活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

ものの価値 1

2016年06月22日 | 語録

ある高僧が指導者に 「世間で最も尊いものは何ですか」 と尋ねました。

すると指導者は、そこら辺に転がっていた猫の死骸を指さし

「死猫児頭(しみょう じとう)最も尊し」

とお答えになりました。

 

するとある僧が

「何故そんな価値のないものが、世間で最も尊いのですか」

と重ねて尋ねると、指導者は

「人の値(あたい)をつくるなし」

とお答えになったということです。

 

この問答は人間は有限(値)のものを嫌い、より無限のものを喜ぶものです。

言い換えれば 「相対」 より 「絶対」 を求めるということを物語っています。

 

「生」 に対する 「死」

「迷い」 に対する 「悟り」

「凡」 に対する 「聖(しょう)」

「利益」 に対する 「損失」

「成功」 に対する 「失敗」

など。

 

相対的な価値判断の中から出て来た結果には、限界があり

本当のものではない間違いだということです。