パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

「派遣」は根性なしか

2009-01-07 20:40:37 | Weblog
 なぜ「派遣」は暴動を起こさないのか、という2chのスレに次のような文章を書き込んだ。

『810 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/01/03(土) 17:07:33
「努力次第で何でも可能」が建前の社会である日本では、労働者は失敗者の群れであると労働者自身が、
無意識に思っている。派遣労働者あるいは、その派遣すら切られた連中においておやだ。
要するに、自己に対する評価が低いから、その自分を守ろうとする気持ちもわいてこない。
これが、日本で暴動が起きない理由だ。 』

 するとすぐに書き込みがあった。

『811 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/01/03(土) 17:26:52
早い話し、根性なしってことだ 』

 それからしばらく間が空いて、以下の書き込み。

『815 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2009/01/03(土) 23:51:04
810と811に激しく同感!と言う訳でこの駄スレ終了!! 』

 いや、私の書き込みに「激しく同感」してもらったのはありがたいのだが,私は、「派遣」が根性なしだからこうなったなんて一言も言っていない。

 仮に、派遣労働者に「根性なし」が多いとしても、それは今問題になっていることとは全然関係ない。それくらいわかってくれよな~とがっかりしてしまった。

 右(?)がこうなら、左は、製造業への派遣を禁止せよと。

 いや、今、派遣が製造業から解雇されているわけで、その製造業への派遣を禁止せよって…どーゆーこと?

 昔,バブル最盛期の頃、旧国鉄の清算事業団が新橋操車場の広大な空き地を数兆円という巨額で売却しようとしたところ、全マスコミが「地価上昇に拍車をかける」という理由で大反対し、結果、売り時を失った事業団は、結局1兆円を下回る価格で売却することになったことを思い出した。

 地価が急騰したのは、もちろん、金あまりで行く先を失った金が不動産に向かったという側面はあるにせよ、基本的には優良な不動産が少なかったせいだろう。

 つまり、地価が上がるのは、要するに需要が供給を遥かに上回ったからで、その少ない供給をさらにしぼってなんで価格抑制になるのかと目が点になったことを覚えているが、今はそれに匹敵するほど日本人全員、おそろしいほど非論理的になっている。

 もともと日本人は論理的に考えることが苦手なんだが、最近は半ば意図的に、非論理的になろうとしているようにみえる。

 論理的に考えることが苦手→論理的に考えようとしても成果が上がらない→論理的に考えること自体を否定→ますます成果が上がらない→論理に対する苦手意識が増す→ますます成果があがらない→論理的に考えることをさらに否定→

 …の悪循環だ。

 「得手に帆上げて」というけれど、論理は苦手だから他に「得手」を探すという理窟はわからないでもないけれど,じゃあ、非論理的でいいかというとそうじゃない。どんなに苦手でも、論理的であろうとする態度は崩してはならないと思うのだが、どうも、それを崩そうとしているような気がしてならないのだ。