D3Nをクリーニング

2008-12-25 01:34:42 | Dano Column
休日はこないだ入手したDane D3Nをクリーニングした。
ヴィンテージの場合、方針としてはクリーニングはするけれども深追いはしないことにしている。「ヴィンテージ、サビやくすみも味のうち」というわけ。自然にそうなったものは仕方がないし、新品同様にピカピカにしてもかえって変だ。

しかしながら、金属部分をスチールウールかなんかでゴシゴシこすってできたキズは許しがたい。誰がやったか知らないが、見つけたらただではおかない。ほとんど殺意に近い感情をエネルギーにして私は磨く、ピカールでひたすら磨く。

D3Nは承知の上で入手したのではあるが、あまりよい状態ではない。慌てずゆっくりとクリーニングをし、その作業の間に調整するべきところ、リペアが必要なところを確認する。

1.ヘッド。これは割れたのをリペアしている。その継ぎ目が生々しく残っている。さらに再塗装した色が他の部分と違っている。
2.フレット。ローポジションにえぐれがある。
3.ピックガード。波紋上の模様は光の屈折によるものだと思っていたが、間違い。ピックガードの下に模様のついた紙が敷かれている。これがカビや染みで汚れている。
4.コントロール部のメタルプレート。スチールウールでこすったような無数のヘアラインがある。
5.ネックサイド、ボディサイドの塗装のはがれ。

ざっと見たところでこれくらい。今回は金属部分を磨くだけにとどめる。スチールウールでつけられたキズはなかなか消えなかったが、それでも最初のときよりかはいくらかまともになったような気がする。





このギターは前のオーナーが少し手を加えている。画像を見てもらえばわかるが、ナットの溝をギリギリまで削っている。そしてローズウッドサドルには弦の通り道に切り込みを入れている。こうすることで何を狙ったのかというと、オクターヴチューニングがきちんと合うようにということだ。この狙いは成功と言ってよい。

ダンエレクトロのギターで問題になるのはチューニングが合わないということ。その原因は高いナットとローズウッドサドルにある。ローズウッドサドルはそれなりに動かせるので、なんとか妥協できるところまでもっていくことは可能だが、1弦ずつシビアにあわせることはできない。ところが、先述した加工を施すとオクターヴ・チューニングがしっかりできる。しかしながら、この加工はダンエレクトロらしいギターの鳴りをいくらか犠牲にしてしまうようなので、あまり推奨できるやり方とは思えない。

ヴィンテージのダンエレクトロにはティルト機構が備わっているので、ネックの仕込み角を変えて、弦高を低くすることで、多少オクターヴを合わせやすい状態にすることができるのだが、そのネジがインチサイズであるため、私の持っている六角レンチセットでは合うものがなかった。ティルトで仕込み角を変えると、ネックとボディの間にすきまを作ることになるので良くないという説もあるから微妙ではあるのだが、一度は試してみる価値はあると思うので、インチサイズのレンチセットを買ってきて試してみたいと思っている。

年末年始の休みはギターの調整に明け暮れるような予感。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TOKAI LS-80 | トップ | Vintage Power Source »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Dano Column」カテゴリの最新記事