パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

これはヒドい

2009-06-11 19:59:07 | Weblog
 小谷野敦のブログ、「猫を償うに猫をもってせよ」はよく見ているのだが,今日のは驚いた。

 夏石番矢という前衛俳句の世界で有名な人がいるそうで,現在明治大学の教授をしているのだそうだが、彼が「反権威」を装いながら酷く権威的になりつつあることを、小谷野が非難しているのだが、その夏石が、京都の某カフェの主人のブログに夏石が文句を付けていて,それが酷いというので、覗いてみたら,あまりといえばあまりの酷さに唖然としてしまった。

 これで「大学の教授」とは。

 才能,実力があれば少々のことはいいんだ、という見方もあるだろうが,これはそれ以前の問題だ。

 要するに,京都のカフェの主人が、自分のブログに、主人の知人から聞いた話として、中上健次の小説の朗読会を夏石が企画し、そこで夏石が感極まって,「兄貴ー!」と言って泣き出したとかいう話を載せたら、夏石が、「それはオレじゃない。オレは中上と親しかったが、朗読会をやったことはない。中上はゲイだったが、私は中上と肉体関係をもったことはない」と訂正を要求してきた。

 それで、カフェの主人は「すみませんでした」と丁寧に謝ったのだが、夏石は、なんでなのか、その後も延々と攻撃を続ける。

 そもそも、夏石が、中上のことをまったく認めていないのに、記事で正反対のことを書かれて怒るというのはわかるのだが、夏石は、このレスのなかで、中上を「あと3年長生きしていればノーベル賞をもらっていただろう」と(この比喩も「前衛俳人」としてはなんだかなーだが)言っているくらいの評価をしている。

 だったら、あたかも「肉体関係があったかのごとき記述」があったとしても、まー別にいいじゃないの、と思う。

 ともかく一度覗いてみることをお勧めするが、明治大学教授という紛うことなき知識人(履歴を見たら、東大卒)の2chの悪質投稿者もどきの文章には、本当に驚く。

 ネットで匿名で罵詈雑言を浴びせる連中は、なんとなく「若い奴ら」という思い込みが一般にあると思うが、実は、そうでもないのかもしれない。

 カフェ店主が丁寧に謝っているのだから、それを受け入れるにせよ,受け入れないにせよ、同程度の言葉遣いは心がけるべきだろうと、常識から判断する。

 前に,ネット世論の無責任さを是正するためにネットへの書き込みは原則匿名禁止にしてはどうかと、先に提案したのだが,どうどうと本名を出しての一方的な「罵詈雑言」じゃあ、匿名禁止なんて屁のカッパである。

追伸 今あらためて小谷野のブログを読んだら、中上健次の朗読会云々の話は今から3年ほど前のことで、小谷野はそれを一度ミクシーで話題にしたことがあり,それをあらためて「夏石批判」のために「話の枕」として持ち出したということらしい。
 でも、話の本質は変わらない。要するに、相手が絶対に歯向かってこないことをわかって、思い切り見下しているのだ。世間にはこういう人が少なからずいることを肝に銘じておこう。