パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

これは酷い

2011-12-29 14:20:23 | Weblog
 地下鉄新宿御苑駅の上の新宿通りに10人近いキャンペンガールが並び、通行人にジョージアのエメラルドマウンテン(缶コーヒー)を二缶づつ配っていた。

 もらって飲んでみたが、うまい。

 昔の「缶コーヒー」とは全然ちがうものだった。

 インスタントコーヒーも最近は、本物のコーヒーに近くなっている。

 ただ、香りの広がりとか、そういう点では物足りないが、道行くサラリーマンが「コカコーラって儲かっているんだな」と言っていたので、缶を見たら、たしかにコカコーラだった。

 ジョージアって、コカコーラボトリングの商品だったのだ。

 さて、以上は前置きで、野田のこと。

 不退転の決意で財政再建のため増税するんだそうだ。

 もちろん、口では一応「社会保険制度の一体改革のため」と言ってはいるみたいだが、そのニュアンスは日毎に低下している。

 「社会保険制度の改革」を具体的に示せば、その内容次第で国民の理解はある程度は得られると思うのだが、それが全然なし。

 それどころか、年金金額や初診時の負担金の増額を打ち上げている。

 何を考えているのだろうと思うが、テレビマスコミは、全然突っ込まないし、谷垣は谷垣で、面倒な増税をやってもらった後で政権打倒を果たせばいというスタンスが見え見え。

 しかし、「未曾有の財政危機」を煽っているけれど、財政危機に陥っているのは日本国ではなく、日本政府なのだ。

 だとしたら、やるべきことは日本政府の持っている資産を売却する、雇っている公務員の給料を下げるといった方策がまず求められる。

 この点では「増税の前に無駄の削減」を要求している世論の多数意見と一致している。

 マーク・トゥエインの格言によると「多数派は必ずまちがえている」のだが、この問題に関する限り、それはない。

 間違えているのは、日本政府の方だからだ。

 マーク・トゥエインはともかく、「マニフェストを実現するために増税をしたい」だったらわかるし、民主党に投票した人はそれを支持すると思うのだが、財政収入を増やすために増税だなんて、バカとしか言いようがない。

 「財政が危機だというのなら増税もしょうがない」と言っている人だって、増税分、倹約につとめることは間違いない。

 これは「本音」と「建前」の相違なんかではないし、「自己欺瞞」でもない。

 終戦直後、「闇米は食わない」と言って餓死してしまった裁判官が甲府の方にいたそうだが、この裁判官だったら、増税を国民の義務として受け入れ、一生懸命払おうとするだろうが、その分、倹約するにちがいない。

 これはもう、「生活者のロゴス」といってもいいような話。 

 あまりに簡単なことなのでかえってめんどくさい記述になってしまったが、要するにお日様が東から上がるのと同じくらいの確率で間違いなく、増税分は倹約で対処することになるので、確実に景気は下がり、それに伴って税収も下がり、政再建なんて夢のまた夢ということになる。

 というか「財政再建」なんてする必要はないと私は思うのだが、それはともかく、野田だって生活している限り、増税になったら増税分は倹約で対処するだろう。

 かくのごとく「簡単な理屈」なんだからわかってくれと野田に言いたいのだが…。

 サッカーの日本チームの新ユニフォームが披露されたが、「これは酷い」と言わざるを得ない。

 震災後のスローガン「一つになる」をデザイン化したんだそうだが、「一つになるとデザインしたんです」とデザイナーが言ったので、それに反対できなかったということなんだろう。

 ある意味、原発事故を防ぐことができなかったことと同じ心理現象だと言えなくもないだろう。

 いや、まさにそうなんだろう。

 自分の目が信じられないのだ。

 もう、マネジメントは外国人にまかせたほうがいい、とまで思う。

 ……と思ったのだが、リンクしたユニフォームは誰かが悪戯したデザインでした。

 元のデザインではパンツまでは線は入っていないが、それでもスポーツ用のユニフォームとしては「変」なことは確か。

 縦線をずらすとか、工夫すればいいのだろうが、その前に「一つになる」というコンセプト自体が嫌だ。

 もう、「日の丸」というデザインもつくづく嫌だ。