活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

有為に非ず

2016年06月06日 | 

造ったものは必ず破れます。作ったものがあるのではありません。

「因」 と 「縁」 との出来合いなのです。

 

ですから、「有為(うい)に非ず」 なのです。  「無為」 なのです。

「無為」 とは 「自由」 の義です。

即ち 「縁」 に応じて 「自在」 なのです。

如何なる活動も出来るのです。

 

「有為に著する」 と転処(てんじょ)の妙用(みょうゆう)が得られません。

「真空」 は妙用なることを忘れてはいけません。

 

夢想国師曰く、

「我ありと思わねばこそ露の身を 草葉の上に置きこそすれ」

と。

 

露が登って雲となり、又雨となり、草木を養うなど妙用無限です。

「露」 ばかりに目をつけると消えるのが悲しくなるものです。

 

「自己」 を認める時、「死」 が甚だ苦しいものです。

しかし、露の本体は 「水」 です。

「水」 は 「無為」 です。

「転処自在尽未来際」 です。

 

「死」 もまた一時の 「法位」 です。

尊ぶべき道であることを忘れてはなりません。

「死」 がなければ、「活動」 は なしです。

 

道歌に、

「人(ひと)問はば 露と答へよ 合点か」