パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

こりゃ駄目だ

2007-01-08 23:36:16 | Weblog
 今年最初のニュースショー、ふって湧いたとんでもない猟奇殺人事件に各局はどんな反応を見せるのか、あちこち見て回ったが、案の定、犯人の口車にのせられて、あたかも、家族の中で、ただ一人、被害者だけが突出した生き方をしていたために殺されたと言わんばかりの口振りだ。「精神分析医」の和田秀樹ときたら、わが学問の成果を披露する好機とばかり得々と持論を述べた(どんな内容だったかは忘れた)挙げ句、犯人を「あの方」と口走ってしまった。そうだろうねえ、「あの方」のおかげで自分の該博な知識、理論を開陳することができたんだもの。

 もっと酷かったのは、元警察で司法解剖を担当していたらしい、無精髭を生やした専門家。これも何と言っていたか忘れたが、ともかく酷かった。

 ちょっと期待していたのは、事件報道では定評のある鳥越俊太郎だが、彼も又、西新宿と渋谷で発見されたバラバラ死体についてはまったく言及せず。(ただ、鳥越は、他のコメンテーターが話をしている時、どこか上の空でいた。もしや、「ほんの一、二週間前にもバラバラ死体が見つかっているんだよなあ、あれの話を持ち出してもいいのかな~」と迷っているような……と見えたのは贔屓目か)

 まったく、どうしちゃったんだろう、みんな。

 これまで、警察が、武藤某の言い分(供述)ばかりを発表して、それを信じているのか、疑っているのかはまったく語っていないのは、もしかしたら、武藤を好きなように喋らせ、そこからボロを引きずり出す作戦かもと期待していたのだが(明らかに、犯人の供述は「悪のり」であり、それがことごとく真摯な問題提起のごとく受け取られるのだから、本人は有頂天だろう。皮肉ではなく、3浪生武藤勇貴は、今、人生最高の時を過ごしているに違いない)、夜のニュースでは、警察は武藤の高校時代にまで遡って、「犯行の動機」を探っているとのこと。警察は、早くも、裁判の公判維持に目的を定めてしまったようだ。

 アチャー、こりゃ駄目だ。