努力 1
2016年05月13日 | 禅
古人曰く、「己れ無き時、己れなさざるはなし」 と。
この意味は、努力の瞬間に己れそのものが宇宙全体に行き渡り
全自己となって現成(げんじょう)するということです。
実に大きな自己ではないでしょうか。大きな成功ではないでしょうか。
別の言葉で言えば、
「我れ一なれば、他の九は一に包容される」
ということです。
「我れ二なれば、他の八は二に包容される」
ということです。
いつも分量は同じなのです。
これが即ち 「無我の価」 なのです。
努力によって己れを忘ぜるものの価なのです。
このことが 「成功の真意義」 なのです。
努力そのものの価がわかったら、努力そのものによって人生の目的も立ち
人間(にんげん)の権利義務も果たし得られるのです。
生産力即ち能率が増し、世を救って罪より免れることが出来るのは
ただ、この努力のみなのです。
「道は近きにあり、しかもこれを遠きに求む」 ではいけないのです。