ギエルジヨド氏演奏会

2012-05-07 18:40:47 | Weblog
知名度と実力は必ずしも正比例しない。先日、催されたギエルジヨド氏演奏会。お名前は存じ上げなかったが、ポーランド音楽界では重鎮とのこと。そのオールショパンのプログラムには驚嘆すべき素晴らしさがあった。まず特筆すべきは、その音色の見事さ。ピアノを弾いているというよりも、音色の中に、旋律を溶け込ませているという印象。これは自分の中では初めての体験であった。そして、作品を知り尽くした上で、余裕をもって濃淡をくっきりと描き分けている。固い音は皆無。あくまでもしっとりしていて、やわらかい。こういった演奏は、まず録音には録りきれないであろう。まさしく「いつまでも聴いていたい音色」であった。自分はポーランド出身・マルクジンスキのショパンのレコードを聴いて育ったが、ポーランドの音楽界の裾野の広さを改めて実感することとなった。

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