
そう、阿四が阿純の全てを受け入れた上で阿純を心から愛している事を知った李玉堂は、阿純の父親(演じるは懐かしの“五福星”の1人!)に「さあ、みんなで一緒に家族写真を撮ろうじゃないか!」と阿四と阿純の仲を認めるのでした。
改めて今回のニコラス、まさに名演中の名演です。素晴らしい!(大拍手!)。
そしていよいよ映画の終盤で香港の路上を舞台に、ドニー沈重陽と清の大刺客カン・リーが激突する時がやって来ます!
胡軍から「貴様が雇い入れたあの男、コソ泥の孫文を守っているではないか?この馬鹿者めが!さあ、貴様が自分で始末して来い!」との命を受けたカン・リーは目の前の群集を「ウガアアアアア!」とメチャクチャに蹴散らし、文字通り怒り狂いながら沈重陽に突進します!沈重陽は自分に迫るカン・リーに商店街を並走しながら応戦しますが、カン・リーの重戦車のような飛び廻し蹴りや肉弾攻撃に大苦戦!何とか相手に組み付いてのアキレス腱固め、電撃の鉄拳の連打で反撃しますが、2人の闘いは商店の扉を突き破り、その後も延々と続きます。いや~やっぱりこの2人の決闘シーンは観ていて燃えますねー!!でもですね、私は今回この『十月圍城』でドニー兄貴演じる沈重陽の最も印象に残ったシーンは、その沈重陽の余りにも壮絶な“最後”でした。ここは敢えてその詳細には触れませんが、私にとってもこれまでの数多くのドニー兄貴の出演作品の中でも最もインパクトがある“逝き方”でした。多くのドニー兄貴信者の方々にもこの沈重陽の最後は是非心して観て頂きたいと思います。ドニー兄貴、今回も武打星としても勿論ですが、“表現者”としても本当に素晴らしかったです。

この沈重陽vsカン・リーの激闘の後も、この『十月圍城』の“影の主役”と言っていい劉郁白vs胡軍率いる刺客集団の乱戦シーンが登場します。孫文護衛の最後の防波堤となっ劉郁白は鉄扇を手に凄まじい闘いを見せ、胡軍の辮髪をも斬り裂いて見せますが、とうとう最後はズタズタの身体となり、その場で力尽きます。
このシーンで劉郁白の最愛の女性として某トップ女優が1シーンだけ特別出演しているんですが、この黎明演じる劉郁白の絶命シーンは黎明の女性ファンの方々は勿論の事、本当に美しくも印象的なシーンに仕上がっていて必見でしょう。
最後は李玉堂の息子の李重光(王柏杰)の勇気ある、そして尊い犠牲的行動(ここはネタバレになってしまうので伏せておきます)により、孫文は無事に香港を離れ、5年後に辛亥革命を成功させる事で清王朝を打ち倒すのでした。

陳徳森導演作品『十月圍城』、観終わった後の心地よい疲労感と熱き感動は私も近年の香港映画では久しく味わえなかった感覚でした。好功夫!好電影!改めて言うまでもありませんが、龍熱にとってこの『十月圍城』は現時点での2010年ベスト1映画です!
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熱風!韓国LEGENDS(35) “韓国のブロンソン”再び!巴比金主演『毒蛇』超級版

2010-02-02 00:51:21 | 熱風!韓国LEGENDS
さて久々の「熱風!韓国LEGENDS」第35回(我ながらよく続いてるよね~)は高英男(即:高栄男)導演、そして“韓国のチャールズ・ブロンソン”こと巴比金主演『毒蛇』(75)でいきましょう。
で、今回私がレビューに使用した『毒蛇』のDVDなんですが、これが過去に韓国現地で発売されていた粗悪画質のVHS(私も以前はこの汚い画質のVHSしか所有していませんでした)とは文字通り雲泥の差の超高画質&ワイドスクリーン仕様のプリントなんですねー!!いや~もう感激の一言です(笑顔!)。
実はこの『毒蛇』超級バージョンは韓国現地でも市販されていない映像なんですが、それにしてもよくこんな極上プリントが現在まで残っていましたねえ!もう龍熱的には速攻で永久保存版決定です♪

で、肝心の『毒蛇』なんですが、これが昔に観た時もそうなんですが、それほど面白い作品ではないんですね(トホホ!)。
物語的(と言っても全編韓国語&字幕無しなので作品展開の把握はかなり厳しいです)には香港で死んだ男性の遺産相続を狙って暗躍する悪のシンジケートに我らがボビーが敢然と立ち向かう、という展開のようです。
ただそうは言っても劇中でトレードマークの口髭、Bobbyの頭文字「B」のエンプレムの入ったブレザー、パンタロンといったお決まりのファッションで颯爽と姿を見せたボビーが、崔星(崔星ことチョイ・ソンに関しては先日当ブログの『特命8號』で紹介済み)率いるシンジケートの悪漢たち(絡み時代の権一秀や黄正利が頻繁に登場!)を、ある時は疾走する列車内や屋根の上で、ある時は中華料理店で、その鋭角的なテコンドーの廻し蹴りでバッタ!バッタ!と蹴り飛ばす姿はやっぱりカッコ良いんだよなぁ! あとシャワー浴びた後のボビーが一杯呑みながらバスローブ姿で「ババッ!ババッ!」とテコンドーの前蹴りを繰り出しながら室内を徘徊するのがちょっと笑えてナイスだったりね(笑)。
ラストは広い庭園を舞台に、ボビーと張莽演じる武僧が延々と一騎討ちを展開するんですが、激闘の果てにボビーの放つ連続のジャンピング・スピンキックを浴びた張莽は倒され、任務を終えたボビーが空港から車に乗り込み、またも渋い表情で(苦笑)ハンドルを握る姿で劇終です。関係ないんですが、映画の中盤の列車内のシーンで座席に座っている崔星の部下が何と香港の映画雑誌「嘉禾電影」、それも表紙が上官霊鳳(!)の号を熱心に読んでいるのを発見!(苦笑)。
これもこれまで出回っていた粗悪画質版ではなく、今回のクリア画像の超級バージョンだからこそやっと判別出来たユニークな新事実かも知れませんね。

