超級龍熱

香港功夫映画と共に

熱風!韓国LEGENDS⑭ 女烈士闘日本黒社会!胡慧中&張勝和主演『関東太陽会』

2008-11-26 00:00:24 | 熱風!韓国LEGENDS
昨日は友人にDVDを送って貰ったまま中々観れずにいたクンフー映画の名伯楽である徐小明導演最新作『奪標』を観たんですが、これがまさに本格派武打片の最高峰でしたねー!!
映画はオリンピック出場が危ぶまれる中国団の選手たちが自分たちの誇りである“中国武術”を駆使してその困難を乗り越えていく、という展開です。もう劇中で展開される干榮光(太極拳!)vs徐向東(鷹爪功!)、謝苗(あのリンチェイの“息子”が立派に成長して帰って来た!)vs張衛健のド迫力の螳螂拳合戦、さらにはドニー兄貴の『ワンチャイ外伝/アイアン・モンキー』(93)で戦慄の女刺客・鬼面使に扮していた李輝(実際はとても美人。輝の字異なります)の華麗なる太極拳の舞い!ともうクンフー映画ファンのみならず中国武術ファンには大興奮シーンの連続です!
それにしてもあの子役で洪文定とかやっていた謝苗君がこんなにカッコイイ武打星になった姿をまた見せてくれるなんて本当に感無量ですし、これは是非リンチェイ迷の方々にも観て欲しい映画ですね。
あと個人的には懐かしの武打星である徐向東がまだまだ元気な姿で気迫漲る鷹爪功の大家役に扮していたのが嬉しかったなぁ!

さて、「熱風!韓国LEGENDS」第14回は、以前から是非レビューしたいと思っていた台湾&韓国コラボによる抗日武打片で、羅棋導演、シベール・フーこと胡慧中&チャン・スンファこと張勝和主演『関東太陽会』(93)です。
実はこの『関東~』には題名を『野望の大陸』(92)という韓国バージョンが存在していて、韓国バージョンは当ブログではお馴染みのイム・ソンこと林善が導演を担当しています。ちなみに製作側のクレジットの1人に張一道の名前があったのにビックリでした。
今回私がレビューに使用したのは大陸版のVCDなんですが、私が15年ぐらい前に観た台湾版のVHSに比べると残虐シーンがかなりカットしてありましたね。映画的には典型的な抗日武打片で、日帝の猛威が吹き荒れる中国を舞台に胡慧中演じる中国人の烈女と、平壌から来た韓国人の張勝和(長身から繰り出す廻し蹴りはド迫力!)の2人が悪辣な日本人金井政雄(慕思成)相手に決死の闘いを挑んでいく展開です。
また台湾バージョンで武術指導を担当している元張家班のチェン・ティンチー(日本人の悪漢として出演も)の素晴らしい殺陣構成もあって、劇中での武打シーンはそれなりの完成度を誇っています。
さらにその出演陣も主役の2人の他に台湾側から常山(大拍手!)、鄭浩南(序盤でアッサリ殺されるけど)。韓国側からチャン・ソヒこと張端希、権成榮(韓国バージョンでは武術指導も担当!)、宋金植など中々豪華な面子が揃っています。ただ以前にも言ったかと思いますが、この映画の最大の見せ場はラストで胡慧中や張勝和たちが金井一派が待ち受ける道場に乗り込んでの延々約10分間にも渡って展開される鮮血に塗れた道場ファイトで、ここではまず権成榮が倒れ、宋金植が倒され、日本人側も常山が大暴れした果てにこれも倒され、最後は胡慧中&張勝和vs日本刀を手にした慕思成の激突となります。
この乱戦での胡慧中は何故かベレー帽に中国服、手には拳銃とナイフ、さらにはパチンコ玉まで用意すると言う重装備(苦笑)で、最後は大激闘の果てに張勝和の猛攻に金井政雄は倒されます。ところが、闘いを終えた胡慧中と張勝和が玄関に姿を見せると、そこには日本軍の無数の銃口が待ち構えています!
それを見た胡慧中と張勝和の2人はお互いにジッと見つめ合うと意を決したように「いやあああ!」と絶叫を残し日本軍に向かって飛翔!そこに日本軍の非情な銃声が鳴り響き劇終です。
何処かで観たエンディング・・そうです!この『関東太陽会』はリーさんの不朽の名作『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)のエンディングにおけるあの伝説的かつ感動的な“精武英雄”陳真の大飛翔のエンディングをコピーしているんですね。
胡慧中は90年代序盤には数多くの動作片に主演していますが、それら無数の主演作の中でもこの『関東太陽会』は特に強烈な印象を残す作品だと思います。

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