超級龍熱

香港功夫映画と共に

熱風!韓国LEGENDS⑫ 黄正利と互角に闘える男!ハン・グギル主演『カリスマ』

2008-11-19 01:45:44 | 熱風!韓国LEGENDS
最近は中古ビデオは殆ど救済しなくなって、もっぱらDVDオンリーと言っている私なんですが、先日本当に久々にビデオを救済しました。それがフォンダ・リン主演『新・悪魔のえじき/暴虐女傑復讐鬼』(85)なんです。
私がこのビデオを救済した一番の理由が本作がIFD作品(もちワイドスクリーン!)である事で、もう私は「IFD作品救済は一期一会」が座右の銘なので(爆笑!)即効ゲットでした。
これまでIFD作品のオリジナル・テープは殆ど購入&制覇したと思っていた私もこの映画は未見だったんですが、それにしても凄い邦題です(苦笑)。だってジャケット写真とか見ると悪役の男性が精肉工場で牛肉か何かと一緒に逆さ吊りになってるよ(苦笑)。まだ途中までしか観ていないんですが、この映画って最後はどうなるんでしょうね?

さて、「熱風!韓国LEGENDS」第12回は、以前にもレビューを予告していたキム・ドゥヨンこと金斗永導演、ハン・グギル主演『カリスマ』(96)です。導演の金斗永は最近ではあのスティーブン・セガールが出演した韓国映画『クレメンタイン』(04)の導演と言えば判るかと思いますが、主演のハン・グギルはさらに馴染みがない韓国武打星かも知れません。ハン・グギルが過去に出演した韓国クンフー映画だと、朴祐箱(即:朴雨相)導演作品で李俊九主演『帰って来た龍争虎闘』(80)や韓龍哲&王虎共演『俺の名はサンダリ』(81)、あるいは林子虎共演『恐れ知らずの子』(86)などがありました。
ただそのハン・グギルの恐るべき武術テクニックは、彼が習得している韓国合気道7段、テコンドー7段、さらには韓国剣道と言った数々の卓越した武術ポテンシャルから繰り出すド迫力のアクション、特にその怒涛の連続蹴りに特徴があります。私は以前にハン・グギルの事実上の最高傑作である本作『カリスマ』を観た時に「このハン・グギルこそあの“鉄血銀狐”黄正利と互角に闘う事が出来る唯一の韓国武打星だ!」と強く確信した記憶があるほどなんです。で、この『カリスマ』はハン・グギル演じる主人公が黒社会の中をその類い稀なる蹴り技だけを頼りにたった1人で闘い抜いていく映画で、劇中のハン・グギルは序盤こそ以前の80年代の彼の主演作品のような長髪スタイルの髪型ですが、中盤ではバッサリとその髪型をオールバックにし、より精悍さを増した風貌となります。
因みにこの『カリスマ』では武術指導もハン・グギルが担当しています。
同時に劇中でのハン・グギルはその役柄もあるのですが殆どと言っていいほど台詞が無いキャラクターで(苦笑)、もう約82分の映画の中で殆ど喋りません。ではその無口なハン・グギルは映画の中で代わりに何をするのか?
蹴るんです!もうひたすら自分に群がる韓国ヤクザ軍団総勢50人から60人近くを、ある時はカラオケ屋の中で、ある時は飲食店で蕎麦を食べてる時に(苦笑)もうバッタ!バッタ!とハン・グギルが蹴りまくります!
そこに本作『カリスマ』の重低音の利いたBGMが流れる中、ハン・グギルの連続廻し蹴り!空中連続三段蹴り!(何と蹴り脚だけで3人を同時に吹っ飛ばす!)そしてあの“ノーザン・レッグ”劉忠良顔負けの右脚を大きく開脚しての連続旋風蹴りが何度と無くヤクザ軍団に炸裂します!
ラストは自分の甥の子供を守るために乗客で満員状態のバスに乗り込んだハン・グギルに彼を追って乗り込んで来た無数の刺客が襲いかかり、バスの中は一転して修羅場と化します!
何とか大勢の刺客を蹴り倒し撃退したハン・グギルですが、バスが停車すると更に新たなるお客さん・・じゃなくて(苦笑)イ・ジュチョルをリーダーとした屈強で凶悪な刺客たちがバスに乗り込んで来る中、またもハン・グギルの闘いが延々と続く事になります。
最後はバスの中の全ての刺客を倒し、顔から何から自分の血や刺客たちの返り血を浴びたハン・グギルがグッタリと座り込む所に甥が泣きながら抱く付くシーンでエンディングとなります。
まさに90年代韓国クンフー映画のベスト作品であるばかりか、テコンドーなどの蹴り技映画ファン超必見の作品こそこのハン・グギル主演『カリスマ』なのです!!

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