パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

青森ではリンゴは売っていない

2009-01-29 20:25:16 | Weblog
 ちょっと前、テレビでおもしろいレポートを見た。

 青森県民は日本一バナナが好きだというのだ。

 その「噂」を聞き込んだレポーターが青森に出かけてインタビューをする。

 すると、街のおばちゃん、おじちゃんたちが口を揃えて、「バナナ、大好き!」と叫ぶ。

 そんなインタビュー、「バナナ、好き」と言ってくれた人以外はカットすればいいだけじゃんと思われるかも知れないが、そうじゃない。

 おばちゃん、おじちゃんたちの、「バナナ、いいねえ」「おいしいよねえ」と喋る時の、あの嬉しそうな顔、輝いた目! あんな風にバナナを絶賛する人が、今の東京にいるだろうか? 

 驚いたのは、青森には「バナナ屋」ってのがあることだ。

 レポーターが訪れた「バナナ屋」は、さすがにバナナ以外の果物も売っていたが、店の前面はバナナがずらりと並び、店の看板にも「バナナ屋○○」となっていた。そこのおやじが言うには、以前は屋号通りにバナナばかり売っていたらしい。

 ところで、レポーターのお手柄だったのは、その店にリンゴがないことだった。(「ないもの」を見つけるのはけっこう難しい。)

 「リンゴがありませんね、青森なのに」と聞くと、おやじ曰く。

 「青森じゃ、リンゴは買って食べるものじゃないんだよ。だから置いてないんだ」

 へー!

 「ケンミンショー」という、県民の特徴を探して話の種にする番組があるらしいが、それが今週は「青森県」をとりあげるとか、テレビで宣伝していた。

 そんな番組があるということ自体、知らなかったが、「青森県民は日本一バナナが好き」、と、「青森ではリンゴは買って食べるものではない」、の二つを取り上げたら、番組プロデューサーはセンスありって誉めてあげてもよいが、どうだろう。