活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

「本覚思想 (ほんがく しそう)」とは

2015年06月04日 | 仏教
「本覚思想 (ほんがく しそう)」とは、人は本来、仏そのものであるという思想です。

誰でもが【仏性 (ぶっしょう)】を持っているという意味ですが、自分の体の中に仏性というものがあるのではありません。


見る、聞く、味わう、思う等々、これら生まれながらにして持っている働きを、全て仏性いっています。


おシャカ様が仏教を説かれる以前から、私達の働きというのは、始めもなければ終わりもない (無始無終) ままに続いてきています。

しかし、「なるほど、これが本来仏というものであったのか」という事は、修行によらなければ悟る事は出来ません。

故人も修行せずして「人間はもともと仏性がある」等と言った人は、一人もありません。


私達は本覚として、もともと仏性を備えている事は確かです。

そうでなければ修行して仏様には絶対になれません。


仏性というものがあるから、仏性によって、仏性を修行して、【仏性に目醒める事】が出来るのです。

海の水を本来のもの (本覚) として考え、汲んできたものを苦労して塩にするのです。


「円覚経」に、「始めて知る、衆生本来仏なることを」という御言葉がありますが、【始覚が本覚】です。

始めて知るという事がなければ、全部自分の意識の範疇の事で、本覚は出てきません。


歴代の覚者といわれる方々は、修行して始めて、この身が仏であったという事を知った人達です。





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