サムエル記第一24章1~7節,26章6~12節
サウル王はペリシテ人との戦いのために、ダビデを追いかけることを一時中断していましたが、ダビデが死海の西側にあるエン・ゲディの荒野にいることを知り、三千人の兵を率いて捕えに行きます。ある日、サウルは途中で用を足したくなり、一人で洞穴に入りました。すると、なんとその洞穴の奥にダビデたちが隠れていたのです。たまたまサウル王が入った洞穴が、ダビデたちが隠れていた洞穴だったのです。明るい外から暗い洞穴に入ったサウルは、奥の方にダビデたちが潜んでいることには気づきません。ダビデの部下はとっさにチャンスがきたと思いささやきます。「今こそ、王を倒すチャンスです」ダビデも一瞬そう思ったかもしれません。しかしダビデはサウルに手をかけようとはしませんでした。その代わりに、サウルの背後に近づき、サウルの上着の裾をそっと切り取りました。そして(6)「私が主に逆らって、主に油注がれた方、私の主君に対して、そのようなことをして手を下すなど、絶対にあり得ないことだ。彼は主に油注がれた方なのだから。」と、部下がサウルに襲いかかることを許さなかったのです。(8~)サウルが洞穴から出て歩いていくと、ダビデは後ろからついていって、「王よ」と呼びかけます。サウルは驚きました。ダビデはひれ伏して、なぜ自分を殺そうとするのか、切り取った上着の裾を見せて、自分には殺意がないことを伝えます。事態を理解したサウル王は声を上げて泣き、「ダビデよ、おまえは私より正しい。私は間違っていた。」と謝罪し、自分の家に戻りました。
しかし、サウルの反省は一時的で、再びダビデを殺そうとします。今度は、ダビデがジフの荒野に隠れているという情報を得ると、サウルは再びダビデを追って3千人の精鋭部隊を連れて追跡を始めます。ダビデはサウルが荒野に来たことを知ると、今度は自分の方から、真夜中に1人の家来を連れてサウルの陣地に忍び込みます。サウル王のテントを見つけると、王はぐっすりと眠っていて、枕元には槍がさしてありました。再びチャンス到来です。家来はダビデに言います。(8)「神は今日、あなたの敵をあなたの手に渡されました。どうか私に、槍で一気に彼を地面に突き刺させてください。二度することはしません。」しかし、今回もダビデはそれを許しませんでした。枕もとにある槍と水差しを取って、そこから立ち去りました。ダビデは近くの山に登り、大声でサウル王の部隊に呼びかけます。家来もサウル王も目を覚まし、王の枕もとにある槍と水差しがなくなっていることに気づきます。ダビデは今回も、王を殺すことができたけどそうしなかったこと、また、自分は王に何も悪いことを企んでいないことを告げ、自分をこれ以上追い回さないようにと願います。(21)それを聞いたサウル王は「本当に私は愚かなことをして、大変な間違いを犯した。」と反省の言葉を述べます。ダビデは続けます。(23)「主は一人ひとりに、その人の正しさと真実に応じて報いてくださいます。」(24)「今日、私があなたのいのちを大切にしたように、主は私のいのちを大切にして、すべての苦難から私を救い出してくださいます。」と告白するのです。ダビデは常に神を見つめ、神のみこころを求め、神への恐れがありました。(詩篇37:5~6)「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。主はあなたの義を光のように あなたの正しさを 真昼のように輝かされる。」ダビデはイスラエルの王になるとサムエルから油注がれ約束されていました。でも、自分の手でそれをつかみ取ろうとはしませんでした。主が成し遂げてくださると信じて、自分の道を主にゆだねたのです。神様におゆだねしましょう。主は一人ひとりにその正しさと真実に報いて下さり、すべての苦難から救い出してくださるのです。
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