馳走いなせや奮闘中!

京都柳馬場三条上ルの町屋料理屋「馳走いなせや」
オーナー(通称大将)の酒と食の奮戦記。

2014年蔵訪問記「美吉野酒造編」

2014年02月27日 | Weblog
最近巷で有名な吉野の美吉野酒造(花巴)さんを訪問。

大正時代から創業されてる、比較的新しい酒蔵さん。
(日本酒造りの世界は創業うん百年とかの蔵がほんま多い)
まず通された事務所からは、吉野川がドーン!
洗米場の壁?は、石垣造り…??
案内頂いた橋本専務兼杜氏の説明で蔵横の道路から降りるスロープの石垣だと言う事が判明。

なるへそ、しかし冷えるわ~!
奈良県産の「吟の里」
初めて知りましたが、立派な酒造好適米との事。
他にも奈良県産の「山田錦」や美山錦の改良米等、全て奈良県産の米にこだわっておられます。
大きな蒸し器には花巴のこもがおしゃれ!?に巻いてあり
山廃の木樽も数年前から導入。
吉野杉で囲った麹室は、独特の香りが立ち込めてますが

広っ!めちゃめちゃ広いやん。

「昔は桶売りしてたので、設備ばかりが大きくてほんま困ってますわ」と橋本君。

確かに昔の酒蔵は、大多数が桶売りと言う大手メーカーに納める日本酒を造った時代。
(逆に言えば、そうしないと小さな酒蔵は生き残る事が出来なかった訳です)

わたくしの知り合いの酒蔵さんも、立派な(巨大な)設備の中
頑張って小造りにチェンジされてますわ。
出麹室…?
デカイ。
さてさて
花巴には、漢字バージョンとひらがなバージョンがあります。

漢字バージョンは、蔵付きの天然酵母で造ったお酒。
ひらがなバージョンは、酵母を添加した速醸造りのお酒です。

タイプとしては、酸がしっかりしたお酒と比較的酸が少ないお酒と思ってます。
事務所で橋本専務のお父さんが
「わしは、昔から酸が多い日本酒が好きで
お蔭で鑑評会は、一度も取れんかったわ」と豪快に笑ってます。

基本的に鑑評会の出品酒は、酸を抑え香りやバランスに重点おきますので

わたくし的に、全く面白くない(あくまで、個人の意見です)

さて、そんなお父さんの影響を受けて育った息子が造ったお酒は
やはり、酸が多い(口の中、唾だらけになる)複合酸の日本酒。

こんなん、食べ物なしで飲めへんやろ~~!
(まぁ若干おおげさやけど…)
ぐらい個性的なお酒。

料理屋とすれば、これを使いこなせなあかんやん!
無難な料理に無難なお酒は、よその店に任せて

ぐぉぉぉ~!な料理にふぐゎゎゎ~!なお酒を提案したい訳です。
(抽象的過ぎるし…)

午後1時を過ぎ
「お昼ご飯でも食べにいきましょか?」と橋本君。

せっかくだからと、吉野山の山頂にある「蔵王堂」に案内してくれました。

凄みあります。
なんたって世界遺産。なんたってアイドルとは、訳が違います(当たり前やけど、ネタ古過ぎる)

山頂の空気と共に、まさしく心が洗われますわ。
花巴の飲める、山頂近くの蕎麦屋さん。
久しぶりに蕎麦の香りが立ち込める旨さ。
そして、蕎麦団子も一切の味付けなく甘くて旨い!
通された個室のラジカセの横には、ボンジョビのLP…?
写真右から花巴の橋本君・美味しいお蕎麦屋「矢的庵」オーナー・馳走いなせや料理長の川村。

いやいや、ほんまお世話になりました。
これからも、どうぞよろしくお付き合い下さいませ。