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香港功夫映画と共に

回想~李小龍(之四) 本当に幻なのか・・・『ドラゴン怒りの鉄拳』予告編の行方

2008-11-25 13:42:28 | その他
さて、密かにこの企画を楽しみにして頂いている方多しの「回想~李小龍」第4回ですが、今回はリーさんの事実上の最高傑作と言われている『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)をテーマに語りましょう。
これはかなり以前に私も某社から出版されたリーさん本でも触れたのですが、当時と言うか『~怒りの鉄拳』公開前後に1本の予告編、または特報映像が製作されていて、その予告編では上半身裸のリーさん陳真がセット内の階段を駆け下りて来て、そこに待ち構えていたペドロフ役のボブ・ベイカーと「ガガーン!」と肩と肩を打ち着け合うアクションの直後に「『精武門』いよいよ近日公開!」のテロップが入る大興奮の予告編が存在していた、との仰天逸話です。実はこの『~怒りの鉄拳』が公開された70年代の香港映画では、嘉禾公司に限らずショウ・ブラザースでも本編には登場しない映像を盛り込んだ独自の予告編を製作していて、その最も象徴的な予告編が劉家良導演、姜大衛主演作品『螳螂』(78)の劉家班総登場の予告編でしたし、この『~怒りの鉄拳』の予告編にもその手法が取られたとしても決して不思議ではないと思われます。
言うまでも無く、上記のようなリーさん&ベイカーのシーンは『~怒りの鉄拳』の本編にはありませんし、勿論この予告編の所在は現在不明の状態です。ただ上記の予告編と全く同じポーズをリーさんとベイカーが取っている有名なスチール写真は残っていますし、もし本当に存在しているなら是非このリーさんとベイカーの迫力の睨み合いを“動く映像”で観てみたいですねー!
以前に一部で「あの『~怒りの鉄拳』予告編は存在しない」なんて声がありましたが、私のこれまでのリーさん関連の映像探索&収集の経験から言わせて貰えば、リーさん関連の未知の映像の話題で頻繁に挙がる「あの映像は破棄された!」「もう存在しない!」と言う声は殆どアテにならないと思っています。
だって『死亡遊戯』のラフカットしかり、アーナ・カプリ映像しかり、『グリーン・ホーネット』のNGテイクしかり、何だかんだ言っても結局はちゃんと現存していたわけですし、この『~怒りの鉄拳』予告編もきっと近い将来発掘される日を待ちたいですね。

最後にリーさん関連の未発掘映像では、まだ他にも『ドラゴン危機一発』(71)の余りにも有名な“脳天ノコギリ直撃”収録バージョン、『ドラゴンへの道』(72)撮影時の休憩中にリーさんがチャチャチャを踊ったりヌンチャクで戯れる映像、『麒麟掌』(73)の未使用映像(約12分あるとか無いとか)、ロバート・リー撮影による『死亡遊戯』でのリーさん、ジャバール、田俊のフォト・セッション撮影風景モノクロ8ミリ映像完全版(一説には鮮明画像&音声入りで40分あるとか)、そしてヘンリー・ウォン撮影による約9時間にも及ぶ『燃えよドラゴン』メイキング映像などなど、まだまだあるようですし、これからも“世紀の闘神”の遺した未知の映像遺産探索に終わりはないようです。
というわけで、李小龍を語る事は歓びである!「回想~李小龍」、目前のリーさんの誕生日目指してラスト・スパートです!
コメント (4)
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