さて、記憶が曖昧にならないうちに⁉️
前回ブログの続きだ。
蔵内をそれぞれ時間をかけて説明して頂いているうちに午後3時。
おやっさん(石川杜氏)が
「そろそろ、お茶でもしましょうか?」と
今まで数多くの酒蔵に行ったが「朝御飯」「昼御飯」「休憩時間」「晩御飯」は、どの酒蔵も必ずっと言っていいほど厳守される。
(いわゆる、ダラダラ仕事はされない)
特に過酷な労働も伴う「酒造り」と言う仕事。
きちんとメリハリをつける事で、集中力を高めて事故や怪我もないように配慮されてると理解しておるが。
そんな訳で、おやっさんと向かった先は
「蔵人の憩いの間」
八畳の部屋にこたつやテレビ、お茶菓子と湯沸かしポットに書籍(ほとんど雑誌やけど)山盛り。
隅に薄がけの布団もある。
写真を撮り忘れたので、長慶寺くんの写真を拝借しよう↓
どんだけ仲いいねん。皆さん仮眠中。。。
お茶とお菓子を頂きながら、おやっさんのストックしたビデオを見る。
テレビにも多数出演される「竹鶴酒造」
当然、酒造りのビデオもある。
そんなビデオを見ながら、おやっさんがあれこれ説明してくれる。
やはり注目は「生酛造り」
聞きなれない人もおられると思うので、ちょっとコピペ
6月に公開される映画には、酒造りをテーマに元AKBの何とかって女の子が主役で「何ちゃらかんちゃら醸せよ乙女」(すんません、女の子の名前もタイトルも忘れた…)って映画の監修もされている。
ちなみに一部だが「マッサン」も監修してる人。
何せ、世間一般で言う「生酛造り」はほとんど間違いだと指摘。「昔は精白技術が低く、はくの黒い(精白歩合率が低い)米だから、その為に生酛造りが盛んに行われたって嘘嘘‼️」とか
「日本酒を造るのは、本来なら関西の気候ありきなので東北や九州の酒蔵で同じ酒造りをするには、かなり無理がある❗️」とか。。。
気持ちいいぐらい、理路整然とと持論を展開するおやっさん。
「今度、本気で日本酒造りの著書を出そうと思います」と
ほんま凄い人です。
さて、そんな話を聞いてお茶の時間も終了❣️
蔵内を引き続き案内していただく。
木桶仕込みの醪は、元気いっぱいに発酵してるけど…。
生酛の酒母は14日目だと言うのに「ポチョン」とも発酵してる気配がない。
(発酵してるとふつふつと泡が出るんです)
私「これ大丈夫ですかね❓」
おやっさん「他の酒蔵も勉強に来るけど、皆んな怖がってやらない。うちは酵母菌の数も一般的な酒造りと比べると数100分の1ぐらいしかいないから、とにかく時間がかかる訳です」と
自分は、最初に手間をかけて後は酵母菌が元気に育つ手助けをするだけだと言う。
「むしろ余分な酵母菌はいらないので、残したい酵母菌だけ成長させるので、その他の酵母菌は大量虐殺してるわ」
ある時期に温度を急激に上げると、弱い酵母菌は死に強い酵母菌だけが生き残る。しかし、ほとんどの酒蔵はそこまで温度を上げる事に躊躇する訳です。そこで温みとりと言う作業(酒母の強い菌だけを残す為、温度を30°近く上げる)亜硝酸出ない訳だ。
「世間一般の酒蔵で造る生酛は、ほとんど酵母の発酵を促す○○を添加してるから、あれは偽生酛や」ガッハッハって…
辛口の純米酒で有名な竹鶴酒造の杜氏は、言葉も辛口だった。
そうこうしてるうちに、先ほど「出麹」を済ませて放冷作業中の現場に移動。
のっぺりと広げて放冷するのではなく、少しでも均一に冷却できるよう こんな凸凹を付けるのは、手作業で放冷される酒蔵は皆んな同じ(いわゆる車のラジエターやエアコンのフィンと理屈は一緒)
しか〜〜し❗️
「こんな模様を見ると、こうしたくなりますよねぇ」と、長慶寺くん。
おやっさん「ガッハッハっ❗️」
ガッハッハって…(2回目)
そして最後に、おやっさん自ら「きき酒」の準備。
全てきき終えて思ったのは、全て純米酒なのにほとんどがアルコール度数21度を超えている。香りは、かなり控えめ。常温と言っても、蔵内は冷蔵庫と同じ温度ぐらいでグッとくるアルコールが強く感じる。
そう竹鶴酒造の売りは
「燗にして美味しい辛口の純米酒」なので、冷酒を楽しむとか食事なしでも美味しいとは違う日本酒な訳だ。
手のひらで、きき猪口を温めると角のあるアルコールが優しくなり含む味わいも徐々に変化を見せる。
冷酒の時に隠れていた甘味が出てくると共に沸き立つ酸味と渾然一体となる。温度を上げると更に際立つ事は間違いない。
やはり「竹鶴」は燗やな❗️
そんな事を考えながらも、気になって仕方ないのが
雑然と置かれたワインの空ビン🍷
私「おやっさんは、ワインも好きなんですか❓」
と聞けば
何でも飲むけど、ワインは勉強になる。美味しかったワインを忘れないように、空ビン置いてある。
ワインは、日本酒以上に食べ物との相性もストライクゾーンが狭いし難しいけど面白いなぁ思って。(もちろんワイン以外にも他メーカーの日本酒や焼酎も勉強の為に飲むと言う)
自分とこの日本酒しか飲まない杜氏は、あかんな❗️
そもそも日本酒で「日本酒ソムリエ」とか「マリアージュ」とかアホ違う⁉️と
日本酒は「干渉力」や「包容力」で合わせる。
ピンポイントは、存在しないと。
(私も全く同じ意見だ)
体調も違えば、好みも違う。男と女の味覚も違う。そもそも20歳の女の子と60歳のオッさんが同じ舌を持っている訳ないでしょう❓
ワインは日本酒より「合わない」が多いからソムリエが必要やけど
そんなもん、いらないから日本酒や❗️ガッハッハっ(3回目)
事前に聞いてはいたけれど
ほんまに凄い人です(2回目)
最初、長慶寺くんが「俺は仕事あるので、後はおやっさんのトーク楽しんでください」って言ってたけど。
この事やったんか‼️
これが、現在おやっさんお気に入りのワイン。
京都のとある店で飲んだら「最初は、まぁ不味くはないけどな」ぐらいやったらしいが
「身体が反応しだして、舌で普通と思ったワインを身体が美味しいと言い出しやたらにお腹が空いてきた不思議なワイン」だと。
凄くわかる気がする。味覚は、舌だけではないのだ。
この人は、感性が豊かなんや。
夕方になり、そろそろお暇(おいとま)しようと思っているのに
おやっさんのトークは続く。
「ウィスキー造りについて軽く2時間ほど語りましょうか?」
それまでにも、何とか締めようと(蔵の二階で板間にスリップは、ほぼ限界…)
「いゃ〜〜❗️ほんと勉強になりました。じゃそろそろ…」とか3回ぐらい言ったし。
さすがにウィスキー造りの説明は辞退して、最後に集合写真。
おやっさんを中心に、仲良しの「ハジメ」のメンバーと
そして竹鶴社長と玄関で
長慶寺くん
石川杜氏
竹鶴社長
お忙しい中、誠にありがとうございました。
「燗して美味しい食中酒」竹鶴
これからは、いなせや系列にもしっかりと品揃えしたいと思います。
今回も村上の出番なし。。。
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