みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

Coffee Break, #181

2018年04月24日 | コーヒーブレイク
ルカ18章29節~30節
イエスは彼らに言われた
まことに
あなたがたに告げます
神の国のために
家、妻、兄弟、両親、子どもを捨てた者で
だれひとりとして
この世にあってその幾倍かを受けない者はなく
後の世で永遠のいのちを受けない者はありません

この聖句を読んで大変嫌な気分になったクリスチャンもかなりいるのではないかと思う。

>神の国のために家、妻、兄弟、両親、子どもを捨てろ

という風に命じられているようで、不愉快になる。

早速調べてみたい。

「捨てた者」の「捨てた」と訳された単語はἀφίημιで、意味は

ἀφίημι:
アフィエミ
From G575 and ἵημι hiēmi (to send; an intensive form of εἶμι eimi (to go)); to send forth, in various applications: - cry, forgive, forsake, lay aside, leave, let (alone, be, go, have), omit, put (send) away, remit, suffer, yield up.

最初に出てくる意味がsend forth(放出する)で、続けてみていくと
許す、見捨てる、脇に置く、残す、放っておく、放棄する等々。

確かに、forsake(見捨てる)という意味もある。

英語訳には何と書いてあるか。

同b
one who left house, or parents, or brothers, or wife, or children

leaveという訳を当てているのが分かる。

leave:〈…を〉その[入れた]ままにしておく, 残す

つまり、「捨てる」ではなく「そのままにしておく」「残す」

こちらの訳の方がはるかに適切だ。

日本語訳は不適切かつ不愉快。

前節も同じ。

ルカ18:28
Then Peter said
Lo
we have left all
and followed thee

「捨てて」ではない、「置いて」とか「残して」。

主が「家族を捨てろ」などと言うはずがない。

アホらしい。