ライナーとルビンシュタイン

2019-06-08 17:05:11 | Weblog
わずか3曲のレコーディングをもって仲違いをしてしまった名指揮者ライナーと巨匠ルビンシュタイン。54年録音のブラームスピアノ協奏曲1番を聴くと、いろいろと考えさせられる。冒頭からオーケストラの音圧が凄まじい。当然負けじとピアノの音圧も凄いが・・。とくにピアノが始まるしばらく前、ティンパニが入る所。凄まじい落雷があったかのような趣きだ。音程のピッチも故意に変えているのか?その瞬間、序奏を聴いていたルビンシュタインは武者震いをしたのではなかったか!曲の終わりまで両者一歩も譲らず、丁々発止が続く。聴いていて、スリリングですらある。巨匠同士の共演は愛好家の間では望まれるところだが、レコーディングまではなかなかこぎつけるのが難しいのだろう。所属レーベルの問題もある。カラヤンとリヒテルのコンビもチャイコフスキーの1番だけで終わってしまった。その後のカラヤンの指揮するコンチェルトは、カラヤン主導だと思われるものばかりだ。コンチェルトでは指揮者ソリストどちらか一方が主導権を握りすぎていると、やはりつまら
ない!ピタリとそろっていなくても、両者の音楽性がぶつかり合い、戦っている様子も聴いていて痛快である。コンチェルトというものは、やはり一期一会の世界なのだろう。

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