夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

ジャパン・ライブCD『ハートブレイカー』

2013-07-17 23:43:01 | JAPANの思い出・洋楽


一昨日、西新宿の「STRANGELOVE RECORDS」で見つけた。
以前(2012/12/24)紹介したライブCDの『ハートブレイカー』(1978年7月31日、イギリスのカムデン・ミュージック・マシーンでの公演を収録)とは別物。
1979年3月10日、ジャパン初来日時の大阪フェスティバル・ホールでのライブを収録したCD。
収録曲は以下の通り。

1.Don't Rain on My Parade
2.Obscure Alternatives
3.Love Is Infectious
4.Deviation
5.European Son
6.Suburban Love
7.Suburban Berlin
8.Rhodesia
9.Somtimes I Feel So Low
10.Adolescent Sex
11.The Unconventional
(アンコール)
12.Heartbreaker
13.Automatic Gun


CDを再生すると、前触れもなくいきなり、1.「パレードに雨を降らせないで」の曲が始まる。のっけから観客(特に女性)は大騒ぎ。「でびっどー!!!」と呼ぶ声など、絶叫というよりほとんど金切り声。
改めて、ジャパンは当初、日本ではルックス先行で、アイドル的に受けとめられていたことを認識した。

観客の聴取態度にも驚く。2.「苦悩の旋律」のイントロ開始と共に、客席から手拍子。そういう曲かなあ?(苦笑)

前年11月に2ndアルバム『苦悩の旋律』をリリースしたばかりなので、8曲中7曲がセットリストに入っているが、わずか8ヶ月前のロンドン公演より演奏技術やデヴィッドの歌唱法が上達していることを感じる。
また、2.「苦悩の旋律」の後奏がレコードとは少し違っていたり、4.「若き反抗」も、曲が始まる前にデヴィッドが“Deviation!”と紹介しているのに、サビまではまるで別の曲のように聞こえたりするのは、おそらく当時彼らが試行錯誤を繰り返し、"ジャパン・サウンド"を確立する道程にあったことを物語っているのだろう。


ジャパンのスタジオ録音アルバムには未収録の曲だが、5.「ヨーロピアン・サン」があったのは、この時期にこの曲が…と驚く。
ジャパンは2ndまではハードロックに黒人音楽やシンセサイザーを融合させたような曲調のものが多いのだが、「ヨーロピアン・サン」は、大胆にエレクトロポップの要素を導入し、3rdアルバム『クワイエット・ライフ』(1979)の方向性を予告したようなサウンドになっている。
アンコールの2曲、12.「ハートブレイカー」、13.「オートマティック・ガン」は大盛り上がりで、CDで聴くだけでも会場の熱気が伝わってくる。
前回聴いたロンドン公演(78年7月)のCD『ハートブレイカー』と、今回聴いた大阪公演(79年3月)の『ハートブレイカー』を聴くことで、初期ジャパンのよさを見直し、また彼らの短期間での成長も感じることができた。