最近、はまっているのが、ワルター・ギーゼキングの弾くシューマン「ダヴィッド同盟舞曲集」の音源。これが凄い!園田氏が渡欧して最初に衝撃を受けたとある。シューマンには他にも沢山の傑作があるが、「ダヴィッド同盟舞曲集」がいかに素晴らしい作品なのか、これを聴けばすぐにわかる。全体を通して起伏に富んだドラマを見ているかのようだ。ライブ音源のようで、スタジオ録音では冷静なギーゼキングが時に激情して、破綻寸前までもっていっているところがある。そうかと思うと第2曲や14曲では極上の歌い込みがあり、聴いている者の涙を誘う。フランスものも得意なギーゼキングが、その類いまれなテクニック・音色を駆使すると同時に、ライブならではの一期一会の即興性が光る。また、ギーゼキング自身がこの作品にいかに愛着をもっていたか、それがリアルに伝わってくる感じだ。録音こそ古いものの、十分にその凄みは伝わってくる。あのホロヴィッツもギーゼキングには一目置いていたそうだが、この演奏を実際に会場で聴いたら、どんなに衝撃が大きかったことだろう!
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