六川くんのリサイタル

2017-08-26 21:55:50 | Weblog
六川くんのリサイタルを10年ぶりに聴いた。名ピアニスト・アラウの奏法に憧れ、高卒後、単身バルセロナへ。高弟フィッシャー女史に学んだ。15年の年月を費やし、満を持して臨んだリサイタル。ブラームスの後期作品集・作品116〜118とバッハ=ブゾーニのシャコンヌ。体の重みを鍵盤に載せる重力奏法。それがうまく体得され、柔らかなPから、強靭なFFまでダイナミックスのコントラスト。間合いをたっぷりとり、時間的・空間的に広がってゆくような演奏。これは、まさしくアラウの奏法だと思った。日本ではあまりお目にかかれないタイプの奏法だ。それがブラームスの後期作品にぴったり合う。10年前、六川くんがアラウの系統にこだわるのはどんなものか?と正直思ったが、彼が選んだ道は正解だったと、今日、確信した。会場には桐朋学園学長・音楽評論の第一人者・梅津先生もお越しになり、後の会では親しくお話をすることができた。(ちなみに梅津先生は、ちゃゆみん・こみにも、ピアノがんばってね!と優しく声がけをしてくださった。ありがたい限りだ!)六川くん、漸く自らのスタイルが確立され、これからの活躍が本当に楽しみになってきた!

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