パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

ノコギリを買ってしみじみした話

2005-10-03 14:00:16 | Weblog
 2週間ほど前から部屋の根本的模様替えをはじめた。それで、ノコギリを買ったのだが、わずか2日使っただけでぼろぼろ歯こぼれしてしまった。もちろん、高級品なんかじゃないけれど、店に並んでいた中では、中くらいだ。(中の下かな)
 それで、フリーマーケットで中古を探すことにして、昨日、明治公園に行き、ぶらぶら会場を歩きながら探した。その途中で、カシオの70年代末期から80年代初期のものとおぼしきデジタル腕時計を見つけた。カシオの古いデジタルウォッチを集めているというわけではないのだが、見つけるとつい目が止まってしまうのだ。まあ、たいしてかっこよくもないのだが、なんか好きなのだ、80年代デジタルウォッチが。それで手にとって眺めていると、店のおやじが「1500円だよ」と言った。首を振ったら、1000円でいいという。また首を振ったら、800円でどう?と続けた。「500円なら」と言うと、「500円はない。800円で勘弁してよ。電池を入れたばっかりなんだからさ」と言う。そこで、気を改め、「ノコギリ買いにきたんだ。時計はいいよ」と言って、向いの店を見ると、ノコギリがあった。でも、よく見たら植木伐採用のノコギリみたいで、歯の一つ一つがえらくでかい。用途がちょっと違うようだ。それで、立ち去ろうとしたら、肩を叩く者がいる。振り返ったら、さっきのおやじだ。
 「500円でいいよ」。
 「500円なら買ってもいいいよ」みたいなことを言った手前、買わなければしょうがないかと思い、オーケーした。いざとなったら、電池だけでもゲットだ。しかし、ちゃんと動くのか? 一応、文字表示はなされているのだけれど、あちこち押しても、モードが切り替わらない。おやじは、「俺も詳しくはないんだ。家に帰ってからじっくり遊んでよ」と言う。なんか、ちょっと雲行きが怪しくなったが、まあいいかと、またぶらぶら歩きながら、いろいろ押してみた。でも、ダメ。ん~、本格的に怪しくなってきたなあ。
 結論。ダメでした。ちくしょー。「口は災いのもと」とは、まさにこのことだな。

 で、ノコギリなのだけれど、お婆さんが店番をしているところで、一丁300円で買った。もちろん、歯こぼれはしていない。使い込んで、しかも歯こぼれしていないとすれば、まあまあではないかと判断したのだが、でも、歯こぼれしたノコギリは、さすがにフリーマーケットといえども、商品にはならないだろう。要するに、使ってみないとわからないということだ。
 ついでに、ラチェット式のプラスドライバーを100円で買って帰った。

 さて、早速試し挽き。2日で歯こぼれしてしまったノコに比べ、歯自体のそりが小さいので、挽き幅が小さく、挽き跡も綺麗である。端正というか、きちんとしているというか……しかしい、あまりよく切れない(笑)。文字どおり、「切れ味」が鈍い。古道具だものなあ、しょうがないか、と思いながら、試しに今まで使っていた、歯こぼれしまくりのノコで挽いてみた。……切れる! なんだかんだ言って、こっちのほうが切れる! 部屋の模様替えが完成する頃には、さらに一段、二段、歯こぼれが増えて、すっかり切れなくなるのだろうが、今のところは、こっちのほうがいい! さしずめ、できは悪いが若さの勢いだけはある若者VS若い頃は抜群の切れ味を誇ったが、今はすっかり鈍ってしいまった老人、て構図か。なんか、しみじみしてしまった。

 追伸 ラチェット式ドライバーは大変に具合がよろしい。作りもしっかりしているし、結局、総額900円で、ドライバー一本買ったようなものだ。