パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

見つからない

2009-02-16 22:14:31 | Weblog
 つい数時間前まで読んでいた本がどうしても見つからないまま、三日経ってしまった。

 どうしても見つからないので、ブックオフで探したが、ない。古本屋で探してもない。

 しょうがないので、改めて本屋で買った。岩波新書なんで、それほど高いわけではないが、きっと買った後で出てくるんだろうなーと思いながら、今日一日かけて本棚を移動、整理したが、予想に反して、やっぱり見つからない。(本当は、買い直す前にすべきなのだが)

 以前、アイスクリームを買って食べようと思ったら、どうしても見つからなかったことがあったが……。

 その買い直した本屋で吉本隆明の新刊を立ち読みした。

 もちろん、インタビュー構成だが、戦後最高の文学者として武田泰淳をあげているのにびっくりした。

 少し前、彼の代表作『ひかりごけ』を読んで、呆れ返ったばかりだったからだ。

 吉本はもちろん、プロの文芸批評家であり、小説を読んだ量は私の数百倍はあるだろうし、武田泰淳を「最高の文学者」とするちゃんとした理由はあるのだろうが、そこまで読まずに、ただびっくりしただけで帰ってきてしまったので、もう一度立ち読みするかなとか思っているのだが、大体、その新潮文庫版の後書き解説に、「人間の大いなる苦悩を背負ってそれを見事に表現した作家と同時代を生きたことを神に向かってでも何に向かってでも誇りにしたい」と、陳腐きわまりない讃辞を寄せているくらいだから、いかに『ひかりごけ』が下らないかお分かりかと思うが……って、かなり無茶苦茶言っているが、時間がないので又後で。