夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

歌学び、初学び (その十四)

2014-11-09 23:36:28 | 短歌
立冬は一昨日だったが、今日は朝から初冬の景物である時雨模様の空。
午後になり、降り止まぬ雨の中を、先月は参加できなかった「初心者短歌講座」に向かう。

  もみぢ葉をいや染め増して神無月冬のはじめの時雨降りつつ


今月の講座には、5名が参加。
後半の詠歌の披講(ちょっと大げさか…)と添削で、私は先週、京都で「鳥獣戯画」を見たことを詠んだ歌を提出した。

(提出歌)
  国宝の「鳥獣戯画」を一目見むと京都国立博物館に行く
この歌は、初句は「高山寺の」の方がよいかも知れないが、まあこのままいこう、と言われた。

(提出歌)
  おそらくは一生一度の絵ならむと思へば待つも楽しくありけり
(添削後)
  おそらくは一生一度の絵ならむと思へば待ちてゐる間も楽し
(提出歌)
  みな人の目元なごませ頬ゆるめ兎と蛙の弓くらべを見る
(添削後)
  人らみな目元なごませ頬ゆるめ兎と蛙の弓くらべを見る

感想
今回は準備不足で、あまりよい歌が詠めず、ただ三十一文字にしたというだけの感じになってしまった。
先生は、最後の歌に○を付けてくださり、
「鳥獣戯画は面白いね。僕は何十年来、歌誌のカットに使ってるけど。」
と言って笑っておられた。
確かに、わが結社の歌誌は、カットに「鳥獣戯画」のウサギやカエル、サルたちの水浴び、相撲などの絵が使われている。
ここで先生と今日の参加者たちとで、しばし「鳥獣戯画」の話題になった。

今回の講座の前半は、木下利玄についてのお話だったが、それはまた明日に。