効率主義と成果主義

この十年間でわれわれの社会は大きく様変わりした。どの組織でも、ゆとりと連帯感が失われ、居心地が悪くなっているのではないか。その元凶は、効率主義と成果主義の導入であろう。確かに、かつての日本の社会システムには、大きな無駄があったことは否めない。そのままでは、現在のグローバルな競争社会には生き残れないであろう。しかし、これが高ずると、一部の人たちだけが社会に適応し、脱落者や反乱者がはびこり、より収拾がつかない世の中になるではないか。人間の心の安静を脅かすような効率主義、成果主義であってはならない。