夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

タイピスト!(その3)

2013-12-13 23:28:47 | 映画
内容紹介の続き
次のタイプライター速打ち大会に向けて、ルイの猛特訓が始まる。
ルイは、ローズがタイプを10本指で打てるようになるために、こと細かにアドバイスを与える。
ここで、運指を覚えるため、左右それぞれの指で打つべきキーに赤・青・緑などと色を塗るだけでなく、ローズの指も、同じ色のマニキュアで塗って練習する場面が出てきて、思わず笑ってしまった。


ある日、ローズが特訓に耐えかね、
「もう無理。指が痛い。」
と音を上げると、ルイは、
「背筋をまっすぐにすれば痛くならない。君は筋肉が硬い。それが問題だ。」
と言い、ローズがタイプを打つ姿勢をよくするために、ピアノを習わせることにする。
しかも、そのレッスンを親友のボブの妻で、元恋人のマリーに頼む。


正直、ここでのルイの感覚は理解しがたかった。
ローズは、ルイに好意を抱き始め、
「あなたって、とてもバカね。鬼コーチのふりして、本当はとても優しい人。」
と言い、どんなシゴキにも耐え、まっすぐにルイに向かってくるようになっている。
そんなローズを、人妻になっていても自分が未練を感じているマリーについてピアノを習わせるというのは、どういう発想なのだろうか?ローズは、ルイを恋する気持ちから次第にきれいに、エレガントになってきているのに、その変化にも気づかないのはまったく鈍感なヤツだと腹が立った。


やがて大会の日を迎え、ローズは順調に予選を勝ち進み、準決勝、決勝も制して地方大会で圧勝。
ルイは、ローズを全仏大会に出場させるため、さらに特訓をして鍛えると言い渡す。
後日、ルイはローズの誕生日に、ケーキとプレゼントを持ってきてくれる。しかし、ローズが喜んでプレゼントを開けると、
「僕が作った。これでキーを見ないでも打てる。時間の短縮になる。」
なんと、タイピングの速度向上のための秘密兵器だった。
「何時間もかけて作った。君のためだ。」
とルイは言うが、ローズは自分が利用されていると思い、不満を爆発させる。


ローズと気まずくなったルイは、
「お互いのために、休暇にする。クリスマスの間は帰省して、父親と仲直りしろ。」
実は、ルイがローズを実家に帰らせたのには他にも訳があり、クリスマスにルイは父母たち家族を自分の家に招いて過ごそうとしていたのだ。
ローズは久しぶりに帰郷するが、父親は留守で、こじれた仲の修復もできない。母からは、地方大会で優勝したローズは、女の子の憧れになっていると言われるが、
「私の特技は速打ちだけ。楽しかったのも最初だけよ。」
と苦しい胸中を打ち明ける。実家にも居場所のないローズを、結局マリーがルイの家に送り戻し、その家族にルイの婚約者として紹介する。