夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

面接委員会

2013-12-10 23:55:18 | 日記
この頃、勤務校の柔道場前に、カイノキ(楷樹)が真紅に色づいている。
今年は猛暑の影響が懸念されたが、晩秋初冬の厳しい冷え込みで、例年になく紅葉が美しい気がする。


さて、私の担任するクラスでは、先週までに推薦入試の結果が少しずつ出始めた。
今年はこれまでにないほど多くの生徒を推薦・AO入試に出願させているのだが、現在までのところ、おおむね良好な結果が出ている。

この好調を支えているのが、本人の努力と教員スタッフの尽力であることはもちろんだが、もう一つの要素として、わがクラス内の「面接委員」システムがある。
これは、推薦入試で必ず課される面接・口頭試問への対策を、主に生徒同士でやらせてしまおうというもので、今年は推薦・AO受験の生徒が多いので、担任の手が回りきらず、苦肉の策で生徒たちに大半を任せたらうまくいったのである。

本校の進学指導課に過年度の受験レポートがあるので、それをもとに面接官の数、配置、質問された内容を生徒に伝え、面接スタッフをクラス内でそのつど選抜し、空き教室や会議室を使って模擬面接や口頭試問を行っていった。
質問や進行の上手な生徒、実際に面接を経験した生徒を核として「面接委員」を招集し、推薦入試を近い時期に控えた生徒は後ろの方で見学させるなどして、受験するのは一人でも、なるべく多くの生徒をそれに関わらせるようにした。

基本的な質問は生徒にやらせ、専門的な質問や教科に関する問題は教員が行い、全体の監督は私か、理科担当の教員が務めた。
生徒たちは非常に飲み込みが速く、面接時の挨拶や挙措動作から、質問に対する答えの内容や応答の仕方について、適切な意見・アドバイスを言うようになった。これらすべてを一人の教員が細かくチェックするのは不可能だし、指摘される生徒だって嫌だろう。やはり、級友同士だからこそ受け入れやすいことも多く、一方で互いに切磋琢磨して受験に向かう雰囲気作りにも役立ったように思う。

先週の金曜日、年内最後の面接・口頭試問対策が終わった後で、週末に推薦入試を受けに行く生徒たちを激励した。
「このクラスの面接委員は最強だ。その指導で特訓したのだから、自信を持って受けてこい。」
私はふだん、人前ではめったに褒めたりはしないのだが、この時は心底、クラスの生徒たちを頼もしいと思った。

わがクラスの誇る面接委員が、今後もさらに合格者を伸ばしてくれることを期待している。