活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

時・処・位

2016年05月29日 | 仏教

物をつかまえて人間(にんげん)は良いとか悪いとか、そういうことを考えます。

実はその事が間違いなのです。

 

世の中の全てのものは、人間(にんげん)の為にあるのではありません。

人間も世の中の一粒です。

その者が勝手な事を考えて、そして、良いの悪いのとそんな事を始めるから

無謀なのです。


「参同契」(さんどうかい)にも、「万物(ばんもつ)自ずから功あり、当に用と処とを言うべし」

とあるように、全てのものは良いとも悪いとも名付けられない存在です。


有る物が本当に只有るという世界です。

用い方によってどれも良いといわれ、どれも悪いといわれるだけのものです。


一つの目標が立つと、その目標に対して物を見る時分に良い悪いといわれるだけのものです。

ですから、「自・処・位」(じしょい)、つまり、

「時間と場所と位置」 が異うと、ガラッと違って来るのです。