最後に「熱風!韓国LEGENDS」をはじめ、当ブログでもお馴染みのボビー・キムこと巴比金について簡単に触れておきましょう。巴比金は1941年(42年説も)ソウル生まれ。本名を金雄経(キム・ウンギョン)。因みに英語名のボビーはロバートの愛称です。ボビーはウソク(原文まま)大学英文科を卒業後、米軍でテコンドーの教官として活躍し、ワシントンでは自身のテコンドー道場を経営していました。またボビーはこの時期同じく米国で道場を開いていた李俊九師父とも交流があり、この李俊九師父が開催した武術大会でボビーはリーさんことブルース・リーと邂逅を果たしています。
この69年前後に撮影されたボビーとリーさんのツーショット写真は、ボビーが主演した朴雨相(即:朴祐箱)導演作品『死の勝負』(75)の劇場公開用ポスター(の端っこ)にも使用されていましたね。
元々映画の世界にも興味があったボビーは、泰昌興行社(原文まま)から10本の出演契約をオファーされますが、最終的に5本の出演契約を結び、前述の『死の勝負』に主演します。その後も高英男導演作品『地獄の招待状』(75)、香港武打星である羅烈共演作品『国際警察』(76)と『王龍』(76)などに主演。泰昌興行との5本の契約を終えたボビーは、再び朴雨相導演作品『鬼門の左脚~電撃の突き』(77)や『大敵手』(77)に主演します。
私はこの70年代後半の朴雨相作品群に主演していた時期が、ボビーの韓国武打星としての事実上の全盛期だったと思います。余談ですが、ボビーは東南アジアでも人気が高かったそうで、それもあってかボビーはインドネシアで『空飛ぶ虎』なる作品も撮っているようです。さらに余談ですが、ボビーが米国で主演した『満州の復讐者』(83)や『キル・ライン/復讐の弾丸』(89)はボビーの実兄であるキム・ハクキョン(原文まま)が脚本を担当しているとの事です。
そういえば、私が18年ぐらい前に輸入版VHSで初めて観たボビー・キム主演作品がこの『キル・ライン~』だったんですが、いや~最後まで観るのがマジでキツかったなぁ(涙)。
この『キル・ライン~』は大昔に国内でも奇跡的にVHSが出ていたんですが、もし中古マーケットで見かけたら(とりあえずは)即ゲットかも知れません。

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THIS IS 甄子丹⑦ 『葉問2』で葉問と対決するは最強外国人ダレン・シャラヴィ!!

2010-02-01 12:55:48 | THIS IS 甄子丹
さてさて、「THIS IS 甄子丹」の第7回ですが、今回もドニー信者にとっての超期待作品『葉問2』情報です。
前回触れましたドニー葉問vsサモ・ハン洪拳大師の対決に続いて、恐らくは『葉問2』のクライマックスで展開されるドニー葉問vs英国人拳闘王者タイラー・ミロス戦で、ミロスを演じる外国人武打星が何とぉ!あのダレン・シャラヴィである事が判りました!!(ちなみに劇中ではシャラヴィのコーチ役をステファン・モラウィッツが演じています)
ダレン・シャラヴィと言えば、ちょっとコアなファンの方だとすぐにあの袁和平導演、呉京主演『太極拳2』(96)で髭面の悪漢武道家として呉京や周比利と激闘を見せた外国人だと判るかと思います。
1972年8月5日生まれでイギリス出身のシャラヴィは、15、6歳前後にベイ・ローガンやマーク・ホートンと知り合った事もあって、その後香港に渡ると高飛導演作品の端役出演などを経て、前述の『太極拳2』の悪の武道家役をゲットしました。
またシャラヴィはこの香港滞在時期には、映画出演と共にキム・マリーペン(是非また映画に出てチョーダイ♪)が経営するセキュリティー会社「シグナル8」でボディガードとしても勤務していたそうです。
あと私がシャラヴィ出演作品でお薦めなのが呉思遠&キース・ストランドバーグ率いる“シーゾナルUSA”作品でトニー・リャンこと梁小熊導演、ゲーリー・ダニエルズ&チャック・ジェフリー主演『BLOOD MOON』(97)です。
この映画で鋼鉄の義指&連続蹴りを武器にダニエルズやジェフリーと幾度にも渡る闘いを見せるシャラヴィ演じる狂気に満ちた格闘家の存在感は、まさにシャラヴィのベスト・パフォーマンスでした。
余談ですが、シャラヴィはこの『BLOOD MOON』撮影中自分が演じる格闘家を、あの“鉄血銀狐”こと黄正利を何時も頭の中でイメージしながら演じていたそうです。(これっていい話だねえ!)
最後にシャラヴィは彼がまだ10代だった頃にベイ・ローガンとドニー兄貴のセミナー(恐らくは89年にイギリスで行われた「DRAGON DISCOVERED TOUR」)にも参加していたそうで、それから21年後に今回の『葉問2』で葉問と対決する英国人拳闘家ミロスとして、再びドニー兄貴と銀幕上で顔を合わせたシャラヴィの胸中は一体どんな思いだったんでしょうね。
まさに“最後の本格派”と互角に闘える実力を持った最強外国人武打星ダレン・シャラヴィの参戦でさらに期待が高まる『葉問2』、もう今から公開が待ち切れません!

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