活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

菩提達磨大師 2

2016年06月26日 | 仏教

達磨大師は六度毒を呑まされましたが、五度までは死ななかったのです。

毒皿を石の上に投げて石の方が割れたという話があります。

 

達磨大師の肖像画を御覧になると、中に歯の欠けた達磨の画があります。

これは反対派が石を投げた為には歯がかけたのです。

それ程の迫害に遭っても一転の怨みもないのです。

 

その証拠には、彼が死ぬ時賄うということを云ったのです。

「五口相共に行く 九十にして 彼我無し」 と。

 

「九十」 とは卆(そつ)で 「卒」 という字の略字です。

「五口」 を合すると 「吾」 の字になります。

 

「吾汝と共に行かん」 ということです。

「元(本)」 は一つのものです。 

怨みは無いぞ、彼我の 「差別(しゃべつ)」 は無いぞ、というのです。

 

キリスト教では 「汝の敵を愛せよ」 と言いますが、達磨大師には敵が無いのです。

一点の怨みも無いのです。

 

隙間のあるものは、どうも怨みが出て来るものです。

隙間がなければ怨む心が起こらないのです。

 

菩提達磨大師 2015/11/22