活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

自照霊然たり

2016年05月30日 | 法理

「此の物」 は聞けば聞いたきり、見れば見たきり、思えば思うだけなのです。

別にどうということはありません。邪魔になるものはありません。

 

何が何処に止まっているのでしょうか。

何も後に残るものはないのです。

 

堂々たる 「法身(ほっしん)」 の様子ではないでしょうか。

「此の物」 は清水のように透き通っていて表も裏も、内も外もないのです。

すっかり何にも無い処から、いつでも何でも出て来るのです。


何にもない処から出て来ながら、何にも残っていないのです。

そして、然も自由自在、縦横無尽です。


その活動を 「自照霊然(じしょう れいねん) たり」 というのです。


「霊」 という特殊なものがあるのではないのです。

そういう微妙な活動をするものを讃嘆して 「霊」 という名目を付けただけです。