いい加減なことで坐っている人は一人もいないと思います。
それぞれ皆一杯一杯、精一杯の努力をなさっておられると思います。
そういう様子を禅の言葉で
「一塵を動かさず、一相をやぶらず」 といいます。
「一塵」 とは、毛筋ほどの塵ということです。
眼に見えないほどの塵も動かさないという事です。
「一相」 とは、姿です。
ですから、本当に自分のもとの、本来の姿というものは
ズ―ッと最初のない初めから、終りのない終りまで
「一塵をうごかさず、一相をやぶらず」 の状態なのです。