道元禅師が中国から帰られた時に、どういう事を得たかと質問した人がありました。
すると禅師は只、「眼横鼻直(がんのう びじょく)」 と、
抹香臭いものは何にもないと答えられました。
又、「何の不思議もなかりけりだ」 と答えられました。
それでは、何の効果があるのかと又問われたのに対して禅師は
「唯少(しばら)く 柔軟心(にゅうなんしん)を得たり」 と、
ただ近頃心が軟らかになったぞと仰ったのです。
柔らかに成らなければ駄目なのです。
「柔軟心を得たり」 ということは、「塊り」 がなくなったということです。
「氷」 が溶けて 「水」 になったのです。
それが 「修養の結果」 です。